さらにまぬけで愛しいダルタニアン。@仮面の男
2011年10月22日 タカラヅカ いや、面白かったです、東宝版『仮面の男』。
三銃士の非道さに思わず爆笑。
そしてもうひとつ、爆笑した部分があります。
行く予定はなかったのに、東宝初日へ行ったのは、演出変更されるというので。
つっても過大な期待はなく、「これ以上ひどくなりませんように」という後ろ向きなキモチを抱えての観劇でした。
ムラの新人公演みたいな「臭いものに蓋」「お為ごかし」で「ふう、やれやれ。うるさいから変更してやったぜ、感謝しろよな」な出来かもしれないじゃないですか。なにしろ宝塚歌劇団のすることですから(笑)。
たしかにいろいろ変更されていました。
変更のほとんどは「マジに人道的・倫理的クレームが多かったんだろう」と思わせる部分の削除と、フィリップについての解説追記、でした。
主人公はフィリップだから、まず彼について追記されたのは正しい。
その追記がことごとく台詞による解説で、冗長かつ地味、どこの植爺芝居だ状態だとしても。
まあ細かいことはいずれ語るとして。
この作品の「物語」部分での問題点は3つ、と以前書いた。
・主人公フィリップと、ヒロイン・ルイーズの関係
・ダルタニアンの復讐のいびつさによる、性格破綻
・三銃士のフィリップに対する利己的さ
これが改善されない限り、結局は同じことだと。
フィリップについて加筆されたので、「フィリップとルイーズの関係」は少しマシになってるのかな?
ふたりの心情についての説明台詞が増えていたけど。
言葉にしなくても、あの程度のことはキムみみがきちんと演技で表現していたので、それをわざわざ台詞で言うことへの無粋さを感じたんだけど、「わかりやすさ」という点ではあった方がいいのか。
しかし、フィリップとルイーズが共に逃げて影絵なんかしているあの場面ってさ、ふたりが出会ってから、数時間後のことなんだよ、知ってた?
ルイーズがルイを殺そうとして寝室へ行き、秘密を打ち明けられた、その夜のことだから。
ラウルのためにルイを殺そうとしていたルイーズが、たった数時間後に、フィリップへ「あなたのそばにいたい」と言うわけですよ。
ここの改善はされてないんですが、いいんですか。
いやあ、加筆されたのがフィリップについて少々、なだけだからさー。
観ながらあちこち笑いツボ直撃して、困った……。
そのひとつであった、三銃士については前日欄で語った。
もうひとつの爆笑ポイントは、ダルタニアン。
前述の通り、ダルタニアンはひどいことになっている。
1.恋人のコンスタンスの復讐のため、あえて非道な国王ルイに仕えている。
コンスはアンヌ王妃の命令で秘密任務に就いていた。それで殺されたのだから、王室関係のナニかがあったためだろう。だから近衛銃士隊隊長として、王家のそばにあることが必要だった、らしい。
でもそのために、国王ルイがどんな悪政を行っていても、見て見ぬふり。「血のつながりよりも、主従のつながりを尊ぶのが剣に生きる者の義務だ」とキレイゴトをぬかしている。
2.コンスタンスが殺されてから何年経ったか不明だが、その間ナニも捜査できずに、ぼーっとしていたらしい。
王室関係のごたごたで殺された、とわかっているだろうに……実行犯が目の前で証拠のペンダントを日常的にぶら下げて生きているのに、まったく気付かず何年も何年も。
どんだけぼんくら。
3.ルイとフィリップは性格がまったく違う。なのにふたりが入れ替わったことに気付いていなかった。ちなみに、ふたりの入れ替えは、ダルタニアンの目の前で行われている。
よーやく入れ替わりに気付いたのは、自分の力ではなく、フィリップとルイーズの会話を盗み聞きして。
三銃士が一大ページェントに混ざって大騒ぎしていたことにも気付かず、すっかり騙されていたくせに、「このダルタニアンの目は誤魔化せないぞ」と大見得。
