ダルタニアンの独り言ソングから人間睫毛まで。@仮面の男
2011年10月30日 タカラヅカ ムラ版『仮面の男』の演出についての感想、続き。
『H2$』パロをやりたいがためだけの酒場のシーンは演出家があまりにアホだと思っているけれど。
ただ、たくさんの出演者が舞台にいて、みんなががちゃがちゃ楽しそうにしていること自体は好き。
モブの人たちまで一緒になってのミュージカルナンバーはいい。
パロディの是非や、キャラクタの人格破壊はともかく、酒場でわいわいはいいよなー。
さて、ひとりシリアスなダルタニアン@ちぎ。
変わってしまった彼については、その前の場面で三銃士たちが語っている。
三銃士の説明台詞の不自然さは相当なもんなんだが、言葉の量のわりに内容が伝わっていないんだよなー。つか、意味がわかんないんだよなー。
三銃士が語る「変わってしまったダルタニアン」とは。
「恋人のコンスタンスが殺されたため」「銃士隊の隊長になった=自由よりも欲に目がくらんだ」「三銃士は、そんなダルタニアンのそばにいたくなくて銃士隊を辞めた」「いつかダルタニアンは三銃士の元に戻り、フランスのために共に闘う日が来ると信じる」。
えーと、ここの台詞で欠けていることが、すごく気になる。
だって三銃士も、そもそもは銃士隊にいたんだ。銃士隊の隊長になることが何故「自由より欲に目がくらんだ」ことになるんだ?
義勇軍にいたのに、国王の軍隊に入った、とかなら「自由より欲に目がくらんだ」もアリかもしんないけど。
もともと4人とも銃士隊なのに。
問題なのは「銃士隊」でも「隊長」でもない。
「今の国王」だ。
三銃士たちが誇りを持って銃士隊にいたころと、現在では国王が変わっている。
この物語のラスボスはルイ@キムだ。
だからいかなる場合も、「悪いのはルイ」と示していかなければならない。
三銃士が「自由より欲に目がくらんだ」と語るのは「ルイの手下になった」ことだ。「銃士隊の隊長」云々ではない。
ルイは悪い王であり、彼はフランスのためになっていない。だからルイの銃士隊を辞め、三銃士の元へやって来ないと「フランスのために闘う」ことにならない。そういう意味だ。
なのに、その肝心のことを語っていないんだ。
だから、「三銃士だって銃士隊だったのに、その隊長になることが何故、『自由より欲に目がくらんだ』ことになるの?」と観客が混乱する。
銃士隊ってのがよっぽどひどいところで、そこに籍を置くってのは「自由より欲に目がくらんだ」ことなの? だから三銃士が職を辞したの? ……と思ったら、「ダルタニアンを見るのが辛いから辞めた」……えええ、そんな個人的理由??
説明台詞の無駄な長さ、そのくせ必要なことは語られていない。
脚本を書いた人のバカさに苛々する(笑)。
「ルイが国王になってから、銃士隊はすっかり変わってしまった。そんな銃士隊の隊長になるなんて、自由より欲に目がくらんだ」
と語るのが正しい。
三銃士たちが銃士隊を辞めたのも、ダルタニアン云々以前に、ルイの施政のもと、悪を行う銃士隊に耐えられなくなっていたため。その悪の象徴たる隊長に収まったダルタニアンを見ていられなかった、ということだろうに。
しかし、「俺たちの元へ戻り、もう一度フランスのために」と語る三銃士が、無銭飲食と居直り強盗の恥ずべき犯罪者と成り果てているために、どの口が言うか!!と観客は総ツッコミ、その直後のダルタニアンの苦悩もナニも活きない、という欠陥付き(笑)。
