変わらない愛をふたりで育てよう。@『ロミオとジュリエット』東宝楽
2011年3月21日 タカラヅカ 星組の『ロミオとジュリエット』と、雪組の『ロミオとジュリエット』の、いちばん大きな違いはなんだろう?
ハコもチガウし演出もチガウし、違っていて当然なんだけど、それにしても。
わたし的にいちばん大きな違いは、「ロミオとジュリエットのラヴラヴ度」だと思っていた。
星組版を観たときは、そりゃーもー、ロミオとジュリエットにめろめろだったさ。ちえねねが好きだ、ちえねねが好きだって、ふたりがしあわせそうにしている、愛を語っている、それだけでだーだー泣けて仕方なかった。
ところが雪組版を観ても、そういう意味でのときめきは感じられなかった。
天下のラヴロマンスなのに、ジュリエット役はふたりだしさ。トップスター・キムくんの相手役は決まってないしさ。
星組で感じられた、トップコンビのお似合いぶり、ラヴラヴっぷりに没入する感覚、それが雪組にはなかったんだ。
他のタイトルならそれでもいいのかもしれないけど、なにしろ『ロミオとジュリエット』だよ? 世界でもっとも有名なラブストーリーでなんで、主役カップルの恋愛に酩酊できないの?
キムくんの持ち味的に、女の子にデレデレに恋愛するタイプじゃないしなあ。こんな状況じゃ、仕方ないか。
そう思って、そのへんはあきらめていた面があったのだけど。
雪組『ロミオとジュリエット』東宝千秋楽。
ロミオ@キムとジュリエット@みみに、泣けた。
ロミオとジュリエットが、ロミオとジュリエットであること。
ふたりが出会い、恋に落ち、愛し合う。
その過程のひとつひとつに熱いモノがこみ上げ、泣けて泣けて仕方なかった。
バルコニー場面から泣きっぱなしですよ。
ナニこいつら、かわいすぎる。
ロミオの笑顔がきゅんきゅんする。
ふたりがいじらしく、抱きしめたくなる。
この恋を、このふたりを応援したいと思う。
生きて、しあわせになるふたりを見たい。
心から、そう思う。
だから「私に勇気を下さい」と歌う乳母@コマにもさらに泣ける。
感情移入半端ネェ。
へたれるロミオに渇を入れ、立ち上がれと歌う神父@にわにわにも泣ける。
救いたい、力になりたいんだ。
神はまだ、見捨てていない。
彼らを。わたしたちを。
しあわせを欲し、愛を欲し、懸命にあがく。努力する。それらは無駄ではないはず。未来へ、希望へつながるはず。
そう信じて。望んで。渇望して。
キムみみが好きだ、キムみみが好きだ。
ふたりがふたりで過ごし、歌い、踊る、それを見るのが好きだ。
ジュリエットの強さと美しさ。
これが「ジュリエット」ではない、別の女の子だったとしても、わたしはこの子が好きだ。
そう思える魅力。
この子だからこそロミオは一目惚れして、ティボルト@ヲヅキが長年片恋を続け、乳母が味方をしたんだろう。
ヒロインを好きだと思える物語は、楽しさがチガウ。
わたしは女性だからこそ、ヒロインには共感できるものが欲しい。ヒロインを愛せる物語は、ヒーローが素敵であること以上に物語を豊かにする。
霊廟で「ふたりのパラダイス」を歌うジュリエットに号泣。
その迷いのない、強い意志。
狂ったのでも悲しみや依存ゆえでもなく、誇り高く愛を選び取る姿。
あのロミオが、愛した少女。
あのロミオを、愛した少女。
それを納得させてくれる。
ロミオはねえ、「世界の王」から泣かせてくれてさぁ。
マーキューシオ@ちぎが下手の階段で仮面付けてふざけていて、そこへ奥からロミオが「やあ」と現れて。
モンタギューの仲間たちが「ロミオー!」と迎え入れるんだけど、ここが、もお。
みんなすごい勢いでロミオにまとわりついていって。
