1999年、ある「名作」との出会い・その3。@ノバ・ボサ・ノバ
2011年4月15日 タカラヅカ さんざんリピートし、脳内でいろいろ盛り上がって楽しむことも覚えた、1999年『ノバ・ボサ・ノバ』。
この作品楽しい!!
に、なっているだけに。
いろいろとフクザツだった、月組続演。
はい、年寄りの昔語りの続きです。
99年の再々演は、雪組・月組の続演だったのだわ。
大劇場で3ヶ月以上同じショーやってたの。なまじ「名作」様の再演だから、組ごとにオリジナル場面を作るとかもなく、そのまんまを続演。
『ノバ・ボサ・ノバ』目的というよりも、荻田浩一の大劇場デビュー作『螺旋のオルフェ』とこの公演で大劇場組替えデビューのケロちゃんを見るために、わざわざ初日から駆けつけました。
当時のわたしは初日への興味がなくて、贔屓の雪組だけは初日新公千秋楽と絶対観るけど、他組はてきとーに観られる日に観ていただけだった。だから、他組……月組の初日ってのが、初体験だった。
いやあ、驚いたね、雪組とちがいすぎて。
客席が。
雪組はおとなしいというか、拍手も控えめだし、歓声を上げるなんて想像の範囲外。観劇ってのは背筋を正して静かにするものだと思っていたから、月組の歓声ありーの拍手手拍子なんでもありーのには、心からびびった(笑)。
マミさんが銀橋出てきたら、歓声上がるんだもん。え、そーゆーのアリなの?!と。マミさんもガンガン客席煽るし。
アイドル系だったんだよなあ、当時の月組。
わたしは全組機嫌良く観劇する派で、組ごとにカラーの違いはあると思っていても、技術についてはさほど違いを感じていなかった……と思う。
しかし、同じ演目を続演することで、わかった。
雪組と月組の、歌唱力の違い。
これはけっこー、キツかった(笑)。
同じ曲に、思えない。
月組初日はもお、この違和感に振り回されて。
雪組をリピートして、歌声が、メロディが、カラダに刻まれている。
なのに同じ作品の続演なのに、同じ楽譜のはずなのに、月組ではえーらいこっちゃになっている!
月組って、真ん中あたりに歌える人がほとんどいないんだ……! という、衝撃。
マミさん、リカちゃん、檀ちゃんと、真ん中の3人は歌が得意な人ではない。この中ではリカちゃんがいちばんうまい?
んで、ナニよりこれがすごかった、ルーア神父@タニちゃん!
ルーア神父の歌は、はっきりいって難しい。
雪組新公で若手を代表する歌ウマのハマコが演じていたが、歌い切れているとは言えなかった。あのハマコですら持て余す難曲だ。
それを、タニちゃんが……。
物語の外側で解説をする役目のルーア神父役は、実力者がやってはじめて作品の外殻となる。
なのにそこがえーらいこっちゃになっていて、もうどうしたもんかと(笑)。
マール@ガイチとブリーザ@あつは歌ウマだけど、このふたりだけじゃ全体のアレさはどうしようもない。
すごいことになってるな、月組『ノバボサ』。
雪組って歌唱力高かったんだ、知らなかった。トドなんか、組内では歌ウマと言われたことないけど、路線であれだけ歌えたわけだから他組でなら歌手扱いされたかも?