4.三銃士とフィリップを追いつめるためにサン・マルグリット島へ行ったのに、コンスタンス殺しの真犯人がルイだとわかり、コロリと心変わり。
えーと、もしもここでルーヴォアのペンダントに気付かなかったら、昔の仲間の三銃士とルイーズを殺し、フィリップに鉄の仮面を付けて牢獄へ送ってたんですかね、ダルタニアン。ひどいよねダルタニアン。
同じ職場で働いているルーヴォアのペンダントに、今ごろ気付くとか、しかも、「行きがけの駄賃で殺した侍女からペンダントを奪った、えっへん」とかゆー男の言葉をまるっと信じるダルタニアン。それも、見るからに「口から出まかせ、命乞いのために言いました」的な、「オレは殺したくなかったのに、陛下に命令されて仕方なくやったんだ」を信じるダルタニアン。
今までルイの悪政をスルーし続け、彼が誰を殺そうと平気だったくせに、ルイがコンスタンス殺しの犯人だとわかるなり「あなたは人民を助けず、反対に命を奪っている。我々が命を懸けてお仕えする、真の国王ではない」と豹変。オマエガイウナ、オマエがっ。人殺しを見てみぬ振りしてきたんだから、オマエも同罪だっつーの。
5.フィリップがどんな人物かまったくわかっていないのに、国を彼に任せると言う。本当に自分の都合しかアタマになく、国も他の人々のことも、どーでもいいらしい。
ダルタニアンはフィリップを個人的にまったく知らない。なにしろルイとフィリップがすり替えられて数時間後に、このサン・マルグリット島でルイを捕縛しているわけだからなー。アンヌ王太后のお誕生会からラストシーンまで、一晩のことだからなー。
という、ムラ版の歪みが、ダルタニアンに関しては一切フォローなしでした。
フィリップとルイーズは説明台詞がやたら増えていたし、サンマールだってまともな人になっていた。三銃士もさらにヒドイ人たちになっていたが、それでも加筆されていた。
2番手のはずのダルタニアンは、絶賛放置プレイ。
ダルタニアンは変な人で、ムラ版でもほんとにおかしくて、やってることはまぬけ一直線なのにいつもひとりだけドシリアスで、ちぎくん大変だなあ、と、コマくんとは違う意味で声援していたんだ。
三銃士も変な人たちだけど、彼らはコメディパートもあるからまだ変でも仕方ないかと思えるけど、ダルタニアンは徹頭徹尾シリアスなだけに、逃げ場もなく変なんだよなあ……。
サン・マルグリット島でフィリップと剣を交えるところ、ムラでも2種類くらい台詞なかった? 途中で変わったのかな? 「こんなに瓜二つだとは」とか「このダルタニアンは誤魔化せないぞ(大切なことだから2回言いました?)」とか言っていたのが、海馬に残ってるんだが。
フィリップをフィリップとして、まともに顔を合わせました、と言いたいがゆえの台詞かなー、って場面。
そーやって、ムラでも「あれ、ここ台詞変わった?(首傾げ)」な部分。変わったところで、ダルタニアンが変なことは救いようもない事実だから、無意味な変更だなあ、ぐらいのキモチでスルーしていたので、よくおぼえていない、あの部分。
東宝で更に、変更されていたんだ。
その台詞ってのが。
「もう二度と騙されないぞ!」
爆笑。
まさかこう来るとは思ってなくて、油断していただけに、肩が震えた。懸命にこらえたんだが、小さく声が出てしまったかもしれない。
騙されてたって、認めたんだ!!(笑)
今までさんざんアホやりまくって空回りして恥ずかしいことになってるのに、「このダルタニアンの目は誤魔化せないぞ」とかあさってなこと言って強がってたくせに!!
やっぱ、騙されてた自覚はあったんだ。
ついでにゆーとダルタニアン、今も君、騙されてると思うよ? 真犯人がルイだっていうの、ルーヴォアの苦し紛れの言葉だけなんだよ? 裏付けなんにもナイんだよ? まだ騙されてるかもよ?(笑)
どこまで騙されやすいんだダルタニアン。
きっとこれからも、いろんな人に騙されるんだろう、ダルタニアン。
ダルタんかわいいよダルタん!!
