さあ、今度こそ最終回、ここまで長くなる予定ぢゃなかった(延びてなお全10回予定だったのに、書いてるうちにさらに延びた・笑)『ロミオとジュリエット』、こあらった目線の見どころベンヴォーリオ@まっつ。

 まっつビューは断然下手。端ではなく、センター寄りで。
 オープニングの舌出しからはじまって、ベン様の「これぞっ」てな表情は、上手端とかに坐っちゃうと見えなくなる。

 ベン様登場の最後の場面、キャピュレット家の霊廟でもそう。

 ロミオ@キムの死を知り、呆然と坐り込むベン様も、台の縁で泣き崩れるベン様も、下手からじゃなきゃ顔が見えない。
 ……がっ。
 1階で見るときは問題がある。
 泣き崩れるベン様の前に、ロミオママ@ゆめみちゃんが立ちふさがる……っ!! 見えない、ベン様が見えないよおーっ、ただでさえ小さいのに、泣き崩れてるからさらに小さくなってるんだってばーっ。(小さい小さい言うな)

 1階前方席の、まさかの罠(笑)。かといって2階席だと、舞踏会や霊廟最初の2階部分が見切れるしさー。ぶつぶつ。

 端っこで泣いてたベン様は、いったん真ん中ドセンターで恋人たちの亡骸を見つめ、そのあと意志を持って振り返り、舞台前方へ来て歌う。
 これからナニをすべきかを。その決意を。

 最後の大合唱「罪びと」……すべての人が客席に向かって力強く歌うそのコーラス・センターが、まっつ。
 人数多すぎて、あんまし声聞こえないけど、それでも彼の声を拾う。
 コーラスのゼロ番で歌うまっつなんて……!

 ここのベン様好きだ。
 あの喪失の痛々しさのあと、それでも顔を上げて、前を見て、決意を歌う。
 すべてが浄化されていく歌声。

 物語的には、ここで終了。……の、はず。
 あとはタカラヅカ版ならではの、「愛し合うふたりは天国でしあわせになりました」のデュエットダンス場面、ベン様だけでなく地上の者たちに出番はナシ。
 地に生きる者たちは、天上の恋人たちにその場を譲り、三々五々はけていく。観客もテレビカメラも舞台センターを注視、はけていくその他の人々なんか観ない……ふつうは。

 しかし。
 もちろんこあらったビューだと、ここでもわいわいがやがやモブ的な様子ではけていくベンヴォーリオをガン見。

 清々しく歌いきったあと、大公閣下@しゅうくんにエスコートされて上手へ退場するベン様に、目をむく。

 初日に見たときは驚いた……え、なんでソコ?!と。何故大公様とベン様?! でもってナニその体格差……!と、ヴィジュアル的なモノにもくらくらきました。

 でもさ、初日はともかく(ベン様ばっか見過ぎです)、それ以降にそれぞれのキャラクタたちの動線やら立ち位置やらを確認してわかったんだが、ナニ気に大公様って、ベン様が泣き崩れてるときに安置台のところへやって来てるわけよ。で、両家のボスを和解させるよう促しているんだが。
 そのときに、泣いてるベン様も見てるだろーしさ。
 あのクールなベンヴォーリオが、子どもみたいに泣き崩れてたら、そりゃ最後にはけるとき、「大丈夫か」のひとことも掛けたくなるでしょーよ。や、大公様がなんか話しかけている様子で、ベン様が頷いているようだから。わたしの脳内では「大丈夫か」ってゆーてるんですよ、大公様は。でもってベン様は「はい」ってけなげに答えてるんですよ。

 大公閣下の目には、ベンヴォーリオは「粗忽者」ではなかったろうしなあ。

 と、物語最後にノーマークだった萌えを残して去っていくベンヴォーリオ。
 このブログ宛にいただくメールにも、「最後にはけるときベン様と大公閣下、絡んでいませんでしたか?」とか書かれてて、まっつファンの食いつくところって……(笑)と、ツボりましたもの。
 

 フィナーレは「ベンヴォーリオ」ではないので、ここでは語らず。またいずれ(笑)。
 大階段パレードで、白い舞踏会衣装にマントまで付けてもらって、その上まさかのスターブーツまで履かせてもらって、にっこにこのベンヴォーリオが登場するのがもお、愉快だったり破格の扱いに混乱だったり、感涙だったり。
 あああ、ほんとにほんとにありがとう。ナニにお礼言ってるんだか、すべてのものに、ひとに、ありがとうなキモチ。
 

 『ロミオとジュリエット』はほんとに素晴らしい作品で、何度観ても楽しくて、新たな発見があって、大好きだ。
 この作品で、大好きなご贔屓が、素敵な役を演じていた。
 そのことが、うれしくてならない。

 ほんとに大好きなんだ、ベンヴォーリオ。
 彼主役に二次創作したいくらいだ(笑)。同人誌出したいくらいだ(笑)。
 いやその、わたし貴腐人だから書いたらBLになっちゃうけどな(笑)。

 舞台はナマモノ、そしてナマモノの宿命として、なにひとつ同じモノはなく、カタチに残らない。すべては、消えてゆくさだめ。
 わたしが必死に追ったベン様も、映像には残らない。

 だからせめて、書き残す。
 偏った、わたし個人の目に、心に映ったベンヴォーリオを。

 粗忽者と呼ばれた、あのクールな女ったらしで、かっこよくてかわいい男のことを。

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