だらだらとまだ続いている、こあらった目線の『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』まっつまっつ。

 銀橋で歌う、人民戦士(歌手)@まっつ。

 オープニングでまっつは、同じ歌を歌っている。
 主題歌「ROYAL STRAIGHT FLUSH!!」。……作曲、甲斐先生なのか……さすがにキャッチーだ。

 オープニングの盛り上がりで歌ったのと、同じ歌なんだがね。
 同じ歌だと、思えない。

 明るく元気で派手な歌なのに、ここではまがまがしい狂気の歌となっている。
 その歌い分けというか、演じ分けがすごい。

 うん。
 演技。

 ここのまっつがねえ。

 すごいの。

 笠を深々と被ってるもんで、顔はほとんど見えない。
 1階前方席でないと目元まで見えないのよ。下からのぞき込む角度でないと。
 その、顔が見えないのを、いいことに。

 めちゃくちゃ邪悪な顔。

 ちょ……っ。

 世の中には、悪人の役を演じるとその役者のことを「悪い人」だと思いこむ人が一定数いるんですよ。
 「あんな意地悪な役は、本当に意地悪な人しかできない」「あんな醜いおそろしい表情は、心根が醜い人しかできっこない」と言い切る人が、ほんとにいるの。この耳で何度となく聞き、目の前で言われてきましたのよ。
 芝居でもそうなのに、役名ではなくジェンヌ個人の魅力で見せるショーで、あんなに邪悪な顔をしてたりすると、「まっつって邪悪な人なんだわ、もともとそんな面を持ってなくちゃ、あんな顔はできないわ」とか言い出す人がいるわきっと。
 ああ、ジェンヌ人生に響くわ、そんな邪悪な顔をしていたら!!
 と、思っちゃいましたよ。ああ、惚れ惚れ。

 そんな心配しちゃうくらい、本気で芝居して、あれほどの邪悪な表情をしてしまうまつださん萌え。

 まっつの笠の下の顔をのぞき込むためだけに、前方席ゲットしてハァハァしてました(笑)。

 こわい。めちゃくちゃこわい。
 復讐に燃えるアトス様とは、また別のこわさ。
 刀を握って、薄ら笑いしているの。恍惚とした目をしているの。血に酔った、血を欲する者の眼。他者の存在を、他者の命を、軽んじ、見下した、神の眼。……自分を神だと信じた、狂人の眼。

 そんな顔で、眼で、歌うのが主題歌。ポジティヴな勝負の歌、戦いを楽しむ歌。
 冴え渡る美声。歌詞がはっきり聞こえる口跡。
 冷たく無機質に広がる。

 GI@ひろみが撃たれて、まっつの出番は終了。
 その悲劇を背に、まったくの無表情だったり、あるいは唇の端に薄い笑いを浮かべたりする様が、もお震撼もののこわさ!! ……見えないと思って!(笑)

 すごいなあ、まっつ。

 しかしここ、上手花道セリから現れて、銀橋の端で歌うだけなんだよね。
 んで、また上手花道へ戻るの。
 どうせなら、銀橋渡らせればいいのにねええ。役割的に、その方がふつーなのに。
 このショーでまつださん、銀橋ナイんですよ。
 中詰めといい、わざわざ「ふつーでない演出」にされてるんだわー。
 演出家か劇団か、あるいは両方か、とても意図がよく見える。その最たるものが、パレードの階段降りなわけですが。やれやれですわ。

 で、次にまっつが登場するのは場面ひとつ飛んだあと。
 友だちのひろみちゃんが死んじゃって、キムくんが悲しみ大騒ぎしたあと。
 ヒッピー@ゆめみちゃんの歌声で、感動場面になるところ。
 ヒッピーの歌声で改心、とかゆー薄すぎる価値観っつーか演出にはいろいろ物申したいことはある。
 それでも、わかりやすく盛り上がる場面ではある。

 上手奥に他の人民戦士たちと一緒にせり上がってくるまっつ。なんと、笠ナシ。なくてもいいんじゃん!! どーしてもどーしてもベトコンだから必要ってわけじゃないんじゃん。
 それなら最初から笠ナシでいいじゃん。
 サイトーくんがわからない……。

 ともかく、笠のナイまっつが、かっこいい。

 ショー全編通して、ここの髪型が、いちばん好き。

 髪を、完璧に固めてないから。
 まつださんてば、最近ほんとにタイトな髪型ばっかでさー。乱れ髪に飢えてるんですよ、こちとら(笑)。

 ダンスにあまり興味がなさそうなサイトーくんショー、全体を通してあんまり印象的なダンスがナイのはお約束。『RSF』ではがおりとさらさの渇望ぐらいだよねえ……って、トップコンビも2番手も出てませんがな。
 それでもここはみんなで結構激しく動き回ってる。
 だから、まっつの髪も動く。
 乱れてくる。
 それが好きでねえ(笑)。

 激しいダンスと、すべてを昇華したようなすがすがしい笑顔。

 発散系の場面なのに、息を詰めて見入ってしまう。キムくんの絶唱もすばらしいし。

 そして。

 天を仰ぎ、すべてが終わるとき。

 止めていた息を大きくつきながら、思うんだ。

 カッコイイ。

 はあああ、カッコイイ。
 なんてなんて、かっこいいんだ、まっつ。
 どんだけすごいんだ。美しいんだ。

 と、しみじみ思う。

 五臓六腑に染み渡るというかねええ。
 あああ、ほんっとにかっこいいんだ、と、改めて思い知るんですよ。

 まいったねえ。
 ナニを今さら、しみじみしなきゃなんないんだか。
 自分でもわからん。


 で、次が最後の場面。
 大階段フィナーレ。
 何故か、インディアン。

 かわいいっちゃ、かわいいんだけどねえ。
 わたしはここの衣装は好きじゃない。

 とゆーのも、まっつの髪の色に合っていないと思うからだ。
 初日周辺は特にそう思って、じれったかった。
 衣装が黄土色、髪の毛が黄土色、髪に付けた羽根も黄土色。
 全身タイツじゃないけど、同じ色で上から下までなんて、なんのいじめかと。

 まっつに髪色変えてくれと、心から願った。願うだけで、どーしよーもないことなんだが。
 黒髪だったらどんだけ良かったろう。人民戦士もインディアンも、黒の方が自然だし、似合ったのになあ。

 公演が進むにつれ見慣れたけどな。

 このショーはほんと、まっつの「声」があまり聴けないショーでなあ。
 1曲歌わせてもらえないだけでなく、歌い継ぎでちょっと声を出す、てのが精一杯。
 最後の階段降りがソロでないこともあり、「声」を聴く場面はほんとに少なかったよ。
 このインディアンで、どさくさの歌い継ぎでいいから、もう少しだけ声を聴きたかったなあと思う。


 続く。

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