さわやか王子様がくるくる回る。@『A-EN』ARI VERSION
2015年9月14日 タカラヅカ 『A-EN』ARI VERSION初日観劇。
タカラヅカではめずらしい、2作別バージョンのダブル主演公演。公式HPに「朝美絢主演版と暁千星主演版は、それぞれが違ったキャラクターを演じることによる、別バージョンとなります。」とあるからには、どう「別バージョン」なのか興味がわく。
単に主役のキャラを変えただけなのか、他にも変更と関連はあるのか。
あーさが「ツンデレ美男子」で、暁くんが「不思議系男子」というのはいい。ファンのツボを突くおいしいアテ書きっぷり。
それがどう描かれているか、物語好きとして注目! わくわく!
1幕のはじまり方が、あーさ=くらげで吹いた。
あーさバージョンのあーさポジションを、暁くんではなく、くらげちゃんがやっているから。
まさかの娘役主演?! ひとつの作品の別バージョンってこういうこと?! 暁くんはくらげちゃんの相手役?!
ソレはそれでアリだ! 暁くんはまだバウ主演には(特に演技力が)頼りないから、1幕の芝居はくらげちゃんの「相手役」ってことでのびのび経験値稼ぎをしてもらって、2幕のショーでは堂々と真ん中を経験すればいいじゃん?
頼れる上級生ヒロインの胸を借りて、おぼつかない少年が大人へのステップを上がる……って、はっ、これこそが芝居のタイトル『PROM LESSON(プロム・レッスン)』と掛けた裏テーマ?!
と、感動しかかったのですが。
それは導入部分のみで、ふつーに暁くんが主役、くらげちゃんはその相手役でした。
なーんだ。
物語はあーさバージョンのあーさ→くらげちゃん、小雪ちゃん→暁くんに変換しただけで、あとは同じ役割配置とストーリーで進んだ。
それは一見楽しい仕掛けなんだけど、あーさバージョンのみでもアレな部分があったのに、無理矢理暁くん側も同じラインに収めようとするから、さらにアレさが増したというか。
てゆーかこの『PROM LESSON』って話、ひとつの物語の別バージョンではなくて、あーさバージョンが本筋だよね?
あーさの方が元の作品で、あとから暁くんバージョンをでっち上げた。
もともとAというリボンがあって、Aはソレだけで一個の独立したリボンなのに、そこへあとからA’という細いヒモを巻き付けた。AとA’でひとつのリボンとして販売してるけど、「リボン」というならそれはAだけで、A’はリボンっていうより「ヒモ」だよなあ、的な。
まず、リボンありき。ヒモはリボンと一緒に販売してはじめて「リボン」と認識される。
それくらい、暁くんバージョンは割り食ってる。
あーさバージョンという元ネタがなければ、まっさらの状態で暁くんのためだけに書き下ろしていれば、もっと別の作品になったろうなと思う。
「あーさバージョンありき」のネタ盛り込み過ぎ。
それでも、「役割は同じでもキャラは別」にしているあたり、ちゃんとアテ書きがんばってる。
そして、ヅカファンというのは、作品が壊れていても、キャラが楽しければOKという習性を持つ。
駄作でも贔屓がいい役だとリピートできるように。どんな名作でも贔屓が出ていない・出番がないと「退屈な作品」になるよーなもんで。
登場人物みんなかわいいから、いいんじゃない?
少なくともわたしは楽しんだ。
みんなみんなかわいくて、どの子を見てもどこを見ても、楽しかったよーー!
アテ書きの等身大キャラを愛でる、それだけのことで、こんなにも作品を楽しめる。
2幕のショーも、感心した。
や、あーさバージョンを観て、びびったのよ実は。こ、これを暁くんもやるの……? って。
軍服で鞭を片手にドS全開、美青年だのヲカマだのを征服してエロエロするハードゲイ場面。
あーさだから絵になるこの場面を、あのまるまるぷくぷくしたベビーフェイスちゃんにやらせるの……? って。それは本人も観客も罰ゲーム気分になるのでは……? って。
そしたらその場面はまるっと差し替え。
なんかやたらさわやかな場面になってました。で、暁くんがくるくる回ってた(笑)。
あと、あーさが漢らしくオラオラして女装男と踊ってた場面が、暁くんは女役になってた。
男役度がまだ低い暁くんに、ちゃんと合わせて作ってある……!
これはGJだ!
無理なことはさせず、ちゃんと本人の魅力が出るように調整してある。
あーさがそうであったように、暁くんもキャラに合った「今の彼」に相応しいものを書き下ろしてもらってるんだね。
暁くんの持つ、まっすぐな明るさ、おおらかさが生きる作品。
だからGJ、野口せんせ。
若い先生は柔軟でいいね!
どっちのバージョンも楽しかったよ。
ただ。
暁くんバージョンの主人公、アリエルくんの変身設定だけは、賛同しかねる。
「デブでイケてない少年が、痩せてイケメンになる」という設定。
…………「イケメン」になった、という時点でも、アリエルくん、痩せてない…………。
ぽちゃぽちゃしてるっす……。
脚本に書かれているモノと、実際に舞台にあるモノが違う……。
服装とか姿勢とか性格とか、それを矯正したからカッコよくなった、という設定にして欲しかった。デブネタはNG。
体重には触れないで、別のところで「イケメン」にすればいいのに。
そこだけはなんで、アテ書きにしなかったんだろう……って、ある意味アテ書きだったのか? お稽古しているうちに痩せるだろうという期待を込めた?
