今回の花組公演、『復活 -恋が終わり、愛が残った-』にて。
 ナニにツボったかって、だいもん。

 幕上がりましたー、はじまりましたー、本舞台から花道からとわらわら物語がはじまって、どこを観ればいいのかどこが主軸なのかぱっと見わからないままきょろきょろしている、そのときに。

 歌声が、響く。

 しっとりとした、美しい声。
 陽気さはないけれど濁りのない、場を包む声。

 あわてて視点を向けたときには、終わっている。
 だけど今の、だいもんだよね?? だいもんソロからはじまるの、この話??

 今までの彼の扱いからは想像つかなくて、びびる。

 歌い終わり、モブの兵士たちにまざるだいもんをガン見してるうちに終わってしまった、プロローグ。

 最初にびっくりしたけど、そのあとしばらく出ないので、また彼のことは忘れて物語に集中する。
 出番がないとか台詞がないとか、そんなのだいもん的に当たり前。どんだけ彼が早熟で下級生時代から出来上がっている人でも、年功序列の花組では出番も見せ場もナシで当たり前。

 ワーニコフ@まりんの腰巾着的に出てきたときも、気にしてなかった。ありがちありがち、はいはい。なんのキャラクタも役割もなく、ただ横にくっついているだけの役なんでしょ? だいもんなんだもん、そんなもんよね? そんな役しか与えてもらえないのよね?

 ところが。

 あ、あれ?
 なんか思ったより、出番、あるよ……?

 ただ横にくっついているだけ、じゃ、ない。
 台詞もあるし、役割もある。キャラクタもある。
 え? ええ?
 だいもんなのに?!

 彼に役らしい役があるのって、3年ぶり?!

 研1から抜擢されてきた、次席入団の実力者なのに、本公演ではそんな扱い、だもんな、花組……。
 あ、娘役としては大きな役、2年前にやってるけど、それは枠外ね(笑)。

 ミハイロフ警備隊長は、目立つ役ではないけれど、筋の通ったひとつの役だ。
 最初はちょっと軽めの風情で現れるけれど、どんどん地に足が付き、本来の誠実さや真摯さが現れてくる。
 軍人としての心根のまっすぐさ、人間としての骨太さが、あちこち垣間見える。

 ネフリュードフ@らんとむを見つめることによって、彼もいろんなことを考えたんだろう。
 成長したんだろう。変化したんだろう。
 それが、よくわかる。

 てゆーか、単純に、格好いい。

 理屈はいらん。
 見た目が、格好いい。

 同じよーな人たちの中に混ざっていて、「あそこにいい男がいる!」と思わせてくれる。

 男役としての出来上がり方に、説得力がある。
 一朝一夕で出来上がったモノじゃない、ぽっと出じゃ束になってもかなわないだろう層の厚さ。
 うわああ、かっけー。
 だいもんって、こんなことになってるの?!
 だいもんなのに?!

 いや、だいもんが出来る子なのもかっこいいのも美形なのも知ってるけど、それはわりとバウとかの別箱で発揮してきたことであって、大劇場サイズで芝居して、群れの中に立っていてなお目を引く格好良さを放っている……って、なにごとっ?!


 ショーでもキラキラはじけ、エロエロもしてましたが(笑)、そっちはあまり新たな感銘ではなかった。
 ショーではじけてるのは今にはじまったことじゃないから。

 あ、でもエトワールはうれしかった!
 ほんとにいい声。
 もっともっと歌わせてくれよ。マジ歌ウマなんだから。
 歌手は、場をもらわないと力を発揮できないんだよ。宝を持ったまま腐らせ、卒業させるのだけは勘弁してくれ。劇団がアホみたいにくり返してきた愚行だけどさ。


 でもやっぱ、なんつっても、芝居だよなああ。
 あの暗い芝居の中で、存在感出してくるんだもんなあ。

 これからもっともっと、だいもんを使って欲しいよ。

 イシダせんせはだいもんの実力をわかってるはずだもんなあ。『銀ちゃんの恋』でヲカマやらせて、『フィフティ・フィフティ』でも三枚目やらせてた。実力を理解しての配役だろうけど、なんでまともに男役力を発揮できる役をやらせてくれないんだとじれったかった。
 よーやく二枚目役だ……存分に「カッコイイ」を打ち出していい役だ。
 よかった~~。


 こんなにだいもんだいもんな気持ちになっているのはわたしだけかと思ったら、まっつメイトがみんな口を揃えて「だいもん、いいよね!」と言っているのにもツボった。もともといいと思ってるけど、特に今回は、って。
 みんな、好みが一定している……(笑)。

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