海馬に自信がないので、少しでもおぼえていられるうちに書く。

 『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』アフタートークショー「ドン・カルロスと家族達 編」(長いよ)に、行ってきました。

 スカステ放送があるのかどうか知らない、放送されたらわたしの脳内にあるモノとまったくちがって驚くことになるんだろうが、それだからこそ、とりあえず書き残す。や、自分がこう感じた、てのが大切ですから!(笑)

 いつものよーに緞帳が下りて、客電が点く。おかげで帰りかける人たくさん(笑)。わたしの隣の人たちも、立ち上がってコートを着はじめていた。
 そこへトークショーやるんだよ、というアナウンス。「え、そーなの?」とお隣の人たちは、せっかく着たコートをまた脱いでいた。……その程度の認知度なのね、このイベント。

 まず、司会のきんぐとあゆみちゃんが、パレードの水色衣装で下手花道に登場。ふたりはスカステのナビゲーターズ。喋るお仕事をしている人たち。
 しかし。

 きんぐ、噛みまくり。

 ……これほどすごい「司会者」見たことナイ……。
 や、入団したての下級生が幕間抽選に借り出される場合は、プロの司会者がいて、下級生はわずかに話すだけなのでボロが出ない、ってことだと思うが、それにしてもすごかった。
 プロの芸能人として生活して10年、新公主演2回、スカイフェアリーズ経験、スカイナビゲーターズ任期中のきんぐさん。
 なんつーダメっこぶり……(笑)。おいしいぞキミ!

 原稿を読み上げるだけが、できない。
 バインダー持って現れて、それを読んでいるんだが、それによって、彼の「視界」がよくわかった。司会ではなく視界。目に入る範囲。
 原稿の、ここからここまでが今目に入ったんだ、てのが、わかる。
 原稿に「大都会シカゴに育った高校生が、ロックとダンスが禁止された保守的な田舎町に転校し、住人との間に騒動を巻き起こしながらも、愛や友情を経験して成長し、やがて周囲の人々と心を通わせ、ダンスパーティーを開催するまでを描く青春物語です。」と書いてある。んで、きんぐはまず冒頭から目をやり、「大都会シカゴに育った高校生が、ロックとダンスが禁止」までを一気に読み上げて、一拍おいて、「された保守的な田舎町に転校し、住人」まで読んで、また一拍おいて、「との間に騒動を巻き起こしながらも、愛や友情」……間……「を経験して成長し、やがて周囲の人々と心」……間……てな具合。あ、例題文章は公式の『フットルース』ページのコピペです。
 切る場所が、全部変なの(笑)。
 文章を理解して話しているんじゃなく、そのとき一度に目で追えたところまで読み上げるもんだから。
 そっかあ、今ここまで目に入ったんだ、だからここまでなんだ。で、次はどこからか一瞬わからなくなって沈黙して、あわてて続きを読んで、の繰り返し。

 ほんま不器用なんや……。
 語尾が原稿通りでなくてもいいから、文章の最後まで言い切っちゃえばいいのに。で、次の文章の頭から、また原稿見ればいいのに。
 または、大意さえ間違ってないなら、自分の言葉で説明しちゃえばいいのに。

 いやあ、おもしろかったっす。
 基本事項がうまくできず、いっぱいいっぱいなのに、「なにかおもしろいことを言わなきゃ」みたいな気負いもすごくて、全力で空回ってる様子が、愛しい。

 そんなきんぐの横で、淡々と自分の仕事をするあゆみ。

 あゆみちゃんも、自爆しまくるきんぐのフォローができる状態ではないんだろう。また、男役を立てるために、仕事量はきんぐが圧倒的に多く、あゆみちゃんはアシスタント。
 結果的に自分の仕事を黙々とすることに。

 幕が下りている間に、ふたりが抽選会を仕切るという運びで、賞品が『フットルース』と『双曲線上のカルテ』のチケットだったりしたから、気の毒にきんぐは長々と作品解説を読まされていたんだ……(笑)。

 抽選会、司会、というより、なんか不思議なコントを見せられている感じだった。

 いっそ、芝居の衣装でやってほしかったわ……きんぐのあの、アルバ公爵のヒゲ美丈夫ぶりで、このダメっこわたわたぶりを……その横で淡々としたイサベル王妃を……(笑)。

 このふたりのコント……もとい、やりとりは、本舞台でスタンバイしているトークショー出演者たちにも丸聞こえなわけで。

「準備が整ったようです(原稿読み上げ)!」のきんぐの声と共に緞帳が再び開いたとき。

 出演者たちは、微妙にニヤニヤしていた。

 タイトルが「ドン・カルロスと家族達 編」だし、きんぐコントがそれなりに長かったので、芝居衣装へのお着替えを期待していたんだが、予想通りのショーの黒燕尾でした。女子はフィナーレのピンクドレス。

 さあっ、本番だ、原稿読み上げるだけでは済まない! きんぐの力こぶし! 気負いすげえよ、誰か止めてあげてー!(笑)

 使命感!と背中にマジックで太書きされたよーなきんぐが、さっそくお客様からの質問を読み上げる。
 あ、質問用紙がロビーに設置されており、誰でも書くことが出来たの。

 最初の質問です。きんぐがんばります!
「出演者のみなさんへの質問です。初日から10日ほど経ちましたが、なにかハプニングや失敗はありましたか?」
 最初ですからっ、がるがるがるっ、きんぐ前のめりっ。
 盛り上がることが鉄板の仕込み質問!みたいな、最初の一歩。

 キムくんは「ハプニング~~?」と真面目に反応。で、何故かキムくん、隣のまっつに振る。「なんかあった?」と。
 そこでまっつ。

「え。あっても言えないでしょ」(エエ声)
 ばっさり。

 まつださん……(笑)。

「まだ笑い話にならない」そうで。
 場内爆笑。

「そ、そうですね……えー……えーと……(なにを言えばこの流れをフォローできるかわからない)」きんぐ、パニック。
 がんばれきんぐ、負けるなきんぐ。

「じゃあ、じゃあ、ええっとっ、好きな場面ってありますかっ?!」

 ……ヲイ。最初の質問は?
 みなさんへの質問だから、キムくんとまっつが「言えない」と言ったとしても、他のみんなにも一言振るとか、「そんなこと言わず、なにかないですか」とか、もっとなんとかしようよ、広げようよ、受け止めようよ!(笑)

 つまずくと、立ち向かうのではなく、全力で方向転換しやがった……(笑)。

 おいしい。きんぐ、おいしいわー。
 半円を描くように椅子を並べて坐っているんだけど、きんぐのところだけ汗マークが見える。マンガみたいに盛大に飛び散ってる。

 終始この調子で。
 きんぐがステキ。
 キムくんもまっつも、笑顔で(笑)きんぐをいじる。Sや……こいつら、Sやわ……(笑)。

 楽しいトークショーでした。

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