ムラ版よりさらに、まぬけさアップ!!
もうアホすぎて愛しい。
三銃士の非道さに思わず爆笑。
そしてもうひとつ、爆笑した部分があります。
行く予定はなかったのに、東宝初日へ行ったのは、演出変更されるというので。
つっても過大な期待はなく、「これ以上ひどくなりませんように」という後ろ向きなキモチを抱えての観劇でした。
ムラの新人公演みたいな「臭いものに蓋」「お為ごかし」で「ふう、やれやれ。うるさいから変更してやったぜ、感謝しろよな」な出来かもしれないじゃないですか。なにしろ宝塚歌劇団のすることですから(笑)。
たしかにいろいろ変更されていました。
変更のほとんどは「マジに人道的・倫理的クレームが多かったんだろう」と思わせる部分の削除と、フィリップについての解説追記、でした。
主人公はフィリップだから、まず彼について追記されたのは正しい。
その追記がことごとく台詞による解説で、冗長かつ地味、どこの植爺芝居だ状態だとしても。
まあ細かいことはいずれ語るとして。
この作品の「物語」部分での問題点は3つ、と以前書いた。
・主人公フィリップと、ヒロイン・ルイーズの関係
・ダルタニアンの復讐のいびつさによる、性格破綻
・三銃士のフィリップに対する利己的さ
これが改善されない限り、結局は同じことだと。
フィリップについて加筆されたので、「フィリップとルイーズの関係」は少しマシになってるのかな?
ふたりの心情についての説明台詞が増えていたけど。
言葉にしなくても、あの程度のことはキムみみがきちんと演技で表現していたので、それをわざわざ台詞で言うことへの無粋さを感じたんだけど、「わかりやすさ」という点ではあった方がいいのか。
しかし、フィリップとルイーズが共に逃げて影絵なんかしているあの場面ってさ、ふたりが出会ってから、数時間後のことなんだよ、知ってた?
ルイーズがルイを殺そうとして寝室へ行き、秘密を打ち明けられた、その夜のことだから。
ラウルのためにルイを殺そうとしていたルイーズが、たった数時間後に、フィリップへ「あなたのそばにいたい」と言うわけですよ。
ここの改善はされてないんですが、いいんですか。
いやあ、加筆されたのがフィリップについて少々、なだけだからさー。
観ながらあちこち笑いツボ直撃して、困った……。
そのひとつであった、三銃士については前日欄で語った。
もうひとつの爆笑ポイントは、ダルタニアン。
前述の通り、ダルタニアンはひどいことになっている。
1.恋人のコンスタンスの復讐のため、あえて非道な国王ルイに仕えている。
コンスはアンヌ王妃の命令で秘密任務に就いていた。それで殺されたのだから、王室関係のナニかがあったためだろう。だから近衛銃士隊隊長として、王家のそばにあることが必要だった、らしい。
でもそのために、国王ルイがどんな悪政を行っていても、見て見ぬふり。「血のつながりよりも、主従のつながりを尊ぶのが剣に生きる者の義務だ」とキレイゴトをぬかしている。
2.コンスタンスが殺されてから何年経ったか不明だが、その間ナニも捜査できずに、ぼーっとしていたらしい。
王室関係のごたごたで殺された、とわかっているだろうに……実行犯が目の前で証拠のペンダントを日常的にぶら下げて生きているのに、まったく気付かず何年も何年も。
どんだけぼんくら。
3.ルイとフィリップは性格がまったく違う。なのにふたりが入れ替わったことに気付いていなかった。ちなみに、ふたりの入れ替えは、ダルタニアンの目の前で行われている。
よーやく入れ替わりに気付いたのは、自分の力ではなく、フィリップとルイーズの会話を盗み聞きして。
三銃士が一大ページェントに混ざって大騒ぎしていたことにも気付かず、すっかり騙されていたくせに、「このダルタニアンの目は誤魔化せないぞ」と大見得。
4.三銃士とフィリップを追いつめるためにサン・マルグリット島へ行ったのに、コンスタンス殺しの真犯人がルイだとわかり、コロリと心変わり。
