復讐のダルタニアン。@仮面の男
2011年11月13日 タカラヅカ 『仮面の男』ムラ版演出についての感想。
もうひとりの主人公、ダルタニアン@ちぎ。
こだまっちの悪い癖というか、すぐに視点がブレるのな。
『仮面の男』は最初から誰が主人公なんだかわからないから(主人公のはずのフィリップは開始から50分登場しない)、今さら言っても仕方ないことなんだが。
いちおーダルタニアンも、準主役としてドラマを描かれている。
ダルタニアンがもうひとりの主役でも一向にかまわない。ただ、クライマックスとは、主人公を中心に描くものだということが、こだまっちには未だ理解できていないらしい。
『天の鼓』のクライマックスが帝視点で、主役のはずの虹人が行方不明になっちゃった、あれから進歩していないんだわー。
ダルタニアンの復讐劇の顛末を、ちゃんと描こうとしたのはいい。
それはそれとして、それ以上にフィリップ@キムの物語を「クライマックスとして」描かねばならない。物語のもっとも盛り上がる、観客が手に汗握って見守ったり、感動の涙を流す、動きのある場面は主人公のためにあるべきだ。
『仮面の男』がボケた作劇になっているのは、クライマックスの置き方が間違っていることも、原因のひとつだ。
ダルタニアンの歌舞伎的な見得を切る場面がばーんとあり、そこが作品的なクライマックス、山場になっている。で、そのあとはクライマックスの「まとめ」の場面になる。まとめ、って……主人公をそんな扱いしたらいかんやろ。
いちばんの山場をフィリップ中心に据え、彼の活躍・魅力を前面に押し出す作りなら、全体のブレ具合も、半分以上不要なお遊びばかりであることも、勢いで誤魔化せたかもしれないのに。終わりよければすべてヨシ、クライマックスが派手だと、「なんかすごいもん見た?」と人は誤解するのに。
と、構成間違ってるんだけど、そうまでして描いた、ダルタニアンの復讐劇。
これがまた、ひどい(笑)。
視点混乱させてまで作品の中心に据えている話であり、キャラクタであるのに。作者の構成力のなさ、人間としての心のなさが全部、ダルタニアンの破綻っぷりに表れている。しわ寄せが来ている。……大変だニャ。
ダルタニアンは、殺されたコンスタンス@あゆっちの復讐のために、友である三銃士と袂を分かち、ルイ@キムに仕えている。ルイが暴君であることも見て見ぬふり、誰が殺されても知らんぷり。ラウル処刑は知らなかったにしろ、彼が無実の罪で投獄されたことまでは立場上知っているよね? アトス@まっつの弟がそんなことになっていても絶賛スルー中だったわけだよね?
そしてさらに、ルイ誘拐の罪で三銃士を追っている。……三銃士のことを、殺すつもりだったんだよね?
ポルトスはダルタニアンを殺せないと剣を引くけれど、ダルタニアンはポルトスを殺すつもりだった、と。
国王誘拐だけでも大罪だが、それ以前に口封じ前提の秘密・国王が双子という事実を知ってしまった三銃士とルイーズは、即抹殺だよね、捕らえることすらしないよね。
それだけの覚悟を持って三銃士を追っていたんだよね?
で、そんだけの覚悟がありながら、ポルトスに「お前とは戦えない」と言われたら、全部投げ出してポルトス助けちゃうの? その程度の覚悟で三銃士討伐隊を指揮しているの? 人格ナイの?
ポルトスをかばってルーヴォア@ひろみに剣を向けてしまうダルタニアン。
ペンダントを見つけなかったら、どうしていたんだろう。
やっぱりコウモリらしく豹変して、ポルトスを殺していたの?
それともポルトスを逃がすためにルーヴォアを口封じに殺すの?
その場その場で思いつきだけで行動していて、なにがしたいのか、まったくわからない。
ええ、この作品でいちばん可哀想なのはダルタニアンだと思う……おかしすぎる。
阿呆すぎて言葉も出ないダルタニアンだが、まあともかく、幸運にもルーヴォアのペンダントに気づき、彼がコンスタンス殺害の実行犯だと知る。
ここの流れもよくわからない。
ポルトスはなにをどこまでわかっていたんだろう。
ポルトス視点で見れば、討伐隊と戦っていた→ダルタニアンと一騎打ち→仲間は殺せない→ダルタニアンが自分をかばってくれた→ルーヴォアのペンダントを見つけてふるふるしている→自分で決着をつけたいから行ってくれ……なんの決着?
