光と闇のエルヴィラ。@ドン・ジュアン
2016年7月6日 タカラヅカ ヒロインのキャスティングにのみ不満があるのですが、かといってマリア役を誰が出来たのかというと、よくわからんです……。
くらっちならマリアが出来たのかもしれないけど、だとしたらエルヴィラどうすんだ、という問題が。
というわたしは、エルヴィラ@くらっちがすげー好みです。
だもんで、マリアでなくてよかったと思ってます。
『ドン・ジュアン』で、もっとも胸を突かれたのはエルヴィラの闇。
『銀二貫』のヒロインが好みではなかったので、最近くらっち株が落ちてたんですが、『ドン・ジュアン』を観て思い出しました。
この子が『伯爵令嬢』でわたしのハートを奪っていった子だということを。
書くだけ書いてUPできてないよーな気がするが、『伯爵令嬢』初日を観てくらっちに惚れ込みました。
彼女の「濁」を持つ芝居に。
『伯爵令嬢』の感想、どこへやったかな……たしか今はもうぶっ壊れたPCで日生劇場の幕間ロビーと帰りの新幹線で書いてたはず……ということは、サルベージできないのかな。なくしちゃった? くそー。
汚れ役だとか意地悪な役だとか、タカラヅカの娘役らしくない役だとか、そんなことはどうでもいい。
アンナ@『伯爵令嬢』には、人間の持つ濁った感情を見せてもらった。
コリンヌ@みゆちゃんを海へ突き落とすときに見せた表情に、わたしは心底ぞっとした。
それと同じだ。
エルヴィラに、ぞくっとした。
背筋が寒くなった。
ドン・ジュアン@だいもんに裏切られて、ぎゃーぎゃー言ってたり、パパ@エマさんに「なんとかしてよ!」と責任転嫁してぎゃーぎゃー言ってたり、「わたしだって悪いことできるのよ」と自棄になってストリップしたり……というのは、別に、ふつうに観ていられる。
うまいなーと思う。
このうまさだけで十分好きだと思う。
でも、彼女の本領は、闇落ちしてからだ。
ジュアンパパにクロスを投げつける、その痛み。
神と共に生き、男に騙されて神を裏切ったと嘆いてなお、神と共に生きている娘が。
クロスを、投げつけた。
もうどこか、ボタンが掛け違っている。歪みが出ている。引き返せないほど、壊れかけている。
崩れだしている。
砂の城が形を失っていくように。
彼女の危うさが、痛い。
苦しい。
「愛する人を傷つければ、傷はいえるのか」
そう歌う、エルヴィラとラファエル@ひとこ。
マリア@みちるちゃんに婚約者がいたと知ったドン・ジュアンが、嫉妬に狂う。はじめて愛を知り、はじめて愛に傷つく。
せっかくしあわせだったのに、エルヴィラがラファエルに告げ口したゆえに。
苦しむドン・ジュアンを見つめる、エルヴィラの瞳が痛くて。
自分を傷つけた男が傷ついている……望んだ光景がそこにあるのに、苦しそうで。ドン・ジュアンが苦しめば、同じだけ彼女も傷ついている。ドン・ジュアンが受ける罰は、そのままエルヴィラの受ける罰でもあるんだ。
傷つけることで、傷つく。悲しい姿が、そこにある。
なのに。
マリアがドン・ジュアンにすがりつくのを……なだめているのを見るなり、目にすっと闇が落ちる。
闇。暗闇。
光が消えるの。深い井戸みたいに底の見えない深淵が満ちる。
こわい。
マジ、ぞっとした。
この子、こわい。
「愛する人を傷つければ、傷はいえるのか」……?
答えはない。いらない。
説教はいらない。
「わたし、気づいたの。あの人を傷つけても傷は癒えないのだと。むしろ、愛する人のしあわせを祈るわ」……とか、「物語の最終章、みんないい人なんだよ」的取って付けた解答編はいらん。
闇は闇でいい。
エルヴィラは闇を持つ。
十字架も投げつけるし、復讐も企てる。他人の不幸も願う。
それでいて。
傷つく。
苦しむ。
答えも、救いもない。
それが、生きるってことだろう?
