やっぱりもう一度観たい! と強く思い、千秋楽へ駆けつけました、『A-EN』ARTHUR VERSION
 若手バウこそ初日とそれ以外の差が大きいもの。……1週間余りの公演を経て観たみなさんは、なんつーかこー、調子に乗ってた(笑)。
 楽しくて仕方ない様子。やりがいに満ちている様子。それは観ていて、気持ちいい。
 2度目の観劇でストーリーや出番を知っているので、それ以外をじっくり観られるし、新たな発見もある。

 オープニングのカッコ良さったらナイ!!
 制服男子最強!
 ここはまゆぽんのカッコ良さにうちのめされているのだけど……。
 えーと、本編とは別扱いなのかな?
 ハートは女子のアダム@佳城くんが、バリバリにキザってイケメンしてる!!
 そういや髪にお花を付けてない……本編とは別人設定なのか!
 まゆぽんだって、本編とはチガウもんな……ストーリー内ではこんなにがつがつしたイケメンじゃないもん。ゆるい二枚目半だもん。

 別モノ設定いいな!

 役にとらわれず、ただもうシンプルに、カッコ良さを追求できる。
 役のキャラクタでのダンスもいいけど、それじゃ三枚目はずーっと三枚目だもんね。ストーリー内のダンスはふつーに各キャラでのダンスなんだし、オープニングぐらい別でいいよね。
 佳城くんのファンなんて特に、1幕ずっとヲカマキャラだもの。すっごくいい役で観ていて楽しいだろうけど、ひとつぐらい「男役として」カッコいい場面があっていい。
 まゆぽんだって、マジ二枚目だし……マイルズくんとして踊ってたらこうはいかんやろ。オープニングのカッコ良さにドキドキして、本編観て肩を落としたもんな、初日。や、いいんだけど、オープニングがカッコ良すぎてな……。

 イケメンたちが本気で「カッコ良さ」を追求し、攻撃的に客席を食おうとしている姿が素敵過ぎる。

 ここに加われない大人役のファンは残念だろうなあ、と、『フットルース』の大人組ファンだったわたしは勝手に想像する(笑)。
 制服でキザる贔屓、誰だって観たいよねえ? そうそうある機会じゃないし。
 とはいえ、さすがにジョー先生はまじれないか……。グレンせんせはともかくとして。


 別箱公演のお楽しみは、新たな出会いがあること。
 今までノーマークだった子に注目したり、本公演では捕捉できない人まで眺められたり。
 男子でまったく知らなかったのは最下のふたりだけなんだけど、女子は知らない子ばっかだったので新鮮。
 脇の女の子たちが、みんなキャラ作ってきててかわいい!
 ストーリーに絡まないし、個々にエピソードがあるわけでもなく、みんな一斉に現れて一斉にはけていくんだけど、それでもひとりずつキャラがわかるの。
 モブやってるときも、ちゃんとそのキャラらしい仕草で小芝居してて、見てて楽しい。
 本公演でもきっとそうやってひとりずつがキャラ作ってモブやってるんだろうけど、大劇場じゃ見てられないもんなあ。
 バウホールならではだわ。

 『フットルース』のときもそうだったけど、わたしほんと女子の「オンナノコ」全開のキャラクタが好きだな。
 制服女子のオンナノコぶりを見ているだけで楽しい。


 てことで、意外にヒロインのキャラ付けが弱くて気の毒だなと思った。
 登場したときの変な女ぶりはそりゃ強烈だけど、外見を変えたあとは「ヒロイン」という以外のキャラクタがない……。
 シンプルな「ひな形」みたい。
 女の子の形だけ最低限の線で印刷してあって、「自由に色を塗って個性を出してね!」とある、ぬりえとか着せ替えみたい。
 誰もが好感を持つけど、だからといってこの子でなくてもいい、すぐに忘れちゃうような「テレビCМの無名タレント」っぽいかわいさ。

 演じている小雪ちゃんの問題ではなく、演出ゆえだと思う。
 アーサー、浅いなあ。
 ただ最大公約数にだけ着目した「美少女」を育てるなんて。人として男として浅いわー。

 って、高校生なんだから当然なんだけど。

 小一時間の他愛ない短編ドラマで、んなひねったモノはやってられない。
 だからヒロインはこれでいいんだと思う。

 わかっちゃいるが、もっと違うアプローチもあったろうに、ヒロインのステレオタイプさがもったいないなあ、と。


 ふつうの少女マンガと違い、タカラヅカではひたすらヒーローのカッコ良さに酔うモノだから、あーさがカッコいいだけでいいとも言う。
 二次元にしか存在しないイケメンぶりが気恥ずかしくも素晴らしい。

 わたしはまゆぽんスキーなので、彼を中心に見てしまうのだけど……彼がいい男であればあるほど、声が惜しくてなあ……。
 何故あの恵まれた体格で、あの甲高い声なんだ……。


 ショーのラスト、「ツキノミチ」の盛り上がりは、同期ならではだなあ。
 初日もあざとい演出(笑)だと思ったけれど、千秋楽の効果は想像以上。
 タカラヅカのシステム上、このふたりがこんな風にがっつり「トップと2番手」として組む公演は、タカラヅカのシステム上二度とない、だろうから。や、あって欲しいけど。確率的にかなり低い。
 初舞台生のロケットが「苦楽を共にした同期が、同じ舞台に立つ最初で最後」であるように、うれしさ楽しさと同時に切なさ儚さを感じる、ようなもので。

 しきりと、『巌流』を思い出していた。しあわせだったな。大好きな同期コンビの公演。ケロトウがラブラブでさ(笑)。や、いつもケロの片想い気味(大好きオーラが強い)んだけど、青年館楽でよーやくトウコがオトコマエに応えてくれたんだよね……それでケロが泣き出したんだよね……。
 あーさとまゆぽんがトウコとケロに似ている、というわけではなく、いろんな部分がケロトウ好きの琴線に触れるのだわ。あー、まつそのもまずはケロトウ好きゆえに惹かれたんだよなあ。罪が深いわ、ケロトウ(笑)。

 良き同期でいてください。素敵なコンビネーションを、これからも見せてください。心から思う。

 舞台は一期一会。
 この瞬間だけ存在し、消えていくもの。
 だからこそ、より愛しい。

 それを強く感じる千秋楽だった。

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