まっつ退団発表の日。

 わたし、なにをすればいいんだろう。と、思った。
 なにかしなきゃいけない、そう思うけれど、具体的にどうしたもんだか、ぼーっとして、よくわかんない。

 集合日までに『心中・恋の大和路』の感想書ききろうとがんばってたけど、間に合わなかったし、なんかもー続き書く気持ちが一気に霧散したし。

 なにをしよう……と、考えて。

 そうだ、原作本を読もう! と、思った。

 なにをしていいのかわかんないなら、まあとりあえず、本でも読んでおけと。
 大野タクジィ作『一夢庵風流記 前田慶次』の原作、『一夢庵風流記』。
 隆慶一郎の本読むのって、『捨て童子・松平忠輝』以来だわ。あまり好みではない作家という印象しかないけど、ヲタクのタクジィのこと、原作や歴史を知っていればいるほど、作品を楽しむことができるはず。

 公式HPから配役表をプリントアウトして、それを栞代わりに読書開始。

 で。

 まっつの役に、ウケた。

 雪丸(小姓上がりの牢人) 未涼 亜希

 原作での出番、17行。
 553ページある本の中で、1ページに満たないという。

 しかも、その出番つーのがだ、現在進行形のなにがしではなく、他のキャラクタを解説するためのエピソードでしかない。
 雪丸というキャラクタは、いない。「こんなことがあった」と作中で名前が出るだけだ。

 いやあ、一気にわくわくした。

 これが、「出ては来るけど比重は低い」役とかだと、不安が募る。名前だけはよく出るけど、別にどーでもいいよね的なモブキャラ。
 舞台にはいつもいるかもしんないけど、ただいるだけで見せ場もなんもない役。『この恋は雲の涯まで』のトドの役みたいな。

 でも、「原作に登場しないキャラクタ」を、わざわざ新設定まで作って配役している、つーのは。
 名前と設定だけ借りた、オリジナルキャラクターってことよね?
 それって、どこの武部春樹?(笑)

 公式には「隆慶一郎による人気小説を舞台化」とあるけれど、原作よりもコミカライズ版が有名なわけだから、マンガの『花の慶次』要素も取り入れるのかもしれない。
 マンガ版は今のとこ読んでないので(連載当初「ジャンプ」で読んでいたが、雪丸なんてキャラおぼえてねーよ)、そういう意味ではどうなるかわかんないけど。
 あくまでも「小説を舞台化」するとして、雪丸ってキャラはタクジィのオリキャラになりそうだ。

 小説では「雪丸」は「前田利家の寵童の小姓」だ。
 そして、タクジィ作では、「小姓上がりの牢人」だ。
 小説版よりも「あとの時代」ってことだな。小説では、雪丸は助右衛門の妹・加奈に自慢の顔を斬られたあと行方不明になっている。
 元小姓の牢人、だから、その出奔したあと、小説で語られているあとの姿ってことだ。
 また、タクジィ版では、前田家お抱えの忍びの頭・四井主馬が雪丸の弟ってことになっている。小説にそんな設定はない。
 てゆーか、年齢設定がよくわからんわ(笑)。四井主馬ってふつーにおっさんのはずだが、「寵童」の弟って……。

 タカラヅカだから年齢不詳、みんな若く美しい設定なんだろう。ぶっちゃけ年齢キニスンナ、んなこと考えたらわけわかんなくなるぞと。

 で。
 前田利家役は、にわにわです。
 んで、まっつは、にわにわの、寵童です。
 …………いやあ…………濃い設定ですな。
 『ファントム』のまりんさんパトロン説のリシャール@まっつを思い出すわ……その、個人的に(笑)。

 そして、顔に傷アリまっつの弟が、利家さんちの影の軍団リーダー、主馬@翔くん。
 にわにわは、まっつ&翔くんという美形兄弟を部下にしてたわけだが、兄を愛人にして弟をボディガードにした、てな感じっすかね。……その人選はどうなの、と思わんでもないが。にわさんは、翔くんよりまっつが好みだったのね。色気、という点重視かしら(笑)。
 翔くんが再びまっつの弟役ってのは、うれしいわ。ちっちゃい兄にでっかい弟(笑)。

 ともみんの深草重太夫も、原作ではあっちゅー間に殺されて終了する役だから、きっとオリジナル要素満載なんだろう。

 小説はあくまでも「原作」で、タクジィのオリジナル日本物になるんだろうと思う。
 配役から感じられるのは、タクジィが「フリースペース」を存分に使えそうなところをわざわざ取り出しているなということ。もっと歴史優先っていうか、縛りガチガチなところを取り出すことも出来たろうにそうはせず、「名前と設定だけある」=潤色し放題な感じが。
 楽しみだわ。

 …………寵童時代のまっつも見たいっす…………あざやかな小袖を着た前髪アリの若衆姿のまっつ…………美少年まっつ(笑)………いかん、(笑)が付いてしまう。

 牢人まっつは、安定の色気ダダ漏れおっさんまっつだと思うので、少年時代もぜひ見てみたいっす。本気で「美少年」を演じているまっつが。

 退団でさえなければ、ただ楽しみなだけの公演なのにね。

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