と。
雪組贔屓の言うことだから、偏った意見になっているんだろうけど、当時の正直な感想。
それでも、オギーファンなので芝居目当てに複数回観劇したんですよ、この公演。千秋楽だってわざわざ当日券に早朝から並んだわ(笑)。
歌唱力の違い、同じ歌に聞こえない……ことを乗り越えれば、コレはコレでたのしい、月組『ノバボサ』。
なんつっても、マミさんの、エンタメ力。
歌えない歌は最初から歌わないの。出ない音は出さないの。
クズ拾いの歌なんか、ラップになってるし。「シナーマン」だってトドが歌い上げる何分の一かでばっさり切って、出るとこだけ歌うし。
彼は、歌唱力で勝負しない。
「タカラヅカ」力で勝負する。
客席に働きかける力。空気を自分が掌握し、自在に動かす。
歌唱力は副次的なモノ、トップスター真琴つばさの魅力はそんなとこにナイ。
トドが力任せに歌って動かした空気を、マミさんは別の方法で動かす。
すごい。
ふたりの同期トップのカラーの差。
どちらが正しいとか上だとかではなく、どちらもすごい。面白い。
そして、それを許してしまうのが『ノバ・ボサ・ノバ』という作品。
後年いろんなイベントやコンサートで「アマール・アマール」を聴く機会があり、そのたびにあまりの「タカラヅカ」らしさに身悶えして喜んでいる。
この曲はきれいに歌っちゃイカンのだ。
恥ずかしいまでにアツくるしく「ザ・昭和!」に、古き良きタカラヅカを全開に歌ってナンボなんだ。
「アマール・アマール」に限らずこの『ノバ・ボサ・ノバ』という作品は、「タカラヅカ」力を試せる作品なんだ。
ストーリーがシンプルすぎて、いくらでも膨らます余地があるのと同じ。
この単純で原始的な歌、「タカラヅカ」の根幹を表すかのよーな作品は、シンプルであるがゆえに、幅がある。
いかようにも料理できるというか、出演者の力量、カラーで輝き方を変えられるというか。
雪組の重厚で土臭い『ノバボサ』もアリだし、月組のにぎやかなエンタメとしての『ノバボサ』もアリなんだ。
面白い。
やっぱ『ノバボサ』って面白いわ。名作って言われるだけのことはあるわ。
と、月組続演でもそう思いました(笑)。
しかし、わたし的にこの月組版はまた違った楽しみ方をしてしまった公演でもある。
ほら、雪組でさんざんリピートしてストーリーは頭に入ってるし。
真ん中のストーリーは雪でおなかいっぱい観たから、月では別のところを観てしまうというか。
もともとわたしはケロファンで、ケロ目当ての観劇でもあるわけで。
どーしてもケロ中心に観てしまうわけで。そんでもってもともと月組ではゆうひくんがいちばんのお気に入りの男の子なわけで。
こんな状態で、月組『ノバボサ』を観ると、どうなるか。
メール夫人とボールソのラヴストーリーとして観ました。
娘を連れ観光客として訪れたリオ・デ・ジャネイロ、そこでメール夫人@ケロは現地の若者ボールソ@ゆうひと出会った。
カルナバルの熱気と狂乱の中、メール夫人はかわいい年下の男の子とボールソを口説き、ボールソはそれをうとましく思う……が、次第にふたりの間に愛が芽生え、ボールソが本気になる。
カルナバルは終わり、別れのときが来る。大人であるメール夫人はひとときの恋を引きずることはしない。が、若いボールソはチガウ。彼にとってこの恋は本物の恋なのだ……。
てなストーリーが出来上がってしまってですね(笑)。
いやあ、楽しかったですよ、ケロとゆーひのラブストーリー。←チガウから。
ゆーひくんって、ケロが組替えして最初に組んだ相手役(キスシーンや姫抱っこもアリ)なわけね。そりゃ仲良しにもなるか、っていう(笑)。
この作品楽しい!!
に、なっているだけに。
いろいろとフクザツだった、月組続演。
はい、年寄りの昔語りの続きです。
99年の再々演は、雪組・月組の続演だったのだわ。
大劇場で3ヶ月以上同じショーやってたの。なまじ「名作」様の再演だから、組ごとにオリジナル場面を作るとかもなく、そのまんまを続演。
『ノバ・ボサ・ノバ』目的というよりも、荻田浩一の大劇場デビュー作『螺旋のオルフェ』とこの公演で大劇場組替えデビューのケロちゃんを見るために、わざわざ初日から駆けつけました。
当時のわたしは初日への興味がなくて、贔屓の雪組だけは初日新公千秋楽と絶対観るけど、他組はてきとーに観られる日に観ていただけだった。だから、他組……月組の初日ってのが、初体験だった。
いやあ、驚いたね、雪組とちがいすぎて。
客席が。
雪組はおとなしいというか、拍手も控えめだし、歓声を上げるなんて想像の範囲外。観劇ってのは背筋を正して静かにするものだと思っていたから、月組の歓声ありーの拍手手拍子なんでもありーのには、心からびびった(笑)。
マミさんが銀橋出てきたら、歓声上がるんだもん。え、そーゆーのアリなの?!と。マミさんもガンガン客席煽るし。
アイドル系だったんだよなあ、当時の月組。
わたしは全組機嫌良く観劇する派で、組ごとにカラーの違いはあると思っていても、技術についてはさほど違いを感じていなかった……と思う。
しかし、同じ演目を続演することで、わかった。
雪組と月組の、歌唱力の違い。
これはけっこー、キツかった(笑)。
同じ曲に、思えない。
月組初日はもお、この違和感に振り回されて。
雪組をリピートして、歌声が、メロディが、カラダに刻まれている。
なのに同じ作品の続演なのに、同じ楽譜のはずなのに、月組ではえーらいこっちゃになっている!
月組って、真ん中あたりに歌える人がほとんどいないんだ……! という、衝撃。
マミさん、リカちゃん、檀ちゃんと、真ん中の3人は歌が得意な人ではない。この中ではリカちゃんがいちばんうまい?
んで、ナニよりこれがすごかった、ルーア神父@タニちゃん!
