みんな歌えてるよね?~専科さんな人たち~@新人公演『一夢庵風流記 前田慶次』
2014年6月26日 タカラヅカ わたしは最近の谷先生演出作品は、あまり好きじゃない。最近の、と括るのは、昔はけっこー好きだったからだ。彼の男性的ロマンチシズムは、こっ恥ずかしくて、なかなかに好みだった。
この役に萌えている、こんな男(と書いて、ヒーローと読む)に萌えている、というのが、よくわかった。自分の萌えに忠実に「オレはコレが好きなんどわあぁぁ!!」という鼻息荒い姿勢が見えた。ストーリーは破綻、最後は皆殺し、という定番だけど、作者が書きたくて書いているのが伝わって、それはそれで気持ちよかった。創作者が熱意を持って、「コレを書きたい!!」と書いた作品の熱って、わたしはけっこう好き。
でも、最近の谷作品に感じるのは、好きで書いている、ことよりも、「仕事・役割優先」。嫌々やっているという意味じゃない、目的意識を持って仕事をしている、という印象。
その目的ってのが「生徒の育成」。
演出家ではなく、教師目線。
『ホフマン物語』で感じたのは、作品うんぬんよりも、主役のみりおくんの魅力開花よりも、「ねねちゃんの突貫工事」だった。この公演自体が、ねねちゃんをヒロインとして急速に仕上げて星組に送り出す、という意図があったんじゃないかと思った。
『THE MERRY WIDOW』で感じたのは、作品うんぬんよりも、主役のみっちゃんの魅力開花よりも、「みゆちゃんの突貫工事」だった。公演自体が、みゆちゃんをヒロインとして以下同文。
『CODE HERO』でも以下同文。こちらは、まぁくんのことも鍛える意図が伝わった。
作品としてはともかく、生徒を鍛えるという意味で、谷作品は機能しているのかもしれない。(除『ベルばら』)
観客は谷作品というだけで敬遠するので、客入りというか興行成績的にはふるわなくなるが、長い目で見ると必要ってことなのかなと。
とまあ、雪組新人公演『一夢庵風流記 前田慶次』の話でなんで谷作品語りからはじまるかというと、新公で活躍している生徒の多くが、直前に谷演出『心中・恋の大和路』で活躍した子たちだからだ。
谷先生、次世代の雪組スターたちをかなり鍛えてくれたのかなあ、と思う。別箱公演では異例の代役稽古があったとも聞くし。
すでにスター候補として知られているにしろ、芝居でこれだけ大きな役が付くのははじめてのかなとくん、たぶんそれまでは無名だった真地くん、芝居の達者さを見せつけたさらちゃん、存在感と実力を披露したあすくん……。
突然のアカペラソロ(舞台にたったひとり!)で「あの子誰?!」と客席をざわつかせた瞳ちゃん。
そして、「あの子誰?!」と誰もが注目した、しじみ売りのまからくん。
二郎三郎@まからくん、98期、まだ研3。
研3で、ヒロさんの役。狂言回しで歌あり芝居ありの難役。
声が女の子のままなのは残念だけど、とりあえず聞きやすく、よく通る。
外殻が出来ているから、女の子声というよりも「声の高い人」として収まる感じ。男の人でもいるよねー、この手の高い声の人、的な。
まからくんは調子に乗る人ではなく、計算出来る人ってイメージなんだが、どうなんだろう。
「前に出る」あざとさ(悪い意味じゃないぞ)を持っているんだけど、調子に乗ってだとか雰囲気に流されてするんじゃなく、一歩立ち止まって、「やっていいよな、やるぜ!」と踏み切り板に飛び込んでジャンプする印象。
その「一歩立ち止まる」感じが、もどかしいような、たのもしいような。
理性があるゆえに大きくなりきれないか、それとも客観性ゆえに場をわきまえ飛躍するか……様子見です。
歌えて芝居が出来る若手は貴重。どうかどうかすこやかに育ってくれますように。
あとは頬が削げて、声が男役になってくれるといいなあ。
ところで95期ってもう研6なのね……ぴんときてなかったよ……もうそんなに大きくなっていたのか。
という、95期の専科俳優一直線のお二方。
おーじくんと翼くん。
メルシー伯爵やって老人やって、そして今回秀吉で。や、おーじくんは多才な人なので、二枚目役もやってきてるけどさ。
専科さんの役がハマりすぎてて頼もしい。