……若いからなあ、暁くん。今がいちばん、絞るのが難しい時期だよねえ。
タカラヅカではめずらしい、2作別バージョンのダブル主演公演。公式HPに「朝美絢主演版と暁千星主演版は、それぞれが違ったキャラクターを演じることによる、別バージョンとなります。」とあるからには、どう「別バージョン」なのか興味がわく。
単に主役のキャラを変えただけなのか、他にも変更と関連はあるのか。
あーさが「ツンデレ美男子」で、暁くんが「不思議系男子」というのはいい。ファンのツボを突くおいしいアテ書きっぷり。
それがどう描かれているか、物語好きとして注目! わくわく!
1幕のはじまり方が、あーさ=くらげで吹いた。
あーさバージョンのあーさポジションを、暁くんではなく、くらげちゃんがやっているから。
まさかの娘役主演?! ひとつの作品の別バージョンってこういうこと?! 暁くんはくらげちゃんの相手役?!
ソレはそれでアリだ! 暁くんはまだバウ主演には(特に演技力が)頼りないから、1幕の芝居はくらげちゃんの「相手役」ってことでのびのび経験値稼ぎをしてもらって、2幕のショーでは堂々と真ん中を経験すればいいじゃん?
頼れる上級生ヒロインの胸を借りて、おぼつかない少年が大人へのステップを上がる……って、はっ、これこそが芝居のタイトル『PROM LESSON(プロム・レッスン)』と掛けた裏テーマ?!
と、感動しかかったのですが。
それは導入部分のみで、ふつーに暁くんが主役、くらげちゃんはその相手役でした。
なーんだ。
物語はあーさバージョンのあーさ→くらげちゃん、小雪ちゃん→暁くんに変換しただけで、あとは同じ役割配置とストーリーで進んだ。
それは一見楽しい仕掛けなんだけど、あーさバージョンのみでもアレな部分があったのに、無理矢理暁くん側も同じラインに収めようとするから、さらにアレさが増したというか。
てゆーかこの『PROM LESSON』って話、ひとつの物語の別バージョンではなくて、あーさバージョンが本筋だよね?
あーさの方が元の作品で、あとから暁くんバージョンをでっち上げた。
もともとAというリボンがあって、Aはソレだけで一個の独立したリボンなのに、そこへあとからA’という細いヒモを巻き付けた。AとA’でひとつのリボンとして販売してるけど、「リボン」というならそれはAだけで、A’はリボンっていうより「ヒモ」だよなあ、的な。
まず、リボンありき。ヒモはリボンと一緒に販売してはじめて「リボン」と認識される。
それくらい、暁くんバージョンは割り食ってる。
あーさバージョンという元ネタがなければ、まっさらの状態で暁くんのためだけに書き下ろしていれば、もっと別の作品になったろうなと思う。
「あーさバージョンありき」のネタ盛り込み過ぎ。
それでも、「役割は同じでもキャラは別」にしているあたり、ちゃんとアテ書きがんばってる。
そして、ヅカファンというのは、作品が壊れていても、キャラが楽しければOKという習性を持つ。
駄作でも贔屓がいい役だとリピートできるように。どんな名作でも贔屓が出ていない・出番がないと「退屈な作品」になるよーなもんで。
登場人物みんなかわいいから、いいんじゃない?
少なくともわたしは楽しんだ。
みんなみんなかわいくて、どの子を見てもどこを見ても、楽しかったよーー!
アテ書きの等身大キャラを愛でる、それだけのことで、こんなにも作品を楽しめる。
2幕のショーも、感心した。
や、あーさバージョンを観て、びびったのよ実は。こ、これを暁くんもやるの……? って。
軍服で鞭を片手にドS全開、美青年だのヲカマだのを征服してエロエロするハードゲイ場面。
あーさだから絵になるこの場面を、あのまるまるぷくぷくしたベビーフェイスちゃんにやらせるの……? って。それは本人も観客も罰ゲーム気分になるのでは……? って。
そしたらその場面はまるっと差し替え。
なんかやたらさわやかな場面になってました。で、暁くんがくるくる回ってた(笑)。
あと、あーさが漢らしくオラオラして女装男と踊ってた場面が、暁くんは女役になってた。
男役度がまだ低い暁くんに、ちゃんと合わせて作ってある……!
これはGJだ!
無理なことはさせず、ちゃんと本人の魅力が出るように調整してある。
あーさがそうであったように、暁くんもキャラに合った「今の彼」に相応しいものを書き下ろしてもらってるんだね。
暁くんの持つ、まっすぐな明るさ、おおらかさが生きる作品。
だからGJ、野口せんせ。
若い先生は柔軟でいいね!
どっちのバージョンも楽しかったよ。
ただ。
暁くんバージョンの主人公、アリエルくんの変身設定だけは、賛同しかねる。
「デブでイケてない少年が、痩せてイケメンになる」という設定。
…………「イケメン」になった、という時点でも、アリエルくん、痩せてない…………。
ぽちゃぽちゃしてるっす……。
脚本に書かれているモノと、実際に舞台にあるモノが違う……。
服装とか姿勢とか性格とか、それを矯正したからカッコよくなった、という設定にして欲しかった。デブネタはNG。
体重には触れないで、別のところで「イケメン」にすればいいのに。
そこだけはなんで、アテ書きにしなかったんだろう……って、ある意味アテ書きだったのか? お稽古しているうちに痩せるだろうという期待を込めた?
……若いからなあ、暁くん。今がいちばん、絞るのが難しい時期だよねえ。
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