『アイラブアインシュタイン』初日観劇。
 宝塚歌劇団って一定の名字の人しか演出家になれない、それ以外はハードル上がるから入りにくいとか、ナニかルールがあるんだろうか?と思うくらい、名字かぶりが確率を超えて多いところだよな。
 この作品でもってデビューする演出家は、谷貴矢先生。……ふたりめの「谷」先生。
 ナカムラがふたり、ウエダが3人、そしてタニがふたりか。演出家はそれほど人数いないのに、かぶりまくってる不思議。

 ともかく、あきらスキーだし、新人演出家のデビュー作だもん、絶対初日観なきゃ。先入観や他人の評価がない状態で観なきゃ!
 わくわくバウホールへ駆けつけて。
 そして。

 あまりにトンデモ過ぎて、アタマを抱えた(笑)。

 帰りの電車で感想を書くのはわたしのデフォルトだが、めちゃくちゃ筆進んだ。すっげー熱意と勢いで書いた。書きまくった。書かずにいられない。

 脚本ひでーー!

 すげー破綻しまくり。

 こんなにテンション上がるのって『相続人の肖像』以来か。2015年ワースト作品(笑)。あんときも帰りの電車でタブレットに入力しまくりでしたなあ。

 あちこち『相続人の肖像』思い出すし、破綻ぶりが似ている。new谷先生って田渕先生の直属の後輩かなんか?
 いろんな先生いるけど、大きく分けると植爺系?

 植爺-谷-鈴木-田渕-new谷?

 物語の構成の相似点による分類。

 植爺なら「愛」、谷なら「命」など、耳ざわりのいいテーマを掲げるけれど、作者自身そのテーマに興味が薄い。
 やたら愛愛言葉だけ垂れ流す植爺が興味あるのは「母の愛」だけで、男女の愛は興味ない。母だけは大事だが、女という生き物は下等、それを基準にした恋愛観。大切な命、と繰り返す谷せんせの得意技は皆殺し、大切だと持ち上げるのは、殺してお涙頂戴するため。
 あー、田渕せんせのデビュー作、マジック生き甲斐のマジシャンの話なのに、マジックの軽んじ方がひどかった。マジック生き甲斐にする人が決してしてはいけないこと、するはずもないことをさせまくっていた。
 テーマはただの道具なんだね。
 テーマは愛です、と言えば、誰も文句言えない「愛は素晴らしい」「愛は大切」、「命」だってそう。耳ざわりいいこと言って、はいOK。
 利用はするけど、敬意はない。だってただの道具だから。

 という、植爺ラインの構成パターンを、new谷せんせに感じました。

 アンドロイドをテーマにしているわりに、アンドロイドに興味なさそう。すげー雑な扱い。
 てゆーか設定自体破綻しまくり、興味以前の問題……?
 観ていてびびった(笑)。

 もう少しなんとかならんかったんか……。

 画面はきれいだし、意欲作ではあるんだけど。
 脚本というか、「物語を作る」というのは、かくも困難なことなのか。
 「物語る」という点において、ウエクミはやっぱ飛び抜けていたんだなあ、と改めて思ってみたり。そして、生田せんせもまた、違った意味で飛び抜けていたんだなあ、と思ってみたり。

 でも、『相続人の肖像』ほどの嫌悪感はないな。基本設定と構成が壊れているだけで、キャラクタ自体は毒にも薬にもならない感じだからか。『相続人の肖像』は主人公が偽善者の卑劣漢だったからなあ。

 とにかく愉快なことになってるわ、新人の谷せんせ作品。

コメント

日記内を検索