でもわたし、彼の歌をちゃんと聴くのはじめてかも。
おーじくんというと「なんでもできる」というイメージがあるので、「あ、歌うんだ。あ、はじめて聴くかも」と思うだけで、だからといってどうということはなく。
歌えて当然、みたいな。
プロバンス伯爵やってヒロイン父やって、そして今回利家の翼くんは、一貫して専科さん系ばっかだよなあ。
二郎三郎、秀吉、利家という、専科さん(にわにわは組子だけど)枠の3役。
翼くんが利家、というのは、実はちょっとしょぼんだった。
というのはひとえに、歌を聴かせろ!ということです、はい。
本公演で歌わせてもらえないんだから、新公くらい歌わせてくれ、声を聞かせてくれ、一観客としての願い。
歌がないのは残念だけど、利家は出番が増えて、さらにおいしい役になってたから、ま、いっか。
うまいんだけど貫禄がないのは課題?(笑) や、利家に貫禄があり過ぎてもチガウだろうけど、翼くんはどの役を演じても線の細さがあるので。専科さん枠でいくのなら、骨太さは必要よねと。
……ガチに二枚目を演じるのも見てみたいんですが……。
専科枠全員、歌えるっての、すごいよねー。
願人坊主@諏訪さきくん、歌比丘尼@みゆちゃん、ふつーにうまい……っていうか、みゆちゃん? そりゃ新公出てるか、すっかり失念してた。
つか諏訪くんって顔目立つよね……ナニがどうじゃないけど、この子知ってる感がする……。
北条氏規@イリヤくんは安定のうまさ、彼も落ち着きどころを見つけたのかなあ。
主馬@橘くんもがっつり堅実。
わたしはよくこのふたりを混同しがちっす……顔が濃い方がイリヤくん、と思って見てはいるんだが。
重三郎@和城くんが、じわじわといい。なんだろう、彼に感じる小動物的なツボは……。本公演のお小姓とか、ちょこまかしてカワイイからなー。
直江兼続@叶くんは期待通り、いいなあこの骨太感! 研4ぢゃないよねキミ!
今回の男子たちのなかで、個人的にすっげーツボだったのが、黒田官兵衛@水沙瑠流!!
うまいへたはわかんない、とにかく、美形だった。
官兵衛って美形枠なのか! なにはさておきそこなのか! と、なんかウケる。
この役に萌えている、こんな男(と書いて、ヒーローと読む)に萌えている、というのが、よくわかった。自分の萌えに忠実に「オレはコレが好きなんどわあぁぁ!!」という鼻息荒い姿勢が見えた。ストーリーは破綻、最後は皆殺し、という定番だけど、作者が書きたくて書いているのが伝わって、それはそれで気持ちよかった。創作者が熱意を持って、「コレを書きたい!!」と書いた作品の熱って、わたしはけっこう好き。
でも、最近の谷作品に感じるのは、好きで書いている、ことよりも、「仕事・役割優先」。嫌々やっているという意味じゃない、目的意識を持って仕事をしている、という印象。
その目的ってのが「生徒の育成」。
演出家ではなく、教師目線。
『ホフマン物語』で感じたのは、作品うんぬんよりも、主役のみりおくんの魅力開花よりも、「ねねちゃんの突貫工事」だった。この公演自体が、ねねちゃんをヒロインとして急速に仕上げて星組に送り出す、という意図があったんじゃないかと思った。
『THE MERRY WIDOW』で感じたのは、作品うんぬんよりも、主役のみっちゃんの魅力開花よりも、「みゆちゃんの突貫工事」だった。公演自体が、みゆちゃんをヒロインとして以下同文。
『CODE HERO』でも以下同文。こちらは、まぁくんのことも鍛える意図が伝わった。
作品としてはともかく、生徒を鍛えるという意味で、谷作品は機能しているのかもしれない。(除『ベルばら』)
観客は谷作品というだけで敬遠するので、客入りというか興行成績的にはふるわなくなるが、長い目で見ると必要ってことなのかなと。
とまあ、雪組新人公演『一夢庵風流記 前田慶次』の話でなんで谷作品語りからはじまるかというと、新公で活躍している生徒の多くが、直前に谷演出『心中・恋の大和路』で活躍した子たちだからだ。
谷先生、次世代の雪組スターたちをかなり鍛えてくれたのかなあ、と思う。別箱公演では異例の代役稽古があったとも聞くし。