闇を持つから、神を求める。
聖人君子に救いなど必要ない。
エルヴィラだけ追った映像が欲しいな。この子の感情の動きをコンプリートしたい。
かなしいほど、リアルだ。この子の存在は。
今回は役のせいか、ところどころ顔立ちがまっつを思い出させる。普段は似てるとは思わないんだけどね。
暗い、闇系の役だと彷彿とするのか(笑)。
でも、だからこそ声でびびる。女の子だーー。
エルヴィラ好きだ。
『Crossroad』のヘレナ@あすかを好きだった感覚を思い出す。ヘレナの孤独な叫びを文章化したいと切望した、あの感覚。
エルヴィラの物語を文章化できたら、楽しいだろうなあ。とことん幸福に世界へ没入出来るだろう。
観るのでも書くのでも、その物語世界へ……「異世界」へ入り込む、それこそが快感だもんな。
(だから、そのトリップに水を差して現実に引き戻す人は苦手)
エルヴィラを見て思う。
神を裏切り、否定してなお。
この子は結局、神と共に生きていくんだろう。
闇があるからこそ、そこに光がある。
くらっちならマリアが出来たのかもしれないけど、だとしたらエルヴィラどうすんだ、という問題が。
というわたしは、エルヴィラ@くらっちがすげー好みです。
だもんで、マリアでなくてよかったと思ってます。
『ドン・ジュアン』で、もっとも胸を突かれたのはエルヴィラの闇。
『銀二貫』のヒロインが好みではなかったので、最近くらっち株が落ちてたんですが、『ドン・ジュアン』を観て思い出しました。
この子が『伯爵令嬢』でわたしのハートを奪っていった子だということを。
書くだけ書いてUPできてないよーな気がするが、『伯爵令嬢』初日を観てくらっちに惚れ込みました。
彼女の「濁」を持つ芝居に。
『伯爵令嬢』の感想、どこへやったかな……たしか今はもうぶっ壊れたPCで日生劇場の幕間ロビーと帰りの新幹線で書いてたはず……ということは、サルベージできないのかな。なくしちゃった? くそー。
汚れ役だとか意地悪な役だとか、タカラヅカの娘役らしくない役だとか、そんなことはどうでもいい。
アンナ@『伯爵令嬢』には、人間の持つ濁った感情を見せてもらった。
コリンヌ@みゆちゃんを海へ突き落とすときに見せた表情に、わたしは心底ぞっとした。
それと同じだ。
エルヴィラに、ぞくっとした。
背筋が寒くなった。
ドン・ジュアン@だいもんに裏切られて、ぎゃーぎゃー言ってたり、パパ@エマさんに「なんとかしてよ!」と責任転嫁してぎゃーぎゃー言ってたり、「わたしだって悪いことできるのよ」と自棄になってストリップしたり……というのは、別に、ふつうに観ていられる。
うまいなーと思う。
このうまさだけで十分好きだと思う。
でも、彼女の本領は、闇落ちしてからだ。
ジュアンパパにクロスを投げつける、その痛み。
神と共に生き、男に騙されて神を裏切ったと嘆いてなお、神と共に生きている娘が。
クロスを、投げつけた。
もうどこか、ボタンが掛け違っている。歪みが出ている。引き返せないほど、壊れかけている。
崩れだしている。
砂の城が形を失っていくように。
彼女の危うさが、痛い。
苦しい。
「愛する人を傷つければ、傷はいえるのか」
そう歌う、エルヴィラとラファエル@ひとこ。
マリア@みちるちゃんに婚約者がいたと知ったドン・ジュアンが、嫉妬に狂う。はじめて愛を知り、はじめて愛に傷つく。
せっかくしあわせだったのに、エルヴィラがラファエルに告げ口したゆえに。
苦しむドン・ジュアンを見つめる、エルヴィラの瞳が痛くて。
自分を傷つけた男が傷ついている……望んだ光景がそこにあるのに、苦しそうで。ドン・ジュアンが苦しめば、同じだけ彼女も傷ついている。ドン・ジュアンが受ける罰は、そのままエルヴィラの受ける罰でもあるんだ。
傷つけることで、傷つく。悲しい姿が、そこにある。
なのに。
マリアがドン・ジュアンにすがりつくのを……なだめているのを見るなり、目にすっと闇が落ちる。
闇。暗闇。
光が消えるの。深い井戸みたいに底の見えない深淵が満ちる。
こわい。
マジ、ぞっとした。
この子、こわい。
「愛する人を傷つければ、傷はいえるのか」……?
答えはない。いらない。
説教はいらない。
「わたし、気づいたの。あの人を傷つけても傷は癒えないのだと。むしろ、愛する人のしあわせを祈るわ」……とか、「物語の最終章、みんないい人なんだよ」的取って付けた解答編はいらん。
闇は闇でいい。
エルヴィラは闇を持つ。
十字架も投げつけるし、復讐も企てる。他人の不幸も願う。
それでいて。
傷つく。
苦しむ。
答えも、救いもない。
それが、生きるってことだろう?
闇を持つから、神を求める。
聖人君子に救いなど必要ない。
エルヴィラだけ追った映像が欲しいな。この子の感情の動きをコンプリートしたい。
かなしいほど、リアルだ。この子の存在は。
今回は役のせいか、ところどころ顔立ちがまっつを思い出させる。普段は似てるとは思わないんだけどね。
暗い、闇系の役だと彷彿とするのか(笑)。
でも、だからこそ声でびびる。女の子だーー。
エルヴィラ好きだ。
『Crossroad』のヘレナ@あすかを好きだった感覚を思い出す。ヘレナの孤独な叫びを文章化したいと切望した、あの感覚。
エルヴィラの物語を文章化できたら、楽しいだろうなあ。とことん幸福に世界へ没入出来るだろう。
観るのでも書くのでも、その物語世界へ……「異世界」へ入り込む、それこそが快感だもんな。
(だから、そのトリップに水を差して現実に引き戻す人は苦手)
エルヴィラを見て思う。
神を裏切り、否定してなお。
この子は結局、神と共に生きていくんだろう。
闇があるからこそ、そこに光がある。
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