ごめんね、難しいと思ったの。@メランコリック・ジゴロ
2015年10月11日 タカラヅカ 『メランコリック・ジゴロ』のティーナを、難しい役だと思う。
初演の華陽子にアテガキされた役だと聞く。初演ファンからすれば、華陽子以外誰がどう演じても「チガウ」と思うくらい、特異な役……らしい。
初演は知らないので、わたしの刷り込みは再演のののすみティーナ。ウザかわいくて、見ていて「うき~~っ!!」となる、だけどかわいくてたまらない女の子。ののすみが泣くと世界が泣く、勇み足で買ったアクセサリーを返す、コミカル場面で観客を泣かせる、とんでもない芝居力。
ののすみがデフォルトだから……ティーナというのは「かわいくて、華のある役」認識。
再々演ではゆまちゃんが演じた。配役発表されたときは、わくわくした。
美貌のゆまちゃんがティーナ!! 巨乳でエロかわいいゆまちゃんが、あのかわいい役をやるなんて、なんて俺得な配役なの? 美貌で目を引くゆえに「どうしてあのきれいな子は役がつかないの?」といろんな人から言われ続けたゆまちゃんがついに、花形役に!
すっげーわくわくしたんだがなあ。
実際に観てみたら……なんつーか……あまりに地味で拍子抜けした。
かわいい役で、頓狂ゆえに嫌でも目立つ、オイシイ役、のはずなのに……そう見えない。
こんなに冴えない役だっけ……? 台詞も演出も、絡む相手も変わってナイのに、おいしく見えない。ただの脇役に見える。
美醜という点でも、一般的に美しいのはゆまちゃんだと思うのに。
だけど、舞台でティーナとして輝くのはののすみだった。
ののすみすげえな!! と思った経験のひとつ。
だからわたし、「ティーナ」には路線娘役を当てると思ったの。
ただの「かわいこちゃん役」認識で、かわいいだけの子を当ててもうまく機能しない。路線育ちで、真ん中で輝く経験と能力を持った子がするべき役なんだと。
初演は純路線スターではなかったのかもしんないけど、キャラ勝ちゆえに華やかに機能していたんだと勝手に推測、ティーナには華が必要、と。
出演者のみが発表になった時点で、路線娘役はうらら様のみだったから、とーぜんうらら様がやるもんだと思ってた。うらら様の持ち味とは真逆だけど、アホの子を演じるうらら様は痛々しいことになるかもしんないけど、この役には路線力が必要だからここはうらら様に踏ん張ってもらうしか……!
そしたらまさかのしーちゃんで。
あ、あれ? またも路線外?
しーちゃんは好きな娘役さんのひとりだ。『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』新人公演以来、ずっと好意的に目で追っている女の子だ。
きれいでうまい人だとわかっているから、大きな役が付くことはうれしい。
だがしかし。
ティーナ役は……チガウやろ。
い、いやでも、観てみたらものすごく合ってるかもしんないし……なにより実力派演じるティーナなんてはじめて観るわけだし! 観てみたらハマるかも……!
