『心中・恋の大和路』は名作である。
 それに異論はない。

 でもさ。

 所詮、心中モノだよ?

 すでに潰えた文化っちゅーかさ、現代の感覚からズレまくってますよね?
 アホな男がどんどんアホなことをして、身内にも他人にも迷惑掛けて、関わった人すべて不幸にして、死んで終わるの。
 助かる道はあるだろうし、なくても次善に過ぎなくても、叶う限り最良の結果を求めて努力するべきなのに、目の前の困難と闘わずに逃げて終了。
 努力して乗り越える、ことでハッピーエンド! てなストーリーが好まれる現代に、阿呆が自滅する話がウケるんだろうか。天下国家の掛かったドレス・軍服の豪華で目に楽しい『うたかたの恋』とはちがいますよ? 主人公青天ですよ?

 それにさー、主人公がどんどん不幸になって破滅する話ってさー、単純に、何度も観たいか?
 1回観るだけなら「泣けたわー」で済むけど、そんな辛気くさい話、フタ桁観たいか? 考えるだけで、しんどいぞ?

 つか、どうあがいても「古い」し。
 1998年、今から16年前ですか、はじめて観たその当時でさえ「古っ」と思った。センスとか演出とか。

 『心中・恋の大和路』は名作である。
 それは否定しない。その通りでしょうよ。
 でも、手放しで歓迎は出来ないタイトルだと思う。

 思う、けど。

「忠兵衛@えりたん、見たいよねっ?」
「えりたんが封印切りするとことか、想像するだけでわくわくするっ!!」

 なんて、友人と盛り上がるわけで。

 とりあえずわたしは、忠兵衛がえりたんである、という一点においてのみ、最高に期待している(笑)。

 ほんとにもお、えりたんですから!!
 彼はフェアリー、どんな「現実」も「ファンタジック」に色づけしてくれる。
 心中モノなんてさ、リアルだったり生真面目だったりする芸風の人では見たくないよ。芝居巧者も求めてない。そんな気の重くなるモノ、やだ。
 きちんとした男役スキルを持ち、あとは「ファンタジー」を形作れること。コレですよ、コレ。

 久しぶりに駄々っ子えりたんが見られることを、期待しています。
 ……昔の、若さゆえの駄々っ子ぶりではなく、今の大人になったえりたんで。

 八右衛門@まっつは、きっといい仕事をするでしょう。
 そこは安心の出来る人。

 忠兵衛がえりたんで、八右衛門がまっつ。
 ジェンヌの関係性を舞台に持ち込むタカラヅカらしい配役だ(笑)。ほら、サヨナラ公演でわざわざ退団するスターとつきあいの古いジェンヌに「見送る言葉」を言わせたりする劇団ですから。
 えりたんの親友を、まっつが演じる。そのことが、うれしい。

 だからもお、えりたんに大暴れして欲しいな。

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