『黒い瞳』、ニコライ@キムくんにハマりまくりました記録、その2。

 ベロゴールスクに到着したニコライ。
 ド田舎ぶりに肩を落とし、ぶーたれる様が可愛い。
 あの甘えっ子なガキンチョぶりがツボ。
 文句言ってるけど、嫌味がないというか、そりゃそーだよね、少年なら都会に憧れるよね、とひたすら微笑ましい。

 それにここでもニコライの性質の良さが見えるの。

 不本意にやってきた地なのに、彼は決して土地の人にそれを見せようとはしないの。攻撃しようとか八つ当たりしようとかしないの。

 村の女の子たちにも笑顔で挨拶するし(若干引きつってるけど・笑)、砦の人たちにも礼儀正しく、また意欲あふれる様子で挨拶している。
 田舎暮らしにがっかりしていることと、その田舎に住んでいる人たちをバカにしたり攻撃したりすることは、チガウ。
 空元気とか誤魔化しではなく、ただ素直に、土地の人に対しては前向きに振る舞っている。

 当たり前のことなんだけど、その当たり前のことをするニコライが好き。
 ほんのちょっとしたことで、その人の人間性って出る。
 吹雪の中で迷い、死にそうなときに従僕を責めなかったように、ニコライってほんと、ふつーにいい子だ。

 そしてニコライは、ミロノフ大尉@ナガさんの娘、マーシャ@みみちゃんに一目惚れする。
 もちろんそれは、彼女の愛らしい容姿ゆえのことだろうさ。
 でもさ。

 ニコライがマーシャを本格的に好きになるのは、彼女の宝物の歌を聴いたときからだと思う。

 ベロゴールスクのあまりの田舎っぷりに、「内心ドン引きしているでしょ」とヴァシリーサ@ヒメに突っ込まれ、言葉を濁すニコライ。
 この地の良さを歌う女たち、そして。

 マーシャが歌う。
「私の宝物。果てしない草原、渡る風と青いブローチ、生きるものすべて」

 実はわたし、ここのマーシャが大好きで。
 彼女がこう歌い出す、それだけで泣ける。
 ナニかを「愛し、感謝している」人って、素敵だと思う。
 マーシャはこの地を愛している。
 自分の故郷を愛し、誇りに思っている。それを清々しい表情と歌声で表す彼女に、胸がきゅんとする。
 「こんなド田舎」とバカにされることもあるだろう(たとえばシヴァーブリンとか)、そんな一定の価値観からは鼻で笑われる場所、だけど胸を張って愛していると歌う人々、歌う少女。

 故郷を愛していると歌う少女はきっと、場所だけのことじゃなく自然だけのことじゃなく、両親や友だちなど、そこに生きる人々、自分を育んでくれたすべてを愛し、感謝しているんだ。
 そんな少女だから、ニコライは恋をする。
 てゆーか、そんな少女に恋をするニコライが、好きだ。
 見かけの可愛らしさではなくて、心の美しさに惚れ込む様が。

 ニコライとマーシャのカップルが好き。
 このふたりの恋が好き。

 ニコライがベロゴールスクへやって来て数ヶ月。
 季節は春になり、薄手のドレスに着替え、花を手にうふふあははと踊るマーシャが可愛すぎる。
 何故か女の子から、男に花束を贈る。てゆーかニコライ、花が似合うなヲイ(笑)。この少女マンガっぷりにときめく。

 ちなみに、ニコライぼっちゃまの居場所を探すサヴェーリィチ@ヒロさんに、パラーシカ@あゆみちゃんが「お仕事でしょ、お嬢さんは家にいたし」と言うのがツボだ(笑)。
 マーシャが家にいる=マーシャと会っていない=仕事中、って。
 そんなに毎日デートばっかしてるのか。マーシャと一緒にいるのがデフォルトで、仕事中かどうかはマーシャの居場所でわかるのか(笑)。

 ちなみに、ここの時点で数ヶ月経って季節も変わっているのに、ニコライの姿が見えない理由が「シヴァーブリンが新任のニコライに東の砦を案内している」から、ってのが……。
 数ヶ月経っても、新任。
 新入社員が入るまで、たとえ10年経っても新人扱い、みたいなもんですか。氷河期だから人員削減で新人採らないんだよねー、トイレ掃除も雑用お茶汲みも宴会の幹事も全部新人の仕事だから、あと何年新人のままか、あるいは永遠に新人扱いかもしんないけど、ま、がんばってよ!なノリですか。
 なにしろド田舎だからなー。補充はされそーにないし、がんばれニコライ。
 でも、さすがのんきな田舎要塞は違いますよ、砦の見回りは日常業務だろうに、「東の砦」とやらの見回りは就任して何ヶ月経ってからようやく教えてもらえるらしいよ。数ヶ月間、ニコライはナニやってたんだろう。やっぱ掃除やパシリからスタートなの? 新入部員は数ヶ月ボール拾い、野球はさせてもらえないとか、そーゆー運動部系の扱い?

 ふたりきりで「東の砦」とやらに行っていた、ニコライとシヴァーブリン@コマ。
 ベロゴールスクに到着した際、誰にも愛想良く素敵な笑顔で接していたニコライに、ヤな態度を取りまくったシヴァーブリン。さすがのニコライもカチン!と来ていた、あの反応のひとつひとつが可愛かったなあ。意地悪されてもすぐ反感!とかこいつ嫌い!になるのではなく、シヴァーブリンの悪意にとまどっている様子がイイの。
 バカじゃないから、悪意はわかる。ヤなことされたらムカっとする。それは人の生理であり、ニコライの反応はとても素直。ひねくれたり過剰な被虐意識や攻撃意欲を持たないの。
 そんな彼だけど、さすがに数ヶ月経ったらわかるよな。シヴァーブリンが問題児だっつーことは。

 でもさー。
 コレだけは、シヴァーブリンを責められない、と思うのは。

「ぼくの愛の詩(うた)を笑ったばかりか、マーシャの悪口を言うなんて!」

 ぼくの愛の詩。

 仕事中に、ナニやってんだ。

 軍人さんですよ、少尉さんですよ。任務中ですよ。
 愛の詩をバカにされたと怒る前に、愛の詩を口ずさむなと。

 やだよ、働いてる横で同僚が愛のポエムってたら。うざいよ、キモいよ、ムカつくよ。
 そりゃ笑うわ、バカにするわ。
 そんなポエム捧げられて喜んでる女のことも、一緒に鼻で笑っちゃうでしょうよ。

 こればっかりはニコライを擁護できない……(笑)。
 でも、そんなとこも、可愛い。
 好きだなー、ニコライ。

 激しているニコライがほんっとかわいくて。
 マーシャの秘密を知っているというシヴァーブリンに、「悪口は聞きたくない」と言い切るところがイイ。
 本当のことであろうがなかろうが、聞くならばマーシャの口から。マーシャが言わないことなら、知らなくていい。
 そう毛を逆立てて言い切る誠実さが好きだ。

 
 続く。

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