神様はひどいよなー、と思った。
パッションくんの素晴らしい歌声を聴きながら、何故神は彼に美貌を与えなかったのだろうかと、口惜しい、切ない思いを抱いていた。
熱のこもった拍手に送られて彼が退場し、代わりに現れたのが、うらら様。
曲はひとりだけ歌謡曲。
オペラのあとに、松田聖子……。
ああ、神よ。
何故神は、彼女に歌唱力を与えなかったのだろう……。
いやその、タカラジェンヌはみんな美しいとわかってます、その上で、パッションくんはわかりやすい美貌とは別の持ち味の人認識なんです、わたし。
そして、うらら様の歌唱力に至っては、まったくもって別カテゴリとしか……。
『Bow Singing Workshop~宙~』観劇。
『エンカレッジコンサート』から優に10年ぶり? の、若手メインによるバウコンサート。
長年「トップ路線スターには音痴しかなれない」というくらい、歌唱力軽視時代が続いていたんだけど、近年よーやく「歌」劇団であることに、劇団が気づいたらしい。歌ウマ大事。歌ウマさんに活躍の場を。
まあ、『エンカレ』があったときだって、劇団は歌唱力重視してなかったわけで、『エンカレ』で美声を披露したところで、「劇団が最初から決めている人」以外は路線スターにはなれなかったわけで、いくら今「下級生たちの歌の実力向上を重視する試みのひとつ」として歌バウをやったところで、そこでどんだけ「素晴らしい歌唱力」を披露したところで、「劇団が最初から決めている人」以外は路線スターにはなれないのだろうけど。
だからこそ、「歌の実力向上」のために、どう考えても歌ウマではない「路線スター」たちが、各組出演者に名を連ねているわけで。
わかっちゃいるけど、それでもなお、歌バウはうれしい。歌唱力大事、歌ウマ大事。わたしはそう思っている。
でもって、歌バウに出演している路線スターさんたちにはぜひ、「歌の実力向上」してほしいと願っている。歌ウマ好きとして!
そして、5組の先陣を切る宙組歌バウにて、最大の路線スターといえば、うらら様。
なにしろ「路線スター」を丸6年もやっている強者だ。男役ならまだしも、娘役でこれだけ長期間路線スターでいるのは珍しい。(もっと長期間務めた娘役スターもいるので大丈夫……たぶん……このままいけば、記録更新するかもだけど)
うらら様に関しては、もう歌はアンタッチャブルでいいんじゃないか、と思っているだけに、なんで今さら歌バウなのか疑問だった。「歌の実力向上」って、うらら様はもう向上しないと思う……出来るなら、『王家に捧ぐ歌』でしているはずで、博多座の『王家に捧ぐ歌』にだって引き続き出演していたはず。
うらら様は「音痴」とか「歌がヘタ」とかとは、別カテゴリだ。努力してどうこうなる次元の話じゃないだろう。「声が存在しない」のは、どうしようもない。足のない人魚姫に「歩け」と言うのが無茶なことと同じ。
彼女にいちばんいいのは、「歌わせないこと」だと思う。アムネリス役さえなければ、まさかここまでアンタッチャブルな人だとは、劇団もファンも気づかなかったはず……。
なのに劇団はまだ、彼女に歌わせるのか。声がないのに、どうしろというんだ。
と思っていたら、うらら様の歌唱曲は松田聖子の「瑠璃色の地球」でした。
あー……、なるほど、そのテがあったか!
