初演『エリザベート』とわたし・その4。~ビデオの視界とフランツ~
2016年1月17日 タカラヅカ 年寄りの昔話、初演『エリザベート』の思い出。
ナマ舞台と販売ビデオの差に唖然とした……のは、わたしがそもそもビデオをあまり買わない・映像をあまり見ない、ことにあるのかも。
昔も今も、わたしはあまり映像でタカラヅカを見ない。わたしにとってヅカはナマ舞台観劇が基本だ。
映像が嫌なわけではなく……うーん、わたしにとって自宅のテレビで見る映像って、「ながら見」するものなのね。ドラマもアニメも好きでかなりの本数見てるけど、基本ながら見。
テレビの前に正座して脇目も振らず集中して楽しむ……ということを、あまりしない。
タカラヅカのことは大好きだから、ながら見はしたくないし、そもそも「舞台中継映像」てのはながら見用には作られてない。
テレビ番組って基本ながら見できるように作ってある、と思っている。なにしろ途中何度もCM入るからね。その都度緊張が切れる前提で作られている。なにかしながら、大して集中せずとも理解出来る・楽しめるように、がんばって作ってくれている、と思う。
映画はそういう前提がないから、空気感とか、画面の密度というか情報量が多く、ながら見がしにくい認識。集中して楽しむ前提で作られてるからねー。
舞台中継も映画と同じく、ちゃんと集中しなきゃ楽しめない。
そしてわたしには、テレビの前に2時間坐る時間的・精神的余裕がない。あれもしなきゃこれもしなきゃ、ああこんなことしてる場合じゃないのに、と思いながらテレビを見るのはストレスだ。気が小さいんですよ……。
映像になっていることは知っていても、あるいは購入して手元に持っていても、見ることはほとんどない。
わたしがくり返し見るヅカソフトは初演『エリザベート』と初演『凍てついた明日』、それから『二人だけの戦場』と『Crossroad』くらいのもんだった、長年。
『凍てついた明日』なんか、ビデオテープ2本買ったもん……1本は保存用(未開封)。当時はビデオテープしか販売されておらず、テープは劣化するからねえ……。
近年は「くり返し見るヅカ公演映像」に、雪組『ロミオとジュリエット』が加わったかな。『フットルース』が映像化されていたら、絶対これも見ていたと思う。
つっても、そんなに何回も見ているわけでもないが……。いつだって、自宅テレビでは今期のドラマとアニメ見るのに忙しいからなー。
とまあ、そんなわたしですから。
販売ビデオをはじめて見た、当時の驚き。
トドルキーニの最後の高笑いがまともに映ってない、というショックはともかくとして(笑)、いちばん驚いたのは、フランツ@タカネくんだ。
実際に舞台を観劇していたときは、「フランツ・ヨーゼフ」の良さがまったくわからなかったんだ。
「フランツって2番手役? あんな地味で目立たない、ほとんどがヒゲのおじさんの役が2番手でいいの?」
と、本気で思っていた。
辛抱役とかいうんじゃなく、ほんとに、つまんない役だと思ってたの! やだこの人見る目ナイ!!
ルキーニの方がぜんぜんいい役じゃん、なんかごめん。……てな。トドルキが舞台でたのしそーに活き活き暴れ回っているのを見ながら、勝手に申し訳ない気分になっていた。
ユキちゃんがあのつまんないおじさん役引き受けてくれてるから、トドがこんなにオイシイ役になったんだねえ。
ヒロインの夫役、主役の恋敵役は、2番手の仕事だもの。トドが3番手でよかったー。
そう思っていた。
フランツはなんつっても台詞も歌詞も聞き取れなくて。
新公ではじめて聞き取れて「こんなこと言ってたんだ!」と感慨深かったっけ。
たしかマイクが悪かったんだっけ? 聞き取れなかったのはタカネくんのせいではないって、のちになんかの記事で読んだ。
でもそんなの観ているときはわかんないから、台詞は聞き取れないわ共感できないマザコン役だわ地味でしどころがないわで、タカネくんは好きなスターのひとりだったけど、『エリザベート』では「いいとこなし」という印象。
オープニングにフランツいるって最初気づかなくて、2番手がいるならライトあててやれよ!と思い、あとになって、ライトあったんだ、ぜんぜん気づかなかった……、って、なんかもう返す返す「すみません」な感想だったな……。
や、当時わたし、観劇感想ノート作っててだね。チラシや新聞や雑誌の切り抜き、購入したブロマイドなんかもスクラップして、「アタシのタカラヅカ総合ノート」みたいなのを作ってたのよ、若いって元気よねー、よくそんな時間あったわねー。そこに当時の忌憚ない意見が書いてあるのよ、ほんとごめん、タカネくん。
そんな感想だったのにさ、ビデオ見てコロッと感想が変わったのよ。
フランツいい役やん! って。
ビデオではちゃんとフランツがアップになるのよ。わたしがカケラも見てなかったフランツのいい場面、いい表情とかが、自動的に画面に映るの。
