芝居が、とてつもなく大野くんでした。
『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』初日観劇。
芝居、『一夢庵風流記 前田慶次』はマンガやゲーム、ドラマなど、いろんなジャンルでも有名人の、前田慶次を主人公とした物語。
原作は、その前田慶次を有名にした隆慶一郎作『一夢庵風流記』。
ヲタクの大野タクジィ演出の舞台だから、原作を読んでおくにこしたことはない、と思ったので、前もって読んでみた。
でも。
『一夢庵風流記』のミュージカル化、というより、『一夢庵風流記』の二次創作だわ、これ。
キャラと基本設定だけ借りた、大野くんオリジナル(笑)。
ガチな原作至上主義な人が観たらショック受けるレベル。『銀英伝』で言うなら、「ちょ……っ、キルヒアイスが男装の女の子になってるよ!!」的な。
原作をマンガ化した『花の慶次』もかなり大胆にアレンジしてあったから、二次創作上等!なスタンスの原作なんだろう。
原作まんまじゃなくして、ナニをしているか。
キャラクタ増量。
盛ってます。とにかく、盛ってます。
あっちこっちでなにかしらあって、大変です。
大野せんせの、もっとも大野せんせらしいと思うところ。
密度、濃ゆっ。
さすがの設定厨、モブのみなさんまで設定背負って登場しているので、すげーうるさいです。ごちゃごちゃしてます。どこを切っても濃密です。
だから、リピート前提の組ファンには、楽しいと思われる。
反対に、初見かつ二度と観ない人には、どうなんだろう……?
『エドワード8世』のときも思ったんだけどね……。
幼なじみの引き裂かれた恋、天下を揺るがす陰謀……は、ありがちネタゆえ軸にするのはいいけれど、聚楽第のあたりはがんばって描いてるわりに効果薄い気がする。原作やマンガ・アニメは「なにがどうして慶次がこんなにすごい!!」と長々解説してるんだもん。それナシで、なにがどうして慶次がすごいのか、伝わってるのかなあ?
キャラ立てのせいもあるんだろうけど、『若き日の唄は忘れじ』全ツ版再びな感じ。
まっつとともみん、まんまじゃん……(笑)。大野くんってアテ書きするのはいいけど、イメージ固定過ぎ~~。
なんにせよ感心したのは、アニメーションを使っても、サイトーとはまったくチガウことと、馬を使っても、植爺とはまったくチガウということ(笑)。
松風@馬は、この作品のアイドルですな。てゆーか劇団、なんで松風ストラップとかマスコットとか売らないの? 芝居観たあとは客が勢いで買っちゃうと思うよ?(笑)
えりたんはとてもえりたんで、慶次は彼の得意分野。
友情あり、笑いあり、恋愛+ガチなラブシーンありと、盛りだくさん。
桜のセットが美しい。
日本物っていいなあ。
雪丸@まっつは絶対出番削られてる(笑)。前半、違和感のあるところで説明的に名前が出て、ああきっと本当ならなにかしら出番があって、この台詞につながったんだなあと、遠い目になっちゃったよ。
それでも後半のたたみ掛けはすげー愉快で、彼の悪役ぶりとエロっぷりを堪能できる。
タクジィ、まっつというと女を利用するために抱く悪い男認定なの……?(笑)
いちいち「まず声から登場」したり、雷鳴轟いたり、高笑いしたり、面白すぎる。
で、ストーリーのめんどくさいところ全部、雪丸という都合のいいキャラクタを作ってまるっと押しつけてる気がしないでもない……このへん、全ツ版の武部と一緒。
まつださんはいい仕事してる……モブにまざらないインパクトのある人だから、「ストーリーにいまいちついていけないんだけど、たぶんみんなあの人が悪いのね。策略なのね」という、観客の意識を安くまとめる力がある。
全ツもさ、「それで父の殺された陰謀ってなんだったっけ? よくわかんないけど、みんな武部が糸を引いてたのよね?」で誤魔化しちゃったのと、かぶるかぶる(笑)。
大野くん、まっつ使いがうまいなあ。←誉めてる
この作品が面白いのかどうか、よくわかんない。
大野作品らしくごちゃごちゃし過ぎていて。
ただ、リピート前提の組ファンは、楽しめるはず。
個人的に、ラストシーンが全員集合であることがいちばん、感動した。
卒業するトップスターが最後、銀橋に出るのはお約束。
そのとき、本舞台で組子たちがトップスターを見送るのも、お約束。
その「見送る組子たち」が、限定メンバーではなく、全員だってことが、ありがたい。や、舞台に乗り切れてない子もいるかもしんないけど、プログラムには「ほか全員」って書いてあるから。
贔屓が悪役チームだとわかったときに、実は肩を落としたもの。ああこれで、ラストシーンのトップスター見送りには出られないんだ、って。
その昔、悪役チームだったがゆえに、『アデュー・マルセイユ』にてオサ様を見送れなかったのよ。ラストの感動シーンに参加出来なかったの。
でも今回、悪役なのに、死んじゃうのに、ちゃっかりラヴラヴしながら登場しちゃうんだもん!!
