ひょっとしなくてもまっつ、この中で最年長だよね?

 95期の礼真琴くんと比べたら、軽く10歳差……ゲフンゲフン。(ジェンヌはフェアリーです、年齢などありません)

 『14 COVERS TAKARAZUKA OTOKOUTA』、発売日に無事購入……したのはいいけれど。

 アタマからふつーに再生し……まさかの大ウケしました。
 CD聴いて爆笑するとは思わなかった。

 斉藤恒芳、トバしすぎ!!(笑)

 最初っから首を傾げてはいたんだけど、こちらもまさか、

>宝塚の“男役”である「女性」が、「男性アーティストの楽曲」をカバー!
>若手スターたちの華やかな歌声で、誰もが耳なじみのある14曲のヒット曲を収録。

 なんてコンセプトのアルバムで、作曲家のアレンジが暴走するとは思ってないぢゃないですか!(笑)

 主役はあくまでも「タカラヅカ男役」。
 このアルバムを購入するのは99%ヅカヲタで、アレンジ担当の作曲家ファンではないだろうし、収録されている男性ミュージシャンの楽曲ファンでもないだろう。

 それぞれの男役の歌を聴きたくて購入する人がほとんどだろーに、その主役たる男役の個性や歌声を打ち消す勢いで編曲家が暴走しているって、なんじゃこりゃ。

 最初の方はまだマシなんだけど、真ん中アタリで爆発し、最後でまたどかんとトバしている(笑)。
 だいもん、アーサーはマシ、みりおあたりからおかしい。途中別の人のアレンジ曲が入り、まっつでまたおかしくなり、がおりが最高峰! ここでわたしは吹き出した。そのあとまた他の人になり、カチャが大変、本人の声がわからないレベルの効果掛けまくり、みっちゃんもえらいことになって終了。

 いやはや。
 面白いな斉藤先生。

 
 斉藤先生はたぶん、真正面から「14曲収録のカバーアルバム」を作ったんだと思う。
 だから14曲通して聴くと、起承転結っていうか、音楽がドラマになっている。歌詞ではなく、曲が。
 それはとても興味深い、おもしろい作りだし、それぞれの曲も良いのだけど。

 でもね、それはひとりのアーティストが14曲歌う場合にしてくれ。

 14曲通して聴いて1作品、ってことは、なかの1曲1曲はパーツなのよ、各演出のひとつなのよ。部品なのよ。それぞれ役目があるのよ。
 でも、歌ってる人全部ばらばらなの、ひとりずつ持ち歌1曲しかもらえてないの。その状態で「部品」扱いされたらたまらん。

 歌っている男役ひとりだけ、1曲だけを取り出して考えると、その彼の個性や長所、得意分野、そして彼が選んだその曲の本来の意味、魅力とは無関係なアレンジがされているの……。

 びっくりした。

 首を傾げて聴き入り、次第に笑いツボに入り、ついには爆笑した。

 た、大変だなーこりゃ。
 すげー面白い。

 ノリノリせわしない「チェリー」とか、壮大でぽかーんな「I LOVE YOU」とか、想像の翼広げ過ぎちゃって帰ってこられなくなった「壊れかけのRadio」とか、誰が歌ってるのかわからない「Believe」とか、オモシロ曲となりはてた「悲しみにさよなら」とか。

 主役は歌う男役たちで、編曲の腕を見せつける場ではナイから! 斉藤せんせが才能豊かな作曲家であることはよーっくわかったから、コンセプトを間違えないでくれ、キミ絶対間違っただろ?? と(笑)。

 なんつーか、ヲタの世界でもあるんですよ、パロディ同人誌でも、こーゆーことって。
 人気マンガのパロディ同人誌を買ったら、原作マンガのキャラクタよりも、その同人作家のオリジナル・キャラクタが幅を利かせているってなことが。
 原作マンガのファンで、原作のキャラクタの別物語が読みたくて買ったんであって、その同人作家のオリジナルマンガだったら買ってない、興味もない! ……てことで、通常同人界でもオリキャラが登場する話は嫌われてます。プライスカードに「オリキャラ出ます」と注意書きしないとクレームの元になるくらいには。
 それと同じことをやっちまいましたね、てな。

 編曲家はもうひとりいて、こちらの方は問題なくふつーに「カバーアルバム」としての仕事をしてらっしゃいます。だからこちらの先生に当たったジェンヌはふつーに歌ってる。
 斉藤せんせに当たったジェンヌは多かれ少なかれ愉快なことに。

 言えることは、DVDがあって良かった。てこと。
 CDだけ、純粋にこのものすげーアレンジ曲のみだったら大変だった。
 DVDでジェンヌの歌う姿を見られるから、CDがジェンヌ本人の声とかけ離れていても許されるというか。

 まっつは斉藤曲で、正直「なんじゃこりゃあ」とぽかーんとしたけれど、それでもまあ、マシな部類。
 録音ではなく、ショーでならどんどん歌いこなして、歌い方も変わって、おもしろみがあるかもしれない、というような曲。
 まっつがまっつの声で尾崎の「I LOVE YOU」を歌うの聴きたかったわたしには、余計なアレンジが邪魔だった(笑)。
 
 でも別に不快だとか腹を立てているというわけではまったくなく、本気で、面白かった。

 まっつを愛でるだけならDVDを見ればいいわけで、CDは誰が歌っているとか関係なく、愉快で壮大な斉藤作品だと思って聴けばいいんだ、と。斉藤曲でない曲も、その邪魔にならない無個性なところが作品の部品、演出の一部っつーか。
 ……誰が歌ってるか関係ないよーなモノを、歌っている人のファンしか買わない場でやってしまった斉藤せんせに「空気読め」と思うだけで(笑)、アルバム自体、「音楽」としては好きよ。

 ただ、わたしがカチャのファンで、カチャ目当てでこのCD買ってたら怒ってると思うわ。ここまで歌い手の個性より自分の編曲に酔われたらたまらん。

コメント

日記内を検索