愛を信じ、愛に滅びる。@一夢庵風流記 前田慶次
2014年6月11日 タカラヅカ 『一夢庵風流記 前田慶次』雪丸様語り、後編!
「これからなにをいたすかは、この傷が教えてくれよう……」
ってナニ?
この傷は「愛の証」と定義する。
それを元に雪丸様の行動を読み解いてゆく。
雪丸様は、慶次@えりたんを仲間に誘うんだけど、これがすげー雑な誘い方で。
まつ@あゆっちを誘拐して、「これから関白殺すよ!」という大作戦の舞台に慶次を連れてきて、「さあ、これから一緒に関白殺して、新しい世界で羽ばたこう!」と口説く。
……ひどくね?
関白暗殺するもっとはるか前に、慶次は味方にしておくべきでしょ? んな土壇場で大きな作戦打ち明けるってどうよ。
案の定、慶次にはあっさり断られる。
なんで前もって根回し出来なかったのか。
前田家の跡取りであったはずの慶次が、利家@にわにわに権利を奪われ半端な身の上になっている。利家に取って代わりたいと思っているはず……と、信じていたから?
それならなにも、まつを絡めて語る必要はない。
わざわざ「利家の妻と不倫してるくらいだ、利家は敵だよな? 利家やっちゃったら、家も女もお前のモノだぞ」と言うのは。
「惚れた女を取り返す」ということが、人生を懸ける理由になると、思っているからだ。
雪丸自身が。
まつと不倫している慶次は、まつを正妻にするために前田家奪取するに違いない。
そう考えている雪丸こそが、そういう価値観なんだ。
愛する女を手にするために、戦も起こす。そーゆー考え方。そんな自分のものさしで計っちゃったから、今回の杜撰な作戦になった。
雪丸の中では、「慶次はまつとの真実の愛を貫くために、実の叔父と闘う」と、決まっていたんだ。
武力と後ろ盾を約束すれば、愛のために立ち上がるはずだと。
なんなの、このロマンチスト。
恥ずかしいわ、雪丸様……。
慶次に拒絶されてキレるのも、自分が思う「愛のカタチ」以外を突きつけられたから。
また、家康@ヒロさんの前で、しっぽ垂れたわんこみたいになってすがっていったのも、愛ゆえに。
雪丸様は、家康様が好きだったんだと思うよ。
そっちの意味(笑)かどうかは置いておいて。
ただほんとに、シンプルに、好きだったんだろうなあ。信じてたんだろうなあ。
愛ゆえに、生きる人だから。
愛を信じている人だから。
弟の主馬@翔くんも、突然戻って来た雪丸を当たり前に受け入れているし、それが許されるくらい、この兄弟にもふつーに愛情関係はあったんでしょう。
庄司又左衛門@がおりと庄司甚内@かなとを口説いたのも、言葉通り。「哀れと思ったから」……雪丸様があの悪人面で言うからわかりにくいけど(笑)、ほんとに、犬死にさせたくなかったから、声を掛けたんだよ。
「たかが傀儡」といのうは本当だもん。万の兵を挙げるってときに、わずかな傀儡衆をわざわざ口説いて味方にする必要、ないじゃん。
助けたかったから、仲間に引き入れた。
すべては、愛ゆえに。
そう説明出来る。
てことで、最初の台詞に戻る。
「これからなにをいたすかは、この傷が教えてくれよう……」
加奈がつけた、雪丸の傷。
雪丸は、加奈と相愛だと知っている。
だから前田慶次に近づき、彼に前田家を取らせようと考えたとき、「よし、加奈に手伝わせよう」と思った。
もしも加奈とのこの「愛の証」がなく、彼女の心を疑うなり、雪丸の気持ちが冷めるなり、していたら。
加奈にも前田家にも近寄らなかったかも?
慶次がまつのためにお家騒動起こす(=愛がすべて!)とも考えなかったろう。
家康の手下として大名たちの隙をうかがうことはしていたとしても……愛を基点とした考え方はしなかった。
雪丸の顔にきざまれた、愛の証。
それゆえに雪丸は、人々の愛を信じて行動する。
家康の愛を信じて彼の手先となり、慶次とまつの愛を信じ、ふたりがそれを貫くために利家を討つと信じ、加奈の愛を信じ、自分のためにすべてを捨てると信じた。利家から足蹴にされた(=愛されなかった)主馬とその部下たちが利家を捨てると信じた。
誰よりもピュアに、「愛」を信じた男、雪丸。
そして雪丸は、「愛」に裏切られる。
加奈に、そして家康に。
慶次とまつに。
るーるーるー。
なんて悲しいの……。
そんな悲惨な最期を迎えた雪丸だけど。
最後の場面で、彼は穏やかに微笑んでいる。
加奈と寄り添って。
加奈をエスコートして、手を握って歩いて。
表面的なあれこれではなく、彼の真実……愛に滅んだ男であるという事実が、ラストのこの姿に結びついたんだ。
たぶんこれが、彼の本来の姿。
慶次と関わった者たちは、飾らないありのままの姿で最後の場面に現れる。
だから雪丸と加奈はラヴラヴなカップルとして登場した。
じーん……。
いい話だわ……大野くん……。
という、独断と偏見による雪丸論でしたっ。
これが真実だとはまったく思ってないが(笑)、可能性のひとつとしてアリでしょ?
