『ロミオとジュリエット』、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ、続き。

 乱闘最中。
 ベン様は必死にマーキューシオ@ちぎくんを止めている。だけど激昂しているマーさんは猛犬状態。
 止めに入ったロミオ@キムくんに邪魔されるカタチで、ティボルト@ヲヅキに刺されている。

 ここで切ないのは、ベンヴォーリオが、すべて目撃しているということ。

 親友が刺される、その瞬間を見ているんだ。
 刃がカラダに吸い込まれるさまを。

 ロミオは見ていない。だから、マーさんが倒れたときに「刺されたのか」とか「血が出てる」とか言うんだ。ナニ呆けたことを。刺されてんだよ!と、端から見ているとつっこんじゃう巡りの悪さ。

 ロミオはそんな状態だけど、ベンヴォーリオはチガウ。
 親友が刺されるさまを目のアタリにし、呆然とする。

 しかも、その直前に彼は止めようとしているんだ。
 走り出すマーキューシオを止めようと手を伸ばしている。
 だけどそれが適わず、彼の手は空を切っている。

 掴みかけた手が、空を切り……親友を求めたままの手のカタチ、それを残したまま……目撃するんだ、親友が、刺される様を。

 ソレ、どんだけトラウマ。
 PTSD行きの衝撃ですよ、フラッシュバックで苦しむ光景ですよ。

 もしも自分が間に合っていたら、あと1秒早く動いていたら、マーキューシオは死なずに済んだかもしれない。
 って、これは痛恨。底知れぬ悔恨。ベン様の責任じゃないけど、きっと彼は自分を責める。

 ベン様の受けた苛酷な傷にずきずきする。

 実際、マーさんが刺された瞬間からベン様別人だし。

 倒れたマーさんに駆け寄るために、赤チームの女の子(ひーこだったかな)を突き飛ばすし。
 いまわの際のマーさん相手に、どうしたらいいかわかんなくて横でおろおろしているし。
 それまでの大人っぽいベンヴォーリオからはかけ離れた、力無い姿。多分、年相応の少年の顔。
 大人ならもっとなにかしらてきぱき動けるのかもしれないけど(医者の手配をしたり、応急手当をしたり?)、子どもである彼らは嘆くだけでナニも出来ない。
 声や言葉に出して嘆くロミオと違い、ベンヴォーリオは言葉もなくただマーキューシオを見つめている。

 ここはマーさんの演技次第で、ベン様のリアクションも微妙に違っている。
 マーさんがベン様の腕を掴んで離さないときとかはそのままにしてあるし、反対にベン様がマーさんの腕を掴んでいたりするし。
 マーさんが大暴れしているもんだから、絶対にこう、とは決まっていない様子。
 最初のウチは「愛する友よ」でがっつりベン様の顔を見ていたマーさんなんだけど、公演が進むにつれイッちゃった演技に拍車が掛かり、ろくに目が見えてない様子(笑)。ベン様もそれに合わせて距離感変えてるし。
 そこまでイッちゃう手前の、しっかりベン様とアイコンタクトしていたマーさんが好きだなー。
 マーさんの暴れっぷり次第で、彼の手を握るバージョンがある。先に腕を握られたり、手が遠すぎたりしたときはしてないけど。うまくキャッチできたときは、ベン様が親友の手を握る。
 んで、マーさんが臨終するとその手がすべり落ち、ベン様呆然。

 ベン様が声を上げて泣き出すまでは、けっこうタイムラグがある。
 しばらくは人形のようにかたまってる。
 ロミオの絶唱に合わせて、はじめて全開で泣くというか。

 この場面でひそかに心配していたのは、マーさんに頭突きされそうってこと(笑)。

 マーさんは「ロミオの腕の中」って歌うけど、最初はベン様の腕の中で、歌いながらロミオに向き直るからロミオが引き受けるけど、ベン様も抱けるほど近くにいるわけで、その距離でいかにも臨終しましたの「がくっ」という首振りをすると……ベン様の鼻面に頭突きがキマりそう……。
 見ていて何度もはらはらした。

 ここでうっかりベン様が鼻血出したりしたら、台無しだもんなああ。

 やっている人たちも不安だったのか、どんどんベン様の位置がマーさんから離れていったような?
 後半は頭突きの心配をしなくていい位置取りになっていたと思う(笑)。

 マーさん死んでから、ベン様も彼を抱く……んだが、ロミオが動き出したのを見て、せっかく抱いていたマーさんの肩を放り出す。(マーさんはまなはるがキャッチ)

 マーキューシオが刺された場面を目撃したあとは、ロミオが刺す場面を目撃するのね、ベンヴォーリオ。

 他の誰でもない。両方をつぶさに目撃したのは、ベンヴォーリオのみ。
 ……トラウマ一直線。
 フラッシュバックするよコレ絶対。

 無力に立ち尽くすベン様。
 周囲の女の子たちががおーがおー吠えてんのに、彼には一言もない。
 や、無理ナイって。ベン様の立場になってみろって話。

 彼が正気に戻るのは、モンタギュー夫妻登場にて。
 モンタギュー夫人@ゆめみちゃんの顔を見て、我に返ったよーに説明をはじめる。

 大人相手にきちんと喋ることが出来る、子なんだよな、ベンヴォーリオ。
 だからロミオママにも一目置かれている。
 こんだけたくさん人がいるなか、ロミオママも迷わずベン様のところに行くし、信頼されてるんだと思う。

 加えて、大公閣下@しゅうくん登場。
 「ロミオは今どこに」と問う彼が、ベンヴォーリオの方を見るのが萌え。

 大公閣下、「ロミオのことはベンヴォーリオに聞け」と思ってるんだ? ロミオママが「親友ならロミオを捜してちょうだい」と言うのと同じ? 大人たちから見たロミオとベンヴォーリオの関係、そして大人たちとベンヴォーリオの関係って、そーゆーことなんだ?
 この局面で話しかける相手はベン様なんだ? もともと交友あるんだ君たち? や、マーキューシオの叔父(伯父?)ってことは、ベン様にとっても親戚とか血縁とかにあたる相手だとは思うが、それ以外にも。
 
 芝居ラストに、大公がベン様の肩だの腰だのを抱く様子で袖にはけていく場面があるだけに、ここからもふたりの関係を想像しますな。

 ロミオ登場、「殺すつもりはなかった」と釈明する親友の言葉に、いちいち「うんうん」と頷くベン様萌え。
 心はひとつ、ロミオと一体化しているかのようです、ここのベン様。

 
 続く。

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