泣いたわ。
あのラストシーンだけで、全部全部昇華される。
『My Dream TAKARAZUKA』は、今のところドン引きしているので、評価対象外(笑)。
なんつーか、オサ様のサヨナラショーを思い出した。
思い出のタカラヅカ曲で出来上がったショーなのに、突然毛色の変わった、「え、なにこれ?」というよくわかんない曲が最後で、ぽかーんになった。
なんでもおえらいさんがわざわざ、オサ様の卒業のために書き下ろした新曲なんだって?
外部の人の、身もフタもない「わたしが想像するトップスターの心情♪」てな、日記帳みたいな歌……なんでこんなことに……ふつーのヅカ曲でいいのに……。
と、考え、あ、どっちも演出家、中村Bだ。と思い至る。
愛情があふれてるのも、やる気まんまんなのもわかるけど、ありがたいけど。
中村B、サヨナラ公演、向いてないよ……。
リピートすれば、慣れるかな。
サヨナラショーは慣れる暇がなかったからな。
結論。
大野タクジィも中村Bも、とっても通常営業。
『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』初日観劇。
芝居、『一夢庵風流記 前田慶次』はマンガやゲーム、ドラマなど、いろんなジャンルでも有名人の、前田慶次を主人公とした物語。
原作は、その前田慶次を有名にした隆慶一郎作『一夢庵風流記』。
ヲタクの大野タクジィ演出の舞台だから、原作を読んでおくにこしたことはない、と思ったので、前もって読んでみた。
でも。
『一夢庵風流記』のミュージカル化、というより、『一夢庵風流記』の二次創作だわ、これ。
キャラと基本設定だけ借りた、大野くんオリジナル(笑)。
ガチな原作至上主義な人が観たらショック受けるレベル。『銀英伝』で言うなら、「ちょ……っ、キルヒアイスが男装の女の子になってるよ!!」的な。
原作をマンガ化した『花の慶次』もかなり大胆にアレンジしてあったから、二次創作上等!なスタンスの原作なんだろう。
原作まんまじゃなくして、ナニをしているか。
キャラクタ増量。
盛ってます。とにかく、盛ってます。
あっちこっちでなにかしらあって、大変です。
大野せんせの、もっとも大野せんせらしいと思うところ。
密度、濃ゆっ。
さすがの設定厨、モブのみなさんまで設定背負って登場しているので、すげーうるさいです。ごちゃごちゃしてます。どこを切っても濃密です。
だから、リピート前提の組ファンには、楽しいと思われる。
反対に、初見かつ二度と観ない人には、どうなんだろう……?
『エドワード8世』のときも思ったんだけどね……。
幼なじみの引き裂かれた恋、天下を揺るがす陰謀……は、ありがちネタゆえ軸にするのはいいけれど、聚楽第のあたりはがんばって描いてるわりに効果薄い気がする。原作やマンガ・アニメは「なにがどうして慶次がこんなにすごい!!」と長々解説してるんだもん。それナシで、なにがどうして慶次がすごいのか、伝わってるのかなあ?
