未知のスペックを信じたい。@新人公演『ロミオとジュリエット』
2011年1月19日 タカラヅカ さて、雪組新人公演『ロミオとジュリエット』を観て、感動したことのひとつは。
衣装部さんって、すごい! ……だったりする(笑)。
観る前に友人たちと喫茶店でぐだぐだやりながら、「お衣装は替わってるよねえ」「そりゃそーよ、だって本役の衣装が入るわけナイもん」「きっとちえちゃんたち、星組さんの衣装になってるわよ」と決めつけていたんですよ。
「よかったねー、もう1着ずつあって!(笑)」と、のんきに話しておりました。
主役の咲ちゃんは縦にはもちろん、横にも丸ぷくだし、しょうくんは縦にはもちろん、がっちり男っぽいし、がおりくんは横はともかくとして、縦には本役よりずっと大きいわけだし。
や、実際の彼らがどうかはよくわかってないけど、舞台上から受ける印象として。
あのミニマムな本役さんたちの衣装を着られるとは、思ってなかった。
そしたらなんと!
みんなちゃーんと、本役さんの衣装を着てるんですよ!!
タカラヅカってすごいな。いろんな体格の子が着回し出来るようにしてあるんだ。
そしてまあ、舞台上のロミオ、マーキューシオ、ベンヴォーリオの3人が……大きい。
ちびっこトリオを見慣れた目には、すらりと長身のイマドキの若者たちトリオがまぶしくて……(笑)。←こあらさんのご贔屓は、そのちびっこトリオの中でもいちばん小さいだろう人ですよ(笑)。
ロミオの白い舞踏会衣装はパンツに黒レースのラインが入ってるんだけど、太股部分は太く、足先に向かってどんどん細くなっていくデザインなの。
キムくんが着ているときは、同デザインのスターブーツの間際でもレースは太いままなんだけど、咲ちゃんだとすごーく細くなってた……あのレースの太さの差が、ふたりの脚の長さ……もとい、身長の差なわけだ。
トリオの中でも咲ちゃんがいちばん大きいので、衣装のラインの差が大きい。
ロックテイスト黒燕尾も、がおりくんが着るとあんなにすっとして見えるのか……「狂気の沙汰」のリフレインの方で、ひとりくるくる踊るがおりくんとまっつの、スタイルの差に愕然(笑)。←だからわたしのご贔屓はその、いちばんのちびっこさんだってば(笑)。
『ロミオとジュリエット』は秀逸なミュージカルであり、それゆえに役者のポテンシャルを引き出す効果があると思う。
『エリザベート』や『スカーレット・ピンパーネル』がそうであるように。
もともと10の力のある舞台人が、10以上の力を発揮しちゃうような。
数あるタカラヅカ的駄作たちだと、役者がどんなにがんばってももともとの作品が悪いため8ぐらいの力しか出せなかったり。どんな駄作もすべて10以上の力でもって名作・感動作に変えられる人は天才ってやつで、そうそういないので、そんな特殊な人のことは置いておいて。
『ソルフェリーノの夜明け』や『ロジェ』で10以上の力を出せなんて無理は言わない(笑)。ただ、『ロミオとジュリエット』なら、ソレも出来るだろうって思うんだ。
ベニーの新公『スカピン』が近年まれに見る大盛り上がりだったように、作品がキャストを底上げしちゃうことがあるんだ。
もちろん、最初から容量のない人はどんだけ作品が良くてもダメかもしんないが、本人も周りも「オレのMaxは10」と思い込んでいたけれど、実は15まであったとか。今まで誰も気付いていなかった未知のスペックが開花するとか。
そーゆーことを起こしてしまう力のある作品だと思うの、『ロミジュリ』も。
だからとても期待して観劇した。
で。
……期待が、大きすぎたのかもしれない。
