『舞音-MANON-』初日観劇。

 期待は大きい、景子タン新作。
 わたしはなんやかんや言って景子せんせ作品好きです。なんだろ、狭い世界で自己完結している作風が、わたしの好みに合うんだと思う。
 同じ町内とかクラスとか社宅の奥様社会とか、狭い世界で生きて、自分の目に映るモノだけがすべてで、それだけで満足しちゃうお茶の間感覚。女性ならではかもしれん、巣を守って納得する感じが、見ていて落ち着く。や、国とか革命とか大袈裟なモノを舞台にしていても、描かれている内容はお茶の間的だから。
 破天荒な冒険ばっかじゃ、身も心ももたないからねえ。小箱の中のような物語も必要。

 原作の『マノン・レスコー』は知らないけれど、宝塚歌劇団の『マノン』なら知っている。ひっでー話で、抱腹絶倒だった(笑)。
 中村Aならお笑いになったとしても(なにしろ『お笑いの果てに』の人だからな!)、景子せんせならきっと美しい作品に仕上げてくれる。
 そう思える安心感ってば。

 んで実際、ポスターが美しすぎる。

 まさおさんの美しいこと!!
 景子タンのポスターはこだわりまくりの塗りまくりで元の画像と距離があることはわかっちゃいるが、それにしたってこの美しさは美形のまさおならではだ!
 ちゃぴの透明感あふれる美しさといい、「こんなタカラヅカが観たいんだ!」と思えるポスター。

 それにタイトルの『舞音-MANON-』もさー、景子タンの傑作のひとつである『舞姫-MAIHIME-』と同じシリーズっぽいしねー。異国で繰り広げられる、踊り子と異邦人の許されざる恋。

 期待するじゃないですか!

 ……期待に不安が入ったのは、配役にもう一人のシャルル・ド・デュラン[シャルルの真実の心を表す存在]@みやるりなんてのがあるのを知ったときからです……。
 もう一人のシャルルて!!
 黒天使@『エリザベート』とか、BJの影@『ブラック・ジャック』とか、あんなやつ……?
 しかも、みやるり? 主要キャストのひとりが「影」? しかもみやるりって、景子タンのお気に入りジェンヌじゃん!!(名もなき下級生時代から、景子作品になると役付きが上がる。もう新公主演はナイのでは、と危ぶまれていた立ち位置だったが、研7ですべり込み新公主演したのも、景子タン作品)
 つまり、かなりの比重よね、「影」が。
 あ……なんか、やな予感……危険信号……一気に駄作臭が……。


 えーと。

 予感は的中しました。

 わたしは景子せんせ作品好きだけど、好きを根っこにおいていてなお突っ込んでしまう。ツッコミ大好きな粗探し屋ですから。なんやかんや文句を言う、クリエイターやファンのみなさまからしたらウザいヤツですすみません。

 なにかしら不満があり、文句を言う……それはどの作家、どの作品でも同じ、要はそれでもメーターが「好き」に傾くかどうか。
 景子タンは「好き」な作家さんのひとり。彼女の作るこだわり抜いた美しい世界が好き。
 しかし。
 この『舞音-MANON-』は。
 悪い景子タンがてんこ盛りだーー!!

 うっわー、悪い方へ転んだかー……。
 こりゃきついわー。


 1回観るだけでもなかなか大変だったんだが。
 キャストのファンや月担の人たちは、この公演に何十回と通うことになるのよね……うわー、大変やな……。

 いやその、感じ方は人それぞれなので、世の中的には名作で感動作で「何十回観ても飽きない!!」モノだったりするのかもしれないけれど、わたしにはいろいろとキツかったっす……。
 苦手だ……。

 『相続人の肖像』観て不快指数MAXでぷんすかしてた、そういう腹立ちはないんだけどね。
 ただ、基本出演者のファンしか観ない、短期決戦パウ公演と、大劇場本公演で東西合わせて2ヶ月、組の総力戦で挑む公演とでは、責任の重さがチガウからなあ。
 まあ、植爺や谷作品より遙かにマシだから、いいっちゃいいんだが。下を見たらキリがないんだが。

 期待した分、がっかり感半端ないっす。
 『舞姫-MAIHIME-』みたいなタイトル、付けないで欲しかったなああ。

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