『ロミオとジュリエット』、感想つれづれ。

 ロミオ@キム、笑いすぎ!と、思う(笑)。彼の笑顔は大好きだ。
 ロミオとジュリエットお約束のバルコニー、あそこでどうしても気になることがひとつ。
 「月に誓おう」と歌ったロミオに対し、ジュリエットが「誓うのはやめて」と返す。
 わたしはここでロミオが笑うのが、いちばん引っかかる。
 「愛を誓おう」と言ってるのに、「誓うのはやめて」って言われたから、鼻白まないか?

 新人公演の演出はひでーもんだったが、唯一ここだけは好き。咲ちゃんロミオが「月に誓おう」と歌い、あゆっちジュリエットが「誓うのはやめて」と返す。ジュリエットがどうして誓いを拒絶したのか、理由を聞くまでロミオは不安そうに切なそうにジュリエットを見つめている。
 「月は姿を変える。あなたの愛も変わる」と、ジュリエットが愛を失うことをおそれて言っていること、月に誓うのがNGなだけで、愛を誓うこと自体はOKなんだとわかったとき、ロミオははじめて笑う。うれしそうに。
 そして「変わらない愛をふたりで育てよう」と返す。

 愛の誓いを拒絶されたのに、にっこにっこ笑っているロミオは違和感。
 いやその、ジュリエットの気持ちを見透かしていて、彼女がなにを言っても笑顔しか出てこないってことなんだろうが。
 初恋ならやっぱ、ここでがーんとなっていて欲しいのよ。

 唐突なプロポーズと乳母@コマの声。
 ここのやりとりが、時折違ったのは、なんなんだろう。
 ジュリエットを捜す乳母の声がして、ジュリエットはとりあえず扉を開けて「すぐ行くわ」だっけか、声を掛ける。そんな彼女に、ロミオは「結婚しよう!」と言う。
 背中でプロポーズを聞いたジュリエットは驚いてロミオを振り返る。「なんですって?」「僕と結婚してくれ」そんなときにも、無粋な乳母の声がする。

 このやりとりが、
ロミオ「結婚しよう!」
ジュリエット「なんですって?」
乳母「ジュリエット様~?」
ロミオ「僕と結婚してくれ」
ジュリエット「今行くってば!」
 だったと思う。言葉自体はチガウかもだが、流れとして。
 乳母の声がしているのに強引に求婚の言葉を続けるロミオと、乳母の声を無視して恋人の言葉に聴き入っているジュリエット。という図が、好きだった。
 ロミオのプロポーズをちゃんと聞いたあとではじめて、扉を開けて「今行くってば!」と乳母に応える。時間を稼ぐために。

 でもときどき、台詞の順番が違ったの。
ロミオ「結婚しよう!」
ジュリエット「なんですって?」
乳母「ジュリエット様~?」
ジュリエット「今行くってば!」←
ロミオ「僕と結婚してくれ」
 コレだと、ジュリエットがロミオの求婚に集中していない気がする。
 「結婚してくれ」と言われたのに、乳母の声がしたらそっちにまず返事をするんだ、話の途中なのに、求婚している恋人を無視して。えっ、その程度なの??と思っちゃう。

 夢華さんジュリエットのときに何回かコレを見て、「夢華さんバージョン専用の演出なの? そんな差異はいらん!」と思ったんだが、いつもこの順番ではなく、正しい順番で台詞を言っているときも多かったので、単に夢華さんが間違えちゃったのかな。
 てゆーか人の生理として、強く名前を呼ばれたらそっちに反応しちゃうよね。舞台慣れしていないとつい、先に乳母に応えちゃったのかなあと思う。
 つまり、ロミオに恋してないんじゃん? 恋してたら、プロポーズしている恋人より、名前呼ばれたからと乳母に反応しないよ。夢華さんは段取りだけで芝居しているんだなあ、経験不足だもん仕方ないかなあ、と思った要因はここにもある。
 新公もそうだったっけ? 新公はあちこち演出ひどかったので、わたしがさらに悪く思い込んでいるのかもしれないが(笑)。

 ここの場面の別れ際の、「よかった、間に合って」というジュリエットの独り言が好きだ(笑)。
 ロミオの「おやすみ」が素敵なのは言うまでもなく。

 
 ロレンス神父@にわさんは、薬草を落とされたときに強く怒鳴ることが多くて、そこが苦手だった。
 取り扱い注意な薬草について言うときはべつにいいんだけど、そうじゃなくて最初のロミオがなついていったときの方。
 神父としてロミオを叱っているというよりも、よーやく登場できた、自分の出番がうれしくて張り切りすぎている、ように思えた。だって、あそこまでひどく罵る理由がわからないんだもの。登場するなり、些細なことでものすごくきつい怒鳴り方をするから、わたしはかなりびびった。それも本当に怒っている風でもないし。
 ロミオとの親密感を出すためだとしても、あんなパフォーマンス的に怒鳴る人は苦手だ……。や、現実の男の人にもいるけどさ、気さくな俺、フランクな俺、を演出するためにがさつだったり乱暴だったり、そーゆーカンチガイしている中高年。器ちっさ!!なリアリティを、こんなところで出す必要はないから、やっぱ神父の怒声は違和感だ。

 公演後半になると、むちゃな怒鳴りつけをせずに穏やかにあきれてみせたりして、その方が好きだった。だからこそ、ベラドンナを触るロミオに注意するときにはじめて声を強くすることで、その薬草の危険さやロミオへの愛情が明確になったし。
 年齢不詳だけど、老人っぽく演じていた後半が好きだったなー。長年神に仕えてきた人なんだ、とわかる方が。

 そーいや結婚式の許可をもらったロミオが神父を抱き上げるの、初日はあったんだよ。
 星組ではれおんロミオが英真神父を抱き上げてくるくる回ってたけど、雪組ではなかったよね。
 初日はキムくん、にわさんを持ち上げてた。一周しただけで終了、高さもなかったし、一瞬のことだったけど。
 やっぱキムがにわにわ持ち上げるのは無理があるんだなあ、がんばってもあれだけかあ、と思ってたら、次に見たときはなくなってた(笑)。やっぱがんばってもアレだし、なくなったんだー。
 千秋楽くらいはやるかなと思ったけど、抱きつくところが長くなるだけだったな(笑)。

 
 「綺麗は汚い」もまた、視界固定のため、ぜんっぜん把握できてない。ダメすぎ~~。
 がおりのキスぐらい、ちゃんと見たかったのになああ。
 がおりといえば、立ち見したとき、下手客席降り先頭の彼が、見事な笑顔でだーっと走ってきて、立ち見エリアのわたしたちに手を振ってくれたのがうれしかったなー。歓声上がってたぞ。やるな、がおりん。

 つっても普段のわたしは客席降りの人々をまったく見ていないので、誰がどうしてるのかわかってないっす……。あああもったいないー。

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