それはパッションな青春野郎。@第97期宝塚音楽学校文化祭
2011年2月20日 タカラヅカ 第97期宝塚音楽学校文化祭に行ってきました。
本科生はまだジェンヌではないので、ここでは名前を書きません。劇団が芸名も発表してくれればいいのに。
てことで、名前ではなく書く。
ディーンくんが、面白い。
以前の文化祭記事でも書いたが、「ポピュラー・ヴォーカル」は構成が決まっていて、成績優秀・男役度高し・劇団期待のヒト、これらの要因のどこかに当てはまる男の子が、クライマックスで『ディーン』か『丘の上のジョニー』の歌を歌う。
コテコテに盛り上げた演出で、コテコテな「ザ・タカラヅカ!」な歌を、ひとりでどーんっと歌うんだ。
だから開演前にプログラムでチェックする。今年は『ジョニー』じゃなくて『ディーン』ね、他はともかく、『ディーン』を歌う子の名前はチェックしておかなきゃね。ふむふむ、この子がこの期のキーパーソンのひとりだな、と。
(ちなみに、歴代『ディーン』ポジションの男役。89期・五十鈴ひかり、90期ナシ、91期・紫門ゆりや、92期・真瀬はるか、93期ナシ、94期・和海しょう、95期・ひろ香祐。ナシの年はクライマックスを務めるのが娘役)
誰ひとり知り合いがいるわけでもない、ただのミーハーおばさんとして客席に坐り。
純粋に歌唱力披露の「クラシック・ヴォーカル」が終わり、歌唱力プラス「タカラヅカ」力を披露する「ポピュラー・ヴォーカル」コーナーになる。
タカラヅカ主題歌メドレーを歌う場面だ。
幕が上がり、ぞろりと舞台上に並んだ97期生たちが一斉に歌い出す。曲は「タカラヅカ・グローリー」。
これが、なかなか、その、微妙で(笑)。
全員でコーラス、途中3人とか4人とかの少人数でも歌うんだけど、決してうまくはなく。
お化粧は言わずもがな、衣装の着こなしもアレなタカラヅカ未満の子どもたちが一生懸命笑顔を浮かべて歌い踊っているわけですよ。
文化祭なわけだから、こちらも完璧なモノは求めちゃいない。彼らの一生懸命さ、キラキラぶりを愛でに行っている。だから微妙でも足りてなくても無問題。なにもかも微笑ましい。
そんななかで。
「がんばってます」なだけの歌い継ぎのあと、さも真打ち登場!というよりに、ひとりの少年がマイクを持ってセンターに現れた。
ナニそのモミアゲ?!
ぷれすりーみたいなモミアゲでした……。
太くて、横書きなの。
他の子たちがみんな細くて先がとがっている縦書きモミアゲなのに。ひとりだけ、気合いの横太モミアゲ……しかもなんか頬に向かって跳ね上がってる……?
『ベルサイユのばら』の原作マンガでいうところのニコラスみたいな髪型で、その少年は登場した。
そして。
歌い出した。
堂々たる、ソロ。
「みんな、今日はオレに会いに来てくれてありがとう! オレのソウルを聴いてってくれ!!」
と、言ったわけではないが、そんな声が聞こえそうなソロっぷりだった。
いや別にキミに会いに来たわけぢゃないからっ。てゆーか誰よキミ?!!
しょっぱなから、腹がよじれた。
声出さないよーにするのに必死。
ナニこれ面白い!!
思わずプログラムをチェックした。前方席ゆえステージの照明で手元も明るいの。
こんな登場をする子って、ひょっとして、と。
予感的中。
この子が、『ディーン』を歌う子だ!!
ちょ、このひとりでぶっとびまくった濃ゆい芸風の子が、あの恥ずかしい『ディーン』を歌うの?
そりゃたのしみだー!!
