愛を叫べ、愛を得ろ。@ドン・カルロス
2012年3月14日 タカラヅカ とっても困ったちゃんな王様、フェリペ二世@まっつ。
おめーがすべての元凶なんだよ! という、『ドン・カルロス』。
ラストでものすごい変心を見せる彼ですが、それっていいの?
てゆーか、そもそもアナタ、イサベル@あゆみちゃんのこと、どう思ってたの?
書かれているのがカルロス@キムとの対話場面のみで、イサベルと話す場面はない。
ふたりの仲を疑いだしたとき、フェリペ二世が言及するのは、カルロスのみだ。
「たったひとりの息子に裏切られるとは」って、カルロスのことしか言ってないやん!
自己愛ゆえの被害妄想なんだけど、ここで息子のことしか考えてないくらい、嫁には興味なかったっぽい。
まあふつーに考えて、キライではナイだろう。
40男のところに、ぴっちぴちのハタチ前後の娘が嫁入りしてきたんだ。嫌わないわー、問答無用に「可愛い」と思うわー。
しかも、子どももふたり産ませてるんだよー、その子どものことはかわいがってるらしいんだよー、ふつーに好きでしょう、可愛いでしょう。
ただ、「可愛い」からといって、恋愛になるかどうかは別で。
恋愛したいお年頃のイサベルは、本能的に夫にソレを求める。
恋愛年齢を通り過ぎたフェリペ二世は、義務的な愛情だけでヨシとする。
そりゃあすれ違うわ。
しかもイサベルは、嫁いできた当初病気がち。
政略結婚の道具なわけだから、健康でない、というのはかなり商品価値を下げているはず。子どもを産まないと存在価値否定されるしね。
もともと活発なタイプでないのなら、アウェイでいきなり失点続きの状態に、心がくじけても仕方ない。
その後、子宝には恵まれたけれど、最初のつまずきもあってか、おどおどした、内気な態度。きっと王の前でもいつもかしこまって、言いたいことも言えずにいる女性なんだろう。
フェリペ二世って、エボリ公女@あゆっちみたいな、すぱすぱ物言います、聡明で自立してます、如才なく駆け引きも出来ます、なタイプが好きなんだろうなと思う。
エボリ公女の産んだ赤ん坊を、夫のルイ・ゴメス@がおりが「王の種」だと思うわけだから、フェリペ二世とエボリ公女は愛人関係にあったのだろう。
わざわざオフでつきあうんだから、好みのタイプにするわなー。エボリ公女が好みだとしたら、イサベルは真逆ですよ。
エボリ公女なら、自分からものすごく情熱的な愛の言葉を告げるだろう。
本意であろうと駆け引きであろうと。
フェリペ二世は基本的に、愛には受け身だと思う。
相手から熱烈に愛されたり、持ち上げられて気をよくして、それなら応えてやる、みたいな。
エボリ公女がガンガン愛を告げ、「しょーがねえな(ニヤニヤ)」と応えるカタチというか。
自分から積極的に食いに行かないというか、王たるモノ、与えられて当然、持ち上げられて当然、自分から口説きに行くなんてさもしいことはせん、みたいな。
でもイサベルは、自分からなにも言ってないんじゃないかな。
夫の愛を欲しがってはいるけれど、自分からもナニも言わない。一歩下がって上目遣いに待っているだけ。
フェリペ二世がイラッとくるタイプなんじゃ……。
イサベルは取るに足りない女。
もしも彼女が自分を裏切るとしたら、それはカルロスが誘惑したから。
イサベルのことは、ほんっとーに、軽んじている。
だから。
異端審問でのイサベルに、惚れ直したんだと思う。
「異議がございます」と立ち上がったイサベルは、それまで誰も知らなかったイサベルだ。
凛と胸を張り、気品にあふれ、毅然と己れの意見を述べる。
異端審問で意義を唱えると、その者も罪に問われる。
どれだけの勇気だったろう。
現に、誰も声を上げない。
不倫はともかく、異端の書の件ではカルロスが無実だと知っているポーザ侯爵@ちぎも、フアン@ヲヅキや友人たちも、誰も。
異端の書はポーザ侯爵が持ち込んだ物であると進言すれば、カルロスは助かる。かわりに、ポーザ侯爵もフアンたちも罪に問われるけれど。
みんな、我が身かわいさに真実を告げられない。
大の男たちが黙して俯いている、そんな中で。
内気でいつもおどおどしていた、あのつまらない女が、小動物のように周囲に怯えていたあのイサベルが、立ち上がった。
しかも、愛を宣言するんだ。
高らかに。
惚れるって。