三銃士の解説で、ますますよくわからないダルタニアンという男。
ひとりシリアスに登場し、銀橋で1曲歌う。
ダルタニアンの銀橋ソングはいい曲なんだほんと。
……どうも難しいらしく、ちぎくんはわたしが知る限りただの一度もきれいに歌いきったことがなかったのだけど(笑)。
歌詞が聞き取れないという問題はあるにしろ、友情と、ソレを裏切らねばならない苦悩を歌っているらしい。
コンスタンス@あゆっちとの思い出場面はあれでいいんじゃないかと。
額縁に入った思い出……って、ダルタニアン、ヲトメ的な美化入ってんぢゃね? って感じがしてイイ。
ダルタニアンはほんと変な人なんで、変を貫いてくれるくらいでいいよ、もう。
ちぎあゆの芝居、彼らの空気感を楽しめる、それだけでいいよね。
次の場面、ビートの響く「王はすべてお見通し」は、好きだ。
眼球の影絵、アーチの上の人間睫毛。
貴族な人々なので、衣装も豪華で目にもたのしい。
音楽もパンチが効いていていい。
パリ市民の声を途中からルーヴォア@ひろみが代弁するのも楽しい。
ワンフレーズずつでも、いろんな子にソロがあるし。
ただ、パリ市民にライトが当たらなくなるのだけが気になる。
ルーヴォアと同じ振り付けで歌っているのに、舞台に沈んでしまってわかりにくい。
ライトの輝度は落としていいから、市民たちもよく見えるようにして、ルーヴォアとのシンクロ率を上げて欲しい。
途中からルーさんが引き継いで歌っているのだと、もっとわかりやすく。
バウじゃない、大劇場なんだから。
ミレディ@ヒメの使い方はどうかと思うパート1(笑)。
催眠術はともかく、「閣下の胸のペンダント」がなー。ここの伏線、必要か? ルーさんが日常的に身につけているペンダントに何年も気づかないダルタニアンってどうよ?と、トホホ感を増すだけだと思うんだが。
ふつーに兵に取り押さえさせればいいと思うんだがなー。
ルイとルイーズ@みみの銀橋はよいし、後半のルイとフィリップ@キムの銀橋との差を楽しめる。
てゆーかほんとにキムくんの芝居はいいよな。
高笑いが素敵(笑)。
まあ、「陛下を転覆」という日本語がかなり気にはなるのだけど。
さて、次が問題の監獄場面、大囚人ナンバー。
続く。
『H2$』パロをやりたいがためだけの酒場のシーンは演出家があまりにアホだと思っているけれど。
ただ、たくさんの出演者が舞台にいて、みんなががちゃがちゃ楽しそうにしていること自体は好き。
モブの人たちまで一緒になってのミュージカルナンバーはいい。
パロディの是非や、キャラクタの人格破壊はともかく、酒場でわいわいはいいよなー。
さて、ひとりシリアスなダルタニアン@ちぎ。
変わってしまった彼については、その前の場面で三銃士たちが語っている。
三銃士の説明台詞の不自然さは相当なもんなんだが、言葉の量のわりに内容が伝わっていないんだよなー。つか、意味がわかんないんだよなー。
三銃士が語る「変わってしまったダルタニアン」とは。
「恋人のコンスタンスが殺されたため」「銃士隊の隊長になった=自由よりも欲に目がくらんだ」「三銃士は、そんなダルタニアンのそばにいたくなくて銃士隊を辞めた」「いつかダルタニアンは三銃士の元に戻り、フランスのために共に闘う日が来ると信じる」。
えーと、ここの台詞で欠けていることが、すごく気になる。
だって三銃士も、そもそもは銃士隊にいたんだ。銃士隊の隊長になることが何故「自由より欲に目がくらんだ」ことになるんだ?