いや、見てはいたけど、大劇場ではわからなかったところまで、ちゃんとアップでわかりやすく見せてくれる。あ、ここ、こんな表情してたんだ? てな。大劇場の2階からはそんな細かい表情まで見えなかったわ、てな。
生舞台とビデオで、こんだけ印象違う人もめずらしい……今思えば『La Esperanza』新公のまっつくらい印象チガウわ……(笑)。←生で観たときは主役は別の人に見えて、まっつはろくに目に入らなかったのに、スカステ放送ではまっつを主役としていつも画面の中央やアップにして映してくれるから、ちゃんと主役に見えたし、すごくいい芝居をしていることがわかった。
役の重要度だのストーリーだのに合わせてアップで映してくれる映像ではじめてわかるいい演技をしていても、2500人収容の大劇場で注目させてくれなきゃ意味ナイじゃん、とは、当時も思った。
類は友を呼ぶ、てことでアテにはならないのかもしれんが、わたしの周囲では「舞台観たときは思わなかったけど、ビデオで見るとフランツがすごく良かった」という意見がやたら聞こえた。
マイクが悪くてひとりだけ割を食っていたらしいけれど、それにしてもフランツは難しい役だったのだと思う。ビデオになってようやく良さが伝わるなんて。
わたしがトドファンだから、「トドをアゲて、ユキちゃんをオトしている」ということになってしまうのかもしれない。
トドルキにきゃーきゃーで、それ以外観ていない、という自覚はあるが、でも複数回観てすべて同じ視界なはずもなく、トドを好きでも他も観ているし、トドがいちばん好きでもユキちゃんも好きだったし、トドユキコンビのファン(銀色流し目がわたしのヅカコンビ萌え原点)だったし、客席でほんとうに感じたことなんだけど、わたしがトドファンだ、というだけで信憑性が薄れるんだろうな、と思いつつも、書く。
ともかく、ビデオを買って良かった、と思った。
フランツがこんなにいい役だったのだと、気づけて良かった。
ビデオのフランツは泣ける……。他のフランツと比べても、初演最高、タカネくんのフランツ好き、と思う。……現金よね。
ナマ舞台と販売ビデオの差に唖然とした……のは、わたしがそもそもビデオをあまり買わない・映像をあまり見ない、ことにあるのかも。
昔も今も、わたしはあまり映像でタカラヅカを見ない。わたしにとってヅカはナマ舞台観劇が基本だ。
映像が嫌なわけではなく……うーん、わたしにとって自宅のテレビで見る映像って、「ながら見」するものなのね。ドラマもアニメも好きでかなりの本数見てるけど、基本ながら見。
テレビの前に正座して脇目も振らず集中して楽しむ……ということを、あまりしない。
タカラヅカのことは大好きだから、ながら見はしたくないし、そもそも「舞台中継映像」てのはながら見用には作られてない。
テレビ番組って基本ながら見できるように作ってある、と思っている。なにしろ途中何度もCM入るからね。その都度緊張が切れる前提で作られている。なにかしながら、大して集中せずとも理解出来る・楽しめるように、がんばって作ってくれている、と思う。
映画はそういう前提がないから、空気感とか、画面の密度というか情報量が多く、ながら見がしにくい認識。集中して楽しむ前提で作られてるからねー。
舞台中継も映画と同じく、ちゃんと集中しなきゃ楽しめない。
そしてわたしには、テレビの前に2時間坐る時間的・精神的余裕がない。あれもしなきゃこれもしなきゃ、ああこんなことしてる場合じゃないのに、と思いながらテレビを見るのはストレスだ。気が小さいんですよ……。
映像になっていることは知っていても、あるいは購入して手元に持っていても、見ることはほとんどない。
わたしがくり返し見るヅカソフトは初演『エリザベート』と初演『凍てついた明日』、それから『二人だけの戦場』と『Crossroad』くらいのもんだった、長年。
『凍てついた明日』なんか、ビデオテープ2本買ったもん……1本は保存用(未開封)。当時はビデオテープしか販売されておらず、テープは劣化するからねえ……。
近年は「くり返し見るヅカ公演映像」に、雪組『ロミオとジュリエット』が加わったかな。『フットルース』が映像化されていたら、絶対これも見ていたと思う。
つっても、そんなに何回も見ているわけでもないが……。いつだって、自宅テレビでは今期のドラマとアニメ見るのに忙しいからなー。
とまあ、そんなわたしですから。
販売ビデオをはじめて見た、当時の驚き。
トドルキーニの最後の高笑いがまともに映ってない、というショックはともかくとして(笑)、いちばん驚いたのは、フランツ@タカネくんだ。
実際に舞台を観劇していたときは、「フランツ・ヨーゼフ」の良さがまったくわからなかったんだ。
「フランツって2番手役? あんな地味で目立たない、ほとんどがヒゲのおじさんの役が2番手でいいの?」
と、本気で思っていた。
辛抱役とかいうんじゃなく、ほんとに、つまんない役だと思ってたの! やだこの人見る目ナイ!!
