新場面ってどうなのよ。@ロック・オン!
2011年5月13日 タカラヅカ しつこく全ツ『ロック・オン!』の話。
新場面は『Dancing Heroes!』から紳士の館と、『Heat on Beat!』からラテンメドレー+オリジナルのラテン場面。
単に、三木せんせが直近で作ったショー作品である、というだけのチョイス。
それぞれ退団公演で、ファンが大切にしている作品だということは、一切考慮無し。
紳士の館は、そのかバウで観たときも相当微妙だった。
「男役」がやるべき場面で、「男装した女の子」がやると、直視できないいたたまれなさがある。
そのかと下級生たちの断絶感がものすごく、2番手格のとしくんですらまったく足りていなくて、観ていて途方に暮れた。
当時も本公演でやってくれと、心底切望した。
どこの組でもイイ、本公演ならば「男役」だけでまかなえるはず。
ゆーひ、らんとむ、みっちゃん、ともちん、まさこ、みーちー大、カチャで、とか。
まとぶん、えりたん、みわっち、めおみつ、まぁだい、あきら、まよで、とか。
今年1月の布陣で考えましたよ。
実際に、こんなにすぐ使い回しされるとは思ってないから、本気にしていたわけではなく、イメージとして。
そのかバウと同じことになるなんて、なあ。
つまり、男役スキルが足りていない下級生たちがホモやっても、背徳感より、トホホ感が満ちる。
また、こーゆー耽美場面は全国ツアー向きではないと思うんだ。
善良な各地方の年配の方々に、ホモを見せてどーするんだっていう。
いや、中には耽美場面を観て、なにかしら目覚める人もいるかもしれない。
今コレを書いている時点で四日市公演を観劇済みなわけだが、「ショーは喋って良いもの」と思い込んでいる地元のおばあちゃまたちご一行が、わたしの後ろの席でずーっとなにかしら観たままの感想を喋り続けていたんだけど、ホモの館だけはしーんと静まりかえっていた(笑)。や、理解できなくて沈黙していたのかもだけど、わかんないわ、とすら言わなかったもの。んで、ホモが終わるなりまた、ぴーちくさえずり出した。
茶の間感覚のおばーちゃまたち、ナニかに目覚めたかもしれない(笑)。
でもま、ふつーはびびるんぢゃね?
女が男を演じているだけでもアレなのに、その上ホモって、キモチをどこへ持っていけばいいのかって。
それでもあえて耽美をやるなら、それこそ本気で「耽美」にしてくれよ。
男役として磨き抜かれた人たちでやってよ。
ファンしか観ない、おこちゃまたちの成長をあたたかく見守ることが前提のバウホールぢゃないんだよ。
男役10年という言葉は伊達じゃない。下級生には難しいことがあるんだ。誰にでも簡単にできるものじゃない。だからこそ「タカラヅカ」は素晴らしいところなんだ。
1ヶ月を通して下級生たちの成長はたしかに目に見えたけれど、それでもやはり、任でないのはどうしようもなかった。
いやその、長の期のふたりだって、最後までまともにキスシーンできなかったくらいだしね……下級生をどうこう言える立場ぢゃないけどさあ(笑)。
後半のラテン部分は、中詰め+中詰めになり、構成として破綻していることは、すでに書いた。
安直に『Heat on Beat!』から持ってきた「クンバンチェロ」「ベサメムーチョ」もどうかと思うが、いちばん残念なのはそのあとだなあ。
けっこう長い場面なのに、ずーっと同じ面子がずーっと同じ舞台でずーっと踊り続ける。
全ツなので、セリや銀橋がないため、単調な画面。
途方に暮れたような盛り下がり方が痛々しかった、ってのは、初日の感想に書いた通り。
川崎悦子せんせの振付好きなんだけど、彼女は耽美は得意でも発散系のラテンは苦手なのかな。
「NOW ON STAGE」で新場面の振付も「月の王」と同じ川崎せんせだとキムくんが言っていて、わくわくしてたんだけどなあ。
前日欄で書いた通り、このあたりはまったくもって「イベントショー作品」の形式で作られてるんだよね。
だから構成に工夫ナシ。
それならイベントショー作品らしく、出演者でメリハリ付ければいいのに、それすらしていない。
つまり、一旦出演者総出のにぎやかな場面になったら、次の瞬間他のみんなはさーっといなくなって、キムみみだけ残り、ふたりでデュエットダンスするとか。
コーラス隊は後ろに残っててもいいから、とにかく舞台上の人数を整理する。
キムみみデュエダンだけ明らかに曲調を変え、ドラマティックにずどんと印象づけて、そしてまたみんなわーっと登場、総踊りでさっきの曲に戻る。
