期待の星、ことちゃん主演バウ『かもめ』初日観劇。

 えー、チェーホフの『かもめ』の初ミュージカル化だそうです。へー。

 無教養ゆえ、原作は存じません。
 だから今観た舞台のみの感想。

 収まり悪い。

 会話劇なのかミュージカルなのか、どっちかにしてくれっつーか。
 ストプレ部分と歌の構成がいまいち。
 なんのために歌があるのかわかんない。
 盛り上がってここで歌! というんじゃなく、「ミュージカルってことにしちゃったから、このへんで歌いっとくかー」的?
 歌う必要性があまりない。や、お約束的に「ここで歌」とは入るけど。
 なんで歌なの、しかもこのメロディなの? 歌いにくそうだったり表現しにくそうだったり、きれいっちゃーきれいだけど、伝えたいモノはなんなの?
 会話劇部分をぶった切って歌を挿入し、なにを表現したいの? 「歌」が「表現するめたの手段」になっていたとは思えないっていうか。

 「ミュージカル演出」のとってつけた感がすごいっす……。

 いちばんびっくりしたのは、ラスト。

 コースチャ(コンスチャ?)@ことちゃんが、突然踊り出した。

 えええ。

 「ミュージカル」といっても、「ダンス」はまったくなかったのよ。
 この公演世界観には、「ダンス」という表現はないモノだと思って観ていた。
 会話と、ときどき忘れた頃に挿入される歌だけだと思ってた。

 せっかく歌って踊れることちゃん主演なのに、もったいない構成だなあ。テーマを表現するのに、せっかく「ミュージカル」で「タカラヅカ」という武器を持ちながら、うまく活かしてないなあ……と残念に思っていところへ。
 突然。

 そのダンス単体はいいんだけど……。ことちゃんはよく踊っているのだけど。

 なんでここでダンス??

 主人公の心情をダンスで表現するなら、それまでの場面でもやってろよ!

 ことちゃんが得意じゃないストプレですげーがんばって「芝居」してるのに、演技で表現しようとしているのに、クライマックス、さあこれから!! ……ってとこで、芝居ではなくダンス……。
 この肩すかし感ときたら……。

 や、ここで得意のダンスに逃げるなら、他のとこもダンスで表現してくれてよかったんですが。
 さんざん「得意分野を封じられて、地道にがんばる礼真琴」を見守ってきて、いちばんどかーんとくるところで、「地道やめました! 得意分野行きマース!」というのは、……びっくりした。
 地道に積み上げてきた積み木を、最後の一個を積まずにぶっ壊したよーな。

 なんかずるいなあ。
 積み木どっかん、なんて演出。そりゃ観客はびっくりするよー、いきなり別モノにされたらさー。
 そのいきなりどっかん、を「クライマックスです! 盛り上がりました!」と考えるのは、ずるされた気がする、小柳タンに。

 ミュージカル化せずに、ストプレでよかったんじゃないの?
 いやその、この作品をストプレで、だったらそもそもヅカで上演しなくていいと思うけどね。
 出演者はみんなうまくて、こんだけうまい人が演じていて、これだけテーマがボケるんだから、ヅカには向いてない作品なんだなあと。

 なんだろ、会話劇でも切り口を変えたらもっとヅカっぽく盛り上げられるのに?
 ことちゃんのお勉強のために、あえてヅカ的な面白さは排除しましたってか?

 なんかいろいろと残念な作品。


 ことちゃんはがんばってました。
 ……でもことちゃん自身、この作品を咀嚼しきれてない気がする。

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