星組『桜華に舞え』『ロマンス!!(Romance)』初日観劇。

 サイトーくん新作の『桜華に舞え』を観た感想は、『TRAFALGAR』を観たときの感想と同じだった。

 すなわち。

 サイトー作大劇場本公演に必要なモノは、お金だ。

 『エル・アルコン-鷹-』がとてもステキに派手で盛り上がる海洋男子ロマンだったので、同じジャンルの『TRAFALGAR』も、同じように盛り上がると思ったの。
 実際、『エル・アルコン』と『TRAFALGAR』は同じ方程式で作られていて、設定や場面や演出などなど、「使い回……ゲフンゲフン、ワンパター……ゲフンゲフン、いやその、作者のライフワーク的こだわりが全編にあふれている」状況だった。
 やっていることが同じだと、印象を大きく変えるのは、そりゃ演者の違いとか題材とかいろいろあるけどそれはともかくとして、予算の差は、如実に出る。

 『TRAFALGAR』を観ながら、「そっか……お金、ないんやねえ……。『エル・アルコン』は予算いっぱいもらってたんやねえ……」と遠い目になった。

 それと同じ。
 歴史は繰り返す。

 『桜華に舞え』を観ながら、「そっか……お金、ないんやねえ……。『JIN-仁-』は予算いっぱいもらってたんやねえ……」と遠い目になった。

 『エル・アルコン』はスポンサー付き公演、『JIN-仁-』は人気ドラマのタイアップやったもんなあ。
 特に『エル・アルコン』は豪華だったなあ。ヅカの通常公演とは、かけられる予算が大きくチガウんだろうなあ。

 えー、『桜華に舞え』は、『JIN-仁-』と同じ方程式で作られてました。
 あまりに同じで、あちこち苦笑い。
 中村Bのショー張りに、「次にナニが来る」かわかる感じなのが、もう(笑)。

 『TRAFALGAR』が2010年だから、6年経ってもサイトーくん変わってねえ。海洋モノなら海洋モノ、幕末モノなら幕末モノ、同じジャンルで焼き直し。

 いちばんツボ直撃したのが、ことちゃんの役っす。キタキタ、これがないとサイトーじゃないっ(笑)。
 あ、『JIN-仁-』では咲ちゃんがやってました。頬の傷をなぞるポーズ(サイトーくんのお約束)付きで。

 でも、『TRAFALGAR』は「『エル・アルコン』劣化版」だったのに、『桜華に舞え』は「『JIN-仁-』の上位互換作品」です。『JIN-仁-』を習作として、完成版を作った感じ。
 あー、『JIN-仁-』はひどい出来だったけど、その失敗を元に、向上した作品を作れるなら、まだいいんじゃないかと。や、そのひどい出来なモノでサヨナラ公演見せられた者としては物言いたいこと山積みだけど、同じ焼き直しでも、よくなってるならまだ救いはある。劣化されたらたまらん。

 サイトーくんはますます男子萌えに突き進み、ヅカファンのほとんどが女性だということを忘れてるなー。
 男性は、少女マンガを理解出来ないとかそもそもコマを追うことすら出来ない場合も多いが、女性の多くは少年マンガを読めるし楽しむこともできる。だから、サイトー作品が少年ジャンプでも、大半の女性はついてはいけるのだと思う。けど、あちこちの感覚の乖離っぷりが「ああ、サイトーくん男子だもんなあ」と思う。

 少年ジャンプだからこそ、ばーんどーんぶわーっと派手であるべきで、予算が足りてない感じなのが悲しい。
 サイトーくんが満足出来るくらいの予算をもらえていたら、『桜華に舞え』はもっと華やかで派手で、ドラマチックになっていただろう。
 それが残念。

 サイトーくんに予算を!


 『ロマンス!!』は、なんともなつかしい空気感。
 ああこれ知ってる、昔のタカラヅカこんなだったー、的な。
 年寄りなので、この空気は嫌いじゃない。

 なんかすごく、ワタさんサヨナラを思い出していた。あれも岡田せんせ作品だった。
 夢中で、それこそ息を詰めて、見入っていたあの感覚。
 同じ星組だから似せているのか……って、岡田せんせにソレはないか。ツギハギ基本でこだわりなんかなさそうな作風だもんな。
 サヨナラ公演だとコレしか手持ちがないのかもしれない。

 だとしても、『ネオ・ダンディズム!』に通った者としては、なつかしくて切ない。


 芝居にしろショーにしろ、みっちゃんほんと、大活躍というか、すげー仕事量だなと思う。トップスターってすごい。
 身体に気をつけて、最後まで走りきって欲しい。

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