救世主は光臨せず。@ROYAL STRAIGHT FLUSH!!
2011年9月4日 タカラヅカ 『EXCITER!!』って、偉大だったんだなあ。
と、心底思った、雪組初日。
こだまっちの衝撃作『仮面の男』は前代未聞の作品だった。
幕間にわたしたちはショーに懸けた。ショーが救いになるかもしれない、いや、なってくれ……と。
サイトーくんの『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』は、救世主としての使命を負わされた(笑)。
が、正直なとこ、それほどの力はなかった。ふつーのサイトーショーでしかなく、『仮面の男』を支えきるほどのクオリティはなし。むしろ、同時上演が『仮面の男』で命拾いしている面もあるんじゃないかと……ゲフンゲフン。
『仮面の男』が口が開いたままだったので言えなかった。
みみちゃん、本公演トップお披露目おめでとう。キムみみコンビ本拠地お披露目おめでとう。
……なのに。
けっこーアレな扱いだった気がする、トップ娘役とトップコンビ。
オープニングが終わった後の最初のストーリー仕立て場面。
不思議の国のアリス@みみがテレビスタジオに紛れ込んで大騒ぎ……てのは、いかにもサイトーくんらしい仕様。ごちゃごちゃして長いのはアレだが、まあアリだろう。
イイ女に変身したアリスに男たちめろめろ、もいい。
そのあとスターのWESTERN-K@キムが登場、アリスを銀橋で口説くけれど、アリスは相手にしない。
本舞台は西部劇の酒場。WESTERN-Kはそこで昔の恋人@あゆっちに再会、悪漢@ヲヅキと争い、彼女を救い、銀橋で愛の場面へ。
えええ。
トップコンビお披露目公演で、いきなり別の娘役とカップルっすか。
最初の場面です。
オープニングのあとの、一発目がコレ。
トップ娘役がギャグシーンでトップスターを振り、トップになれていたかもしれないもうひとりの花形娘役スターがシリアス場面でトップスターの相手役を務める……って。
お披露目おめでとー!なキモチで客席にいたわたしは、かなりびっくりしました。
これが何作もトップコンビとして組んできた中の1場面ならナニも思わない……ってゆーか、たかちゃんが他の娘役と組んで1場面なんて新鮮でうれしすぎたよ『満天星大夜總会』とかな、そーゆーのはあるんだ。
でも、お披露目公演だよ? しかも、最初の場面だよ? ふたりの結婚式を祝う気で来たら、いきなり新婦別の人……って、そりゃナイわー。
けっこーぽかーんとしていたんだが、いやまだ序盤だ、こっから先はふつーになるんだ、と思っていた。
が、しっかりとしたラヴなテーマはキムあゆだけで、あとは別テーマの場面でしかキムみみは組んでいなかった。
短いショー場面とか、戦争ヨクナイ! 人類愛! とか。れ、恋愛は……?
極めつけが、謎のインディアン衣装のデュエットダンスですよ……。
これが何作もトップコンビとして組んできた中の1場面ならナニも思わない……まあ斬新ねで済むかもしれないけど。
トップコンビお披露目で……。なんで……。
ジェンヌへのアテ書きではなく、演出家が自分のしたいことを優先させた結果なのかなと思った。
キムみみの扱いもそうだし、この作品の中核、テーマとなる部分にベトナム戦争を持ってきたこと。
サイトーくんがあの時代大好きで、米兵さん萌えなのは知ってるけど、それってタカラヅカで描くことか? ファンタジー要素の少ない、ガチな現代史を突然舞台上で見せられ、夢の世界から一気に冷めた。
軍服萌えもいいけど、それがどこの国のどの戦争なのか、一見わからないように描いてよ。しかも歴史が近すぎるよ、関係者がふつーに生活している時代のことを、軽々しく萌えネタにするのは危険すぎるよ。ベトコンはナチスほど記号化されてないよ?
戦争ヨクナイ! 人類愛! はヅカの普遍的なテーマだけど、それはわざわざベトナム戦争をそのまま持ってこなくても表現できる。
架空の国、架空の人々で。
タカラヅカらしい、美しくきらびやかなお伽話として。
太平洋戦争でなかっただけマシに思えってレベル? もんぺ姿のジェンヌに戦争ヨクナイ! 人類愛! って歌われなかっただけでもめっけもん? 自国なだけにシャレにならん度Maxだが、サイトーくんそっちも好きだもんなー。
そしてここはタカラヅカ。
歴史的な位置づけとか倫理とか問うのは野暮! というならば純粋にヅカヲタとして言わせてもらうと、ベトナム兵の笠はかっこわるいし顔が見えない。笠をかぶってないちぎくん以外のベトナム兵を演じている生徒のファンは、全員残念に思っているはず。
あの特徴的な笠さえなければ、どんだけ「これってアレだよね?」と想像させても、「違いますよ、架空の国の架空の戦争ですよ」と誤魔化せるのに。
誰も喜ばないことを丁寧にやって譲らないのは、演出家のエゴでしょう?