抱きついていって。
まさかの、ショーストップ。
数秒のことであっても、舞台進行止まってた。
キムを迎える、仲間たちの姿に。
次々抱きついてくる仲間たち、それを赦して、舞台が止まる。
それが終わるまで、物語が止まる。
ああ、大変だったね。いろんなことがあったね。
だけどみんなで乗り越えてきたね。
キムくんを中心に。
雪組トップスター、音月桂を中心に、彼を信じて、彼を愛して。
昼公演を観たとき、「世界の王」で早々に手拍子が入るのに驚いた。てゆーか違和感。盛り上げたいのはわかるけど、曲がもう少し盛り上がってからでもいいんじゃね? なんでスタートと同時に手拍子なの? と思ったんだが。
千秋楽ではそんなこと感じなかった。
舞台の上で、キムと雪組っ子たちが輝いている。
愛があふれている。
そのことに励まされ、勇気づけられ、愛しさと喜びに奮える……その気持ちを、表現したい。舞台へ返したい、示したい。
そんな思いが、手拍子になる。
一緒だよ。
みんなみんな、一緒だよ。
わたしたちも、ここにいるから!! そんな思いで、手を打ち鳴らす。
いつもはカラダをぶつける程度だったロミオとベンヴォーリオ@まっつが、いきなり抱き合っていた。ハグしていた。
それを見てさらに、だーだー泣く。
まっつが、笑っている。幸せそうに、楽しそうに。仲間たちと。
それを見て、さらに泣く。
ありがとう。
誰に対してでなく、繰り返し思う。
ありがとう。ありがとう。
キムくんの安定した実力。
こんだけ問題が矢継ぎ早に起こり、いろんなものを抱え込まされて、それでもそこに立ち続け、力を出しつづける彼に敬服する。
キムの創るロミオが好きだ。
闇の気配と、素直な朴訥さ。繊細さと土着的強さ。
誰からも愛され、赦される存在。仲間たちを裏切ってなお、結局のところ愛され続けたであろう、そのキャラクタ。
フィナーレの男っぽさの対比もいい。
いろんな魅力を持った、自慢のトップさん。
『ロミオとジュリエット』のなにもかもがうれしくて、愛しくて。
キムみみが好きだ、と心から思うだけに、「どうしてみみちゃんが娘役トップじゃないんだろう」という疑問はわくし、今回の研1抜擢とWキャストの意味は最後までわからないままだったけれど。
そんな疑問に足を取られて今目の前の美しいものを見失うのは、馬鹿げている。
ロミオ@キムと、ジュリエット@みみを愛する。堪能する。このカップルが、大好きだ。
キムみみ万歳!
トップコンビのラヴラヴ万歳! それでこそタカラヅカ!
組子たちの団結とまぶしいパワー万歳! それでこそタカラヅカ!
良い千秋楽でした。
ありがとう。
いろんなもの、いろんなひとに、ただもお、ありがとう。
ハコもチガウし演出もチガウし、違っていて当然なんだけど、それにしても。
わたし的にいちばん大きな違いは、「ロミオとジュリエットのラヴラヴ度」だと思っていた。
星組版を観たときは、そりゃーもー、ロミオとジュリエットにめろめろだったさ。ちえねねが好きだ、ちえねねが好きだって、ふたりがしあわせそうにしている、愛を語っている、それだけでだーだー泣けて仕方なかった。
ところが雪組版を観ても、そういう意味でのときめきは感じられなかった。
天下のラヴロマンスなのに、ジュリエット役はふたりだしさ。トップスター・キムくんの相手役は決まってないしさ。
星組で感じられた、トップコンビのお似合いぶり、ラヴラヴっぷりに没入する感覚、それが雪組にはなかったんだ。
他のタイトルならそれでもいいのかもしれないけど、なにしろ『ロミオとジュリエット』だよ? 世界でもっとも有名なラブストーリーでなんで、主役カップルの恋愛に酩酊できないの?