わたしが勝手に夢見ていたのは、そのポテンシャルが作品力にのってぱあっとはじける・花開くこと。
なにかしら未知の魅力に出会えること。
良いのか悪いのかわかんないけど、なんかすげえもん観た!!と無我夢中で拍手すること。
手堅く地味に小さくまとまった「良い新人公演だわったね」というデキ……を観たかったわけではなかったんだな。
あとにして思えば。
構成演出が酷すぎて、物語に集中しにくかったこともあるけど、「爆発的なナニか」「よくわかんねーけど、すごいもん観た!」と思うよーな新公ではなかった。
そして、しみじみと「この作品の歌って、ほんとに難しいんだな」と思った。
咲ちゃんにしろりんきらにしろさらさちゃんにしろ、歌ウマで通っている人たちだ。カレンちゃんだっていの莉ちゃんだって。
だけどその歌唱力でどーん!とねじ伏せてくれる、聴き惚れさせてくれることはなかった。
彼らもものすごーく歌い込めばもっともっとうまくなるんだろうけど、なんか一様に「足りない」歌声だった。
や、もちろん、ヘタじゃない。ふつーにうまい……及第点ってやつだと思う。
でもそれは、客席で聴いていて鳥肌がたつよーな、身震いするよーな「ドラマ」のある歌声ではなかった。
1回きりの新公だからこそ、そーゆー「奇跡」が起こるかもしれない、と思ってわくわくしてたんだけどなあ。
なんつーかものすごく、真面目な新公だった。コケてもいいから大技にチャレンジ!というより、絶対失敗しない規定演技をきっちりやります的な。
スタンドプレイしろってゆーんじゃなくて。うーん。
自分たちで枠を作って、その中で収めることを第一目標にした新公っぽい印象を受けた。
やはりそれは、主役の印象が大きいかなあ。
ロミオ@咲ちゃんは3回目の新公。本公演やDCでも主要キャラを演じている、すでにベテラン新人っつー人。
崖っぷち感より慣れの方が大きいのか、「ロミオってこんな感じ」という想定内のロミオをきっちり演じた。
歌ウマさんだし、なにもかも平均点以上ある人だし、ナニが悪いっつーわけでもないんだが……つまんなかった……。
この間のジュリアーノ@『はじめて愛した』のときの方が、面白かったなあ。
面白いかどうかで語るなっつーもんかもしれんが、エンタメですよ、「スター」ですよ、なんかわかんないけど目が離せない!という魅力を、わたしはアタマ悪く「面白い」という言葉でくくってみたりする。
せっかく『ロミジュリ』という大作なんだもの、もっと「面白い」咲ちゃんの姿が見たかった。
失敗しない手堅くまとめた咲ちゃんではなく、大失敗しちゃったけどすげー面白かった咲ちゃん、が見たかったなあああ。
いや、若々しくてかわいいロミオでした。適度に甘くて、悲劇的で。ふつーにロミオでした。……ふつーでないロミオでも良かったのになー。←しつこい。
衣装部さんって、すごい! ……だったりする(笑)。
観る前に友人たちと喫茶店でぐだぐだやりながら、「お衣装は替わってるよねえ」「そりゃそーよ、だって本役の衣装が入るわけナイもん」「きっとちえちゃんたち、星組さんの衣装になってるわよ」と決めつけていたんですよ。
「よかったねー、もう1着ずつあって!(笑)」と、のんきに話しておりました。
主役の咲ちゃんは縦にはもちろん、横にも丸ぷくだし、しょうくんは縦にはもちろん、がっちり男っぽいし、がおりくんは横はともかくとして、縦には本役よりずっと大きいわけだし。
や、実際の彼らがどうかはよくわかってないけど、舞台上から受ける印象として。
あのミニマムな本役さんたちの衣装を着られるとは、思ってなかった。
そしたらなんと!
みんなちゃーんと、本役さんの衣装を着てるんですよ!!