ペンダント=コンスタンスの仇、だと、ふつーは思わない。『さすらいの果てに』の主人公みたいに「父の書斎から出てくるのを見た、あいつが真犯人だ!」レベルですよそれじゃ。(ヲヅキさんで思い出した。そんな難癖つけられ、ストーカーされて精神を病む気の毒な男の役をしていたよね)
自分が殺した女から奪ったペンダントを、堂々と身につけているとは、ふつー思わない。ルーヴォアのペンダントがコンスタンスのものであろうと、彼も誰かからもらったとか買ったとか、ナニも知らずに身につけていると思うのがふつーだろう。
でも、「自分で決着を」と言っているダルタニアンは、ルーヴォアが仇だと決めつけている。そうでなかったら「聞きたいことがある」とか「確かめたいことがある」とかいう言葉を使うはずだ。ルーヴォアにこのペンダントの由来を聞きたい、その話をするのにポルトスは邪魔だから席を外してくれ、という意味なら。
ルーヴォアが超悪人で、彼は日頃から、殺して奪ったものを身につけていると豪語する人物だったのか?
この服も指輪も、殺した相手から奪ったものなんだ、戦利品しか身につけない主義なんだ、と言っているんじゃなければ、短絡的すぎるよな。
ひとからもらったペンダントを持っていただけで「仇」と決めつけられるんじゃ、怖すぎるよ。
また、死人から剥ぎ取ったものしか身につけないと名言しているとしたら、そんな男をダルタニアンは今まで放置、同僚としてスルーしていたんだ。糾弾もしていないから、認めていたわけだ。……それって、ダルタニアンも同類ってことになるよね……「僕はルーくんがいじめをするのを知っていただけ・見ていただけで、いじめてません」てなもんですか。
もー、わけわかんないこと続きで疲れてくるんですが、さらに次。
ルーヴォアはコンスタンス殺害を自供する。
それを聞いたダルタニアンは、コンスタンスが自分の恋人であったことを告げる。
ここでもわからないこと。
ダルタニアンは、いつ、どこまで知ったのか。
コンスタンスはフィリップの世話をする任務だとは、ダルタニアンに言っていなかった。フィリップもまた、自分の侍女がコンスタンスだとはダルタニアンが立ち聞きしていたときには言っていない。
ルイ/フィリップの存在、入れ替えについては立ち聞きでわかったとして、フィリップとコンスタンスのことはイコールではないよね。年数的に合致するとか、想像でしかない。
しかしルーヴォア相手に言い切っている。
フィリップの存在も知らず、すっかり騙されていたダルタニアンが、いったいいつコンスタンスがフィリップの侍女で彼を守って殺されたと知ったのか。
あー、わたしの文章もわかりにくくなってるなー。でもいいんだもう、整理しない(笑)。
続く。
もうひとりの主人公、ダルタニアン@ちぎ。
こだまっちの悪い癖というか、すぐに視点がブレるのな。
『仮面の男』は最初から誰が主人公なんだかわからないから(主人公のはずのフィリップは開始から50分登場しない)、今さら言っても仕方ないことなんだが。
いちおーダルタニアンも、準主役としてドラマを描かれている。
ダルタニアンがもうひとりの主役でも一向にかまわない。ただ、クライマックスとは、主人公を中心に描くものだということが、こだまっちには未だ理解できていないらしい。
『天の鼓』のクライマックスが帝視点で、主役のはずの虹人が行方不明になっちゃった、あれから進歩していないんだわー。
ダルタニアンの復讐劇の顛末を、ちゃんと描こうとしたのはいい。
それはそれとして、それ以上にフィリップ@キムの物語を「クライマックスとして」描かねばならない。物語のもっとも盛り上がる、観客が手に汗握って見守ったり、感動の涙を流す、動きのある場面は主人公のためにあるべきだ。
『仮面の男』がボケた作劇になっているのは、クライマックスの置き方が間違っていることも、原因のひとつだ。
ダルタニアンの歌舞伎的な見得を切る場面がばーんとあり、そこが作品的なクライマックス、山場になっている。で、そのあとはクライマックスの「まとめ」の場面になる。まとめ、って……主人公をそんな扱いしたらいかんやろ。
いちばんの山場をフィリップ中心に据え、彼の活躍・魅力を前面に押し出す作りなら、全体のブレ具合も、半分以上不要なお遊びばかりであることも、勢いで誤魔化せたかもしれないのに。終わりよければすべてヨシ、クライマックスが派手だと、「なんかすごいもん見た?」と人は誤解するのに。
と、構成間違ってるんだけど、そうまでして描いた、ダルタニアンの復讐劇。
これがまた、ひどい(笑)。
視点混乱させてまで作品の中心に据えている話であり、キャラクタであるのに。作者の構成力のなさ、人間としての心のなさが全部、ダルタニアンの破綻っぷりに表れている。しわ寄せが来ている。……大変だニャ。
ダルタニアンは、殺されたコンスタンス@あゆっちの復讐のために、友である三銃士と袂を分かち、ルイ@キムに仕えている。ルイが暴君であることも見て見ぬふり、誰が殺されても知らんぷり。ラウル処刑は知らなかったにしろ、彼が無実の罪で投獄されたことまでは立場上知っているよね? アトス@まっつの弟がそんなことになっていても絶賛スルー中だったわけだよね?