キムくんの持ち味的に、女の子にデレデレに恋愛するタイプじゃないしなあ。こんな状況じゃ、仕方ないか。
そう思って、そのへんはあきらめていた面があったのだけど。
雪組『ロミオとジュリエット』東宝千秋楽。
ロミオ@キムとジュリエット@みみに、泣けた。
ロミオとジュリエットが、ロミオとジュリエットであること。
ふたりが出会い、恋に落ち、愛し合う。
その過程のひとつひとつに熱いモノがこみ上げ、泣けて泣けて仕方なかった。
バルコニー場面から泣きっぱなしですよ。
ナニこいつら、かわいすぎる。
ロミオの笑顔がきゅんきゅんする。
ふたりがいじらしく、抱きしめたくなる。
この恋を、このふたりを応援したいと思う。
生きて、しあわせになるふたりを見たい。
心から、そう思う。
だから「私に勇気を下さい」と歌う乳母@コマにもさらに泣ける。
感情移入半端ネェ。
へたれるロミオに渇を入れ、立ち上がれと歌う神父@にわにわにも泣ける。
救いたい、力になりたいんだ。
神はまだ、見捨てていない。
彼らを。わたしたちを。
しあわせを欲し、愛を欲し、懸命にあがく。努力する。それらは無駄ではないはず。未来へ、希望へつながるはず。
そう信じて。望んで。渇望して。
キムみみが好きだ、キムみみが好きだ。
ふたりがふたりで過ごし、歌い、踊る、それを見るのが好きだ。
ジュリエットの強さと美しさ。
これが「ジュリエット」ではない、別の女の子だったとしても、わたしはこの子が好きだ。
そう思える魅力。
この子だからこそロミオは一目惚れして、ティボルト@ヲヅキが長年片恋を続け、乳母が味方をしたんだろう。
ヒロインを好きだと思える物語は、楽しさがチガウ。
わたしは女性だからこそ、ヒロインには共感できるものが欲しい。ヒロインを愛せる物語は、ヒーローが素敵であること以上に物語を豊かにする。
霊廟で「ふたりのパラダイス」を歌うジュリエットに号泣。
その迷いのない、強い意志。
狂ったのでも悲しみや依存ゆえでもなく、誇り高く愛を選び取る姿。
あのロミオが、愛した少女。
あのロミオを、愛した少女。
それを納得させてくれる。
ロミオはねえ、「世界の王」から泣かせてくれてさぁ。
マーキューシオ@ちぎが下手の階段で仮面付けてふざけていて、そこへ奥からロミオが「やあ」と現れて。
モンタギューの仲間たちが「ロミオー!」と迎え入れるんだけど、ここが、もお。
みんなすごい勢いでロミオにまとわりついていって。
抱きついていって。
まさかの、ショーストップ。
数秒のことであっても、舞台進行止まってた。
キムを迎える、仲間たちの姿に。
次々抱きついてくる仲間たち、それを赦して、舞台が止まる。
それが終わるまで、物語が止まる。
ああ、大変だったね。いろんなことがあったね。
だけどみんなで乗り越えてきたね。
キムくんを中心に。
雪組トップスター、音月桂を中心に、彼を信じて、彼を愛して。
昼公演を観たとき、「世界の王」で早々に手拍子が入るのに驚いた。てゆーか違和感。盛り上げたいのはわかるけど、曲がもう少し盛り上がってからでもいいんじゃね? なんでスタートと同時に手拍子なの? と思ったんだが。
千秋楽ではそんなこと感じなかった。
舞台の上で、キムと雪組っ子たちが輝いている。
愛があふれている。
そのことに励まされ、勇気づけられ、愛しさと喜びに奮える……その気持ちを、表現したい。舞台へ返したい、示したい。
そんな思いが、手拍子になる。
一緒だよ。
みんなみんな、一緒だよ。
わたしたちも、ここにいるから!! そんな思いで、手を打ち鳴らす。
いつもはカラダをぶつける程度だったロミオとベンヴォーリオ@まっつが、いきなり抱き合っていた。ハグしていた。
それを見てさらに、だーだー泣く。
まっつが、笑っている。幸せそうに、楽しそうに。仲間たちと。
それを見て、さらに泣く。
ありがとう。
誰に対してでなく、繰り返し思う。
ありがとう。ありがとう。
キムくんの安定した実力。
こんだけ問題が矢継ぎ早に起こり、いろんなものを抱え込まされて、それでもそこに立ち続け、力を出しつづける彼に敬服する。
キムの創るロミオが好きだ。
闇の気配と、素直な朴訥さ。繊細さと土着的強さ。
誰からも愛され、赦される存在。仲間たちを裏切ってなお、結局のところ愛され続けたであろう、そのキャラクタ。
フィナーレの男っぽさの対比もいい。
いろんな魅力を持った、自慢のトップさん。
『ロミオとジュリエット』のなにもかもがうれしくて、愛しくて。
キムみみが好きだ、と心から思うだけに、「どうしてみみちゃんが娘役トップじゃないんだろう」という疑問はわくし、今回の研1抜擢とWキャストの意味は最後までわからないままだったけれど。
そんな疑問に足を取られて今目の前の美しいものを見失うのは、馬鹿げている。
ロミオ@キムと、ジュリエット@みみを愛する。堪能する。このカップルが、大好きだ。
キムみみ万歳!
トップコンビのラヴラヴ万歳! それでこそタカラヅカ!
組子たちの団結とまぶしいパワー万歳! それでこそタカラヅカ!
良い千秋楽でした。
ありがとう。
いろんなもの、いろんなひとに、ただもお、ありがとう。
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