そう前向きに観劇したんだけど、……ごめん、やっぱチガウわ……しーちゃんはティーナに合ってない……。
うーん。
ティーナの役割って、同じトーンで進む物語に瞬間的に別の色を加えることだと思うのね。
同じ幅で揺れている波形グラフが、いきなり上下にどーんと揺れて、また定位置に戻る、そのどーんと揺れる部分がティーナ。
『メラコリ』を波形グラフで表すと、真ん中の安定した線が主人公ダニエル。それとほぼ同じリズムで、かなり下の方をのーんびり進んでいるのがヒロインのフェリシア。ダニエルの線に気忙しく絡んでいるのがトラブルメーカー、いつもこいつが元凶、のスタン。そして、ひとりだけ誰ともチガウ大きな幅で描かれた線がティーナ。
ダニエルとフェリシアは数値こそ違えど同じリズムなのでお似合いだとわかるし、スタンのやたら細かく振動してる線に、おおらかに交わるティーナもお似合い。
なのに、ダニエルとフェリシアの間の数値を、常識的な波形で進むティーナは……チガウ……。それじゃつまんない……。
しーちゃんのティーナはすごく「ふつう」だった。
ののすみのような圧倒的な華と存在感はなく、ゆまちゃんほどのわかりやすい美貌もない。
端正にまともにまとまった、小さな役だった。
スタン@マカゼ氏と絡んでいても、わくわく感が薄い……。マカゼ氏は蛍光カラーの人じゃなく、どっちかっつーと渋い色合いの人なんで、地味な色を合わせると本人も落ち着いた色合いに引っ張られちゃうのだわ。
古い柴田作品なら、マカゼとしーちゃんでしっとりクラシックな色合いを出してくれてもいいと思うけど、洒落たコメディで鈍色に落ち着くのは危険だわ。
しーちゃん好きなんだけどなあ……。この役は、わたしには残念だったわ……。
て、全部ただの思い込みですよ、「ティーナはこうあらねばならない!」という。
単に「自分がはじめて観たモノ以外を認めない」という、偏狭さゆえに新しいモノを否定しまくっているだけかも。
ティーナとはなんなのか。
決まったカタチはないのかもしれないし、あってもわたしには見えないのかもしれない。だって初演観てないんだし。答えは初演だけにあるのかもしれないし。
わたしが観た3つの公演でも、全部別モノだったわけだしな。
メインキャラクタのひとりに思える存在感を持つ、超路線スターが演じるののすみ版。「ああ、脇育ちの子がやってるんだな」とわかる、それほど技術が優れているわけでもない、ひたすらビジュアル重視のゆまちゃん版。
そして、脇の実力者が堅実に務めるしーちゃん版。(花の仙名さんがティーナをやったらこんな感じかなあ、とかうっすら思いながら観た。仙名さんならルシルの方が似合うのになあ……と思うところまで同じ)
全部持ち味も育ち方もチガウ娘役さんがやってるんだね。それだけ、「決まってない」役なのかも。
だからわたしが「チガウ」とか「足りない」と思うのは、わたしの勝手な思い込み。しーちゃんごめん。
ただほんと、ティーナは難しい役だと思ったんだ。
初演の華陽子にアテガキされた役だと聞く。初演ファンからすれば、華陽子以外誰がどう演じても「チガウ」と思うくらい、特異な役……らしい。
初演は知らないので、わたしの刷り込みは再演のののすみティーナ。ウザかわいくて、見ていて「うき~~っ!!」となる、だけどかわいくてたまらない女の子。ののすみが泣くと世界が泣く、勇み足で買ったアクセサリーを返す、コミカル場面で観客を泣かせる、とんでもない芝居力。
ののすみがデフォルトだから……ティーナというのは「かわいくて、華のある役」認識。
再々演ではゆまちゃんが演じた。配役発表されたときは、わくわくした。
美貌のゆまちゃんがティーナ!! 巨乳でエロかわいいゆまちゃんが、あのかわいい役をやるなんて、なんて俺得な配役なの? 美貌で目を引くゆえに「どうしてあのきれいな子は役がつかないの?」といろんな人から言われ続けたゆまちゃんがついに、花形役に!
すっげーわくわくしたんだがなあ。
実際に観てみたら……なんつーか……あまりに地味で拍子抜けした。
かわいい役で、頓狂ゆえに嫌でも目立つ、オイシイ役、のはずなのに……そう見えない。
こんなに冴えない役だっけ……? 台詞も演出も、絡む相手も変わってナイのに、おいしく見えない。ただの脇役に見える。
美醜という点でも、一般的に美しいのはゆまちゃんだと思うのに。
だけど、舞台でティーナとして輝くのはののすみだった。
ののすみすげえな!! と思った経験のひとつ。
だからわたし、「ティーナ」には路線娘役を当てると思ったの。
ただの「かわいこちゃん役」認識で、かわいいだけの子を当ててもうまく機能しない。路線育ちで、真ん中で輝く経験と能力を持った子がするべき役なんだと。
初演は純路線スターではなかったのかもしんないけど、キャラ勝ちゆえに華やかに機能していたんだと勝手に推測、ティーナには華が必要、と。
出演者のみが発表になった時点で、路線娘役はうらら様のみだったから、とーぜんうらら様がやるもんだと思ってた。うらら様の持ち味とは真逆だけど、アホの子を演じるうらら様は痛々しいことになるかもしんないけど、この役には路線力が必要だからここはうらら様に踏ん張ってもらうしか……!