キャラ立てのせいもあるんだろうけど、『若き日の唄は忘れじ』全ツ版再びな感じ。
まっつとともみん、まんまじゃん……(笑)。大野くんってアテ書きするのはいいけど、イメージ固定過ぎ~~。
なんにせよ感心したのは、アニメーションを使っても、サイトーとはまったくチガウことと、馬を使っても、植爺とはまったくチガウということ(笑)。
松風@馬は、この作品のアイドルですな。てゆーか劇団、なんで松風ストラップとかマスコットとか売らないの? 芝居観たあとは客が勢いで買っちゃうと思うよ?(笑)
えりたんはとてもえりたんで、慶次は彼の得意分野。
友情あり、笑いあり、恋愛+ガチなラブシーンありと、盛りだくさん。
桜のセットが美しい。
日本物っていいなあ。
雪丸@まっつは絶対出番削られてる(笑)。前半、違和感のあるところで説明的に名前が出て、ああきっと本当ならなにかしら出番があって、この台詞につながったんだなあと、遠い目になっちゃったよ。
それでも後半のたたみ掛けはすげー愉快で、彼の悪役ぶりとエロっぷりを堪能できる。
タクジィ、まっつというと女を利用するために抱く悪い男認定なの……?(笑)
いちいち「まず声から登場」したり、雷鳴轟いたり、高笑いしたり、面白すぎる。
で、ストーリーのめんどくさいところ全部、雪丸という都合のいいキャラクタを作ってまるっと押しつけてる気がしないでもない……このへん、全ツ版の武部と一緒。
まつださんはいい仕事してる……モブにまざらないインパクトのある人だから、「ストーリーにいまいちついていけないんだけど、たぶんみんなあの人が悪いのね。策略なのね」という、観客の意識を安くまとめる力がある。
全ツもさ、「それで父の殺された陰謀ってなんだったっけ? よくわかんないけど、みんな武部が糸を引いてたのよね?」で誤魔化しちゃったのと、かぶるかぶる(笑)。
大野くん、まっつ使いがうまいなあ。←誉めてる
この作品が面白いのかどうか、よくわかんない。
大野作品らしくごちゃごちゃし過ぎていて。
ただ、リピート前提の組ファンは、楽しめるはず。
個人的に、ラストシーンが全員集合であることがいちばん、感動した。
卒業するトップスターが最後、銀橋に出るのはお約束。
そのとき、本舞台で組子たちがトップスターを見送るのも、お約束。
その「見送る組子たち」が、限定メンバーではなく、全員だってことが、ありがたい。や、舞台に乗り切れてない子もいるかもしんないけど、プログラムには「ほか全員」って書いてあるから。
贔屓が悪役チームだとわかったときに、実は肩を落としたもの。ああこれで、ラストシーンのトップスター見送りには出られないんだ、って。
その昔、悪役チームだったがゆえに、『アデュー・マルセイユ』にてオサ様を見送れなかったのよ。ラストの感動シーンに参加出来なかったの。
でも今回、悪役なのに、死んじゃうのに、ちゃっかりラヴラヴしながら登場しちゃうんだもん!!
泣いたわ。
あのラストシーンだけで、全部全部昇華される。
『My Dream TAKARAZUKA』は、今のところドン引きしているので、評価対象外(笑)。
なんつーか、オサ様のサヨナラショーを思い出した。
思い出のタカラヅカ曲で出来上がったショーなのに、突然毛色の変わった、「え、なにこれ?」というよくわかんない曲が最後で、ぽかーんになった。
なんでもおえらいさんがわざわざ、オサ様の卒業のために書き下ろした新曲なんだって?
外部の人の、身もフタもない「わたしが想像するトップスターの心情♪」てな、日記帳みたいな歌……なんでこんなことに……ふつーのヅカ曲でいいのに……。
と、考え、あ、どっちも演出家、中村Bだ。と思い至る。
愛情があふれてるのも、やる気まんまんなのもわかるけど、ありがたいけど。
中村B、サヨナラ公演、向いてないよ……。
リピートすれば、慣れるかな。
サヨナラショーは慣れる暇がなかったからな。
結論。
大野タクジィも中村Bも、とっても通常営業。
コメント