ジャックを探せ!@アルジェの男
2011年8月12日 タカラヅカ ところで、ジャックさん@まさおくんですが……。
あの人、なんなんでしょうねえ?
『アルジェの男』は、端的に言えば「ひっでー話。駄作」なんだと思います。
何十年も前の世界で、今と違う価値観やスターの存在があるときに、名のある演出家作だからありがたがられたのかもしれないけど、今の時代にコレを無名の演出家が出してきたら、世の中的にフルボッコだったと思う。
主役がナニ考えてんのかわかんないし魅力がわかりにくいし、2番手以下男役に出番も見せ場もないし、ヒロインは3人いるけど、3分割されたせいでトップ娘役が割り喰ってるし、台詞は字幕や注釈が必要な時代錯誤さだし、台詞回しはヘタすりゃお笑いなくらい昭和時代劇だけし、衝撃はあっても初見で納得とか爽快感とかのない幕切れだし、誰得?!な作品。
もっとうまく書いてくれればなあ。
嫌いなテーマじゃないのになあ。と、脚本の荒さに肩を落とすばかり。
ジュリアン@きりやんの最期なんて、大カタルシスになるはずなのになー。
強い意志と決断の上で、好きな女と手に手を取っての逃避行、幸せの絶頂で、苦しまずに昇天、これ以上ないハッピーエンドなのになあ。
ただの尻切れトンボ、「え、このドラマ打ち切りだったの?」的にしか、観客に伝わらないのは、脚本が悪いですよー。
周囲の観客が「え、これで終わり?」「わけわかんなーい」と口々に言うのを、観に行くたびに聞くのが、もう「お約束」って感じになってるなんて、アリエナイわー。
脚本に不満たらたら、だから古い柴田作品は嫌なのよー、と、すっかり不信感を植え付けられたわたしは思っておりますが、それはまあともかく。
そのひどい脚本のおかげで、ジャックという男が、実にわけわかんなくなっているのは、愉快です(笑)。
ジャックさんは、ジュリアンのお友だち。
アルジェではライバル意識はあったものの、同じ酒場を溜まり場にしたグループの仲間だったらしい。
んで、ジャックさんはサビーヌ@まりものことを好きだったんでしょうか?
ジュリアンが投獄されたらその間面倒を見てやる、と言う台詞がひとつあるだけで、彼女を愛しているという表現がない。
よくある2番手ライバル役ならば、主人公の恋人を愛していて、彼女に横恋慕することで、二重にライバル関係となるもんですが。
ジャックは別に、サビーヌのこと興味なさそーだよねー。自分にもカノジョ@すーちゃんはいるもんねー。
だから、彼がこだわっている相手はあくまでも、ジュリアンのみ。
女絡みじゃない。
そしていつも、自分からジュリアンに絡みに行く。
自分から行かないと、ジュリアンはジャックを「その他大勢」として扱ってしまうから?
わざと悪いことをするのも、ジュリアンの関心を引きたいから? 弱い商売人を脅して小銭を巻き上げていることを、責められてたよねえ?
ボランジュさん@リュウ様の財布を掏摸取ることにしても、すごーく一方的に持ちかけているし。
すべてはこの件からはじまるんだけど、そんな危険な賭をジュリアンが受ける理由がわからない。
賭っていうのは、フィフティフィフティであるべきだろう?
ボランジュさんを敵に回すことで、ジュリアンにはなんの得もない。失敗したら身の破滅、成功しても得はない……なのに何故、こんな一方的かつ無意味な賭をするのか?
ジャックがものすごく理不尽に絡んでいる、ようにしか見えない。
難癖を付けているだけだよね。
悪いのはジャックなんだから、ジュリアンは毅然と跳ね返せばいい。なのにそれをしない。
ここで疑問。
ジュリアンは、ジャックに、なにか弱みを握られている?
悪いのは脚本で、大先生様がナニも考えてないのだとしても、この無理矢理な展開はそうとしか思えない。
ジャックはジュリアンに絡み続ける。それは一方的かつ理不尽なモノ。だがジュリアンは、唇を噛んで屈辱に震えながらも、その辱めに耐えるしかない……。
ナニがあったんだ、ふたりの間に。
この芝居で描かれる前の時代に。
いちおージュリアンがボスで、ジャックはその仲間。なのにボスが、ボスであるという矜持をぎりぎり守りながらも、ジャックの言いなりになるしかない、ナニが……?