そしてさらに、ルイ誘拐の罪で三銃士を追っている。……三銃士のことを、殺すつもりだったんだよね?
ポルトスはダルタニアンを殺せないと剣を引くけれど、ダルタニアンはポルトスを殺すつもりだった、と。
国王誘拐だけでも大罪だが、それ以前に口封じ前提の秘密・国王が双子という事実を知ってしまった三銃士とルイーズは、即抹殺だよね、捕らえることすらしないよね。
それだけの覚悟を持って三銃士を追っていたんだよね?
で、そんだけの覚悟がありながら、ポルトスに「お前とは戦えない」と言われたら、全部投げ出してポルトス助けちゃうの? その程度の覚悟で三銃士討伐隊を指揮しているの? 人格ナイの?
ポルトスをかばってルーヴォア@ひろみに剣を向けてしまうダルタニアン。
ペンダントを見つけなかったら、どうしていたんだろう。
やっぱりコウモリらしく豹変して、ポルトスを殺していたの?
それともポルトスを逃がすためにルーヴォアを口封じに殺すの?
その場その場で思いつきだけで行動していて、なにがしたいのか、まったくわからない。
ええ、この作品でいちばん可哀想なのはダルタニアンだと思う……おかしすぎる。
阿呆すぎて言葉も出ないダルタニアンだが、まあともかく、幸運にもルーヴォアのペンダントに気づき、彼がコンスタンス殺害の実行犯だと知る。
ここの流れもよくわからない。
ポルトスはなにをどこまでわかっていたんだろう。
ポルトス視点で見れば、討伐隊と戦っていた→ダルタニアンと一騎打ち→仲間は殺せない→ダルタニアンが自分をかばってくれた→ルーヴォアのペンダントを見つけてふるふるしている→自分で決着をつけたいから行ってくれ……なんの決着?
ペンダント=コンスタンスの仇、だと、ふつーは思わない。『さすらいの果てに』の主人公みたいに「父の書斎から出てくるのを見た、あいつが真犯人だ!」レベルですよそれじゃ。(ヲヅキさんで思い出した。そんな難癖つけられ、ストーカーされて精神を病む気の毒な男の役をしていたよね)
自分が殺した女から奪ったペンダントを、堂々と身につけているとは、ふつー思わない。ルーヴォアのペンダントがコンスタンスのものであろうと、彼も誰かからもらったとか買ったとか、ナニも知らずに身につけていると思うのがふつーだろう。
でも、「自分で決着を」と言っているダルタニアンは、ルーヴォアが仇だと決めつけている。そうでなかったら「聞きたいことがある」とか「確かめたいことがある」とかいう言葉を使うはずだ。ルーヴォアにこのペンダントの由来を聞きたい、その話をするのにポルトスは邪魔だから席を外してくれ、という意味なら。
ルーヴォアが超悪人で、彼は日頃から、殺して奪ったものを身につけていると豪語する人物だったのか?
この服も指輪も、殺した相手から奪ったものなんだ、戦利品しか身につけない主義なんだ、と言っているんじゃなければ、短絡的すぎるよな。
ひとからもらったペンダントを持っていただけで「仇」と決めつけられるんじゃ、怖すぎるよ。
また、死人から剥ぎ取ったものしか身につけないと名言しているとしたら、そんな男をダルタニアンは今まで放置、同僚としてスルーしていたんだ。糾弾もしていないから、認めていたわけだ。……それって、ダルタニアンも同類ってことになるよね……「僕はルーくんがいじめをするのを知っていただけ・見ていただけで、いじめてません」てなもんですか。
もー、わけわかんないこと続きで疲れてくるんですが、さらに次。
ルーヴォアはコンスタンス殺害を自供する。
それを聞いたダルタニアンは、コンスタンスが自分の恋人であったことを告げる。
ここでもわからないこと。
ダルタニアンは、いつ、どこまで知ったのか。
コンスタンスはフィリップの世話をする任務だとは、ダルタニアンに言っていなかった。フィリップもまた、自分の侍女がコンスタンスだとはダルタニアンが立ち聞きしていたときには言っていない。
ルイ/フィリップの存在、入れ替えについては立ち聞きでわかったとして、フィリップとコンスタンスのことはイコールではないよね。年数的に合致するとか、想像でしかない。
しかしルーヴォア相手に言い切っている。
フィリップの存在も知らず、すっかり騙されていたダルタニアンが、いったいいつコンスタンスがフィリップの侍女で彼を守って殺されたと知ったのか。
あー、わたしの文章もわかりにくくなってるなー。でもいいんだもう、整理しない(笑)。
続く。
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