これくらいメリハリ付けてよ、変化出してよ。
何分あったか知らないけど、とにかく長すぎだよ、同じ面子で同じダンス。しかも選曲と振付微妙ときたもんだ。
みみちゃんはせっかくタコ足付きダルマ姿なのに、コーラス隊のさらに後ろにいるだけで、そこにトップ娘役がいるなんて全ツの観客はまず気付いていない。
くわえて、このダルマ姿っつーのが、みみちゃんの魅力を発揮する衣装ではないんだな。
なんでもっと、彼女に似合う衣装を着せてあげないんだろう。
似合わない衣装を着せて、あまり見えないところで踊らせるとか、なんのいじめよ。
いちばん長いシーンがいちばん変化がなくてつまらなかった、というは、痛い。
しかも中詰めのあと、クライマックスのメイン場面がコレだもの。ヅカヲタであるほどショーのテンプレ構成はカラダに染みついているから、悪い方ではずされるとショー全体への印象が悪くなる。
元祖『ロック・オン!』の良い場面を捨てて、良くなかった場面を残した、その取捨選択ぶりに疑問を持った……てことも、すでに書いた。
良い悪いは主観でしかないので、「月の王」はつまらない場面だったからなくしてヨシ、反対にピアノは超名場面だったので残して当然、と思う人だっているかもしれない。
水くんのためにあった「月の王」が削られたことに文句はない。
ただ、ピアノはなあ。キムくんがやっているときも相当微妙で、次期トップの彼の見せ場がこんな場面のみなのかと、当時苦く思ったもんです。
体力的につらそうなわりに、観ていてカタルシスも爽快感もないなあと。
それを今回、咲ちゃんがやっていて。
初日初回に観て良かったと、心から思いました。
客席の空気が、すごかった。
組ファンが多く締めた場であるだけに、咲ちゃんの後ろで踊るひろみ、コマ、がおり……そんな姿を見せられて、しーんとした客席。拍手も起こらないまま、淡々と進む舞台。
ドン引きした空気ってのはこーゆーのをいうんだ、と肌で感じる体験でした。
回を重ねれば、客席も慣れるのでそこまで引かないんだけど、最初はねー……。
劇団もプロデュース下手だよなあ。
まあとにかく、咲ちゃんが伸びてくれることを祈る。劇団がここまでやってるんだもん、せめてきれいになってくれ~~。きれいなら許されるよ、タカラヅカだし(笑)。
ほんとに、いびつなショーですわ、『ロック・オン!』。
構成もだし、人の使い方も(笑)。
それでも、贔屓と贔屓組の、大切な作品。
文句言いつつ、抱きしめるのよ。
新場面は『Dancing Heroes!』から紳士の館と、『Heat on Beat!』からラテンメドレー+オリジナルのラテン場面。
単に、三木せんせが直近で作ったショー作品である、というだけのチョイス。
それぞれ退団公演で、ファンが大切にしている作品だということは、一切考慮無し。
紳士の館は、そのかバウで観たときも相当微妙だった。
「男役」がやるべき場面で、「男装した女の子」がやると、直視できないいたたまれなさがある。
そのかと下級生たちの断絶感がものすごく、2番手格のとしくんですらまったく足りていなくて、観ていて途方に暮れた。
当時も本公演でやってくれと、心底切望した。
どこの組でもイイ、本公演ならば「男役」だけでまかなえるはず。
ゆーひ、らんとむ、みっちゃん、ともちん、まさこ、みーちー大、カチャで、とか。
まとぶん、えりたん、みわっち、めおみつ、まぁだい、あきら、まよで、とか。
今年1月の布陣で考えましたよ。
実際に、こんなにすぐ使い回しされるとは思ってないから、本気にしていたわけではなく、イメージとして。
そのかバウと同じことになるなんて、なあ。
つまり、男役スキルが足りていない下級生たちがホモやっても、背徳感より、トホホ感が満ちる。
また、こーゆー耽美場面は全国ツアー向きではないと思うんだ。
善良な各地方の年配の方々に、ホモを見せてどーするんだっていう。
いや、中には耽美場面を観て、なにかしら目覚める人もいるかもしれない。
今コレを書いている時点で四日市公演を観劇済みなわけだが、「ショーは喋って良いもの」と思い込んでいる地元のおばあちゃまたちご一行が、わたしの後ろの席でずーっとなにかしら観たままの感想を喋り続けていたんだけど、ホモの館だけはしーんと静まりかえっていた(笑)。や、理解できなくて沈黙していたのかもだけど、わかんないわ、とすら言わなかったもの。んで、ホモが終わるなりまた、ぴーちくさえずり出した。
茶の間感覚のおばーちゃまたち、ナニかに目覚めたかもしれない(笑)。
でもま、ふつーはびびるんぢゃね?