えーと、もしもここでルーヴォアのペンダントに気付かなかったら、昔の仲間の三銃士とルイーズを殺し、フィリップに鉄の仮面を付けて牢獄へ送ってたんですかね、ダルタニアン。ひどいよねダルタニアン。
同じ職場で働いているルーヴォアのペンダントに、今ごろ気付くとか、しかも、「行きがけの駄賃で殺した侍女からペンダントを奪った、えっへん」とかゆー男の言葉をまるっと信じるダルタニアン。それも、見るからに「口から出まかせ、命乞いのために言いました」的な、「オレは殺したくなかったのに、陛下に命令されて仕方なくやったんだ」を信じるダルタニアン。
今までルイの悪政をスルーし続け、彼が誰を殺そうと平気だったくせに、ルイがコンスタンス殺しの犯人だとわかるなり「あなたは人民を助けず、反対に命を奪っている。我々が命を懸けてお仕えする、真の国王ではない」と豹変。オマエガイウナ、オマエがっ。人殺しを見てみぬ振りしてきたんだから、オマエも同罪だっつーの。
5.フィリップがどんな人物かまったくわかっていないのに、国を彼に任せると言う。本当に自分の都合しかアタマになく、国も他の人々のことも、どーでもいいらしい。
ダルタニアンはフィリップを個人的にまったく知らない。なにしろルイとフィリップがすり替えられて数時間後に、このサン・マルグリット島でルイを捕縛しているわけだからなー。アンヌ王太后のお誕生会からラストシーンまで、一晩のことだからなー。
という、ムラ版の歪みが、ダルタニアンに関しては一切フォローなしでした。
フィリップとルイーズは説明台詞がやたら増えていたし、サンマールだってまともな人になっていた。三銃士もさらにヒドイ人たちになっていたが、それでも加筆されていた。
2番手のはずのダルタニアンは、絶賛放置プレイ。
ダルタニアンは変な人で、ムラ版でもほんとにおかしくて、やってることはまぬけ一直線なのにいつもひとりだけドシリアスで、ちぎくん大変だなあ、と、コマくんとは違う意味で声援していたんだ。
三銃士も変な人たちだけど、彼らはコメディパートもあるからまだ変でも仕方ないかと思えるけど、ダルタニアンは徹頭徹尾シリアスなだけに、逃げ場もなく変なんだよなあ……。
サン・マルグリット島でフィリップと剣を交えるところ、ムラでも2種類くらい台詞なかった? 途中で変わったのかな? 「こんなに瓜二つだとは」とか「このダルタニアンは誤魔化せないぞ(大切なことだから2回言いました?)」とか言っていたのが、海馬に残ってるんだが。
フィリップをフィリップとして、まともに顔を合わせました、と言いたいがゆえの台詞かなー、って場面。
そーやって、ムラでも「あれ、ここ台詞変わった?(首傾げ)」な部分。変わったところで、ダルタニアンが変なことは救いようもない事実だから、無意味な変更だなあ、ぐらいのキモチでスルーしていたので、よくおぼえていない、あの部分。
東宝で更に、変更されていたんだ。
その台詞ってのが。
「もう二度と騙されないぞ!」
爆笑。
まさかこう来るとは思ってなくて、油断していただけに、肩が震えた。懸命にこらえたんだが、小さく声が出てしまったかもしれない。
騙されてたって、認めたんだ!!(笑)
今までさんざんアホやりまくって空回りして恥ずかしいことになってるのに、「このダルタニアンの目は誤魔化せないぞ」とかあさってなこと言って強がってたくせに!!
やっぱ、騙されてた自覚はあったんだ。
ついでにゆーとダルタニアン、今も君、騙されてると思うよ? 真犯人がルイだっていうの、ルーヴォアの苦し紛れの言葉だけなんだよ? 裏付けなんにもナイんだよ? まだ騙されてるかもよ?(笑)
どこまで騙されやすいんだダルタニアン。
きっとこれからも、いろんな人に騙されるんだろう、ダルタニアン。
ダルタんかわいいよダルタん!!
ムラ版よりさらに、まぬけさアップ!!
もうアホすぎて愛しい。
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