みみちゃんには、残ってほしかった。

 キムくんの発表が出てから1週間、息を潜めるようにして、おびえていた。
 男役上位のタカラヅカにおいて、同時退団が決まっていたとしても、娘役の発表はわざと日にちをずらす。遅らせる。
 数日後から、1週間。大体それくらいで、発表がくる。
 年をまたいだののすみですら、ゆーひくんの10日後の発表だった。

 1週間経ち、10日経ち、わたしはそろそろと丸まっていた穴蔵から出てきた。
 もう大丈夫だよね? こわいことなんか、ないよね? なくなったよね?

 みみちゃんはテレビの中で笑っていて、「タカラヅカ大好き!」と語っていて、ああよかった、大丈夫なんだ、残ってくれるんだ、と胸を撫で下ろしていた。
2012/6/11

雪組トップ娘役・舞羽美海 退団会見のお知らせ


雪組トップ娘役・舞羽美海が、2012年12月24日の東京宝塚劇場公演(『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』)の千秋楽をもって退団することとなり、2012年6月12日に記者会見を行います。

なお、会見の模様は当ホームページでもお知らせ致します。


 みみちゃんが、好きなの。

 キムの相手役だからとか、雪組トップ娘役だからとか、とは別に。
 もちろん、キムの相手役で贔屓組のトップ娘役だから特別に好きなんだけど、それだけじゃないの。
 みみちゃん自身が好きなの。

 残ってほしかったの。

 みわっちの退団が発表され、この日はこれだけでいっぱいいっぱい、これで終了だと思っていた。
 油断していたところに、がつんときた。

 おかげで泣き言だけつぶやいて、あとはもう知らない、現実逃避、ネット切ってテレビ切って、もういい、なにも見ない、聞かない。


 しばらくブログ更新もせず丸まっていた。
 いやその、忙しすぎてネットに戻ってこられなかったってのも、大いにあるけど。
 テレビでみみちゃんの笑顔を見て、救われたんだかより切ないんだが、よくわかんないけど、それでもキムみみを見届けるために奔走するぞって気持ちは強くて。

 『ロミジュリ』も『黒い瞳』も、奇跡みたいな公演だったなと。
 キムくんが主人公で、みみちゃんがヒロインで。
 このふたりの絆を見られたこと、そして同じ舞台に贔屓が出ていて、共に舞台を濃く深く作り上げていたこと。
 好きな人たちや実力ある人たちが複数いるとして、彼らが同じ舞台に立つ確率は低いし、一堂に会したとして、好きな作品や好きな役を演じてくれる確率は、さらにさらに低い。
 天文学的な確率を経て、めぐりあった公演だった。
 奇跡みたいに。


 愛しさと切なさがいっぱいで、さみしくてかなしい。

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