新人公演『Shakespeare〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』観劇。

 るかぜくん、ららちゃん、新公主演おめでとー。

 るかぜくんというと『白夜の誓い』『王家に捧ぐ歌』と順当に役付きを上げて、満を持しての主演……なのにまだ研4なんだね。

 ウバルドでは役柄もあってかあまり感じなかったけれど、るかぜくんには「明るさ」を感じるんだよね。
 ぱっとした光。
 あ、なんかさわやかな人が出てきた! てな。

 その持ち味が、ウィリアム役には合っていた印象。

 てゆーか、やっぱしヲヅキに似てる。

 若いヲヅキがいる……ほっぺたとかむちむちつるつる。ヲヅキも顔は丸かったけど、頬の張りがチガウわ……若いわ……。
 そして、こんなにヲヅキな顔立ちなのに、歌えるってどういうこと?(笑)
 ヲヅキな顔してきれいな歌が聴こえてくると混乱する……。いやあ、罪深いなヲヅキさん。
 ヲヅキがこれくらい歌えたら、テルとふたりしてトップになってたのかもなあ、とか、たらればをむなしく考えたり(笑)。

 とにかく、ヲヅキスキーなわたしは、好きな人に似た顔だち、ってだけで好感度高いっすよ、もえこちゃん!

 技術的に破綻なし。役割を果たせている、という以上の芝居は伝わってこなかったけれど、学年と立場を考えればソレだけで十分ニャ。
 なんつーの、持ち味だけで成立させてしまったっていうか。それ、真ん中向きの資質を持つってことの証明?

 いい時代になったなあ。今の歌劇団は、ちょっと前と違って「最低限歌える」子しか新公主演させない方針っぽい。
 「音痴しか抜擢されないのか?」てな時代が長かったゆえ、わたし個人としては歌ウマさんに対する飢餓感が強い。歌が歌える、というだけで、点数が甘くなるのだ(笑)。
 ビジュアルは学年が上がれば磨かれていくからねー。もえこちゃんもきっと、大人になったらハンサムになるはず!


 タカラヅカだから、ビジュアルも大事、ただ技術があるだけの不細工さんなら、「ヅカでなくていいじゃん」と思う。
 だからバランスなんだよなあ。
 脇のジェンヌさんならきれいなだけの音痴さんでもいい。一芸に秀でた職人さんも大切。
 でも路線スターには、いろいろ求めちゃうな。

 顔かスタイルか歌唱力か男役芸か、なにかひとつ抜きんでていて、あとは平均値をクリアすること。……わたしが路線スターに求めるのはソレかな。
 ダンスはふつーに踊れるレベルの人なら、男役芸があればなんとかなる、とわたしは思っている。スターになればなるほど、純粋なダンス力よりも「スター力」が必要になるから。天才ダンサーが世界で通用する外部的なダンスを披露するより、男役スターがタカラヅカでしかありえない男役ダンスを披露してくれる方が、わたしはうれしい。
 芝居は好みが大きいので、ふつーレベルであれば問題ないと思うし。
 顔がふつーでもスタイルが良ければカバー出来るし、スタイル微妙でも美形なら無問題。両方ふつーでも、男役芸が極まればちょーイケメンだのエロスターだのに見えるもんだし。
 ただ、歌唱力だけは他のスペックでカバーできない……と、わたしは思う。どんだけ美形でも、男役芸を極めても、「ホゲ~~」な歌は「ホゲ~~」でしかない……。
 あくまでも、わたしにとっては。価値観は人それぞれ。

 今は「ホゲ~~」としか歌えない人は、路線予備軍に加えない方向みたいで、わくわくしている。
 や、「音痴歓迎」時代があまりに長かったので(笑)。ごはんばっかだと、別のモノも欲しくなるじゃないですか。
 最近の「音痴不可、ある程度の歌唱力必須」だって、それが10年も続いたあとには「歌はヘタでもいいから超美形を路線にして」と思ってるかもしれないし。
 先のことはわからないが、今現在、わくわく。


 男役だけじゃなく、娘役も「歌唱力必須」なんだよね。うれしいなあ。

 男役は、「男役のキーで歌う」という高いハードル込みだから、若くして超えられる人が限られてくる。自然な女声でならきれいに歌える人でも、男役としては音痴になったりも、するのだろうから。

 でも娘役は、生まれ持った声で歌える分、下級生でも歌ウマさんが多い……と思う。
 それでも歌えない娘役さんを抜擢し、歌えないスターさんとコンビを組ませたりしてきたんだよなあ……(タニちゃんとカノチカとか、タニちゃんとウメちゃんとかが脳裏をよぎっていく)……でもそれももう、過去のこと、今はヒロインやる娘役さんは、あたりまえに歌ウマさんだーー!

 アン@ららちゃんは、遜色なくヒロイン。
 かわいいし歌えるし、安定している。

 アムネリス@『王家に捧ぐ歌』新公のときは、歌に苦戦しているように見えたけど、今回はぜんぜんふつーに歌ってる。
 アムネリスの歌って難しいのかな……。それとも、役が難しくて、それゆえに歌も微妙になる口?
 お芝居も、アムネリスより今回の方がずっといい。無理がない。
 ……って、やっぱアムネリスって相当難しい役なんだな……。

 正直今回、もえこちゃんより、ららちゃんのお芝居の方がわたしにはよく伝わった。
 主役とヒロインだと、ヒロインの方に肩入れして見ちゃった。

 アンという女性の存在が自然で……なんというか、リアルな気がした。
 ああ、この女性、ここに居るんだ、と思った。

 反対にウィリアム@もえこは、終始足が地に着いてなかった。浮ついているというか、ふわふわしていた。
 それは彼が「スター」としての資質を多く持つためかもしれない。スターなんてもんは、浮世離れしてなきゃなんないからな。
 ウィリアムはつまずいたり悩んだりするわけなんだけど、見ていて実感がわかなかった。
 だからウィリアム単体でいうと、本公演と同じ意味での感動は得られない、同じストーリーでも。
 ただ、地に足着いてない感じが、「シェイクスピア」っぽくもあった。天才だかんなー、これくらいふわふわしてるのもアリでしょ、って。

 そして、アンのリアリティが、切なかった。
 ああこのふたり、別の人種なんだな、って。

 だからうまくいかなくなるし、また、求め合いもするんだろう。

 ららちゃんはかわいい人なのに、かわいく見えるときとそうでないときがあって、髪型とか役柄で左右されがちなのかも。
 どんな役割が来ても、かわいくあれれば、さらにいいのにな。

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