はじめての恋だから(笑)。@ドン・ジュアン
2016年7月4日 タカラヅカ 『ドン・ジュアン』DC版を観て。
うれしい驚きは、咲ちゃんがうまくなっている! でした。
KAAT初日に観て、ドン・カルロ@咲ちゃんが「足りない」と思った。
歌声も演技力も存在感も。
ああ、ひとり経験不足の新人が板の上にいるな。そう思えた。
なまじ、周囲がうますぎるから。エマさんや圭子ねーさまと絡むんだもの、そりゃ不利だわ。
咲ちゃん単体でいる分には「弱いな」「歌残念だな」で済んだけど、ドン・ジュアン@だいもんと対峙すると、その色の薄さゆえに存在がかすみ、吹っ飛ばされる。
「悪の華」とか、同等の力が必要な場面で、ドン・ジュアンの独壇場になっている。
それだけドン・ジュアンが圧倒的な存在だという演出、と受け取ることも出来るので、いいっちゃーいいんだが。
わたしは、カルロにもがんばってほしかった。
カルロはしどころのナイ役……に見えるけど、そうしているのは役者の問題だ。
本当は、すごくオイシイ役だ。……ベンヴォーリオ好きのわたしは、ドン・カルロをただの脇役に下げてしまう咲ちゃんに肩を落としていた。ベンヴォーリオだって、演じる人次第でおいしくもつまらなくもなる……演者の裁量に任された部分の大きな役なんだよ。
だから、KAAT公演を経て、DCで咲ちゃんカルロが見違える出来になっていることに、感動した。
歌えている。
声が出ている。
だいもんのうるさすぎる芸風に、暴力的な圧に、真っ向から対抗している……!
存在を、打ち出している。
そうなると、咲ちゃんは強い。
だって、美しいからだ。
輪郭や色の薄い、半透明人だったときは目に付かなかった、姿の美しさが力を持つ。
コスチューム似合うわー、かっこいいわー。
ただちょっと、気になる点。というか、え、それはどうなの?とびびった点。
前は台詞のない傍観しているときなどに、「抜け」ているのが気になった。役がカラダに入ってないんだな、と思えた。
今はそれはない……んだと思う。ベンヴォーリオ好きのわたしは、ベンヴォーリオ的役割の役はちょー好み。カルロ役だけでなく、どんな作品でも積極的に眺める。目で追う。だから、ただのモブにまざっちゃっているときのカルロも観ていたけれど、今回は「抜け」ているとは思わなかった。
でも。
その傍観しているときのカルロ……ドン・ジュアンを「恋する目」で見てますがな……、そ、それってどうなの? いいの?
切ない、恋に身を焦がす瞳。
えええ。
ちょっと待てカルロ、立ち位置、立ち位置!