義勇軍にいたのに、国王の軍隊に入った、とかなら「自由より欲に目がくらんだ」もアリかもしんないけど。
もともと4人とも銃士隊なのに。
問題なのは「銃士隊」でも「隊長」でもない。
「今の国王」だ。
三銃士たちが誇りを持って銃士隊にいたころと、現在では国王が変わっている。
この物語のラスボスはルイ@キムだ。
だからいかなる場合も、「悪いのはルイ」と示していかなければならない。
三銃士が「自由より欲に目がくらんだ」と語るのは「ルイの手下になった」ことだ。「銃士隊の隊長」云々ではない。
ルイは悪い王であり、彼はフランスのためになっていない。だからルイの銃士隊を辞め、三銃士の元へやって来ないと「フランスのために闘う」ことにならない。そういう意味だ。
なのに、その肝心のことを語っていないんだ。
だから、「三銃士だって銃士隊だったのに、その隊長になることが何故、『自由より欲に目がくらんだ』ことになるの?」と観客が混乱する。
銃士隊ってのがよっぽどひどいところで、そこに籍を置くってのは「自由より欲に目がくらんだ」ことなの? だから三銃士が職を辞したの? ……と思ったら、「ダルタニアンを見るのが辛いから辞めた」……えええ、そんな個人的理由??
説明台詞の無駄な長さ、そのくせ必要なことは語られていない。
脚本を書いた人のバカさに苛々する(笑)。
「ルイが国王になってから、銃士隊はすっかり変わってしまった。そんな銃士隊の隊長になるなんて、自由より欲に目がくらんだ」
と語るのが正しい。
三銃士たちが銃士隊を辞めたのも、ダルタニアン云々以前に、ルイの施政のもと、悪を行う銃士隊に耐えられなくなっていたため。その悪の象徴たる隊長に収まったダルタニアンを見ていられなかった、ということだろうに。
しかし、「俺たちの元へ戻り、もう一度フランスのために」と語る三銃士が、無銭飲食と居直り強盗の恥ずべき犯罪者と成り果てているために、どの口が言うか!!と観客は総ツッコミ、その直後のダルタニアンの苦悩もナニも活きない、という欠陥付き(笑)。
三銃士の解説で、ますますよくわからないダルタニアンという男。
ひとりシリアスに登場し、銀橋で1曲歌う。
ダルタニアンの銀橋ソングはいい曲なんだほんと。
……どうも難しいらしく、ちぎくんはわたしが知る限りただの一度もきれいに歌いきったことがなかったのだけど(笑)。
歌詞が聞き取れないという問題はあるにしろ、友情と、ソレを裏切らねばならない苦悩を歌っているらしい。
コンスタンス@あゆっちとの思い出場面はあれでいいんじゃないかと。
額縁に入った思い出……って、ダルタニアン、ヲトメ的な美化入ってんぢゃね? って感じがしてイイ。
ダルタニアンはほんと変な人なんで、変を貫いてくれるくらいでいいよ、もう。
ちぎあゆの芝居、彼らの空気感を楽しめる、それだけでいいよね。
次の場面、ビートの響く「王はすべてお見通し」は、好きだ。
眼球の影絵、アーチの上の人間睫毛。
貴族な人々なので、衣装も豪華で目にもたのしい。
音楽もパンチが効いていていい。
パリ市民の声を途中からルーヴォア@ひろみが代弁するのも楽しい。
ワンフレーズずつでも、いろんな子にソロがあるし。
ただ、パリ市民にライトが当たらなくなるのだけが気になる。
ルーヴォアと同じ振り付けで歌っているのに、舞台に沈んでしまってわかりにくい。
ライトの輝度は落としていいから、市民たちもよく見えるようにして、ルーヴォアとのシンクロ率を上げて欲しい。
途中からルーさんが引き継いで歌っているのだと、もっとわかりやすく。
バウじゃない、大劇場なんだから。
ミレディ@ヒメの使い方はどうかと思うパート1(笑)。
催眠術はともかく、「閣下の胸のペンダント」がなー。ここの伏線、必要か? ルーさんが日常的に身につけているペンダントに何年も気づかないダルタニアンってどうよ?と、トホホ感を増すだけだと思うんだが。
ふつーに兵に取り押さえさせればいいと思うんだがなー。
ルイとルイーズ@みみの銀橋はよいし、後半のルイとフィリップ@キムの銀橋との差を楽しめる。
てゆーかほんとにキムくんの芝居はいいよな。
高笑いが素敵(笑)。
まあ、「陛下を転覆」という日本語がかなり気にはなるのだけど。
さて、次が問題の監獄場面、大囚人ナンバー。
続く。
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