女が男を演じているだけでもアレなのに、その上ホモって、キモチをどこへ持っていけばいいのかって。
それでもあえて耽美をやるなら、それこそ本気で「耽美」にしてくれよ。
男役として磨き抜かれた人たちでやってよ。
ファンしか観ない、おこちゃまたちの成長をあたたかく見守ることが前提のバウホールぢゃないんだよ。
男役10年という言葉は伊達じゃない。下級生には難しいことがあるんだ。誰にでも簡単にできるものじゃない。だからこそ「タカラヅカ」は素晴らしいところなんだ。
1ヶ月を通して下級生たちの成長はたしかに目に見えたけれど、それでもやはり、任でないのはどうしようもなかった。
いやその、長の期のふたりだって、最後までまともにキスシーンできなかったくらいだしね……下級生をどうこう言える立場ぢゃないけどさあ(笑)。
後半のラテン部分は、中詰め+中詰めになり、構成として破綻していることは、すでに書いた。
安直に『Heat on Beat!』から持ってきた「クンバンチェロ」「ベサメムーチョ」もどうかと思うが、いちばん残念なのはそのあとだなあ。
けっこう長い場面なのに、ずーっと同じ面子がずーっと同じ舞台でずーっと踊り続ける。
全ツなので、セリや銀橋がないため、単調な画面。
途方に暮れたような盛り下がり方が痛々しかった、ってのは、初日の感想に書いた通り。
川崎悦子せんせの振付好きなんだけど、彼女は耽美は得意でも発散系のラテンは苦手なのかな。
「NOW ON STAGE」で新場面の振付も「月の王」と同じ川崎せんせだとキムくんが言っていて、わくわくしてたんだけどなあ。
前日欄で書いた通り、このあたりはまったくもって「イベントショー作品」の形式で作られてるんだよね。
だから構成に工夫ナシ。
それならイベントショー作品らしく、出演者でメリハリ付ければいいのに、それすらしていない。
つまり、一旦出演者総出のにぎやかな場面になったら、次の瞬間他のみんなはさーっといなくなって、キムみみだけ残り、ふたりでデュエットダンスするとか。
コーラス隊は後ろに残っててもいいから、とにかく舞台上の人数を整理する。
キムみみデュエダンだけ明らかに曲調を変え、ドラマティックにずどんと印象づけて、そしてまたみんなわーっと登場、総踊りでさっきの曲に戻る。
これくらいメリハリ付けてよ、変化出してよ。
何分あったか知らないけど、とにかく長すぎだよ、同じ面子で同じダンス。しかも選曲と振付微妙ときたもんだ。
みみちゃんはせっかくタコ足付きダルマ姿なのに、コーラス隊のさらに後ろにいるだけで、そこにトップ娘役がいるなんて全ツの観客はまず気付いていない。
くわえて、このダルマ姿っつーのが、みみちゃんの魅力を発揮する衣装ではないんだな。
なんでもっと、彼女に似合う衣装を着せてあげないんだろう。
似合わない衣装を着せて、あまり見えないところで踊らせるとか、なんのいじめよ。
いちばん長いシーンがいちばん変化がなくてつまらなかった、というは、痛い。
しかも中詰めのあと、クライマックスのメイン場面がコレだもの。ヅカヲタであるほどショーのテンプレ構成はカラダに染みついているから、悪い方ではずされるとショー全体への印象が悪くなる。
元祖『ロック・オン!』の良い場面を捨てて、良くなかった場面を残した、その取捨選択ぶりに疑問を持った……てことも、すでに書いた。
良い悪いは主観でしかないので、「月の王」はつまらない場面だったからなくしてヨシ、反対にピアノは超名場面だったので残して当然、と思う人だっているかもしれない。
水くんのためにあった「月の王」が削られたことに文句はない。
ただ、ピアノはなあ。キムくんがやっているときも相当微妙で、次期トップの彼の見せ場がこんな場面のみなのかと、当時苦く思ったもんです。
体力的につらそうなわりに、観ていてカタルシスも爽快感もないなあと。
それを今回、咲ちゃんがやっていて。
初日初回に観て良かったと、心から思いました。
客席の空気が、すごかった。
組ファンが多く締めた場であるだけに、咲ちゃんの後ろで踊るひろみ、コマ、がおり……そんな姿を見せられて、しーんとした客席。拍手も起こらないまま、淡々と進む舞台。
ドン引きした空気ってのはこーゆーのをいうんだ、と肌で感じる体験でした。
回を重ねれば、客席も慣れるのでそこまで引かないんだけど、最初はねー……。
劇団もプロデュース下手だよなあ。
まあとにかく、咲ちゃんが伸びてくれることを祈る。劇団がここまでやってるんだもん、せめてきれいになってくれ~~。きれいなら許されるよ、タカラヅカだし(笑)。
ほんとに、いびつなショーですわ、『ロック・オン!』。
構成もだし、人の使い方も(笑)。
それでも、贔屓と贔屓組の、大切な作品。
文句言いつつ、抱きしめるのよ。
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