不倫騒動自体が自分の誤解だったと、フアナ@リサリサに諭されたあとだ。
後悔や罪の意識に苛まれている上に、止めですよ。
イサベルがカルロスと会っていたのは、自分が冷たくしたせいだと。愛に飢えていたためだと。
こんだけ吊り橋効果やられたら、そりゃ惚れるって!(笑)
ラストの変わり身の早さはびっくりだが、とりあえずイサベルに関しては、仕方ないかと思う。
フェリペ二世は最初から一貫して愛飢え王だ。愛を失うのがこわいってのは、愛が欲しいと同義語だ。
彼が心を閉ざしてしまったのは、誰も彼にストレートに愛を告げなかったからだろう。
無関心なモノに冷たいというならば、関心を持たせれば良かったんだ。すなわち、愛していると。
フェリペ二世、ちょろいよ。
愛を伝えれば、堕ちる男だよ。
カルロスもなー。
ひと目があろうと気にせず、「愛してます」って言えば良かったんだ。
たった6歳だか7歳だかのときに拒絶されて、んなこと言える立場じゃなかったろうけど。
大人になり、体格が並んだ折に、言っちゃえば良かったんだ。
そしたら彼、堕ちたと思うよ(笑)。
ツンデレだから最初は拒むだろーけど、振られても振られても愛を言い続ければ、絶対オチた(笑)。
「アンタのためぢゃないんだからねっ」とか言いながら、振り向いてくれたと思うよ。
や、言葉は、対話は大切だっちゅーことで(笑)。
で。
最終的に無実になったカルロスに、フェリペ二世は自由を与える。
愛する少女と共に生きる自由を。
「監獄で見た夢か?」と問うのは、前夜目撃した、カルロスとレオノール@みみの姿が、相当心にあるためだろう。
愛に飢えていた王は、息子から愛を奪えなかった。
ついでにいうと、レオノールも、好みのタイプなんだと思う(笑)。
愛する人のために、服を破き裸足になり、ぼろぼろの姿で石垣を這い上る少女。
堂々と愛を叫ぶ少女。
……絶対好きだ、あーゆー娘。
フェリペ二世とカルロスって、親子だなーと思う。根幹が似ているのね。
好きな女も同じタイプですよ。
困ったちゃんな王様の疑心暗鬼からはじまった騒動。
まさに、雨降って地固まる。
終わりよければすべてよし。
歩き出したばかりのふたつのカップルに、祝福を。
おめーがすべての元凶なんだよ! という、『ドン・カルロス』。
ラストでものすごい変心を見せる彼ですが、それっていいの?
てゆーか、そもそもアナタ、イサベル@あゆみちゃんのこと、どう思ってたの?
書かれているのがカルロス@キムとの対話場面のみで、イサベルと話す場面はない。
ふたりの仲を疑いだしたとき、フェリペ二世が言及するのは、カルロスのみだ。
「たったひとりの息子に裏切られるとは」って、カルロスのことしか言ってないやん!
自己愛ゆえの被害妄想なんだけど、ここで息子のことしか考えてないくらい、嫁には興味なかったっぽい。
まあふつーに考えて、キライではナイだろう。
40男のところに、ぴっちぴちのハタチ前後の娘が嫁入りしてきたんだ。嫌わないわー、問答無用に「可愛い」と思うわー。
しかも、子どももふたり産ませてるんだよー、その子どものことはかわいがってるらしいんだよー、ふつーに好きでしょう、可愛いでしょう。
ただ、「可愛い」からといって、恋愛になるかどうかは別で。
恋愛したいお年頃のイサベルは、本能的に夫にソレを求める。
恋愛年齢を通り過ぎたフェリペ二世は、義務的な愛情だけでヨシとする。
そりゃあすれ違うわ。
しかもイサベルは、嫁いできた当初病気がち。
政略結婚の道具なわけだから、健康でない、というのはかなり商品価値を下げているはず。子どもを産まないと存在価値否定されるしね。
もともと活発なタイプでないのなら、アウェイでいきなり失点続きの状態に、心がくじけても仕方ない。
その後、子宝には恵まれたけれど、最初のつまずきもあってか、おどおどした、内気な態度。きっと王の前でもいつもかしこまって、言いたいことも言えずにいる女性なんだろう。
フェリペ二世って、エボリ公女@あゆっちみたいな、すぱすぱ物言います、聡明で自立してます、如才なく駆け引きも出来ます、なタイプが好きなんだろうなと思う。
エボリ公女の産んだ赤ん坊を、夫のルイ・ゴメス@がおりが「王の種」だと思うわけだから、フェリペ二世とエボリ公女は愛人関係にあったのだろう。
わざわざオフでつきあうんだから、好みのタイプにするわなー。エボリ公女が好みだとしたら、イサベルは真逆ですよ。