「これからなにをいたすかは、この傷が教えてくれよう……」
ってナニ?
この傷は「愛の証」と定義する。
それを元に雪丸様の行動を読み解いてゆく。
雪丸様は、慶次@えりたんを仲間に誘うんだけど、これがすげー雑な誘い方で。
まつ@あゆっちを誘拐して、「これから関白殺すよ!」という大作戦の舞台に慶次を連れてきて、「さあ、これから一緒に関白殺して、新しい世界で羽ばたこう!」と口説く。
……ひどくね?
関白暗殺するもっとはるか前に、慶次は味方にしておくべきでしょ? んな土壇場で大きな作戦打ち明けるってどうよ。
案の定、慶次にはあっさり断られる。
なんで前もって根回し出来なかったのか。
前田家の跡取りであったはずの慶次が、利家@にわにわに権利を奪われ半端な身の上になっている。利家に取って代わりたいと思っているはず……と、信じていたから?
それならなにも、まつを絡めて語る必要はない。
わざわざ「利家の妻と不倫してるくらいだ、利家は敵だよな? 利家やっちゃったら、家も女もお前のモノだぞ」と言うのは。
「惚れた女を取り返す」ということが、人生を懸ける理由になると、思っているからだ。
雪丸自身が。
まつと不倫している慶次は、まつを正妻にするために前田家奪取するに違いない。
そう考えている雪丸こそが、そういう価値観なんだ。
愛する女を手にするために、戦も起こす。そーゆー考え方。そんな自分のものさしで計っちゃったから、今回の杜撰な作戦になった。
雪丸の中では、「慶次はまつとの真実の愛を貫くために、実の叔父と闘う」と、決まっていたんだ。
武力と後ろ盾を約束すれば、愛のために立ち上がるはずだと。
なんなの、このロマンチスト。
恥ずかしいわ、雪丸様……。
慶次に拒絶されてキレるのも、自分が思う「愛のカタチ」以外を突きつけられたから。
また、家康@ヒロさんの前で、しっぽ垂れたわんこみたいになってすがっていったのも、愛ゆえに。
雪丸様は、家康様が好きだったんだと思うよ。
そっちの意味(笑)かどうかは置いておいて。
ただほんとに、シンプルに、好きだったんだろうなあ。信じてたんだろうなあ。
愛ゆえに、生きる人だから。
愛を信じている人だから。
弟の主馬@翔くんも、突然戻って来た雪丸を当たり前に受け入れているし、それが許されるくらい、この兄弟にもふつーに愛情関係はあったんでしょう。
庄司又左衛門@がおりと庄司甚内@かなとを口説いたのも、言葉通り。「哀れと思ったから」……雪丸様があの悪人面で言うからわかりにくいけど(笑)、ほんとに、犬死にさせたくなかったから、声を掛けたんだよ。
「たかが傀儡」といのうは本当だもん。万の兵を挙げるってときに、わずかな傀儡衆をわざわざ口説いて味方にする必要、ないじゃん。
助けたかったから、仲間に引き入れた。
すべては、愛ゆえに。
そう説明出来る。
てことで、最初の台詞に戻る。
「これからなにをいたすかは、この傷が教えてくれよう……」
加奈がつけた、雪丸の傷。
雪丸は、加奈と相愛だと知っている。
だから前田慶次に近づき、彼に前田家を取らせようと考えたとき、「よし、加奈に手伝わせよう」と思った。
もしも加奈とのこの「愛の証」がなく、彼女の心を疑うなり、雪丸の気持ちが冷めるなり、していたら。
加奈にも前田家にも近寄らなかったかも?
慶次がまつのためにお家騒動起こす(=愛がすべて!)とも考えなかったろう。
家康の手下として大名たちの隙をうかがうことはしていたとしても……愛を基点とした考え方はしなかった。
雪丸の顔にきざまれた、愛の証。
それゆえに雪丸は、人々の愛を信じて行動する。
家康の愛を信じて彼の手先となり、慶次とまつの愛を信じ、ふたりがそれを貫くために利家を討つと信じ、加奈の愛を信じ、自分のためにすべてを捨てると信じた。利家から足蹴にされた(=愛されなかった)主馬とその部下たちが利家を捨てると信じた。
誰よりもピュアに、「愛」を信じた男、雪丸。
そして雪丸は、「愛」に裏切られる。
加奈に、そして家康に。
慶次とまつに。
るーるーるー。
なんて悲しいの……。
そんな悲惨な最期を迎えた雪丸だけど。
最後の場面で、彼は穏やかに微笑んでいる。
加奈と寄り添って。
加奈をエスコートして、手を握って歩いて。
表面的なあれこれではなく、彼の真実……愛に滅んだ男であるという事実が、ラストのこの姿に結びついたんだ。
たぶんこれが、彼の本来の姿。
慶次と関わった者たちは、飾らないありのままの姿で最後の場面に現れる。
だから雪丸と加奈はラヴラヴなカップルとして登場した。
じーん……。
いい話だわ……大野くん……。
という、独断と偏見による雪丸論でしたっ。
これが真実だとはまったく思ってないが(笑)、可能性のひとつとしてアリでしょ?
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