新人公演『Shakespeare〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』感想あれこれ。

 エリザベス1世@しーちゃんが素敵。
 本役が美穂圭子おねーさまだから、そりゃ迫力はぜんぜん違うんだけど。
 すっきりした美女がせり上がって来て、しかも美声で歌ウマで、素直に「おおーっ」と思える。
 この役、あそこまで異次元感なくても十分成り立つやん。

 口では無理難題言っているのだけど、ほんとうのところ許したい、寛大さや優しさといったものに寄り添いたいんだ、というのが伝わる。
 だから、ウィリアム@もえこの芝居の、最初のラストに落胆して、本当のラストにこそ喜ぶ……それを望んでいたんだよこの人最初から!
 なんというか、いじらしい人だ。
 ぱっと見は、ちゃんと偉大な女王なんだけどね。

 しーちゃんは全ツ『メランコリック・ジゴロ』がいまいちだったので、わたしのなかでがっかり感があったのだけど、今回またぐーんと株上がったー!
 なんだ、華のある役出来るんじゃん! ひとことに華と言っても、ティーナみたいなキラキラかわい子ちゃんじゃなくて、専科さんの押し出し感ある役!なら出来るのか。
 わたしは華というものが一種類しかないとは思ってないので、しーちゃんの今回の役には、華を感じた。
 華がなかったら成り立たない役だもの。
 女王陛下、よかったよー。


 そして、その女王陛下に仕えている女官長@瀬戸花さんがまた、いいキャラクタで。
 女王陛下が最後の演説で、わざとシェイクスピア一座を責めるようなことを言い出すじゃん? そこでみんな血相変えて「それは……」とか「陛下……」とか、うろたえたり取りなそうとしたりするところ。
 たしか本公演でも、みんな一様に青くなっていたと思うの。女官長も含めて。
 なのに、新公女官長は取り乱さないの。取り乱す人たちの中、ひとりだけ微笑んでる。
 陛下が言葉だけで怒って見せていて、ほんとうはそんなこと問題にしてなくて、一座を許す気満々だってこと、女官長は気づいてるの。
 陛下が責める口調になった最初一瞬だけ「え?」って驚いた顔して、すぐに「ああ」と納得した微笑みになる。
 そして、穏やかな微笑顔で、陛下を見守っているの。
 女王陛下が、「わざと悪ぶっている」のを、一瞬で見抜いたのよ。
 この王宮でただひとり、女王陛下を理解しきっているの。

 エリザベス1世と女官長には、他の者にはない絆がある。
 だから女王陛下は、夫も持たず孤高の人生を歩んでなお、毅然としていられるのだわ。身近に、こうしてすべて理解して、微笑んでくれる人がいるんだもの。

 そう、思えた。

 しーちゃんの女王陛下が素敵に見えた要因のひとつに、瀬戸花さんの存在もあると思うわ。
 瀬戸花さんのお芝居好きだなー。


 悪女ベス@まどかちゃんは、フェイスラインのファニーさ以外は問題ない出来。
  だからほんと、あとは痩せてほしいなあ。若いからほっぺがぷっくりしちゃうのは仕方ないのだろうけど。
 夫のジョージ@ずんちゃんとも息が合っているし、役としてもやりやすかったのかな。マンガ的な悪女キャラだから、掴みやすいのかも。

 あれ? ところでうらら様は?
 新公の感想メモに彼女の名前がないっす……。今配役表確認したら、前回の新公に引き続き、役付いてなかったのね……。さすがにもう新公卒業か。しかし、前回は「うららちゃんの兵士ちょーイケメン!!」って書いてあるのに、今回メモ書きナシだから、言及することがなかったらしい……。

 個人的には、ダーク・レィディ役が見たかった……。美しさと妖しさで男たちを惑わすうらら様。


 えーと、あと、イケメンコンビ役のふたり、希峰かなたくんと優希しおんくん。どっちも甘いハンサムさんだったけど、今現在わたしにはあまり区別が付かず、早く男役としての型を身に付けてくれるといいなと思う。
 まだ研3と研2か……若っ。そりゃほっぺもお尻もぷるぷるだわな……。
 好みの男に育ってくれることを望む。

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