花組新人公演『愛のプレリュード』観てきました。

 がりんくん、べーちゃん、新公主演おめでとー。

 がりんくんっつーと新公『太王四神記』でいきなりヒョンミョン役で「誰?!」だったあの子ですよ。大劇場でいきなりソロ披露した無名の研2! でもってそのあと『宝塚巴里祭2009』ですよ。……え、『巴里祭』が大問題、すげー大きな話題だったのはわたしだけですか? 世の中的には新公でオスカル役をやった、てことの方が大きな話題?
 とにかくがりんくんっつーと、「歌ウマ」認識。
 かわいこちゃんで、女役とか子役とか回ってくる系の男の子、アイドル系。93期、現在研4。
 ……まちがってないよね、認識?

 かわいこちゃんで女の子っぽいイメージがあったので、すらりとスーツを着こなしフレディーとして登場した姿に、「おおっ」と驚く。
 スーツ姿きれいじゃん、かっこいいじゃん。
 たしか芝居は出来る子だったよね、単にまだ「男役」になっていないだけで……と思っていたら。

 えー、前半、歌でびびりました……(笑)。

 歌ウマさんなの。それは間違ってないと思うの。
 ただ……男役のキーでは、歌えない。

 低音が、出ない。
 歌があちこちぶちぶちと途絶えるよーに、出ない音がある。
 が。
 かわりに、出しやすい音になると、これでもかと響かせる。

 ギャップすげえ……。

 1曲の間に、うまいとうまいヘタ以前の部分が数小節おきに入れ替わる。

 すげえなコレは(笑)。
 てことで、前半の歌はクチがあんぐり開いたままでした。

 低音が出ないのは、台詞声も同じ。
 終始少年のような高い音色。
 スーツ姿がきれいだから惜しい……。声は重要だよなあ。男に見えるか、オンナノコに見えるか、声の在り方は大きく左右している。

 とはいえこれは新人公演なので。
 周囲も似たよーなもんだから、次第に気にならなくなる(笑)。
 現に、歌も後半は気にならない。ふつーに「芝居」として観ているので。

 大人の男には見えなかったけれど、新公だからこそのアツさでアリかなと。
 まっすぐな、素直なフレディー。
 大人ぶってかっこつけてるところは、「お前がソレを言うのか(笑)」って感じなんだが、ふつーに話してるときはいいな。
 子役でも女役でもなく、ちゃんとした男の役でこれだけお芝居しているところをはじめて見た、わけだ。
 芝居に向き合っている、感じ。自然に演じるところには到達していないけれど、まず、真面目に向き合ってる印象。手こずってる部分もまた、逃げたり誤魔化したりで目を背けていない……からこそ、手こずっている、手に余っている。
 向き合っているならきっとまだこれから、伸びるだろう。芝居が好きそうで、舞台が好きそうだもん。
 それが伝わってくるもんなー。

 てゆーか、がりんくん云々以前に。

 ひどい話だねコレ、と、スズキケイの作品自体に苛立ちが募った(笑)。
 
 新公の演出もスズキケイ。
 見た目も技術も「子ども」の下級生たちに植爺的大芝居、スーツ物なのに歌舞伎をやらせてるもんだから、ストーリーの粗がさらによくわかるというか。

 本公演はすごいね、本役さんはすごいね。この脚本を、演出を、力業で成立させてるんだもん(笑)。

 とりあえず、最後の、男ふたりのラヴシーンはいたたまれなかった。

 まとぶさんと壮くんでも大概だけど(笑)、男役度の低いオンナノコたちでやると、目が泳ぐわ……。
 『Dancing Heroes!』で男装したオンナノコたちが一生懸命耽美な雰囲気を出そうとして、客席をいたたまらなくさせていた場面を思い出した。園加が登場するまでの、あの「コレを見せられて、あたしたちどうすればいいの?」という感じ……(笑)。

 いやその、ジョセフ@まゆくんはよくやってました。
 メインキャストの中では貫禄の部類。うまくなったね彼。

 とはいえやはり彼も若いので、ガチホモシーンは難易度が高すぎたなと(笑)。いやホモがうまく出来なくても、彼らのイケメン人生になんの問題もないと思う!

 そしてこれはまゆくんからいつも感じることだけど、彼の演じる役はとても健康だ。
 まともで、ふつう。
 ジョセフもなんだか納得のいく、ふつーのヒトに見えた。
 トンデモ脚本なのに、なんとなくアリ、こんなヒトいるよね、に思えるからすごい(笑)。
 ジョセフにはジョセフなりの事情があって、グレてるんだよー、と。
 本役さんだと、そんな次元の話ぢゃなく見えるからねえ……。(アレはソウカズホという、別次元のイキモノだから)

 ただ、がりんくんとまゆくんの並びは、魅力を相殺する感じじゃないかな?
 どっちも輪郭が丸くて女の子っぽいかわいこちゃんで。学年がいけばそれぞれキャラも立つんだろうけど、今現在は見た目のみの話になるので。
 ここに野郎度の高い子が入れば、また違って見えるんだろうな。

 
 初ヒロインのべーちゃんは、去年のスカフェのかわいこちゃん。
 素顔のかわいさと、ショーなどでモブに混ざっているときの美少女ぶり!が素敵な93期研4……という認識。ヒロイン決まったときはうれしかった。
 スッチーコス最強!@『EXCITER!!』とか、それぐらいしかわかってなくて、実はちゃんと芝居しているのを見たことがない。

 こんな声だったんだ……。

 と、ナニよりも「舞台声」に驚いた。

 スカフェとしてテレビで喋っている声とチガウ。あのときはふつーにきれーな女の子の声だったのに。
 舞台で聞くと、その「ふつーの女の子の声」は、あまりきれいに聞こえない……。

 なんつーんだ、「芝居声」ぢゃないっていうのか。
 割れた響きがあるというか。
 脇の女の子ならこの声でもいいけど、ヒロインの声にはちょっと説得力が足りない……と思った。ごめん。
 テレビタレントならともかく、舞台女優は「美人声」が必要だよなあ。

 もっともべーちゃんの顔は好きだ。
 プロローグの髪型だとなお良し。一瞬しか出てこないけど。
 が、本編の前髪ぱっつん少女ヘアは難度高かったっぽい……髪型とお化粧は要研究だと思うけれど……あのカエル顔はかわいいなあ。

 本公演よりもフレディーとカップルらしく見えたのは、男ふたりがガチホモにはきつい感じだったからか。
 や、がんばってフレディーとの間に愛をはじまらせて欲しいです……はじまってないのは仕様です、そーゆー脚本なんだもん仕方ない。

 
 男ふたりが愛し合って、女の子は男たちの言い訳に、そのへんうろうろしているだけという話だから、新公で観るとあちこち途方に暮れた。
 が、悪いのはスズキケイだっ(笑)。

 最後、緞帳降りたあとに長々銀橋でサヨナラ台詞を喋らせることで、全部長消しにしていた本公演。
 そこの部分をさくっと削った新公は、間違った感に充ち満ちた物語でございましたのことよ。

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