オープニングからワクテカが止まらない!(笑)
てゆーかディーンくん、マジで濃すぎ、アピリすぎ。ちったぁ落ち着け!てな芸風。
気合いのモミアゲにびびったが、顔立ちはタニちゃん風? 宙組に組替えしたばかりで、なんか不思議なキザりを開眼したあたりのタニちゃんを彷彿とする。鼻とか口元とかアゴのラインとか、特に似てる気がした。
されど、歌はうまいらしい(笑)。芸風に釘付けで歌唱力にまでわたしの意識が向かなかったが、ヘタではないんだろう、気にならなかったってことは。
てゆーか、声でかすぎ。
他の場面でも、やたらうるさいのがいる、と思ったらディーンくんだった。コーラスのひとりとして上手のいちばん端で歌っているのに、下手にいるわたしのところまでびんびんに届いてくる……何人いても、それが彼の声だとわかる。
クライマックスの『ディーン』も、期待に違わぬ恥ずかしさでした……。
もともとキザな演出なのよ、そーゆー曲なのよ。それをもお、顔芸しまくりで歌われると……。
笑いツボ入りまくりで、こらえるのに必死。
こんだけうるさい芸風なので、「演劇」ではどうなのかと思ったら、芝居ではふつーに優等生役を演じていた。
谷正純作の人情劇で、2番手役かな、とーっても人情あふれるいかにも谷せんせ作品のイイ奴!を。
ウルサイ芸風だが、芝居で暴走はしないらしい。が、温度の高さは十分に伝わった。
そして、ラストの「ダンス・コンサート」。
こいつ、めちゃくちゃうるさい!!(笑)
存在が派手で、目に付く。とにかく、華やか。
技術がどうなのかわたしにはわかんないけど、とにかくもー、表現欲が半端ナイ。
ふつーのヒトの何倍かの馬力で動いてる印象。
ぶっちゃけ好みの顔ではないので(笑)、他の子を見ようとしているのに、持って行かれる。
てゆーかマジで面白いこの子。
えっと、わたしが観たのは日曜日の昼公演。
だから3回目の公演であり、初日でも千秋楽でもない。たった1回だけの新人公演ってわけでもない。
なのにこのディーンくんは、「止まったら倒れるんぢゃね?」って勢いでひとりでうおーうおーと動きまくり、大騒ぎの大アピールをしまくったあげく。
すべてのプログラム終了、代表の女の子がひとりセンターに残り、他の出演者たちはみんな舞台端から奥へ整列、代表者が「ありがとうございました」と挨拶をする……そのときに、ぶおうぶおうと、泣きじゃくっていた。
挨拶しているのは自分じゃないのに、女の子の言葉のひとつひとつに大きく頷きながら、ひとりでマジ泣きしていた。
ちょ……っ。
なんなんだヲイ。
別に初日でも千秋楽でもこれ1回こっきりでもないだろーっ?!
つまり、ソレがキミのデフォルトなのか。日常の温度や速度がソレなのか。
なんだか、もお。
この子を見ていると「青春」って言葉を思い出したよ。
わたしにそんなもんがあったかどうかではなく、世間一般で、主にフィクションの中で使われる「青春」。
目の中に星を輝かせて、涙は心の汗だとか、夕日に向かってばかやろーってゆーか。
もらい泣きしたよ。
ほんっと面白いなディーンくん。
おかげで、他の子の印象が薄い……(笑)。今年の文化祭は彼一色だわ。
あとでちゃんとプログラムを確認したら、中卒でしたよ。17歳か……若っ。
でもって、今年から何故かある「好きな言葉」という欄には、「PASSION」と書いてあった……パッションか……ははは、なるほど。
星組に配属されないかなー、とか思った(笑)。
何年もあとになってから、こっそり追記。
このものすげーうるさいおもしろい男の子、宙組の留依蒔世くんです(笑)。
2016/09/27
本科生はまだジェンヌではないので、ここでは名前を書きません。劇団が芸名も発表してくれればいいのに。
てことで、名前ではなく書く。
ディーンくんが、面白い。
以前の文化祭記事でも書いたが、「ポピュラー・ヴォーカル」は構成が決まっていて、成績優秀・男役度高し・劇団期待のヒト、これらの要因のどこかに当てはまる男の子が、クライマックスで『ディーン』か『丘の上のジョニー』の歌を歌う。
コテコテに盛り上げた演出で、コテコテな「ザ・タカラヅカ!」な歌を、ひとりでどーんっと歌うんだ。
だから開演前にプログラムでチェックする。今年は『ジョニー』じゃなくて『ディーン』ね、他はともかく、『ディーン』を歌う子の名前はチェックしておかなきゃね。ふむふむ、この子がこの期のキーパーソンのひとりだな、と。
(ちなみに、歴代『ディーン』ポジションの男役。89期・五十鈴ひかり、90期ナシ、91期・紫門ゆりや、92期・真瀬はるか、93期ナシ、94期・和海しょう、95期・ひろ香祐。ナシの年はクライマックスを務めるのが娘役)
誰ひとり知り合いがいるわけでもない、ただのミーハーおばさんとして客席に坐り。
純粋に歌唱力披露の「クラシック・ヴォーカル」が終わり、歌唱力プラス「タカラヅカ」力を披露する「ポピュラー・ヴォーカル」コーナーになる。
タカラヅカ主題歌メドレーを歌う場面だ。
幕が上がり、ぞろりと舞台上に並んだ97期生たちが一斉に歌い出す。曲は「タカラヅカ・グローリー」。
これが、なかなか、その、微妙で(笑)。
全員でコーラス、途中3人とか4人とかの少人数でも歌うんだけど、決してうまくはなく。
お化粧は言わずもがな、衣装の着こなしもアレなタカラヅカ未満の子どもたちが一生懸命笑顔を浮かべて歌い踊っているわけですよ。
文化祭なわけだから、こちらも完璧なモノは求めちゃいない。彼らの一生懸命さ、キラキラぶりを愛でに行っている。だから微妙でも足りてなくても無問題。なにもかも微笑ましい。
そんななかで。
「がんばってます」なだけの歌い継ぎのあと、さも真打ち登場!というよりに、ひとりの少年がマイクを持ってセンターに現れた。
ナニそのモミアゲ?!