ジュリアンがボランジュさんの運転手となったあとの、お金の脅し取り方も、難癖でしかないよなー。言いがかりだよなー。
それでもジュリアンは黙って従うもんなー。
でもって時は流れ、5年後のパリ。
柴田せんせの中では数ヶ月と5年の差はないらしく、「数ヶ月前にパリに来た」ならアリだろう会話が、5年も経った今恥ずかしげもなく繰り広げられる。
そーゆー感覚の作者が書いたせいだとわかっちゃいるが。
5年間、ジュリアンのストーカーをしているジャックは、変です。
ジュリアンがアルジェを出てすぐ、サビーヌとジャックもまたパリへ渡っている。
そしてジュリアンをストーカーしながら、ふたりで暮らしている。
5年間。
サビーヌはわかるよ。
ジュリアンを愛してる、彼のそばにいたい、だけど邪魔にはなりたくない。だから黙って近くでストーカー自己満足生活。
しかし、ジャックは?
ジャックがそれにつきあうの、変じゃん。
ジャックがサビーヌを愛しているなら、ジュリアンのそばで彼の噂を聞きながら暮らすことを許すはずがない。
また、ジュリアンにぶら下がって美味しい汁を吸おうというなら、5年間コンタクトしないのがおかしい。
5年間、びんぼー暮らししてたんだ? 踊り子とそのヒモとして? 羽振りのいいジュリアンが目と鼻の先にいるのに?
これが数ヶ月ならまだ、わかるのよ。ジュリアンを脅すにしろ、これからだったんだろうなって。
なのに5年もパリで潜伏していたというから、わけがわからない。
5年間手を出さずに見守ってきたのに、ジュリアンに居所がばれたらすぐ脅しに掛かるし。
まるで、言い訳みたいだ。
オマエを追ってパリに来たのは、オマエを見張っていたのは、金のためなんだからな。そうジュリアンに知らしめるために、あえて過去の汚点を盾に小銭をせびったように見える。
そうでもしないと、理由が見つからない。
なにしろ5年。半端な長さじゃない。
この、取って付けたような強請も相当変なんだが。
さらに理解できないのは、大臣@マギーにボランジュさんを失脚させるよう依頼されること。
変だよ。ボランジュさんが失脚したら、ジュリアンもおしまい。金ヅルのジュリアンがびんぼーになったら、ジャックも困るじゃん?
まあ、金ヅルを失っても困らないくらいの大金を、大臣@マギーがくれるから、ってことかもしれないが。
だとしても、ジャックがジュリアンに持ちかける「ボランジュさん失脚計画」が、相当変なんだ。
何故彼は、こんな無意味な作戦を思いついたのだろう?
続く。
あの人、なんなんでしょうねえ?
『アルジェの男』は、端的に言えば「ひっでー話。駄作」なんだと思います。
何十年も前の世界で、今と違う価値観やスターの存在があるときに、名のある演出家作だからありがたがられたのかもしれないけど、今の時代にコレを無名の演出家が出してきたら、世の中的にフルボッコだったと思う。
主役がナニ考えてんのかわかんないし魅力がわかりにくいし、2番手以下男役に出番も見せ場もないし、ヒロインは3人いるけど、3分割されたせいでトップ娘役が割り喰ってるし、台詞は字幕や注釈が必要な時代錯誤さだし、台詞回しはヘタすりゃお笑いなくらい昭和時代劇だけし、衝撃はあっても初見で納得とか爽快感とかのない幕切れだし、誰得?!な作品。
もっとうまく書いてくれればなあ。
嫌いなテーマじゃないのになあ。と、脚本の荒さに肩を落とすばかり。
ジュリアン@きりやんの最期なんて、大カタルシスになるはずなのになー。
強い意志と決断の上で、好きな女と手に手を取っての逃避行、幸せの絶頂で、苦しまずに昇天、これ以上ないハッピーエンドなのになあ。
ただの尻切れトンボ、「え、このドラマ打ち切りだったの?」的にしか、観客に伝わらないのは、脚本が悪いですよー。
周囲の観客が「え、これで終わり?」「わけわかんなーい」と口々に言うのを、観に行くたびに聞くのが、もう「お約束」って感じになってるなんて、アリエナイわー。
脚本に不満たらたら、だから古い柴田作品は嫌なのよー、と、すっかり不信感を植え付けられたわたしは思っておりますが、それはまあともかく。
そのひどい脚本のおかげで、ジャックという男が、実にわけわかんなくなっているのは、愉快です(笑)。
ジャックさんは、ジュリアンのお友だち。
アルジェではライバル意識はあったものの、同じ酒場を溜まり場にしたグループの仲間だったらしい。
んで、ジャックさんはサビーヌ@まりものことを好きだったんでしょうか?
