カリスマに酔う午後。@関西フィルハーモニー管弦楽団UMEDA演奏会 with 春野寿美礼
 『インフィニティ』の出演者が発表になった頃、わたしは梅田でお茶しているところでした。

 他のモノを注文するつもりだったのに、「メープル・ナッツ」という名前に負けて選んでしまったケーキなんぞを食しつつ。
 いやその、「メープル・ナッツ? メープルまっつに聞こえた」とnanaタンが言うもんだからさー。
 メープル・まっつ? ナニそれ、おいしくなさそう!!(笑)

 頼むしかないじゃん、そんなの!!(笑)

 ソースのデコレーションが「M」に見えたり、勝手にまっつまっつと盛り上がってました。
 メープルシロップのかかったまつださん……。ふふ…ふ……。


 『H2$』以来の梅芸です、平日昼間です。

 『関西フィルハーモニー管弦楽団UMEDA演奏会 with 春野寿美礼』に行ってきました。

 えー、この関西フィルの梅芸演奏会は「ウイークデイのデイタイムに、気軽に梅田の街で、クラシック音楽を」というコンセプトで開催、これで9回目だそうですよ。
 縁のない世界なのでさっぱりわかっておりませぬ。

 わたしはただひたすら、オサ様に会いたくて行ってきました。
 つっても彼女はゲスト歌手なので後半にしか出ません。

 第一部は有名ミュージカルの曲をオーケストラで。
 聞き覚えのある曲がほとんどなので、わたしみたいな無教養な者でも楽しめました。

 んで第二部、途中からよーやく寿美礼サマ登場。同じくゲストの音楽プロデューサー・五木田さんと一緒に。

 わたしは予算の関係で1階後方席だったんだけど。
 いやあ、壮観だった!

 オサ様が登場するなり、見渡す限りのオペラグラスが一斉に上がるの!!

 まるで合図でもあったみいに、これが振付であるかのように。
 白い腕が縦に並んでるの! 客席全部。
 夏場だからよくわかるのね、オペラを構えるために腕が上がっている様が。
 それが、全員同じタイミングでざーっと動いたもんだから、壮観。震えたわ、その揃いっぷりに。

 みんな、オサ様観に来たんや。
 開演前も幕間も、みんなオサ様の話ばっかしてたもんなあ(笑)。
 コレを期待してオサ様をゲストに呼んだんだ、と指揮者の人も話していたので、オサ様は正しく集客したんだなあ。

 他人のオペラグラスの動きに感動していたわたしは、実はオペラ持ってませんでした。つか、忘れてきた(笑)。歌を聴く気満々で、視覚のことは考えてなかったよごめんよオサ様。
 深紅のロングドレスのオサ様は小顔でスタイル抜群、笑顔のふにゃりとしたかわいらしさも相まって、とてもステキでした。
 オサ様は7月7日のチャリティトークショー以来っす。

 所詮ゲストでしかないので、歌う曲数は少ない。
 プログラムにある5曲と、あとはアンコールの1曲で、合計6曲。

 五木田さんとはおなじみだけど、関西フィルとの仕事ははじめて、というオサ様。
 司会も務める関西フィル首席指揮者だという藤岡氏の話を聞きながら、実はすごくわくわくした。
 この指揮者さん、オサ様のことぜんぜん知らない!!(笑)
 書面のプロフィールを読んで、あとは打ち合わせのときに初顔合わせ、オサ様の歌のことは今回のリハーサル程度でしか知りません、って感じがした。
 ふつーに一定レベルの歌を歌う歌手、程度の認識? タカラヅカのトップ? あー、はいはい、みたいな?

 この「仕事ですから」てな指揮者さんとオケの人たち、あくまでも「ゲスト」でしかない寿美礼サマ。
 これはどちらに転ぶだろう。
 寿美礼サマがこのよそよそしい空気に飲まれて……もとい、空気を読んでおとなしく自分の仕事だけして終了するか。
 それとも、「春野寿美礼」を出すか。
 どっちだろう?