そしたらまさかのしーちゃんで。
あ、あれ? またも路線外?
しーちゃんは好きな娘役さんのひとりだ。『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』新人公演以来、ずっと好意的に目で追っている女の子だ。
きれいでうまい人だとわかっているから、大きな役が付くことはうれしい。
だがしかし。
ティーナ役は……チガウやろ。
い、いやでも、観てみたらものすごく合ってるかもしんないし……なにより実力派演じるティーナなんてはじめて観るわけだし! 観てみたらハマるかも……!
そう前向きに観劇したんだけど、……ごめん、やっぱチガウわ……しーちゃんはティーナに合ってない……。
うーん。
ティーナの役割って、同じトーンで進む物語に瞬間的に別の色を加えることだと思うのね。
同じ幅で揺れている波形グラフが、いきなり上下にどーんと揺れて、また定位置に戻る、そのどーんと揺れる部分がティーナ。
『メラコリ』を波形グラフで表すと、真ん中の安定した線が主人公ダニエル。それとほぼ同じリズムで、かなり下の方をのーんびり進んでいるのがヒロインのフェリシア。ダニエルの線に気忙しく絡んでいるのがトラブルメーカー、いつもこいつが元凶、のスタン。そして、ひとりだけ誰ともチガウ大きな幅で描かれた線がティーナ。
ダニエルとフェリシアは数値こそ違えど同じリズムなのでお似合いだとわかるし、スタンのやたら細かく振動してる線に、おおらかに交わるティーナもお似合い。
なのに、ダニエルとフェリシアの間の数値を、常識的な波形で進むティーナは……チガウ……。それじゃつまんない……。
しーちゃんのティーナはすごく「ふつう」だった。
ののすみのような圧倒的な華と存在感はなく、ゆまちゃんほどのわかりやすい美貌もない。
端正にまともにまとまった、小さな役だった。
スタン@マカゼ氏と絡んでいても、わくわく感が薄い……。マカゼ氏は蛍光カラーの人じゃなく、どっちかっつーと渋い色合いの人なんで、地味な色を合わせると本人も落ち着いた色合いに引っ張られちゃうのだわ。
古い柴田作品なら、マカゼとしーちゃんでしっとりクラシックな色合いを出してくれてもいいと思うけど、洒落たコメディで鈍色に落ち着くのは危険だわ。
しーちゃん好きなんだけどなあ……。この役は、わたしには残念だったわ……。
て、全部ただの思い込みですよ、「ティーナはこうあらねばならない!」という。
単に「自分がはじめて観たモノ以外を認めない」という、偏狭さゆえに新しいモノを否定しまくっているだけかも。
ティーナとはなんなのか。
決まったカタチはないのかもしれないし、あってもわたしには見えないのかもしれない。だって初演観てないんだし。答えは初演だけにあるのかもしれないし。
わたしが観た3つの公演でも、全部別モノだったわけだしな。
メインキャラクタのひとりに思える存在感を持つ、超路線スターが演じるののすみ版。「ああ、脇育ちの子がやってるんだな」とわかる、それほど技術が優れているわけでもない、ひたすらビジュアル重視のゆまちゃん版。
そして、脇の実力者が堅実に務めるしーちゃん版。(花の仙名さんがティーナをやったらこんな感じかなあ、とかうっすら思いながら観た。仙名さんならルシルの方が似合うのになあ……と思うところまで同じ)
全部持ち味も育ち方もチガウ娘役さんがやってるんだね。それだけ、「決まってない」役なのかも。
だからわたしが「チガウ」とか「足りない」と思うのは、わたしの勝手な思い込み。しーちゃんごめん。
ただほんと、ティーナは難しい役だと思ったんだ。
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