ルキーニの方がぜんぜんいい役じゃん、なんかごめん。……てな。トドルキが舞台でたのしそーに活き活き暴れ回っているのを見ながら、勝手に申し訳ない気分になっていた。
ユキちゃんがあのつまんないおじさん役引き受けてくれてるから、トドがこんなにオイシイ役になったんだねえ。
ヒロインの夫役、主役の恋敵役は、2番手の仕事だもの。トドが3番手でよかったー。
そう思っていた。
フランツはなんつっても台詞も歌詞も聞き取れなくて。
新公ではじめて聞き取れて「こんなこと言ってたんだ!」と感慨深かったっけ。
たしかマイクが悪かったんだっけ? 聞き取れなかったのはタカネくんのせいではないって、のちになんかの記事で読んだ。
でもそんなの観ているときはわかんないから、台詞は聞き取れないわ共感できないマザコン役だわ地味でしどころがないわで、タカネくんは好きなスターのひとりだったけど、『エリザベート』では「いいとこなし」という印象。
オープニングにフランツいるって最初気づかなくて、2番手がいるならライトあててやれよ!と思い、あとになって、ライトあったんだ、ぜんぜん気づかなかった……、って、なんかもう返す返す「すみません」な感想だったな……。
や、当時わたし、観劇感想ノート作っててだね。チラシや新聞や雑誌の切り抜き、購入したブロマイドなんかもスクラップして、「アタシのタカラヅカ総合ノート」みたいなのを作ってたのよ、若いって元気よねー、よくそんな時間あったわねー。そこに当時の忌憚ない意見が書いてあるのよ、ほんとごめん、タカネくん。
そんな感想だったのにさ、ビデオ見てコロッと感想が変わったのよ。
フランツいい役やん! って。
ビデオではちゃんとフランツがアップになるのよ。わたしがカケラも見てなかったフランツのいい場面、いい表情とかが、自動的に画面に映るの。
いや、見てはいたけど、大劇場ではわからなかったところまで、ちゃんとアップでわかりやすく見せてくれる。あ、ここ、こんな表情してたんだ? てな。大劇場の2階からはそんな細かい表情まで見えなかったわ、てな。
生舞台とビデオで、こんだけ印象違う人もめずらしい……今思えば『La Esperanza』新公のまっつくらい印象チガウわ……(笑)。←生で観たときは主役は別の人に見えて、まっつはろくに目に入らなかったのに、スカステ放送ではまっつを主役としていつも画面の中央やアップにして映してくれるから、ちゃんと主役に見えたし、すごくいい芝居をしていることがわかった。
役の重要度だのストーリーだのに合わせてアップで映してくれる映像ではじめてわかるいい演技をしていても、2500人収容の大劇場で注目させてくれなきゃ意味ナイじゃん、とは、当時も思った。
類は友を呼ぶ、てことでアテにはならないのかもしれんが、わたしの周囲では「舞台観たときは思わなかったけど、ビデオで見るとフランツがすごく良かった」という意見がやたら聞こえた。
マイクが悪くてひとりだけ割を食っていたらしいけれど、それにしてもフランツは難しい役だったのだと思う。ビデオになってようやく良さが伝わるなんて。
わたしがトドファンだから、「トドをアゲて、ユキちゃんをオトしている」ということになってしまうのかもしれない。
トドルキにきゃーきゃーで、それ以外観ていない、という自覚はあるが、でも複数回観てすべて同じ視界なはずもなく、トドを好きでも他も観ているし、トドがいちばん好きでもユキちゃんも好きだったし、トドユキコンビのファン(銀色流し目がわたしのヅカコンビ萌え原点)だったし、客席でほんとうに感じたことなんだけど、わたしがトドファンだ、というだけで信憑性が薄れるんだろうな、と思いつつも、書く。
ともかく、ビデオを買って良かった、と思った。
フランツがこんなにいい役だったのだと、気づけて良かった。
ビデオのフランツは泣ける……。他のフランツと比べても、初演最高、タカネくんのフランツ好き、と思う。……現金よね。
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