いつか、在りし日の色。記憶。@My Dream TAKARAZUKA
2014年8月8日 タカラヅカ「中村Bのまっつのイメージって、赤なんだ」
その昔、友人が言った。
わたしはそんなこと、特に意識したことなかったんで、すごく意外だった。
赤?
まっつに、赤?
なんだそりゃ。
『宝塚巴里祭2009』のときだ。
わたしにつきあって参加してくれた友人が、ニラニラしながら言ったんだ。
当時のまっつは、花組の中堅。得意な役は、ヘタレ三枚目。下っ端。
貫禄の色悪おじさまジオラモでは爆笑され、娘のお尻に敷かれたヒョンゴ先生は八の字眉のトホホ顔。美形だけど情けない、そこが味のある芸風。
バウ主演も下級生に抜かされ、モバタカの「スター紹介」もスルーされた、「路線外」の芸達者。
小さい・地味、という形容詞が枕詞。
「赤」なんて花形色とは、対極にあるキャラクタ。
だからこそ友人は言うわけだ。「中村Bのまっつのイメージって(笑)」と。
ふつーなら思いもつかない、まっつにコレはナイわー、という色だからこそ、(笑)を付けて。ネタ扱いで。
巴里祭でいろんな衣装を着ていたけれど、友人のセンサーには「赤」が引っかかったらしい。
「『ファントム』でも赤だったもんね」
まっつお得意のヘタレ役。
オペラ座の俳優リシャール。新公主演済みの研9だっつーに、一本物で台詞がふたつだけという扱いだった。
今の雪組でいうと翔くんの学年とポジションですな。研9で5番手。翔くんと比べると、扱いの差も歴然。
だけど何故か、赤を着ていた。
まっつなのに、赤!!
http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-200.html ←当時のブログ
群舞センターのまっつ。しかも、ひとりだけチガウ衣装のまっつ。スター!!な、まっつ。
なにもかもはじめてで、想像もしてなくて、うろたえまくった。
エスカミリオ役ではなかったけれど、それならただの脇に回すことも出来たろうに、名もなき役だとしても、わざわざ華やかな赤の闘牛服を着せて、センターで踊らせてくれた。
その、記憶。
それはわたしにとっても強烈だったけれど、所詮まっつファンのわたしは「赤を着るまっつも素敵」となって納得という記憶の底に沈んだ。しかし「まっつに赤(笑)」と草を生やして眺めていた、ファン以外の人間には、「違和感」として残ったんだろう。
『宝塚巴里祭2009』を見て、『ファントム』のときのことを思い出したらしい。
言われるまで、忘れてたよ。
中村B演出の『ファントム』で、まっつはよりにもよって赤を着ていた。
それはたしかにそうだけど、やっぱり「まっつ=赤」はチガウんじゃね? もっとまっつっぽい色は他にあるだろ。
http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-1807.html ←当時のブログ
そんな他愛ない会話を、思い出した。
『My Dream TAKARAZUKA』「第20場 フィナーレ5(紳士・淑女)」。
他の男たちは直前の場面と同じ、黒燕尾のままだ。
だけどまっつは、赤い燕尾服で登場した。
2度目の銀橋ソロ。
まさかここで、もう一度ソロがあるなんて思ってなかった。油断していた。
しかも、わざわざ衣装替えまでして。
しかも。
しかも。
赤で。
「中村Bのまっつのイメージって、赤なんだ」
泣けた。
ナニがどうじゃない。
ただ、蛇口ひねったみたいになった。
ありがとうソングでドン引きして出かけた涙もひっこんだっつーのに、この赤燕尾ひとつで滝涙。
そして、あとでわかったことだけど、この赤燕尾が、未涼亜希の、最後の衣装だった。
このあとは、大階段パレードがあるだけだ。
パレード衣装は、まっつ単体というよりも、「パレード衣装」だ。パッケージのうちというか、中身とは別の部分だ。
ショーの中身、フリースペースの最後の最後に、中村Bはまっつに赤を着せた。
べつに、着せる必要は特になかったのに。
他の男の子たちと同じ黒燕尾のままでもよかったのに。他の色だってあったのに。
赤。
よりによって、赤。
揺るがないな、中村B。
しあわせな気持ちで劇場に通っていた、あのころを思い出したよ。
わずかな間、群舞のセンターに立った、ひとりだけちょっと豪華な衣装を着せてもらった……そんなことに大喜びしていた。
台詞がなくても、舞台の上にいる時間が短くても、ライトが当たらなくても、まっつを見ていた。
それで、しあわせだった。
そうか、赤か。
まっつは、赤。
花形色。センターの色。情熱の色。
銀橋ソロをせわしなく歌ったあと、まっつはすぐにまた登場する。
ちぎくんが銀橋にいる間、本舞台に組子たちみんな登場するんだ。
そのセンターにまっつがいる。
赤い燕尾を着て。
黒燕尾の男たちのなか、ただひとり、特別な衣装を着て。
最後の色が、赤。
その昔、友人が言った。
わたしはそんなこと、特に意識したことなかったんで、すごく意外だった。
赤?