ルーア神父の歌は、はっきりいって難しい。
雪組新公で若手を代表する歌ウマのハマコが演じていたが、歌い切れているとは言えなかった。あのハマコですら持て余す難曲だ。
それを、タニちゃんが……。
物語の外側で解説をする役目のルーア神父役は、実力者がやってはじめて作品の外殻となる。
なのにそこがえーらいこっちゃになっていて、もうどうしたもんかと(笑)。
マール@ガイチとブリーザ@あつは歌ウマだけど、このふたりだけじゃ全体のアレさはどうしようもない。
すごいことになってるな、月組『ノバボサ』。
雪組って歌唱力高かったんだ、知らなかった。トドなんか、組内では歌ウマと言われたことないけど、路線であれだけ歌えたわけだから他組でなら歌手扱いされたかも?
と。
雪組贔屓の言うことだから、偏った意見になっているんだろうけど、当時の正直な感想。
それでも、オギーファンなので芝居目当てに複数回観劇したんですよ、この公演。千秋楽だってわざわざ当日券に早朝から並んだわ(笑)。
歌唱力の違い、同じ歌に聞こえない……ことを乗り越えれば、コレはコレでたのしい、月組『ノバボサ』。
なんつっても、マミさんの、エンタメ力。
歌えない歌は最初から歌わないの。出ない音は出さないの。
クズ拾いの歌なんか、ラップになってるし。「シナーマン」だってトドが歌い上げる何分の一かでばっさり切って、出るとこだけ歌うし。
彼は、歌唱力で勝負しない。
「タカラヅカ」力で勝負する。
客席に働きかける力。空気を自分が掌握し、自在に動かす。
歌唱力は副次的なモノ、トップスター真琴つばさの魅力はそんなとこにナイ。
トドが力任せに歌って動かした空気を、マミさんは別の方法で動かす。
すごい。
ふたりの同期トップのカラーの差。
どちらが正しいとか上だとかではなく、どちらもすごい。面白い。
そして、それを許してしまうのが『ノバ・ボサ・ノバ』という作品。
後年いろんなイベントやコンサートで「アマール・アマール」を聴く機会があり、そのたびにあまりの「タカラヅカ」らしさに身悶えして喜んでいる。
この曲はきれいに歌っちゃイカンのだ。
恥ずかしいまでにアツくるしく「ザ・昭和!」に、古き良きタカラヅカを全開に歌ってナンボなんだ。
「アマール・アマール」に限らずこの『ノバ・ボサ・ノバ』という作品は、「タカラヅカ」力を試せる作品なんだ。
ストーリーがシンプルすぎて、いくらでも膨らます余地があるのと同じ。
この単純で原始的な歌、「タカラヅカ」の根幹を表すかのよーな作品は、シンプルであるがゆえに、幅がある。
いかようにも料理できるというか、出演者の力量、カラーで輝き方を変えられるというか。
雪組の重厚で土臭い『ノバボサ』もアリだし、月組のにぎやかなエンタメとしての『ノバボサ』もアリなんだ。
面白い。
やっぱ『ノバボサ』って面白いわ。名作って言われるだけのことはあるわ。
と、月組続演でもそう思いました(笑)。
しかし、わたし的にこの月組版はまた違った楽しみ方をしてしまった公演でもある。
ほら、雪組でさんざんリピートしてストーリーは頭に入ってるし。
真ん中のストーリーは雪でおなかいっぱい観たから、月では別のところを観てしまうというか。
もともとわたしはケロファンで、ケロ目当ての観劇でもあるわけで。
どーしてもケロ中心に観てしまうわけで。そんでもってもともと月組ではゆうひくんがいちばんのお気に入りの男の子なわけで。
こんな状態で、月組『ノバボサ』を観ると、どうなるか。
メール夫人とボールソのラヴストーリーとして観ました。
娘を連れ観光客として訪れたリオ・デ・ジャネイロ、そこでメール夫人@ケロは現地の若者ボールソ@ゆうひと出会った。
カルナバルの熱気と狂乱の中、メール夫人はかわいい年下の男の子とボールソを口説き、ボールソはそれをうとましく思う……が、次第にふたりの間に愛が芽生え、ボールソが本気になる。
カルナバルは終わり、別れのときが来る。大人であるメール夫人はひとときの恋を引きずることはしない。が、若いボールソはチガウ。彼にとってこの恋は本物の恋なのだ……。
てなストーリーが出来上がってしまってですね(笑)。
いやあ、楽しかったですよ、ケロとゆーひのラブストーリー。←チガウから。
ゆーひくんって、ケロが組替えして最初に組んだ相手役(キスシーンや姫抱っこもアリ)なわけね。そりゃ仲良しにもなるか、っていう(笑)。
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