査問委員会の恥ずかしさはなんだろう。

査問官「ベロゴールスクで反乱軍に襲われたとき、ひとりだけ何故助かったかはわかった、そーゆーことにしておいてやる」

 え、なにがわかったの? ニコライ@キム、なにをどう申し開きしたの?
 プガチョフ@まっつが君にでれでれだったから助けてもらえたんだって言ったの?
 と、ここでまず恥ずかしさにうきゃーっとなる。って、最初やがな!

 昔ウサギの外套をあげたことをプガチョフが恩に着ていて、それで命を助けてくれたんだと証言したんだとは思う。
 でも、そんなことを査問官が本気にするんだろうか?
 金銭的な問題ではなく、そこにナニか裏の事情、ニコライが語っていないナニかを勘ぐって、とりあえず「それはそーゆーことにしておく」ってやつで、さらに同じことを示す別の質問につなげただけだよね。

査問官「不可解なのはオレンブルグの連隊に所属していた者が、何故ひとりで反乱軍の本陣へ行ったかということだ。詳しく述べてみろ」

ニコライ「…………(マーシャの名前を出すとやばい。彼女がコサックであることがわかれば、今度は彼女がスパイだと思われる。言えない)」

査問官「お前が反乱軍の陣営からプガチョフと仲良くソリに乗り、ベロゴールスクの要塞まで行ったことはわかっている。証人だっているぞ」

 ちょ……っ。
 仲良くって、今、仲良くって言ったっ。査問会で、査問官が言う言葉なの、仲良くって。

査問官「それでもプガチョフから放たれたスパイでないと言い張るのか」
ニコライ「絶対に違います。プガチョフとの個人的な関わりのことは先ほど申しました。それ以上の密接なつながりは……」

 個人的な関わり? 密接なつながり?
 えーっとコレって、なんの裁判だっけ?

 ニコライのスパイ容疑……というより、愛人容疑?

証人シヴァーブリン「ニコライはプガチョフの命令でスパイとしてオレンブルグに派遣され、政府軍の情報を知らせる任務に就いていました。そしてさらに! 公然とプガチョフのそばについて、あちこちの要塞を乗り回してましたっ」

 そしてさらに!で声を張り上げるシヴァ@コマ。
 公然とプガチョフのそばについて。
 公然と。みんなの前で。隠しもせず。堂々と。

 えーと。

査問官「ニコライくん、こんな行動を取っていてスパイじゃないと言うのか。スパイじゃないなら、なんなんだ」

 誘導尋問。
 スパイだとわかったら極刑だ。
 死にたくなかったら、本当のことを言え。

 もういいじゃん、言っちゃえよ。君さ、プガチョフの恋人だったんだろ?
 スパイだったら、プガチョフとふたりでソリに乗ってあちこちの要塞へ行くとか変じゃん。なんで皇帝と一スパイが他の兵たちの目の前で、公然とふたりで過ごしてるんだよ。
 デートしてただけだろ?
 言いたくない気持ちはわかるけどさー、こんだけ証拠挙がってるんだから、もう認めちゃいなよ。
 このままじゃスパイだってことになっちゃうよ?
 ほんとのこと言いなよー。

 ……という流れに見えて、恥ずかしくてなりません、査問委員会。

 ニコライくんだけが「マーシャがスパイだと疑われる」と、ひとりで勝手に苦悩してますが、いや、査問官の目的はソコぢゃないから!と、言いたくなる(笑)。
 プガチョフとの個人的な感情、関わりを聞きたがってんじゃん、査問官。
 プガチョフとの個人的な感情、関わりを力説してんじゃん、証人。

 ナニこれ恥ずかしい!(笑)
 痴情のもつれ裁判。

「ボクは浮気なんてしてない」
「嘘をつくな。愛人と仲良くデートしていただろう。証人もいるぞ」
「ニコライくんはプガチョフくんとデートしてました。みんな知ってます、公然の秘密でしたから」
「これでもシラを切るのか」
「ボクは無実だ!」

 ……楽しいなあ、『黒い瞳』

 軍事裁判の中、「仲良く」なんて感情論・個人の主観が証拠として罷り通っているあたりがもお、ダメダメっぽくて、いらん妄想をかきたてます(笑)。

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