『エリザベート-愛と死の輪舞-』千秋楽 ライブ中継に行ってきました!

 ライブ中継のある時代っていいなあ。
 東宝千秋楽なんて、一般人は観られない公演だもの。それをご近所の映画館で見られるなんて助かる、楽ちん。
 それまでは、ライブ中継ってトップサヨナラのラストデイか、タカスペなどのお祭り公演しかしてなかったもの。ふつーの公演の楽を中継する時代になったなんて。
 『るろうに剣心』でライブ中継やって相当儲かったんだろうな。
 それからあとは、どの組もライブ中継することにして……あれ? 星組『こうもり』だけやってなかったっけ? 大作以外はやらないのかな。

 とにかく、『エリザベート』は大好き作品だから、楽中継は見ようと決めていた。『るろ剣』以来のライブ中継!

 で。
 最初の驚き。

 カードもらえないのおおっ?!

 『るろ剣』のとき、剣心@ちぎくんのかっこいー写真付きカードもらえたから、期待してた。ライブ中継行ったら、毎回カードもらえるんだって。や、所詮ただの宣伝カードだったわけだけど、それでももらえるもんはうれしかった。
 毎回くれるもんではなかったのか。ひょっとして『るろ剣』だけだったのか。初回だから?
 トート@まぁ様のカード、期待してたのにぃ。

 次の驚き。

 ライブ中継、面白くない。

 あんなにわくわく見に行ったのに……。
 楽しくなかったんだ。

 何故? 今までどんなライブ中継も楽しんできたじゃん? スターさんをアップで見られて喜んでたじゃん。

 今までわたしが見てきたライブ中継は、トップスターサヨナラの「ラストデイ」ってやつだった。
 だから、画面がトップさん中心なのは前提事項だった。たとえ、自分が劇場で見ていたアングルと違っていても、見たい場面や表情が映っていなくても「そんなもんか」と思っていられた。
 それに、わざわざ中継を見に行くくらい好きなトップさんのラストなんだ、彼ばかりがアップで映っていてなんの文句があろうか。その偏ったフレームを楽しんだ。

 で、「ラストデイ」ではないライブ中継は前回見た『るろ剣』がはじめて。
 カメラはもちろん、わたしの実際の視界とチガウものを映していたけれど、それはあまり気にならなかった。ごくふつうに、主人公剣心の物語を追っていた。
 アングルが悪い! とか、ここでどうして誰々さんを映さないの?! とかも、別に思わず。翼くんがカケラも映らないなあ、ぐらいの感想。

 なのに、『エリザベート』はダメだった。
 つまんない。

 ずんこ宙組のバカメラ映像『エリザベート』じゃあるまいし、今回のまぁ様『エリザベート』のカメラアングルは、ごくふつうだったと思う。ダメなはずのない、ふつうの仕事。
 なのにそれがダメっていうのはもう、作品が『エリザベート』だから。としか、思えないな。

 初演からはじまって、ヅカの全『エリザベート』を観てきたし、東宝『エリザベート』も初演からちょこちょこ観てきた。
 わたしにとって『エリザベート』は、真ん中を観るモノではない。……らしい。
 実際に劇場で、真ん中観てないもんな……。
 まぁ様だからではなく、前回の花『エリザ』も、月『エリザ』もそうだったし。わたしにとって、「そういうもの」としか、言いようがない。
 トートやシシィ以外のいろんなところを、観ている。
 民衆とか兵士とかを観ている場合もあるし、広間の客たちとか重臣たちとか、革命家たちとか。
 今回は黒天使と革命家たちばっか観てたなー。そらとりくが好みで……って、ナニこのコンビみたいな名前。空と陸。

 『エリザベート』は大好きな作品で、再演されるとうれしい。わくわく通う。
 そして、トートとシシィ以外のいろんなところを観る。
 ……なんてこと、自覚してなかった。
 ナマ舞台のいいところですよ、好きなところを存分に眺めることが出来る。オペラグラスを使える。
 だから真ん中を観てないことに気づいてなかったよ……。

 や、確かに前から語っていた。
 販売DVDでもスカステでも、カメラは当然真ん中を撮る。主役を、トップスターを映す。それは当然で、最初からわかっている。
 だから余計に、ナマ観劇では映像に残らない部分を観るのに必死になる。
 と。
 それゆえに、映像を見るときは「はじめてのアングルだー」と新鮮な思いで楽しんで見る。
 ……のが、わたしの通常だった。
 だからもちろん『エリザベート』もそうだと思っていた。


 初演から観尽くしてきた『エリザ』に関しては、もう今さら「はじめて見るー♪」にならないんだわ……。
 や、その公演を、一度もナマで観ずに映像だけ見ることになったなら、そんなことは思わないだろうけど。ちゃんとナマで、初日に、真ん中も観てる。その最初だけで、どうやらもう納得してしまうらしい。
 映像で真ん中を見せられても「見たいのはソコじゃない」と思うほどに。


 『エリザベート』ってほんとに、立体的な作品なんだなと思う。
 主人公だとか台詞を言う人だとかだけで、空間を埋めているわけじゃないんだ。
 舞台の奥行きというか空気感というか、それも全部ひっくるめて『エリザベート』。
 中継映像では、そういったものはもちろん映らないから、わたしには肩すかしだったのだと思う。

 この中継映像だと、こんなにただの脇役なのか、革命家たち……。
 革命家たちだけに限らず、こんなに「ドラマ」の少ない話になっちゃうのか、真ん中だけだと。いやいやいや、『エリザベート』ってそうじゃないだろ、もっと幾重にも重なった大輪の薔薇みたいな作品じゃん、こんな花びら1枚だけ見せられてもな……!

 次に『エリザベート』が上演されるとき、「中継じゃダメなんだ」と心して観劇することにしよう。

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