うらら様の松田聖子は悪くなかった。ふつーに歌えていた。うん、「瑠璃色の地球」なら、わたしもカラオケで歌ったことある。松田聖子は歌いやすくて好き。
歌劇歌唱ではなく、ふつーの歌謡曲、カラオケ歌唱なら、彼女はなんの問題もない。こんなテレビタレントいくらでもいる。
ミュージカルではなく、地声で歌う練習の場として、歌バウに出演したんだ。なるほど、それならわかる。教室でレッスンするだけじゃダメ、実際にステージに立つ経験が必要だもの。
歌バウはひとり2曲。うらら様のもう1曲は『モーツァルト』より「ダンスはやめられない」で、歌謡曲のみではないんだけど、こちらのミュージカル曲も、うらら様の出せる音の範囲の曲で……地声歌唱だった。
歌謡曲か、あるいはミュージカル曲を歌謡曲歌唱する練習の場か……なんかしみじみと、なんでうらら様はタカラヅカに、ミュージカル界にいるんだろうなあ……、と考えてしまった。テレビでふつーにアイドルやってた方がよかったんじゃ……? こんなに美しいんだし、テレビ向きだろうに。舞台が好きだとしても、テレビタレントだって舞台の主役やったりしてるし。そこでいくらでも歌謡曲歌唱すればいい。「テレビタレントの舞台」に観客は美しいファルセットを求めないでしょ。
いや、だからこそ、ここまで致命的な弱点を持ちながらもタカラヅカに固執する、つまりそんだけタカラヅカが好きなのかと、そこに感動し、いじらしくもなるんだけど。
神様の皮肉さに、苦い気持ちになるばかりだ。
神様ってひどい。
うらら様がふつーの音痴であったなら、6年も路線スターをやってないで、とっくの昔にトップになり、もう辞めている頃だろう。
この6年は、「存在しない声」を出すために費やされた。でも今、新たに「出せる声」で歌うことをはじめたわけだ。えーと、歌に関しては研1みたいなもん? 劇団も、娘役歌唱しない娘役育成はマニュアルも歴史もないから、手探りだろうし。
ここから再スタートかあ……。
うらら様の路線スター人生は、さらに続きそうだな……。
しかし、男役のキーで歌う娘役スターと組む男役は、さらにその下のキーで歌わなくてはならないわけで…………た、大変だな。女声の限界に挑む感じ? がんばれ、宙組男役。
とりあえず、歌バウでは歌ウマさんがいっぱいなので、その点安泰……なのかな?
ああほんとうに、うらら様が男役ならなあ……。
ほんとに、タカラヅカが、娘役が好きなんだねえ……。
パッションくんの素晴らしい歌声を聴きながら、何故神は彼に美貌を与えなかったのだろうかと、口惜しい、切ない思いを抱いていた。
熱のこもった拍手に送られて彼が退場し、代わりに現れたのが、うらら様。
曲はひとりだけ歌謡曲。
オペラのあとに、松田聖子……。
ああ、神よ。
何故神は、彼女に歌唱力を与えなかったのだろう……。
いやその、タカラジェンヌはみんな美しいとわかってます、その上で、パッションくんはわかりやすい美貌とは別の持ち味の人認識なんです、わたし。
そして、うらら様の歌唱力に至っては、まったくもって別カテゴリとしか……。
『Bow Singing Workshop~宙~』観劇。
『エンカレッジコンサート』から優に10年ぶり? の、若手メインによるバウコンサート。
長年「トップ路線スターには音痴しかなれない」というくらい、歌唱力軽視時代が続いていたんだけど、近年よーやく「歌」劇団であることに、劇団が気づいたらしい。歌ウマ大事。歌ウマさんに活躍の場を。
まあ、『エンカレ』があったときだって、劇団は歌唱力重視してなかったわけで、『エンカレ』で美声を披露したところで、「劇団が最初から決めている人」以外は路線スターにはなれなかったわけで、いくら今「下級生たちの歌の実力向上を重視する試みのひとつ」として歌バウをやったところで、そこでどんだけ「素晴らしい歌唱力」を披露したところで、「劇団が最初から決めている人」以外は路線スターにはなれないのだろうけど。
だからこそ、「歌の実力向上」のために、どう考えても歌ウマではない「路線スター」たちが、各組出演者に名を連ねているわけで。
わかっちゃいるけど、それでもなお、歌バウはうれしい。歌唱力大事、歌ウマ大事。わたしはそう思っている。
でもって、歌バウに出演している路線スターさんたちにはぜひ、「歌の実力向上」してほしいと願っている。歌ウマ好きとして!