ちぎくんにだけかぶらせていないのは、「顔が見えない、かっこわるい」と演出家も知っているから。だけど、強行する。それが彼の萌えだから。
終始がちゃがちゃしていて、正統派の場面や、しっとりした場面がない。
それがサイトーショーらしさだけど、それが活きるのは作品と出演者がぴったりハマったとき。
今の雪組とキムみみに、このショーはハマっているのか……?
退団者の階段降りとかがおりさらさの場面とか、ニクい心遣いはあるのになあ。
あ、もちろん、まっつの扱いは残念でなりませんよ?(笑)
でもそれはサイトーくんというより、劇団指示なんだろうなあ。まっつを3番手扱いしちゃいけない、ってゆーの。芝居が3番手だからショーで落としてバランス取ってるんだろう。
そこは物申したいことが心からあるが、そーゆー私情は置いておいても、今回の作品はどうなのよ、と思ったわけだ。
いや、所詮感想なんて個人の感想、私情でしかないわけだが。
若いトップの組だから、自分の趣味先行でも罷り通ると思ったのかなあ。
残念なことだ。
こだまっちといい、サイトーいい。
『EXCITER!!』は偉大だった。
あの最悪作『外伝ベルサイユのばら-アンドレ編-』と同時上演されるに相応しい作品だった。
ぶっちゃけそこまでの名作ではないものの、組ファンを救うだけのパワーがあった。
全体としてテンポが悪くても、オープニングと中詰めの黒タキでただシンプルに「カッコイイ!! これぞタカラヅカ、これぞ花組!!」と喝采できる場面があった。
人民服とかインディアンじゃあ、シンプルに「カッコイイ!!」にはならないよなー。
フジイくんは花組の救世主だったけど、サイトーくんは力足りず。こだまっちよりはマシだけど、こだまっちの破壊力を防ぎきっていない。
このショーのためだけに公演に通える人は、どれくらいいるだろう……。遠い目……。
せめてもっとも大きな場面であるベトナム戦争を、衣装総取っ替えして、中世の架空戦争にしてくんないかなー。ファンタジーにしてくんないかなー。歌も振付も全部そのままでイイから。『ランスロット』が終幕するから、衣装と剣借りてきて~~。
と、心底思った、雪組初日。
こだまっちの衝撃作『仮面の男』は前代未聞の作品だった。
幕間にわたしたちはショーに懸けた。ショーが救いになるかもしれない、いや、なってくれ……と。
サイトーくんの『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』は、救世主としての使命を負わされた(笑)。
が、正直なとこ、それほどの力はなかった。ふつーのサイトーショーでしかなく、『仮面の男』を支えきるほどのクオリティはなし。むしろ、同時上演が『仮面の男』で命拾いしている面もあるんじゃないかと……ゲフンゲフン。
『仮面の男』が口が開いたままだったので言えなかった。
みみちゃん、本公演トップお披露目おめでとう。キムみみコンビ本拠地お披露目おめでとう。
……なのに。
けっこーアレな扱いだった気がする、トップ娘役とトップコンビ。
オープニングが終わった後の最初のストーリー仕立て場面。
不思議の国のアリス@みみがテレビスタジオに紛れ込んで大騒ぎ……てのは、いかにもサイトーくんらしい仕様。ごちゃごちゃして長いのはアレだが、まあアリだろう。
イイ女に変身したアリスに男たちめろめろ、もいい。
そのあとスターのWESTERN-K@キムが登場、アリスを銀橋で口説くけれど、アリスは相手にしない。
本舞台は西部劇の酒場。WESTERN-Kはそこで昔の恋人@あゆっちに再会、悪漢@ヲヅキと争い、彼女を救い、銀橋で愛の場面へ。
えええ。
トップコンビお披露目公演で、いきなり別の娘役とカップルっすか。
最初の場面です。
オープニングのあとの、一発目がコレ。
トップ娘役がギャグシーンでトップスターを振り、トップになれていたかもしれないもうひとりの花形娘役スターがシリアス場面でトップスターの相手役を務める……って。
お披露目おめでとー!なキモチで客席にいたわたしは、かなりびっくりしました。
これが何作もトップコンビとして組んできた中の1場面ならナニも思わない……ってゆーか、たかちゃんが他の娘役と組んで1場面なんて新鮮でうれしすぎたよ『満天星大夜總会』とかな、そーゆーのはあるんだ。
でも、お披露目公演だよ? しかも、最初の場面だよ? ふたりの結婚式を祝う気で来たら、いきなり新婦別の人……って、そりゃナイわー。
けっこーぽかーんとしていたんだが、いやまだ序盤だ、こっから先はふつーになるんだ、と思っていた。
が、しっかりとしたラヴなテーマはキムあゆだけで、あとは別テーマの場面でしかキムみみは組んでいなかった。
短いショー場面とか、戦争ヨクナイ! 人類愛! とか。れ、恋愛は……?