エボリ公女なら、自分からものすごく情熱的な愛の言葉を告げるだろう。
本意であろうと駆け引きであろうと。
フェリペ二世は基本的に、愛には受け身だと思う。
相手から熱烈に愛されたり、持ち上げられて気をよくして、それなら応えてやる、みたいな。
エボリ公女がガンガン愛を告げ、「しょーがねえな(ニヤニヤ)」と応えるカタチというか。
自分から積極的に食いに行かないというか、王たるモノ、与えられて当然、持ち上げられて当然、自分から口説きに行くなんてさもしいことはせん、みたいな。
でもイサベルは、自分からなにも言ってないんじゃないかな。
夫の愛を欲しがってはいるけれど、自分からもナニも言わない。一歩下がって上目遣いに待っているだけ。
フェリペ二世がイラッとくるタイプなんじゃ……。
イサベルは取るに足りない女。
もしも彼女が自分を裏切るとしたら、それはカルロスが誘惑したから。
イサベルのことは、ほんっとーに、軽んじている。
だから。
異端審問でのイサベルに、惚れ直したんだと思う。
「異議がございます」と立ち上がったイサベルは、それまで誰も知らなかったイサベルだ。
凛と胸を張り、気品にあふれ、毅然と己れの意見を述べる。
異端審問で意義を唱えると、その者も罪に問われる。
どれだけの勇気だったろう。
現に、誰も声を上げない。
不倫はともかく、異端の書の件ではカルロスが無実だと知っているポーザ侯爵@ちぎも、フアン@ヲヅキや友人たちも、誰も。
異端の書はポーザ侯爵が持ち込んだ物であると進言すれば、カルロスは助かる。かわりに、ポーザ侯爵もフアンたちも罪に問われるけれど。
みんな、我が身かわいさに真実を告げられない。
大の男たちが黙して俯いている、そんな中で。
内気でいつもおどおどしていた、あのつまらない女が、小動物のように周囲に怯えていたあのイサベルが、立ち上がった。
しかも、愛を宣言するんだ。
高らかに。
惚れるって。
不倫騒動自体が自分の誤解だったと、フアナ@リサリサに諭されたあとだ。
後悔や罪の意識に苛まれている上に、止めですよ。
イサベルがカルロスと会っていたのは、自分が冷たくしたせいだと。愛に飢えていたためだと。
こんだけ吊り橋効果やられたら、そりゃ惚れるって!(笑)
ラストの変わり身の早さはびっくりだが、とりあえずイサベルに関しては、仕方ないかと思う。
フェリペ二世は最初から一貫して愛飢え王だ。愛を失うのがこわいってのは、愛が欲しいと同義語だ。
彼が心を閉ざしてしまったのは、誰も彼にストレートに愛を告げなかったからだろう。
無関心なモノに冷たいというならば、関心を持たせれば良かったんだ。すなわち、愛していると。
フェリペ二世、ちょろいよ。
愛を伝えれば、堕ちる男だよ。
カルロスもなー。
ひと目があろうと気にせず、「愛してます」って言えば良かったんだ。
たった6歳だか7歳だかのときに拒絶されて、んなこと言える立場じゃなかったろうけど。
大人になり、体格が並んだ折に、言っちゃえば良かったんだ。
そしたら彼、堕ちたと思うよ(笑)。
ツンデレだから最初は拒むだろーけど、振られても振られても愛を言い続ければ、絶対オチた(笑)。
「アンタのためぢゃないんだからねっ」とか言いながら、振り向いてくれたと思うよ。
や、言葉は、対話は大切だっちゅーことで(笑)。
で。
最終的に無実になったカルロスに、フェリペ二世は自由を与える。
愛する少女と共に生きる自由を。
「監獄で見た夢か?」と問うのは、前夜目撃した、カルロスとレオノール@みみの姿が、相当心にあるためだろう。
愛に飢えていた王は、息子から愛を奪えなかった。
ついでにいうと、レオノールも、好みのタイプなんだと思う(笑)。
愛する人のために、服を破き裸足になり、ぼろぼろの姿で石垣を這い上る少女。
堂々と愛を叫ぶ少女。
……絶対好きだ、あーゆー娘。
フェリペ二世とカルロスって、親子だなーと思う。根幹が似ているのね。
好きな女も同じタイプですよ。
困ったちゃんな王様の疑心暗鬼からはじまった騒動。
まさに、雨降って地固まる。
終わりよければすべてよし。
歩き出したばかりのふたつのカップルに、祝福を。
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