龍真咲コンサート『Voice』観劇。

 東スタートなので、DC初日にはこだわらない。シンプルにチケットの取れた回を観に行った。相変わらず予備知識はなし。
 客席参加と日替わりで出演者のピックアップがあるということだけ理解。

 で。

 1幕目で大泣きした。

 ストーリー仕立てで、まさおさんの歴史を振り返る作りなの。そんなん、泣くに決まってるやん。

 なんやかんやでわたし、まさおのことは長く長く眺めて来ているの。
 まさお節は苦手だけど、こんなになっちゃう前の、キラキラして実力もあって、だけどイマイチ不遇だったころとか、扱いは上がったけどそれをうまく消化出来ていない頃とか、大好きで見ていたの、応援していたの。
 スターのみりおくんの後ろでモブをやっていた頃とか、あさこのコピーみたいな演技で鼻息だけ荒かった頃とか……みんなみんな、眺めて来ているの。
 思い出が多いだけに、卒業を前にした「振り返りコンサート」なんか、泣けて泣けて仕方ない。

 まさおの『ロミジュリ』好きだったよ……! 『1789』も『PUCK』も好きだったよ。楽曲と声を武器にした妖精め、自在に響く声は記憶を揺さぶり、当時よりさらに磨きをかけて感動の波に翻弄しやがる。

 みやちゃんとくらげちゃんが、まさおをはじめとする月組メンバーに歌やダンス、物語ることを教えてもらう、というストーリーなんだけど、それはほんと言い訳っていうか「演目を進めるためのガイドライン」でしかない。このラインに沿って進みますよ、って。
 要はまさおメモリアル。
 生え抜きトップスターの強みだね。彼の軌跡はそのまま月組の軌跡でもある。このステージにいる人たちは、みんな一緒に思い出を作ってきた人たち。
 記憶がキラキラと、ある意味鋭利に、切なく輝く。

 まさおの歌声は、ほんと心地いい。
 どんどん歌、うまくなってるよな。

 と、思いながら、気がついた。

 まさお、喉やばい?

 ソロは見事に響かせているんだけど、コーラスになるとまさおの声が消えるのだわ。
 他の声で聞こえなくなっているわけではなく、まさおの声がなくなっている感じ。
 コーラスが重なる部分は歌ってない? あるいはかなりセーブしている?
 『BJ』の記憶が甦る。喉を潰したまっつがそうだった。最低限のソロ部分は歌うけど、コーラスの助けを借りる。聞こえてくるのはコーラスのみになる。

 ソロだって、高く長く歌い上げるところを、短く終わらせている。喉に負担がかからないよう、簡略化してある。
 あるはずの声がふっと消えることもあった。

 まさお、喉やばいの? 千秋楽まであと1週間。もたせるためにセーブしている?
 心臓ばくばく、ほんとこれもうトラウマ。このDCで、目の前で声を失ったのよ……声が消えたのよ、あんなつらい姿はもう見たくない。まさお、無理しないで、だけどがんばって、まさおにしか背負えない責任なのだから……!!

 と、祈るような気持ちでした。

 セーブしてる、といっても、きっと初見の人にはわかんないレベルだと思うし。美声は朗々と響き渡っているし。
 わたしも初見なんだけど、なにしろトラウマ持ちだから(笑)、敏感なのよ。
 調子のいいときは、まさおはコーラスを完全に支配して、がんがん歌っているもの。なのに、コーラスで声がかき消されるなんてありえない……意志を持ってそうしているんだろう。

 プロなんだから、いつも120%で歌えとは言わない。
 1回負けたら終わりの高校球児じゃない、年間何十試合こなすことを前提としたプロ選手なんだ、「この1試合に全力を出せたら、二度と野球が出来ない身体になってもイイ」てな命ギリギリプレイはいらん、ある程度のクオリティを安定して保ってくれ。
 全公演センターで歌い続けることが最優先。コーラスで誤魔化せるところは誤魔化してでも、豊かなソロを聴かせてくれればいい。

 そう思っていたんだけど。

 2幕で、アゴが落ちた。

 えーとね。
 2幕は、絶好調でした。

 歌い上げをセーブ? んなこたぁーない、がんがんに声張り上げてる。
 ええ、お笑いだーの、悪のり場面で。

 2幕のお遊びを全力でやるために、1幕のシリアスな歌でセーブしまくってたのか!!

 脱力した。
 いやもうほんとに。

 わたしの涙を返せ(笑)。

 2幕はほんとひどい。
 若い演出家と組むと学園祭ノリになっちゃって手が付けられないんだな、誰か手綱握らないとこんなことになっちゃうんだな、という、悪い見本を見ているかのようでした。
 いくら個人のコンサートでも、最低限の品位は保って欲しいと思う、アタマの固いヅカヲタでございますのよ。

 わたしは生まれも育ちも大阪だけど、摂津の国の人だから、河内のまさおさんとは気質がチガウのよ……。まさおさんの言うところの大阪らしさにドン引きしたっす(笑)。
 や、気質を語るときは、現在の都道府県ではなく、旧国名で分けると腑に落ちる、と歴史好きに言われてなるほどと。わたしの生まれ育った「大阪」と、テレビがイメージを刷り込んでいる「大阪」って、あまりにもかけ離れていて、何故なのか不思議だった。言葉すら別モノだし。それもそのはず、テレビが刷り込んでいる「大阪」って、河内文化なのよね。
 だから河内人のまさおさんが、『Voice』2幕で「これぞ大阪」と胸張って主張するのは、ある意味正しい。みんなが期待するまんまの「大阪」だもの。
 期待に応えるのは、エンターテイナーとして正しいことだとは思う。

 しかし、わたしは引いたわ……。
 1幕はあんだけ泣いたのに(笑)。


 でもまあ、それも含めてまさおなので、ドン引きしようがトホホと肩を落とそうが、もういいよ、という気になる。
 好きに暴れてくれ。
 わたしがついていけないところも、そのまま受け入れるよ。つか、その「トホホ」と思うことすら「まさおだー」と思うもの(笑)。

 どんだけお笑いで落としていても、持って行くところはきちんと待っていくしね。
 ったく、2幕はセーブなしかよ! ナニその気まぐれ。才能ある人はずるいなヲイ!

 類い希な人だと思うよ、ほんとに。
 ああちくしょー(笑)。

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