すでにスター候補として知られているにしろ、芝居でこれだけ大きな役が付くのははじめてのかなとくん、たぶんそれまでは無名だった真地くん、芝居の達者さを見せつけたさらちゃん、存在感と実力を披露したあすくん……。
突然のアカペラソロ(舞台にたったひとり!)で「あの子誰?!」と客席をざわつかせた瞳ちゃん。
そして、「あの子誰?!」と誰もが注目した、しじみ売りのまからくん。
二郎三郎@まからくん、98期、まだ研3。
研3で、ヒロさんの役。狂言回しで歌あり芝居ありの難役。
声が女の子のままなのは残念だけど、とりあえず聞きやすく、よく通る。
外殻が出来ているから、女の子声というよりも「声の高い人」として収まる感じ。男の人でもいるよねー、この手の高い声の人、的な。
まからくんは調子に乗る人ではなく、計算出来る人ってイメージなんだが、どうなんだろう。
「前に出る」あざとさ(悪い意味じゃないぞ)を持っているんだけど、調子に乗ってだとか雰囲気に流されてするんじゃなく、一歩立ち止まって、「やっていいよな、やるぜ!」と踏み切り板に飛び込んでジャンプする印象。
その「一歩立ち止まる」感じが、もどかしいような、たのもしいような。
理性があるゆえに大きくなりきれないか、それとも客観性ゆえに場をわきまえ飛躍するか……様子見です。
歌えて芝居が出来る若手は貴重。どうかどうかすこやかに育ってくれますように。
あとは頬が削げて、声が男役になってくれるといいなあ。
ところで95期ってもう研6なのね……ぴんときてなかったよ……もうそんなに大きくなっていたのか。
という、95期の専科俳優一直線のお二方。
おーじくんと翼くん。
メルシー伯爵やって老人やって、そして今回秀吉で。や、おーじくんは多才な人なので、二枚目役もやってきてるけどさ。
専科さんの役がハマりすぎてて頼もしい。
でもわたし、彼の歌をちゃんと聴くのはじめてかも。
おーじくんというと「なんでもできる」というイメージがあるので、「あ、歌うんだ。あ、はじめて聴くかも」と思うだけで、だからといってどうということはなく。
歌えて当然、みたいな。
プロバンス伯爵やってヒロイン父やって、そして今回利家の翼くんは、一貫して専科さん系ばっかだよなあ。
二郎三郎、秀吉、利家という、専科さん(にわにわは組子だけど)枠の3役。
翼くんが利家、というのは、実はちょっとしょぼんだった。
というのはひとえに、歌を聴かせろ!ということです、はい。
本公演で歌わせてもらえないんだから、新公くらい歌わせてくれ、声を聞かせてくれ、一観客としての願い。
歌がないのは残念だけど、利家は出番が増えて、さらにおいしい役になってたから、ま、いっか。
うまいんだけど貫禄がないのは課題?(笑) や、利家に貫禄があり過ぎてもチガウだろうけど、翼くんはどの役を演じても線の細さがあるので。専科さん枠でいくのなら、骨太さは必要よねと。
……ガチに二枚目を演じるのも見てみたいんですが……。
専科枠全員、歌えるっての、すごいよねー。
願人坊主@諏訪さきくん、歌比丘尼@みゆちゃん、ふつーにうまい……っていうか、みゆちゃん? そりゃ新公出てるか、すっかり失念してた。
つか諏訪くんって顔目立つよね……ナニがどうじゃないけど、この子知ってる感がする……。
北条氏規@イリヤくんは安定のうまさ、彼も落ち着きどころを見つけたのかなあ。
主馬@橘くんもがっつり堅実。
わたしはよくこのふたりを混同しがちっす……顔が濃い方がイリヤくん、と思って見てはいるんだが。
重三郎@和城くんが、じわじわといい。なんだろう、彼に感じる小動物的なツボは……。本公演のお小姓とか、ちょこまかしてカワイイからなー。
直江兼続@叶くんは期待通り、いいなあこの骨太感! 研4ぢゃないよねキミ!
今回の男子たちのなかで、個人的にすっげーツボだったのが、黒田官兵衛@水沙瑠流!!
うまいへたはわかんない、とにかく、美形だった。
官兵衛って美形枠なのか! なにはさておきそこなのか! と、なんかウケる。
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