そりゃわたしは、カルロ→ジュアンで腐った考察をしていますが、だからってそんな、中の人にソレは求めてないんですが。
公式が最大手とか、ヅカではそんなんシャレならん……(笑)。
たぶん、咲ちゃんのスキルの問題なんだと思う。
ドン・ジュアンへの友情を表すのに、……強い、強い、屈折した愛情を表すのに、他に表現方法を持たないんだと思う。
もしくは、咲ちゃん自身の感情が出てしまっているんだと思う。「男性」を相手に愛を示すと、男役でも役でもなく、女の子の咲ちゃんが出てしまうとか。「女の子」「娘役」への愛情表現は10年かけて学んできたけど、男相手ははじめてだもんね……。
ある意味「抜け」てるのか……? でも、キモチは確実に入った状態だからなあ。
このカルロ、ドン・ジュアンに恋してますやん……。
なんかもう、どっひゃーー!というか、ギャフンというか、いたたまれなくなりました……。
イザベル@圭子ねーさまに対するときも、同族愛と嫌悪がビシバシ伝わってきて、観ていてびびる。
咲ちゃん……おもしろいわ。
こんな風に、演じている役で「入り込みすぎておかしくなっている」感を、咲ちゃんに感じたことがなかった。
咲ちゃん自身、ブレーキングがうまくいかなくて、とまどっている感じ。
ただ熱量を上げればいいわけじゃない。ピントを絞り、一点に集中しなければならない、それが高難度、ずれるとぼやける。
焦点を絞るあまり、他が見えなくなってる感じ? それじゃ行きすぎてるよ、やばいよ。持てあます、うろたえる、見失う。
時折泣きそうに心許なく見えるカルロが、すっげー愛しい。
いっそ女なら、泣き崩れることも、恨みを口にすることも出来たのに。
男だから、ひとり立ち、留まって。どうすることもできず、ドン・ジュアンを見つめていることしか出来ない。
イザベルがカルロに毒を吐くのがわかるわー。同じ穴の狢のくせに、そうでないような口ぶりで、でも「同じ目」をして寄りかかってこられたら、振り払いたくもなるわ。うぜえ(笑)。
このへん、カルロに「男のずるさ」を感じる。
エルヴィラ@くらっちにやさしいのも、シンパシーゆえよね。見ていられないんだよね、自分自身を見るようで。
せっかくジュアンが真実の愛に目覚め、たったひとりの女性を愛すると言っているのに、マリア@みちるちゃんをアタマから認めないのは、ジュアンへの恋慕ゆえよね。
ラファエル@ひとこが襲いかかってきたときに、ドン・ジュアンをかばって、あったりまえに剣を抜いて前に出るんですよ。背中にジュアンをかばうんですよ!
え、なに、ナイトなの、あなたジュアンのナイトなの、ジュアンは姫君なの?!
いや、もお、カルロがいじらしすぎて、涙で前が見えません(笑)。
かんっぺきに片想いだもんね。報われることなんて1ミリたりともなさそうだもんね。そしてそれをカルロ自身知ってるもんね。「友人と思われているかどうか……(自嘲)」だしね。
あー、カルロ大好きだー。
うれしい驚きは、咲ちゃんがうまくなっている! でした。
KAAT初日に観て、ドン・カルロ@咲ちゃんが「足りない」と思った。
歌声も演技力も存在感も。
ああ、ひとり経験不足の新人が板の上にいるな。そう思えた。
なまじ、周囲がうますぎるから。エマさんや圭子ねーさまと絡むんだもの、そりゃ不利だわ。
咲ちゃん単体でいる分には「弱いな」「歌残念だな」で済んだけど、ドン・ジュアン@だいもんと対峙すると、その色の薄さゆえに存在がかすみ、吹っ飛ばされる。
「悪の華」とか、同等の力が必要な場面で、ドン・ジュアンの独壇場になっている。
それだけドン・ジュアンが圧倒的な存在だという演出、と受け取ることも出来るので、いいっちゃーいいんだが。
わたしは、カルロにもがんばってほしかった。
カルロはしどころのナイ役……に見えるけど、そうしているのは役者の問題だ。
本当は、すごくオイシイ役だ。……ベンヴォーリオ好きのわたしは、ドン・カルロをただの脇役に下げてしまう咲ちゃんに肩を落としていた。ベンヴォーリオだって、演じる人次第でおいしくもつまらなくもなる……演者の裁量に任された部分の大きな役なんだよ。
だから、KAAT公演を経て、DCで咲ちゃんカルロが見違える出来になっていることに、感動した。
歌えている。
声が出ている。
だいもんのうるさすぎる芸風に、暴力的な圧に、真っ向から対抗している……!