まっつに、赤?
なんだそりゃ。
『宝塚巴里祭2009』のときだ。
わたしにつきあって参加してくれた友人が、ニラニラしながら言ったんだ。
当時のまっつは、花組の中堅。得意な役は、ヘタレ三枚目。下っ端。
貫禄の色悪おじさまジオラモでは爆笑され、娘のお尻に敷かれたヒョンゴ先生は八の字眉のトホホ顔。美形だけど情けない、そこが味のある芸風。
バウ主演も下級生に抜かされ、モバタカの「スター紹介」もスルーされた、「路線外」の芸達者。
小さい・地味、という形容詞が枕詞。
「赤」なんて花形色とは、対極にあるキャラクタ。
だからこそ友人は言うわけだ。「中村Bのまっつのイメージって(笑)」と。
ふつーなら思いもつかない、まっつにコレはナイわー、という色だからこそ、(笑)を付けて。ネタ扱いで。
巴里祭でいろんな衣装を着ていたけれど、友人のセンサーには「赤」が引っかかったらしい。
「『ファントム』でも赤だったもんね」
まっつお得意のヘタレ役。
オペラ座の俳優リシャール。新公主演済みの研9だっつーに、一本物で台詞がふたつだけという扱いだった。
今の雪組でいうと翔くんの学年とポジションですな。研9で5番手。翔くんと比べると、扱いの差も歴然。
だけど何故か、赤を着ていた。
まっつなのに、赤!!
http://koalatta.blog48.fc2.com/blog-entry-200.html ←当時のブログ
群舞センターのまっつ。しかも、ひとりだけチガウ衣装のまっつ。スター!!な、まっつ。
なにもかもはじめてで、想像もしてなくて、うろたえまくった。
エスカミリオ役ではなかったけれど、それならただの脇に回すことも出来たろうに、名もなき役だとしても、わざわざ華やかな赤の闘牛服を着せて、センターで踊らせてくれた。
その、記憶。
それはわたしにとっても強烈だったけれど、所詮まっつファンのわたしは「赤を着るまっつも素敵」となって納得という記憶の底に沈んだ。しかし「まっつに赤(笑)」と草を生やして眺めていた、ファン以外の人間には、「違和感」として残ったんだろう。
『宝塚巴里祭2009』を見て、『ファントム』のときのことを思い出したらしい。
言われるまで、忘れてたよ。
中村B演出の『ファントム』で、まっつはよりにもよって赤を着ていた。
それはたしかにそうだけど、やっぱり「まっつ=赤」はチガウんじゃね? もっとまっつっぽい色は他にあるだろ。
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そんな他愛ない会話を、思い出した。
『My Dream TAKARAZUKA』「第20場 フィナーレ5(紳士・淑女)」。
他の男たちは直前の場面と同じ、黒燕尾のままだ。
だけどまっつは、赤い燕尾服で登場した。
2度目の銀橋ソロ。
まさかここで、もう一度ソロがあるなんて思ってなかった。油断していた。
しかも、わざわざ衣装替えまでして。
しかも。
しかも。
赤で。
「中村Bのまっつのイメージって、赤なんだ」
泣けた。
ナニがどうじゃない。
ただ、蛇口ひねったみたいになった。
ありがとうソングでドン引きして出かけた涙もひっこんだっつーのに、この赤燕尾ひとつで滝涙。
そして、あとでわかったことだけど、この赤燕尾が、未涼亜希の、最後の衣装だった。
このあとは、大階段パレードがあるだけだ。
パレード衣装は、まっつ単体というよりも、「パレード衣装」だ。パッケージのうちというか、中身とは別の部分だ。
ショーの中身、フリースペースの最後の最後に、中村Bはまっつに赤を着せた。
べつに、着せる必要は特になかったのに。
他の男の子たちと同じ黒燕尾のままでもよかったのに。他の色だってあったのに。
赤。
よりによって、赤。
揺るがないな、中村B。
しあわせな気持ちで劇場に通っていた、あのころを思い出したよ。
わずかな間、群舞のセンターに立った、ひとりだけちょっと豪華な衣装を着せてもらった……そんなことに大喜びしていた。
台詞がなくても、舞台の上にいる時間が短くても、ライトが当たらなくても、まっつを見ていた。
それで、しあわせだった。
そうか、赤か。
まっつは、赤。
花形色。センターの色。情熱の色。
銀橋ソロをせわしなく歌ったあと、まっつはすぐにまた登場する。
ちぎくんが銀橋にいる間、本舞台に組子たちみんな登場するんだ。
そのセンターにまっつがいる。
赤い燕尾を着て。
黒燕尾の男たちのなか、ただひとり、特別な衣装を着て。
最後の色が、赤。
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