新人公演『バラの国の王子』、初主演おめでとーな主演コンビ、ゆうきくんとゆめちゃん。

 野獣@ゆうきくんを見て、この役ほんま出番少ないんやな、と思った。
 主役なのにいつまで経っても出てこないし。
 新公は1度きりの晴れ舞台!という思い込みも強いため、なかなか出てこない主演スターにもったいないことだと思いました。
 
 でもって、本役のきりやんの芝居が演出家のこだわりであることも、よーっくわかった。
 新公の演出もキムシン自身だったわけだが、野獣の喋り方が、一緒。
 きりやんと同じイントネーション、表情の付け方。丸コピ。
 そうか、野獣はこうでなきゃいかんのか……。
 きりやん野獣の、あのちょっと棒読み?な話し方を、ゆうきくんもまんまやってました。
 また、立ち方や歩き方も一緒。あれはキムシンのこだわりなのか……。

 ゆうきくんは身体が大きいので、とっても野獣(笑)な外見。野獣でかっ、と思う、かぶり物の分も含め。きりやさんだと部屋飼いな小型野獣っぽかったけど……って、ひきこもりのシャイボーイ役なわけですけどねー。
 でもやはり、本役さんに合わせた衣装だから、彼個人の魅力を引き立てるデザインではないんだろう。
 ガイジンさんみたいなきりやんの顔だからこそのかぶり物なんだなあ。鼻ペチャ丸顔さんだと、さらにその張りのある若さを強調されちゃうというか。

 ラストの王子様変身時の、ビジュアルの変化はイイですな。あ、王子様だ!と、わかりやすく納得できる。
 かぶり物を取り、ゆうきくん自身の姿になったときには、もっとゆうきくん自身の喋り方で、演じ方で、見たかったな。野獣のときはきりやんまんまでも、かぶり物が同じであるように「型」としてアリだと思うけど、それから解き放たれたときはもっとオリジナルな魅力が見たい。
 と、思ったんだけど、これはゆうきくんの問題ではなく、コピー芝居をさせたキムシンの問題かな。自分の作品にこだわり過ぎだよ、もっと生徒に合った演出にしてあげてよ。

 
 でもってヒロインのベル@ゆめちゃん。
 早熟タイプといえば、彼女もそうだ。94期で研3。しかも中卒。文化祭でヒロインを演じたときからすでに安定した実力を見せていた。
 だから新公初ヒロインとはいえ、実力に不足はない、不安はない。

 でもって。

 この物語って、ベルが主役だよね?

 どうあがいても、もともとの話が。
 女主人公モノで、野獣はその相手役、脇役だよね?

 本公演はきりやんが実力で主役を張っていたけれど、新公になるとそうもいかない、もともとの骨組みが出てしまう。
 なんか、見ていてぽかーんなくらい、女の子が主人公の物語でした。
 ヅカなのに、娘役が主役……てゆーか野獣出て来ねえ……。

 もともと『バラの国の王子』は『オグリ!』と同じ手法で作られた作品で。
 お伽話調で歌と朗読で話が進み、物語を動かす、がんばるのはヒロイン。男主役はナニもしない。
 それでも男主役が主役として成り立つのは、彼に華とハッタリ力があるからだ。
 真ん中にどーん!と踏ん張り、なにをするでもないのに衆目を集め、「彼こそが主役」と納得させてしまう。

 しかし新人公演だからなあ。
 この脚本演出で、野獣主役に見せろっつーのは、酷な話だ。

 てことで、ベル主人公として観てしまいました。
 ゆめちゃんうまいもん、押し出しいいもん。

 彼女に必要なのは、化粧力。

 顔ちっさいし、スタイルのバランスもいい。
 顔立ち自体は端正。
 なのに何故こんなにビジュアルの欠点が目立つんだー。
 晩年の渚あきちゃんや舞風りらちゃんを彷彿とする……って、ゆめちゃん中卒の研3だよ、そんな年齢で何故そんなに老け……ゲフンゲフン、大人な外見なんだ。
 星組の同期、わかばちゃんといい、美形さんは老けやすいのかなあ。目が大きいとシワが出やすいとか聞くもんなあ。

 
 タカラヅカは男役主役でナンボだな、と改めて思いました。
 とくにこの『バラの国の王子』はお伽話調というか、ファミリーミュージカルっぽい作りなので、女の子が主人公で舞台が進むと、なんかタカラヅカを観ている気がしないというか。
 外部のお芝居観てるみたいだった……。お子ちゃまターゲットなので、あえて女の子たちばかりで演じている感じ(バリトンな男性たちが大勢いると子どもたちがこわがるので)。

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