タカラヅカってすごいな。いろんな体格の子が着回し出来るようにしてあるんだ。
そしてまあ、舞台上のロミオ、マーキューシオ、ベンヴォーリオの3人が……大きい。
ちびっこトリオを見慣れた目には、すらりと長身のイマドキの若者たちトリオがまぶしくて……(笑)。←こあらさんのご贔屓は、そのちびっこトリオの中でもいちばん小さいだろう人ですよ(笑)。
ロミオの白い舞踏会衣装はパンツに黒レースのラインが入ってるんだけど、太股部分は太く、足先に向かってどんどん細くなっていくデザインなの。
キムくんが着ているときは、同デザインのスターブーツの間際でもレースは太いままなんだけど、咲ちゃんだとすごーく細くなってた……あのレースの太さの差が、ふたりの脚の長さ……もとい、身長の差なわけだ。
トリオの中でも咲ちゃんがいちばん大きいので、衣装のラインの差が大きい。
ロックテイスト黒燕尾も、がおりくんが着るとあんなにすっとして見えるのか……「狂気の沙汰」のリフレインの方で、ひとりくるくる踊るがおりくんとまっつの、スタイルの差に愕然(笑)。←だからわたしのご贔屓はその、いちばんのちびっこさんだってば(笑)。
『ロミオとジュリエット』は秀逸なミュージカルであり、それゆえに役者のポテンシャルを引き出す効果があると思う。
『エリザベート』や『スカーレット・ピンパーネル』がそうであるように。
もともと10の力のある舞台人が、10以上の力を発揮しちゃうような。
数あるタカラヅカ的駄作たちだと、役者がどんなにがんばってももともとの作品が悪いため8ぐらいの力しか出せなかったり。どんな駄作もすべて10以上の力でもって名作・感動作に変えられる人は天才ってやつで、そうそういないので、そんな特殊な人のことは置いておいて。
『ソルフェリーノの夜明け』や『ロジェ』で10以上の力を出せなんて無理は言わない(笑)。ただ、『ロミオとジュリエット』なら、ソレも出来るだろうって思うんだ。
ベニーの新公『スカピン』が近年まれに見る大盛り上がりだったように、作品がキャストを底上げしちゃうことがあるんだ。
もちろん、最初から容量のない人はどんだけ作品が良くてもダメかもしんないが、本人も周りも「オレのMaxは10」と思い込んでいたけれど、実は15まであったとか。今まで誰も気付いていなかった未知のスペックが開花するとか。
そーゆーことを起こしてしまう力のある作品だと思うの、『ロミジュリ』も。
だからとても期待して観劇した。
で。
……期待が、大きすぎたのかもしれない。
わたしが勝手に夢見ていたのは、そのポテンシャルが作品力にのってぱあっとはじける・花開くこと。
なにかしら未知の魅力に出会えること。
良いのか悪いのかわかんないけど、なんかすげえもん観た!!と無我夢中で拍手すること。
手堅く地味に小さくまとまった「良い新人公演だわったね」というデキ……を観たかったわけではなかったんだな。
あとにして思えば。
構成演出が酷すぎて、物語に集中しにくかったこともあるけど、「爆発的なナニか」「よくわかんねーけど、すごいもん観た!」と思うよーな新公ではなかった。
そして、しみじみと「この作品の歌って、ほんとに難しいんだな」と思った。
咲ちゃんにしろりんきらにしろさらさちゃんにしろ、歌ウマで通っている人たちだ。カレンちゃんだっていの莉ちゃんだって。
だけどその歌唱力でどーん!とねじ伏せてくれる、聴き惚れさせてくれることはなかった。
彼らもものすごーく歌い込めばもっともっとうまくなるんだろうけど、なんか一様に「足りない」歌声だった。
や、もちろん、ヘタじゃない。ふつーにうまい……及第点ってやつだと思う。
でもそれは、客席で聴いていて鳥肌がたつよーな、身震いするよーな「ドラマ」のある歌声ではなかった。
1回きりの新公だからこそ、そーゆー「奇跡」が起こるかもしれない、と思ってわくわくしてたんだけどなあ。
なんつーかものすごく、真面目な新公だった。コケてもいいから大技にチャレンジ!というより、絶対失敗しない規定演技をきっちりやります的な。
スタンドプレイしろってゆーんじゃなくて。うーん。
自分たちで枠を作って、その中で収めることを第一目標にした新公っぽい印象を受けた。
やはりそれは、主役の印象が大きいかなあ。
ロミオ@咲ちゃんは3回目の新公。本公演やDCでも主要キャラを演じている、すでにベテラン新人っつー人。
崖っぷち感より慣れの方が大きいのか、「ロミオってこんな感じ」という想定内のロミオをきっちり演じた。
歌ウマさんだし、なにもかも平均点以上ある人だし、ナニが悪いっつーわけでもないんだが……つまんなかった……。
この間のジュリアーノ@『はじめて愛した』のときの方が、面白かったなあ。
面白いかどうかで語るなっつーもんかもしれんが、エンタメですよ、「スター」ですよ、なんかわかんないけど目が離せない!という魅力を、わたしはアタマ悪く「面白い」という言葉でくくってみたりする。
せっかく『ロミジュリ』という大作なんだもの、もっと「面白い」咲ちゃんの姿が見たかった。
失敗しない手堅くまとめた咲ちゃんではなく、大失敗しちゃったけどすげー面白かった咲ちゃん、が見たかったなあああ。
いや、若々しくてかわいいロミオでした。適度に甘くて、悲劇的で。ふつーにロミオでした。……ふつーでないロミオでも良かったのになー。←しつこい。
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