初演は観ていません、『ル・ポァゾン 愛の媚薬II』。だから初見ショーとして観劇、星組中日公演初日。

 なんか岡田ショーを観たのが久しぶりな気がする。最近登板ナイよね?
 新作を作る能力がなく、過去作品の切り貼りでお茶を濁す作家、というイメージなので、大劇場に登板してもらわなくてぜんぜんかまわないんだが、中劇場で再演というカタチならば良いのではないかと思った。
 新作ですら過去作品の切り貼りなんだから、最初から再演で、しかも複数作品からの良かった場面の寄せ集めなら、さらに失敗がなくて良いのではと。

 また、今の星組と岡田作品の相性もいい。
 コテコテに一昔前に「タカラヅカ」なところが、実に心地良い。
 ちえねねテルは「現代」のタカラヅカを象徴するような、きれいでスタイルのいいスターさんたちだけど、あのビジュアル特化ぶりは昔ながらのタカラヅカを象徴表現するのにも向いている。

 なんかしみじみと、「タカラヅカを観た」と思わせてくれる組だわ、星組。
 ゴテゴテのわけわかんねーよーな、派手派手衣装に負けてないんだもの。ラテンで関西なノリとセンスってゆーか。ぎとぎとやりつつ、白くキラキラもアリ、いきなり白鳥に乗って王子様が登場してもOK!な世界観の人々というか。
 昔は星組のそーゆーとこが苦手だったんだが、今はソレがうれしくて仕方ない……って、わたしが年をとっただけかもしんないけど。
 装飾過多色彩過多ゆえにできあがる陰影と濃度、そこに創り出される何十年前と同じ「タカラヅカ」という文化、「タカラヅカ」というファンタジーがそこにある。

 ポスターと同じ姿で登場するかなめくんの美しさ。衣装トンデモないのに、ソレに負けていない美貌。美しいという武器、おごりの春のまばゆさ。
 そして、やはりポスターの衣装かな、抱き合ったまま登場する赤い衣装のれおんくんとねねちゃん。このふたりが密着しているだけでテンション上がる、胸がハクハクする。
 濃ゆいタカラヅカっていいな! 新しくないのがイイ、前世紀の古さを大切に守っているのがイイ。

 ちえねねテルのトライアングルが大好きなので、かなめくんの組替えがかなしい。
 長身ビジュアル系のトリオだけど、ひとりずつまったく持ち味がチガウ。そのバランスが好きなんだ。

 今回は作品ゆえか、かなめくんがちゃんと2番手だった。
 いやその、それまでのショー作品ってかなめくん2番手としての仕事もらってなかったよね? 『ソウル・オブ・シバ!!』は2番手あかしだったし、『BOLERO』と『宝塚花の踊り絵巻』はれおんくんひとり舞台だったよねえ?
 特に直近に観た『宝塚花の踊り絵巻』で、かなめくんの場面がつなぎのカーテン前1個で、ちゃんと1場面もらってなかったせいもあり、今回は「うわ、かなめくんがショーでセンターで場面務めてる!」と新鮮に眺めました。
 大劇場にてひとりで場面を支えるのは、制作サイドから杞憂されているのかもしれないけれど、中日クラスの箱ならばOKと判断されたか。
 彼の場合、雪組4番手からあれよあれよというポジションアップだったから、いろいろ追いついてないんだよね。こうしてひとつずつスキルアップしていってくれるといいな。……もう組替えしちゃうけど。

 予備知識ナシに観ているもんで、途中で突然『ナルシス・ノワール』がはじまり、おどろいた……。
 わたしはシメさんスキーで、この公演は複数回観ているのよ……。

 ちえテルは絡ませたくなる美しいふたり。
 体格的、ビジュアル的にはお似合いのふたりで、衣装もわかりやすく白と黒だし(笑)、ネッシーさんとシメさんのときに感じた「身長差が残念」な感じはなく、まさに光と影。
 ……なんだけど、「色気」の方向性が違って、なんともこそばゆい「アンダルシアの孤独」でした(笑)。
 いや、きれいだよ。きれいなんだけどねー……。楽近くだとまた違っているのかな。

 それにしても星組は上級生多いなってゆーか、センター付近に多すぎ(笑)。
 トップスターの両脇がくみちょーとみきちぐ、娘役でかわいこちゃんポジが花愛さんと白妙さんって……実力者たちなのはわかるけど、もう少し見た目もなんというか……。(失礼な)

 ねね様はすばらしいねね様でした。
 あのおみ足の美しさ! スリット万歳。
 加えて、喪服萌え。
 ねねちゃんには夢が広がるなあ。いろんな衣装見てみたい、いろんなシチュエーションを見てみたい。
 ぶりっこから背徳の女まで、なんでもござれだもんなあ。

 アダムとイブもかわいかった。ねねちゃんキュート! れおんかっけー!
 しかし、れおんの英語のカタカナっぷりには現実に引き戻された(笑)。ねねちゃんの舌っ足らずな英語はかわいーんだけどなー。

 フィナーレの取って付けたよーな「ちえねねテルトリオを惜しむ」場面は、オリジナルでしょうか?
 こーゆーあざとい演出するのが、タカラヅカの美点だとありがたくいただきます。あーん、この3人好きだよおお。
 
 あ、しーらんはもちろんショーでも最初からアクセルふかしまくりでした。芝居とちがってセンターで踊ってくれなかったので、わたしの真ん前に来てくれることがなかったのが残念っす。
 あ、唯一センターだったのが、女装場面。
 男がマグロでも女が喘いでいればなんとなく格好が付く、みたいな感じで、とても素敵でした(笑)。テルさんが薄いのに、女装しーらんがひとりぶっちぎりで喘いでて……実によい悶えっぷりでした。男がテクニシャンに見える!……かもしれない(笑)。いやその、観ていて思わず目が泳ぐ体験をしました……誰だこのふたりを組ましたの(笑)。

 そーいや、前の場面には出ていないのに、麻央くんは何故ひとり汗だくで頭飾りもなくロケットに出遅れぎりぎりに飛び出してきたのか不思議でしたが……彼がその前に出ていた場面に一緒に出ていた人たちは、みんな涼しい姿でロケット出てるのに。まあ、彼はセンターだからひとりだけ衣装が違っても、「そういう役」だと思ってもらえたかな?
 初日だからいろいろハプニングはあるし、固さや緊張感はあるにしろ。
 よい舞台でした、ああ楽しい。

 今回わたしは改めて、みっきーを好きだと思いました。うむ。

 
 そーいやプログラムの写真を見たら、れおんくんはまだ短髪のままでした。
 『ロミジュリ』『愛と青春の旅だち』仕様のショートヘアで、ヅラなしの通常タカラヅカな芝居やショーはどうするつもりだろうと思ったら、実際にはもうずいぶん伸びていて、ふつーにリーゼントしてた。
 ……ゆえに、ちょっと残念に思ったわたしがいる。れおんくんのショート好きだったなあと。
 そして、リーゼントを作れる長さにはなっているとはいえ、バリエーションを作れるほどではないらしく、シンプルなおじさんリーゼントが基本になっていたなあ。
 これからさらに髪が伸びたら、もっともっとオトコマエなれおんくんが芝居でもショーでも観られるはず。

 いやとにかく中日公演楽しすぎ。組担は思い存分通ってヨシだ、うらやましい。

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