 歌がはじまった、最初の方はもちろん「ふつー」だった。
 ゲストらしく、オケを損なわないエンジン控えめな歌。
 ミュージカル曲や五木田せんせのオリジナル曲。

 んで『エリザベート』の「私だけに」なんかも歌っちゃう。
 
 ここまでは、あくまでも「歌」。ふつーに、「歌」。
 オサ様は歌手として歌い、そこにそのミュージカルの一場面を再現する気はない。その役になるつもりもない。
 ゲストだから、アウェイだからってのもあるかもしれないが、歌唱力だけが前面に出て、オサ様の個性はあまり見えない。

 問題は、最後の1曲。
 いつでもどこでもリクエストがすごいのだという、「最後のダンス」。
 この曲1曲のためにお着替えアリ。
 ドレス姿からパンツスーツへ。

 そして。
 春野寿美礼が、暴走する(笑)。

 ウケた。
 もー、客席で膝叩いて喜んだ。
 オサ様だ。わたしのミューズ、わたしの神、ハルノスミレは健在だー!!(笑)

 あれほどおっとりと微笑んで「男役スター? なんのこと?」ってくらいふにゃふにゃして、指揮者さんに「そんな風に見えない」と言われていたのに。

 男役として舞台に立ち、歌い出したら。
 どんどんエンジン掛かってきて、ついにはスイッチ入った。
 春野寿美礼スイッチ。
 制御装置解除。

 オーケストラ、置き去り。

 キターッ、オサ様キターッ!!
 フルオーケストラの演奏無視してフリーダム!
 オケ、ついて行けてない、立ち直れてない。

 指揮者がぎょっとしてオサ様を振り返る(笑)。
 オサ様は後ろ見てない、前だけ、自分の世界だけ見てる、浸ってる。

 これが春野寿美礼だ、オサ様のトート、オサ様の「最後のダンス」だ!


 あー。
 たのしかった……。
 もー、めちゃくちゃ楽しかった。
 わたしの席からは見えなかったけど、上手側にいたnanaタンからは、コンマスの表情が変わったのがよく見えたそうだ(笑)。
 そりゃびびるわ、あんなふーに暴走されたら。
 リハでは優等生な歌い方してたんだろーなー。まさか本番であんなことになるとは、関西フィルの方々は誰も知らなかったんだー。

 そして、オサ様のフリーダムっぶりについて行っていた、宝塚オーケストラの人たちはナニ気にすごいのか……。佐々田愛ちゃんとか、あのナニが起こるかわからなかったオサ様相手に指揮してたんだよなあ。塩田せんせもすごいよなあ。
 いや、関西フィルの人たちだって、知識があればついていけるんだろう、プロなんだから。でも指揮者の人からして、寿美礼サマのことなんにも知らなかったみたいだし。客寄せパンダとしての敬意を払ってくれていたけど、オサ様個人に興味がない、今回だけのおつきあいですってのが見え過ぎてたもんな。

 オサ様は自分の暴走に気付いているのかいないのか「オケがすごくって(はぁと)」なんてにこにこ笑って話してた(笑)。……天然?

 いやはや、春野寿美礼健在っぷりを見せつけられ、すごく満足!かつ幸せでした。
 やっぱオサ様好きだー。
 オサ様が自由に大暴れできるコンサートが観たいなああ。
 ずんちゃんが2007年にやったよーなやつが観たい~~。アレは「大阪センチュリー交響楽団の演奏で、10人の作曲家によってアレンジされた有名歌謡曲20曲を、ずんちゃんが歌う」というコンサートでした。
 元歌の原型留めないような愉快なアレンジが施された曲の数々を、美しい演奏でバックアップされつつ、歌手が自由に音で遊ぶ、という。

 自由に「春野寿美礼」であるオサ様を観たい。
 あのひとは、それだけでひとつのアートなの。

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