他はともかく、まずこれを語らないと、ナニも進まない、『心中・恋の大和路』の、まっつ語り。

 まずははじまる前、劇場の物販コーナーにて、スチール写真を見て「はうっ!!」となる。

 ナニあれナニあれ、かっこいい。つか、エロい。

 八右衛門さんってたしか、商人じゃなかった? 商家の旦那さんよね?
 身を持ち崩す忠兵衛さんと違って、最後までまともで堅実な人よね?

 遊び人じゃないよね??

 男前すぎてエロすぎて、意味わかんない(笑)。

 まつださんというと、恭太郎さんしか見たことないわけですよ、スチール。武部さんはスチールなかったから。
 硬質な武士としての姿しか知らないわけですよ。
 スチールだけでなく、生舞台としても、武士しか知らない。
 町人髷ははじめてなわけです。
 まっつさんの町人姿はどんなかなー、と楽しみにしていました。していましたとも。美しいのはわかってる、かっこいいのも想定内。
 だがしかしっ。

 ここまで、エロかっこいいとはっ。

 いやあ、舞台まだはじまってませんよ。写真だけですよ。なのにこんだけ破壊力あっていいのか。

 で、プログラム開いてみる。
 ぐはあ。
 やっぱ、いい男過ぎてびびる。てゆーかこの人ナニ? 米問屋の主人? 見えないよー、エロ過ぎるよー(笑)。
 ドラマシティのプログラムはページ数の関係で、2番手でも写真は小さい。メインホールと同じページ数のプログラムだったら、八右衛門さんで1ページだったろうから、さらに破壊力がえらいことになっていただろう……ぶるぶる。

 「主な配役」の3番目にまっつの名前があることに、じーん。
 主役、ヒロインときて、その次。
 今までずっと、3番目に名前が載ることなんかなかったもんなー。スチールなしの列記タイプだと、専科さんや組長さんたちのあと、だったもん。
 前回の全ツだって武部さんは2番手だったはずだけど、掲載位置は6番目っすよ? 「スター」枠ではなく、「組子」枠というか。学年順表記。
 それが今回、専科さんより前に名前がある。
 ちょっと、どきどきした(笑)。


 んで実際に舞台がはじまって。

 大阪弁です。町人です。袴は穿いてません。

 武士と、ぜんぜん違う! 町人もたのしい!!
 なんかもー、無駄にエロい!!(笑)

 声の良さが映える映える。
 武士のときのような強(こわ)さがない話し方だからか、声の良さがすとーんと響く。

 忠兵衛@えりたんと仲良し。いちゃいちゃ。
 八右衛門様はいろんな顔を見せてくれる役なのだけど、1幕の笑わせる場面が、回を追うごとにまっつっぽくなっていくのがツボ。最近まっつ、シリアスだーのエロだーのの人になってるけど、実はコメディ得意だから。きっちり笑わせながらも、こなれてくると「まっつ」らしくなる。
 天を仰ぐ姿、好きだなあ。まっつを見た~~!!という気になる(笑)。

 まっつの間の良さ、ツッコミの良さは、「誰のせいやと思てるねん!」に尽きるわ~~。
 受け取り証文を書かされるときの、「お袋は字が読まれへんから、ええかげんでええ」と言う忠兵衛に対してのめちゃくちゃ鋭いツッコミ。

 んで、八右衛門様、ほんとに証文書いてるのよね。書いてるふり、じゃなくて。
 途中から気づいた。
 番頭さん@ホタテくんの差し出す半紙は、真っ白。だけどその後、忠兵衛@えりたんが読み上げるときは、文字が書いてある。
 証文を書いている八様の手元を見ると、ほんとにそれらしく動いてる。

 一、
 なんちゃらかんちゃら(ミミズ文字)
 一、
 なんちゃらかんちゃら(ミミズ文字)

 ってふうに。
 実際書き上がった証文も、そんな風になってるし。

 まっつが書ききるまで、芝居が止まってるからさー。あれってけっこうプレッシャーなんじゃ……? 早く書かなきゃ!って。


 物語的に、八様が2日連続亀屋を訪問するのがイイ。
 八様は50両受け取りに行ったんだよね、最初の日。だけど忠兵衛が、与平@かなとくんをかもん@せしるに会わせるとか言い出して。
 友人としてそれにつきあって、その日はお金のことは口にせず。
 そしてわざわざ、翌日出直してきた。
 遊びの席でお金の話、仕事の話をしない。酔った勢いで大金のやりとりをしない。
 きちんと、店で、受け取る。
 そんな分別のある商人。
 ……ということが、ながなが解説されるでなし、「夕べは場所柄控えた」という短い台詞だけですべてわかるように作ってあるのが、イイ。

 遊びと仕事、友情と商売をきちんと線引きできる男。
 こんな男相手に、お金のことでいい加減な態度を取る忠兵衛は、そりゃ殴られるわな。
 そして八右衛門は、「事と次第によっては友だちをやめる」とまできついことを言っているのに、結局は忠兵衛を許し、彼の嘘にのる、ご隠居さん@五峰さんを騙すための芝居の片棒まで担ぐ。
 これもうまいなーと思う。
 忠兵衛が口先だけで嘘をつき、しらばっくれたなら、きっと八右衛門は許さなかったんだと思う。
 だけど忠兵衛は、なにもかも正直に話し、謝り、縋ってきた。それに対し、怒るし叱るけど、「友だちをやめる」ことはしなかった。
 不実は許さない。でも、過ちは許容する。
 不実と過ちは違うからね。誠実な人間だって、道を誤ることはある。でも、心が歪んでしまったら、もうダメだ。
 八右衛門は、忠兵衛が道を誤っても見捨てない。その心がまっすぐである限り。

 筋が通ってるなー。いいなー。
 まあ、そんでもってやったことかアレってのは、早計だったと思うけどさー。


 それにしても。
 着流しって、いいね!!(笑)

 恭太郎さんも武部さんも、袴着用だったからねー。着流しまっつ! レア!

 旦那さんだから、羽織着てるんだけど、脱ぐしね。
 胡座なんかかいちゃうしね。
 やだー、お行儀悪ーい。きゃーー♪

 胡座をかいたときの、のぞく脛にどきどきしたりね(笑)。和物の醍醐味よねー。

 槌屋での「遊び慣れた」風情がイイ。
 仕事の姿でも男の格は見えるけど、遊び方にも見えるよね。
 彼がいつもはべらせている美女ふたりがさらさとももひななのもまた、素敵。茜ちゃんとピノコっすよ!!

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