マーシャ@みみちゃんがかわいすぎる。

 『黒い瞳』はそれぞれ主人公たちのターンがある。
 ニコライ@キムのターン、プガチョフ@まっつのターン、てな風に。
 そしてニコライのターンが終わったあと、マーシャのターンが来る。

 マーシャ最大のターン、ペテルブルグへの道。
 ここのダンス、好きだー。
 雪の精たちのくるくるくるくる回る登場から、わくわくする。
 みみちゃんがかなり忙しそうに振付をこなしているのを「大変やなー」と思って見ているけど(笑)、ここのマーシャ好きだ。
 歌もいいよな。
「たとえこの身 朽ち果てようとも 祈り届けよう 愛する人のため」てな歌詞。
 雪に氷に翻弄されながらも前へ進もうとするマーシャの姿に、泣けてくる。

 当時の世界で、世間知らずの女の子がペテルブルグまで旅をするのって、すごい大変なことなんだろうなあ。勇気の必要なことなんだろうなあ。
 生まれた村から一歩も足を踏み出さずに一生を終える、それが当たり前の時代だよね?

 マーシャはもともと活発な女の子だったんだよね。
 遠乗りで周囲の大人たちが驚くようなところまで、するっと行っちゃうような子だったんたから。
 それが伏線というか、説得力にもなっているんだろうけど、それにしても、すごい冒険なんだろうなと。

 ……実際は彼女ひとりでこんな風に雪に翻弄されてたわけじゃなく、サヴェーリィチ@ヒロさんやパラーシカ@あゆみちゃんと一緒なわけで、お嬢様は彼らに守られながらの行程だったとは思うんだけど。
 だからこの雪の精にくるくる回されているマーシャは「注・イメージ映像です」ってヤツなんだけどね(笑)。
 それはわかってるけど、当時の可憐なお嬢様にとって、これくらい大変なことだったんだと。

 布を使ったダンスがきれいだ……。
 んで、トリオに次々リフトされるわけだけど、最後のレオくんのリフトが難易度高っ、でびっくりだし。

 ここで踊りまくって汗びっしょりのみみちゃんが、そのふたつあとの場面でエカテリーナ@かおりちゃんと会う場面……ずっと疑問だったんだ、どうして誰もみみちゃんの汗を拭いてあげないのか。
 サヴェーリィチたちのカーテン前場面の間に着替えて、板付きでスタンバッてないといかんので、時間ナイのはわかるけど……。
 場面的に、マーシャが汗だくなのは変だよー。
 みみちゃんが余裕なくて汗を拭けないのは仕方ないから、誰かせめて、着替えている彼女の汗を横から軽く拭くだけでも、してあげられる人はいなかったのかと。

 汗ひとつない涼しいお化粧のエカテリーナ様と、フルマラソン完走してきたかのよーなアスリート・マーシャ……。

 女帝様の手を取り頬にあてるところも、マーシャは触るふりだけ。だってあんだけ汗だくじゃあ、かおりちゃんの手を汚しちゃうから、下級生としては遠慮するしかないよなああ。
 芝居だからほんとに触れる必要はないにしろ、「間違っても触ってはいけない」と警戒した距離で、「手を頬にあてる」という慈愛の演技をされるのもなあ……。

 と、変なところが気になってました。おばちゃんってやーね、つまんない粗探しして!

 そこは最後まで改善されなくてしょぼんだったんだけど、エカテリーナとマーシャの場面が感動的だったのは確か!

 わたしは前の場面から続けてマーシャのいじらしさに泣きまくりなので、「命さえ投げ出して」でだーだー泣けます。
 や、「命投げ出すとは言ってないから、エカテリーナ様、飛躍しすぎだから!」とツッコミ入れてる自分もいるんだけどね。(いるのか)
 マーシャは「結ばれないのは覚悟の上」と言ったのであって、「代わりに死にます」と言ったわけぢゃない。マーシャの心の内はそうなんだけど、口にしてはいないのに、その段階で「命さえ」と先走る女帝様……。

 とにかくマーシャがいじらしすぎて!
 この子好きだー。
 こんな女の子、こんな恋愛、見ていてきゅんきゅんする。
 「タカラヅカ」万歳、そう思うよ。

 こんなマーシャだからこそ、氷の女がその心を溶かすんだよね。
 エカテリーナは難しい役。かおりちゃんはほんと、いい女役さんだなあ。

 マーシャを見送ったあと、表情を変えて、客席に背中を向ける瞬間が好きだ。

 
 最後に、狂言回しの三人組のこと。

 トリオ役の、りんきら、咲ちゃん、レオくん。
 声がいちばんいいのはりんきらかな。査問官が最初はりんきらひとりなのは、そーゆーことかと。
 姿ではレオくんひとり勝ちに、わたしには見える。ぷくぷくなりんきらと咲ちゃんはぱっと見どっちがどっちかわかんなくなっても、レオくんだけは間違えようがないもんなー。
 この全ツで、レオくんはかなり認知度が上がったんじゃないだろうか、ヅカファンや雪組ファンに。

 咲ちゃんは登場したときが、いちばんきれい。
 開演アナウンスが流れ、ライトが点くとトリオだけがカーテン前にいるわけだが、その瞬間はたしかに咲ちゃんは男前なのだ。
 しかし……場面が進むに従って、どんどんきれいじゃなくなっていくんだなー。これがなー。こまったなー。
 彼に与えられている仕事量が多すぎるのかな。仕事をこなすだけで精一杯、美しく見せるところまで神経が届いてない印象。
 近い将来トップスターになる宿命なら、早いとこきれいになって欲しいナリ。出番がひとより多いのがスターの使命、たくさん出るならきれいでいてほしいナリ。

 初日に観たときはなんつーんだ、3人揃ってつたなさがまず見えて、初演にてスターであるきりやん、タニちゃんだけでなく、実力者の嘉月さんを加えていた意味が改めてわかった。きりやんは実力もあったけど、狂言回しを下級生だけでやらせるのはこんなに危険なことなんだ、と教えられた気がした。

 初日はたしかにもお、えーらいこっちゃだったけど。
 若いっていいよね、短い間でたしかに成長していったよね。
 難しい役だからこそ、この経験は今後の彼らの血肉になるんだろうなと思った。

 りんきらと咲ちゃんはビジュアルがんばってくれー、レオくんは声と演技をがんばってくれー。

 
 下級生たちまで喋って踊って芝居して、大活躍だったもんなあ。
 全ツってすごいなあ。
 わたしヅカヲタ長いけど、基本関西限定だし、遠征しない地元宝塚だけで満足な人なんで、こんなに全ツを追いかけたことってなかったの。
 つっても5都市だけどさ。3分の1でしかないんだけどさ。
 またひとつ、ヅカヲタとして階段を上り、人間として格を落とした気がするんだが、悔いはない(笑)。

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