ぷれすりーみたいなモミアゲでした……。
太くて、横書きなの。
他の子たちがみんな細くて先がとがっている縦書きモミアゲなのに。ひとりだけ、気合いの横太モミアゲ……しかもなんか頬に向かって跳ね上がってる……?
『ベルサイユのばら』の原作マンガでいうところのニコラスみたいな髪型で、その少年は登場した。
そして。
歌い出した。
堂々たる、ソロ。
「みんな、今日はオレに会いに来てくれてありがとう! オレのソウルを聴いてってくれ!!」
と、言ったわけではないが、そんな声が聞こえそうなソロっぷりだった。
いや別にキミに会いに来たわけぢゃないからっ。てゆーか誰よキミ?!!
しょっぱなから、腹がよじれた。
声出さないよーにするのに必死。
ナニこれ面白い!!
思わずプログラムをチェックした。前方席ゆえステージの照明で手元も明るいの。
こんな登場をする子って、ひょっとして、と。
予感的中。
この子が、『ディーン』を歌う子だ!!
ちょ、このひとりでぶっとびまくった濃ゆい芸風の子が、あの恥ずかしい『ディーン』を歌うの?
そりゃたのしみだー!!
オープニングからワクテカが止まらない!(笑)
てゆーかディーンくん、マジで濃すぎ、アピリすぎ。ちったぁ落ち着け!てな芸風。
気合いのモミアゲにびびったが、顔立ちはタニちゃん風? 宙組に組替えしたばかりで、なんか不思議なキザりを開眼したあたりのタニちゃんを彷彿とする。鼻とか口元とかアゴのラインとか、特に似てる気がした。
されど、歌はうまいらしい(笑)。芸風に釘付けで歌唱力にまでわたしの意識が向かなかったが、ヘタではないんだろう、気にならなかったってことは。
てゆーか、声でかすぎ。
他の場面でも、やたらうるさいのがいる、と思ったらディーンくんだった。コーラスのひとりとして上手のいちばん端で歌っているのに、下手にいるわたしのところまでびんびんに届いてくる……何人いても、それが彼の声だとわかる。
クライマックスの『ディーン』も、期待に違わぬ恥ずかしさでした……。
もともとキザな演出なのよ、そーゆー曲なのよ。それをもお、顔芸しまくりで歌われると……。
笑いツボ入りまくりで、こらえるのに必死。
こんだけうるさい芸風なので、「演劇」ではどうなのかと思ったら、芝居ではふつーに優等生役を演じていた。
谷正純作の人情劇で、2番手役かな、とーっても人情あふれるいかにも谷せんせ作品のイイ奴!を。
ウルサイ芸風だが、芝居で暴走はしないらしい。が、温度の高さは十分に伝わった。
そして、ラストの「ダンス・コンサート」。
こいつ、めちゃくちゃうるさい!!(笑)
存在が派手で、目に付く。とにかく、華やか。
技術がどうなのかわたしにはわかんないけど、とにかくもー、表現欲が半端ナイ。
ふつーのヒトの何倍かの馬力で動いてる印象。
ぶっちゃけ好みの顔ではないので(笑)、他の子を見ようとしているのに、持って行かれる。
てゆーかマジで面白いこの子。
えっと、わたしが観たのは日曜日の昼公演。
だから3回目の公演であり、初日でも千秋楽でもない。たった1回だけの新人公演ってわけでもない。
なのにこのディーンくんは、「止まったら倒れるんぢゃね?」って勢いでひとりでうおーうおーと動きまくり、大騒ぎの大アピールをしまくったあげく。
すべてのプログラム終了、代表の女の子がひとりセンターに残り、他の出演者たちはみんな舞台端から奥へ整列、代表者が「ありがとうございました」と挨拶をする……そのときに、ぶおうぶおうと、泣きじゃくっていた。
挨拶しているのは自分じゃないのに、女の子の言葉のひとつひとつに大きく頷きながら、ひとりでマジ泣きしていた。
ちょ……っ。
なんなんだヲイ。
別に初日でも千秋楽でもこれ1回こっきりでもないだろーっ?!
つまり、ソレがキミのデフォルトなのか。日常の温度や速度がソレなのか。
なんだか、もお。
この子を見ていると「青春」って言葉を思い出したよ。
わたしにそんなもんがあったかどうかではなく、世間一般で、主にフィクションの中で使われる「青春」。
目の中に星を輝かせて、涙は心の汗だとか、夕日に向かってばかやろーってゆーか。
もらい泣きしたよ。
ほんっと面白いなディーンくん。
おかげで、他の子の印象が薄い……(笑)。今年の文化祭は彼一色だわ。
あとでちゃんとプログラムを確認したら、中卒でしたよ。17歳か……若っ。
でもって、今年から何故かある「好きな言葉」という欄には、「PASSION」と書いてあった……パッションか……ははは、なるほど。
星組に配属されないかなー、とか思った(笑)。
何年もあとになってから、こっそり追記。
このものすげーうるさいおもしろい男の子、宙組の留依蒔世くんです(笑)。
2016/09/27
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