極めつけが、謎のインディアン衣装のデュエットダンスですよ……。
これが何作もトップコンビとして組んできた中の1場面ならナニも思わない……まあ斬新ねで済むかもしれないけど。
トップコンビお披露目で……。なんで……。
ジェンヌへのアテ書きではなく、演出家が自分のしたいことを優先させた結果なのかなと思った。
キムみみの扱いもそうだし、この作品の中核、テーマとなる部分にベトナム戦争を持ってきたこと。
サイトーくんがあの時代大好きで、米兵さん萌えなのは知ってるけど、それってタカラヅカで描くことか? ファンタジー要素の少ない、ガチな現代史を突然舞台上で見せられ、夢の世界から一気に冷めた。
軍服萌えもいいけど、それがどこの国のどの戦争なのか、一見わからないように描いてよ。しかも歴史が近すぎるよ、関係者がふつーに生活している時代のことを、軽々しく萌えネタにするのは危険すぎるよ。ベトコンはナチスほど記号化されてないよ?
戦争ヨクナイ! 人類愛! はヅカの普遍的なテーマだけど、それはわざわざベトナム戦争をそのまま持ってこなくても表現できる。
架空の国、架空の人々で。
タカラヅカらしい、美しくきらびやかなお伽話として。
太平洋戦争でなかっただけマシに思えってレベル? もんぺ姿のジェンヌに戦争ヨクナイ! 人類愛! って歌われなかっただけでもめっけもん? 自国なだけにシャレにならん度Maxだが、サイトーくんそっちも好きだもんなー。
そしてここはタカラヅカ。
歴史的な位置づけとか倫理とか問うのは野暮! というならば純粋にヅカヲタとして言わせてもらうと、ベトナム兵の笠はかっこわるいし顔が見えない。笠をかぶってないちぎくん以外のベトナム兵を演じている生徒のファンは、全員残念に思っているはず。
あの特徴的な笠さえなければ、どんだけ「これってアレだよね?」と想像させても、「違いますよ、架空の国の架空の戦争ですよ」と誤魔化せるのに。
誰も喜ばないことを丁寧にやって譲らないのは、演出家のエゴでしょう?
ちぎくんにだけかぶらせていないのは、「顔が見えない、かっこわるい」と演出家も知っているから。だけど、強行する。それが彼の萌えだから。
終始がちゃがちゃしていて、正統派の場面や、しっとりした場面がない。
それがサイトーショーらしさだけど、それが活きるのは作品と出演者がぴったりハマったとき。
今の雪組とキムみみに、このショーはハマっているのか……?
退団者の階段降りとかがおりさらさの場面とか、ニクい心遣いはあるのになあ。
あ、もちろん、まっつの扱いは残念でなりませんよ?(笑)
でもそれはサイトーくんというより、劇団指示なんだろうなあ。まっつを3番手扱いしちゃいけない、ってゆーの。芝居が3番手だからショーで落としてバランス取ってるんだろう。
そこは物申したいことが心からあるが、そーゆー私情は置いておいても、今回の作品はどうなのよ、と思ったわけだ。
いや、所詮感想なんて個人の感想、私情でしかないわけだが。
若いトップの組だから、自分の趣味先行でも罷り通ると思ったのかなあ。
残念なことだ。
こだまっちといい、サイトーいい。
『EXCITER!!』は偉大だった。
あの最悪作『外伝ベルサイユのばら-アンドレ編-』と同時上演されるに相応しい作品だった。
ぶっちゃけそこまでの名作ではないものの、組ファンを救うだけのパワーがあった。
全体としてテンポが悪くても、オープニングと中詰めの黒タキでただシンプルに「カッコイイ!! これぞタカラヅカ、これぞ花組!!」と喝采できる場面があった。
人民服とかインディアンじゃあ、シンプルに「カッコイイ!!」にはならないよなー。
フジイくんは花組の救世主だったけど、サイトーくんは力足りず。こだまっちよりはマシだけど、こだまっちの破壊力を防ぎきっていない。
このショーのためだけに公演に通える人は、どれくらいいるだろう……。遠い目……。
せめてもっとも大きな場面であるベトナム戦争を、衣装総取っ替えして、中世の架空戦争にしてくんないかなー。ファンタジーにしてくんないかなー。歌も振付も全部そのままでイイから。『ランスロット』が終幕するから、衣装と剣借りてきて~~。
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