そして、5組の先陣を切る宙組歌バウにて、最大の路線スターといえば、うらら様。
なにしろ「路線スター」を丸6年もやっている強者だ。男役ならまだしも、娘役でこれだけ長期間路線スターでいるのは珍しい。(もっと長期間務めた娘役スターもいるので大丈夫……たぶん……このままいけば、記録更新するかもだけど)
うらら様に関しては、もう歌はアンタッチャブルでいいんじゃないか、と思っているだけに、なんで今さら歌バウなのか疑問だった。「歌の実力向上」って、うらら様はもう向上しないと思う……出来るなら、『王家に捧ぐ歌』でしているはずで、博多座の『王家に捧ぐ歌』にだって引き続き出演していたはず。
うらら様は「音痴」とか「歌がヘタ」とかとは、別カテゴリだ。努力してどうこうなる次元の話じゃないだろう。「声が存在しない」のは、どうしようもない。足のない人魚姫に「歩け」と言うのが無茶なことと同じ。
彼女にいちばんいいのは、「歌わせないこと」だと思う。アムネリス役さえなければ、まさかここまでアンタッチャブルな人だとは、劇団もファンも気づかなかったはず……。
なのに劇団はまだ、彼女に歌わせるのか。声がないのに、どうしろというんだ。
と思っていたら、うらら様の歌唱曲は松田聖子の「瑠璃色の地球」でした。
あー……、なるほど、そのテがあったか!
うらら様の松田聖子は悪くなかった。ふつーに歌えていた。うん、「瑠璃色の地球」なら、わたしもカラオケで歌ったことある。松田聖子は歌いやすくて好き。
歌劇歌唱ではなく、ふつーの歌謡曲、カラオケ歌唱なら、彼女はなんの問題もない。こんなテレビタレントいくらでもいる。
ミュージカルではなく、地声で歌う練習の場として、歌バウに出演したんだ。なるほど、それならわかる。教室でレッスンするだけじゃダメ、実際にステージに立つ経験が必要だもの。
歌バウはひとり2曲。うらら様のもう1曲は『モーツァルト』より「ダンスはやめられない」で、歌謡曲のみではないんだけど、こちらのミュージカル曲も、うらら様の出せる音の範囲の曲で……地声歌唱だった。
歌謡曲か、あるいはミュージカル曲を歌謡曲歌唱する練習の場か……なんかしみじみと、なんでうらら様はタカラヅカに、ミュージカル界にいるんだろうなあ……、と考えてしまった。テレビでふつーにアイドルやってた方がよかったんじゃ……? こんなに美しいんだし、テレビ向きだろうに。舞台が好きだとしても、テレビタレントだって舞台の主役やったりしてるし。そこでいくらでも歌謡曲歌唱すればいい。「テレビタレントの舞台」に観客は美しいファルセットを求めないでしょ。
いや、だからこそ、ここまで致命的な弱点を持ちながらもタカラヅカに固執する、つまりそんだけタカラヅカが好きなのかと、そこに感動し、いじらしくもなるんだけど。
神様の皮肉さに、苦い気持ちになるばかりだ。
神様ってひどい。
うらら様がふつーの音痴であったなら、6年も路線スターをやってないで、とっくの昔にトップになり、もう辞めている頃だろう。
この6年は、「存在しない声」を出すために費やされた。でも今、新たに「出せる声」で歌うことをはじめたわけだ。えーと、歌に関しては研1みたいなもん? 劇団も、娘役歌唱しない娘役育成はマニュアルも歴史もないから、手探りだろうし。
ここから再スタートかあ……。
うらら様の路線スター人生は、さらに続きそうだな……。
しかし、男役のキーで歌う娘役スターと組む男役は、さらにその下のキーで歌わなくてはならないわけで…………た、大変だな。女声の限界に挑む感じ? がんばれ、宙組男役。
とりあえず、歌バウでは歌ウマさんがいっぱいなので、その点安泰……なのかな?
ああほんとうに、うらら様が男役ならなあ……。
ほんとに、タカラヅカが、娘役が好きなんだねえ……。
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