ジュリアンが投獄されたらその間面倒を見てやる、と言う台詞がひとつあるだけで、彼女を愛しているという表現がない。
よくある2番手ライバル役ならば、主人公の恋人を愛していて、彼女に横恋慕することで、二重にライバル関係となるもんですが。
ジャックは別に、サビーヌのこと興味なさそーだよねー。自分にもカノジョ@すーちゃんはいるもんねー。
だから、彼がこだわっている相手はあくまでも、ジュリアンのみ。
女絡みじゃない。
そしていつも、自分からジュリアンに絡みに行く。
自分から行かないと、ジュリアンはジャックを「その他大勢」として扱ってしまうから?
わざと悪いことをするのも、ジュリアンの関心を引きたいから? 弱い商売人を脅して小銭を巻き上げていることを、責められてたよねえ?
ボランジュさん@リュウ様の財布を掏摸取ることにしても、すごーく一方的に持ちかけているし。
すべてはこの件からはじまるんだけど、そんな危険な賭をジュリアンが受ける理由がわからない。
賭っていうのは、フィフティフィフティであるべきだろう?
ボランジュさんを敵に回すことで、ジュリアンにはなんの得もない。失敗したら身の破滅、成功しても得はない……なのに何故、こんな一方的かつ無意味な賭をするのか?
ジャックがものすごく理不尽に絡んでいる、ようにしか見えない。
難癖を付けているだけだよね。
悪いのはジャックなんだから、ジュリアンは毅然と跳ね返せばいい。なのにそれをしない。
ここで疑問。
ジュリアンは、ジャックに、なにか弱みを握られている?
悪いのは脚本で、大先生様がナニも考えてないのだとしても、この無理矢理な展開はそうとしか思えない。
ジャックはジュリアンに絡み続ける。それは一方的かつ理不尽なモノ。だがジュリアンは、唇を噛んで屈辱に震えながらも、その辱めに耐えるしかない……。
ナニがあったんだ、ふたりの間に。
この芝居で描かれる前の時代に。
いちおージュリアンがボスで、ジャックはその仲間。なのにボスが、ボスであるという矜持をぎりぎり守りながらも、ジャックの言いなりになるしかない、ナニが……?
ジュリアンがボランジュさんの運転手となったあとの、お金の脅し取り方も、難癖でしかないよなー。言いがかりだよなー。
それでもジュリアンは黙って従うもんなー。
でもって時は流れ、5年後のパリ。
柴田せんせの中では数ヶ月と5年の差はないらしく、「数ヶ月前にパリに来た」ならアリだろう会話が、5年も経った今恥ずかしげもなく繰り広げられる。
そーゆー感覚の作者が書いたせいだとわかっちゃいるが。
5年間、ジュリアンのストーカーをしているジャックは、変です。
ジュリアンがアルジェを出てすぐ、サビーヌとジャックもまたパリへ渡っている。
そしてジュリアンをストーカーしながら、ふたりで暮らしている。
5年間。
サビーヌはわかるよ。
ジュリアンを愛してる、彼のそばにいたい、だけど邪魔にはなりたくない。だから黙って近くでストーカー自己満足生活。
しかし、ジャックは?
ジャックがそれにつきあうの、変じゃん。
ジャックがサビーヌを愛しているなら、ジュリアンのそばで彼の噂を聞きながら暮らすことを許すはずがない。
また、ジュリアンにぶら下がって美味しい汁を吸おうというなら、5年間コンタクトしないのがおかしい。
5年間、びんぼー暮らししてたんだ? 踊り子とそのヒモとして? 羽振りのいいジュリアンが目と鼻の先にいるのに?
これが数ヶ月ならまだ、わかるのよ。ジュリアンを脅すにしろ、これからだったんだろうなって。
なのに5年もパリで潜伏していたというから、わけがわからない。
5年間手を出さずに見守ってきたのに、ジュリアンに居所がばれたらすぐ脅しに掛かるし。
まるで、言い訳みたいだ。
オマエを追ってパリに来たのは、オマエを見張っていたのは、金のためなんだからな。そうジュリアンに知らしめるために、あえて過去の汚点を盾に小銭をせびったように見える。
そうでもしないと、理由が見つからない。
なにしろ5年。半端な長さじゃない。
この、取って付けたような強請も相当変なんだが。
さらに理解できないのは、大臣@マギーにボランジュさんを失脚させるよう依頼されること。
変だよ。ボランジュさんが失脚したら、ジュリアンもおしまい。金ヅルのジュリアンがびんぼーになったら、ジャックも困るじゃん?
まあ、金ヅルを失っても困らないくらいの大金を、大臣@マギーがくれるから、ってことかもしれないが。
だとしても、ジャックがジュリアンに持ちかける「ボランジュさん失脚計画」が、相当変なんだ。
何故彼は、こんな無意味な作戦を思いついたのだろう?
続く。
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