目が曇っているのか、病が重いだけなのか。
 未涼亜希さんが、カッコイイ。美しい。というだけで、あとのことが全部吹っ飛んでしまう。
 そんな現在の状況を、どうしたものか。

 年々病がひどくなってるなあ……まっつにはまった当初は、半分ネタみたいに好きだったのになあ。

 そんなこんなで、未涼亜希『ドン・カルロス』『Shining Rhythm!』お茶会の話です。

 生まっつをぽかーんと口開けて眺めるだけの時間。

 えーと。

 わたしは長らく、黒髪まっつを愛でてきました。
 まっつといえば黒髪。ブラックまっつ。それ以外はナイ、想像つかないってくらい、黒髪万歳。
 タカラジェンヌっぽくなくても、黒を貫いてくれる、また黒がキャラ的にも似合う、ところが好きでした。
 あと「黒髪記録保持者」というネタ的にも、おいしいし。

 金髪になった前回の『仮面の男』公演時は、目が慣れていないせいかもしれないけど、金髪だからどうこうは思わず、舞台上は黒の方が目立ってていいのになー、と思っていました。

 しかし、今。

 金髪、かっけーーっ!!

 お茶会まっつ、破壊力パネェす。
 なんなのアレ。

 金髪オールバックにシケ1本あり、という、『Shining Rhythm!』でお馴染みの髪型。
 その上、衣装が。
 ……あれ、服ぢゃない、衣装。

 クラシカルなフロックコート!!

 でもって、スカーフがブラウスの襟の中、すよ?
 ソレ、衣装じゃん。現代人の私服ぢゃない!!

 このまま花組さんの舞台まざっても違和感ナイわ、『復活』に出られるわ。

 今まで見たことのあるまっつって、ふつーにパンツスーツだった、よな。スーツでなくても、ふつーに現代女性の格好。男役らしいマニッシュさだけど、コスプレにならない、端正な……ぶっちゃけふつーの服。
 男役さんのお茶会やらイベントやらで、「それ、舞台衣装だよね??」ってなコスプレ感の強い衣装で登場してくれる人たちもいたけれど、まっつはそーゆー派手さのナイ人、というイメージだった。

 だから、扉が開いてまっつが登場した途端、目を疑った。
 ソレ、舞台衣装……??

 まっつが、コスプレとしか思えない衣装を着ている……。

 格好良すぎる。

 舞台の延長みたいだ。
 素顔で、生のまっつがいる、というより、舞台を見ているみたい。
 お客さんもたくさんいるし、わたしはやっぱりオペラグラス必須の隅っこで、丸く切り取られた視界でまっつだけを見ているしで。
 とってもわくわく、イベントとしてお茶会を楽しめた。

 いやあ……金髪まっつすげえよ。
 ナニあれ、美しすぎる。
 性別も国籍も不明だわ。


 顔を眺めて声を聴いているだけでしあわせなので。

 話していた内容は……ええっと? 記憶が遠い……。
 レポではないです、あくまでもわたしの脳内を通した感想です。


 まずは、公演のお話。
 お茶会参加者からの質問に答えるカタチ。

「フェリペ二世の役作りに、工夫した点、苦労した点は?」

 正直、あー、またこの質問か、と思った。NOW ON STAGEでも語っていたし、数日前のトークショーでも語っていたし。
 まずとっかかりの、改札くぐるための切符みたいな質問なんだろうけど、正直同じ話ばっかより、別の話が聞きたいなあ、と、自分勝手なことを考えていた。
 この場にいる人はなにも、NOW ON STAGEもトークショーも観ていると限ってないんだから、まずはここからスタートなのは仕方ないのにね。

 しかし。
 まっつさんは、ただ者ではなかった(笑)。
 このありきたりの、たぶんいろんなところで何度も何度もされただろう質問に対して。

「ナイです」

 えー、爆笑です。みんなどっかん笑ってます。
 ナイとか言っちゃうよこの人!!(笑)

 誤解されたら困るな、という意識はあるのか、きっぱり言い切ったあとで「すみません」と言っていた。

 役作りについて、あまり深く考えるタチではない。
 台本に書いてあるまんまを演じる。必要なことはみんな台本に書いてある。

 「役作りは? 苦労した点は?」と聞かれるから、答える。でも、そうやって答えるまで、自分の中で言葉にはなっていないらしい。
 本人の意識としては、「ナイ」から。
 聞かれることで言葉を探し、はじめて自分で「そうだったのか」と気づくらしい。

 苦労してないからいい加減とか、深く掘り下げていないとか、誤解されたら困るよね。
 そーゆー作業が必要な人もいるだろうけど、まっつはそうじゃない。
 それがいい悪いではなく、そーゆー角度で芝居を作る人なんだなと。

 そして、誤解されるかもしれなくても、「すみません」と言いつつも、それでも、真実を口にした、わけだ。

 正直で、すっぱりさっぱり。

 役者なのか、と思う。
 わたしは役者ではないので、どうやって演技をするのか、組み立てていくのか、その方法はわからない。
 まっつは役者で、芝居に対して語る言葉を持たないのかと。
 役を演じる、ことは、彼にとっての「当たり前」だからなのかと。
 わたしが、「立ち上がるとき、なにか工夫したり、苦労したことは?」と言われ、「ナイです」と答えるような感覚か。立ち上がるのは日常の動作、特に意識したことナイ。でも聞かれたら、考えるか。ええっと、まず足に力を入れたかなー、とか。

 そんな感覚で役を演じる、芝居をする、そんな人なのかと。
 役者ってのはほんと、異人種だなあと思う。
 想像もつかない存在だわ。

 わたしはわたしの範囲内でしか理解できないので、「こんな点に苦労し、ここのあたりを調べたり人に相談したりして掘り下げて、いろいろいろいろがんばりました」と言ってくれる方が、わかりやすい。
 そして、わたしのわからない次元で当たり前の顔して生きているまっつに、安心して傾倒できる。
 や、彼はわたしのスター!で、スターさんなんつーものは、遠くにありてこそ!ですから。
 遠ければ遠いほど、どきどきするのです(笑)。


 えーと、あとは息子カルロス役が、同期のキムくんであることについてと、衣装についての質問。
 こちらも、もう何度も聞かれてきただろうし、こちらも耳にしてきた、いつもの質問。

 同期だからどうこうはない。
 カルロスとの対話場面は、毎日毎回演じていて感情が違っている。それに対し、キムくんはしっかり受け止め、返してくれると。反対に、キムくんの感情によって、まっつの感情も変わり、芝居も変わるのだろう。
 同期だからというより、プロの役者同士の話だと思った。

 衣装に関しての新しい情報は。
 玉座の段差が、狭いってこと(笑)。
 一段高い位置にある、玉座。その段が狭いそうで。豪華な毛皮のお衣装をさばきそこなうと、その狭い台にうまくおさまりきらなくなるらしい。
 な、なるほど……大変そうやな、それは(笑)。

 幻覚に翻弄されるときに後ずさるので、あの分厚い毛皮コートで後ずさるために、舞台稽古の前に、ひとりで練習したとか。

 見てみたい……後ずさる練習フェリペ二世陛下。

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