存在を、打ち出している。
そうなると、咲ちゃんは強い。
だって、美しいからだ。
輪郭や色の薄い、半透明人だったときは目に付かなかった、姿の美しさが力を持つ。
コスチューム似合うわー、かっこいいわー。
ただちょっと、気になる点。というか、え、それはどうなの?とびびった点。
前は台詞のない傍観しているときなどに、「抜け」ているのが気になった。役がカラダに入ってないんだな、と思えた。
今はそれはない……んだと思う。ベンヴォーリオ好きのわたしは、ベンヴォーリオ的役割の役はちょー好み。カルロ役だけでなく、どんな作品でも積極的に眺める。目で追う。だから、ただのモブにまざっちゃっているときのカルロも観ていたけれど、今回は「抜け」ているとは思わなかった。
でも。
その傍観しているときのカルロ……ドン・ジュアンを「恋する目」で見てますがな……、そ、それってどうなの? いいの?
切ない、恋に身を焦がす瞳。
えええ。
ちょっと待てカルロ、立ち位置、立ち位置!
そりゃわたしは、カルロ→ジュアンで腐った考察をしていますが、だからってそんな、中の人にソレは求めてないんですが。
公式が最大手とか、ヅカではそんなんシャレならん……(笑)。
たぶん、咲ちゃんのスキルの問題なんだと思う。
ドン・ジュアンへの友情を表すのに、……強い、強い、屈折した愛情を表すのに、他に表現方法を持たないんだと思う。
もしくは、咲ちゃん自身の感情が出てしまっているんだと思う。「男性」を相手に愛を示すと、男役でも役でもなく、女の子の咲ちゃんが出てしまうとか。「女の子」「娘役」への愛情表現は10年かけて学んできたけど、男相手ははじめてだもんね……。
ある意味「抜け」てるのか……? でも、キモチは確実に入った状態だからなあ。
このカルロ、ドン・ジュアンに恋してますやん……。
なんかもう、どっひゃーー!というか、ギャフンというか、いたたまれなくなりました……。
イザベル@圭子ねーさまに対するときも、同族愛と嫌悪がビシバシ伝わってきて、観ていてびびる。
咲ちゃん……おもしろいわ。
こんな風に、演じている役で「入り込みすぎておかしくなっている」感を、咲ちゃんに感じたことがなかった。
咲ちゃん自身、ブレーキングがうまくいかなくて、とまどっている感じ。
ただ熱量を上げればいいわけじゃない。ピントを絞り、一点に集中しなければならない、それが高難度、ずれるとぼやける。
焦点を絞るあまり、他が見えなくなってる感じ? それじゃ行きすぎてるよ、やばいよ。持てあます、うろたえる、見失う。
時折泣きそうに心許なく見えるカルロが、すっげー愛しい。
いっそ女なら、泣き崩れることも、恨みを口にすることも出来たのに。
男だから、ひとり立ち、留まって。どうすることもできず、ドン・ジュアンを見つめていることしか出来ない。
イザベルがカルロに毒を吐くのがわかるわー。同じ穴の狢のくせに、そうでないような口ぶりで、でも「同じ目」をして寄りかかってこられたら、振り払いたくもなるわ。うぜえ(笑)。
このへん、カルロに「男のずるさ」を感じる。
エルヴィラ@くらっちにやさしいのも、シンパシーゆえよね。見ていられないんだよね、自分自身を見るようで。
せっかくジュアンが真実の愛に目覚め、たったひとりの女性を愛すると言っているのに、マリア@みちるちゃんをアタマから認めないのは、ジュアンへの恋慕ゆえよね。
ラファエル@ひとこが襲いかかってきたときに、ドン・ジュアンをかばって、あったりまえに剣を抜いて前に出るんですよ。背中にジュアンをかばうんですよ!
え、なに、ナイトなの、あなたジュアンのナイトなの、ジュアンは姫君なの?!
いや、もお、カルロがいじらしすぎて、涙で前が見えません(笑)。
かんっぺきに片想いだもんね。報われることなんて1ミリたりともなさそうだもんね。そしてそれをカルロ自身知ってるもんね。「友人と思われているかどうか……(自嘲)」だしね。
あー、カルロ大好きだー。
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