『私立探偵ケイレブ・ハント』の主要人物でありながら、ハリーワールド外のキャラクタである、ジム@だいもんとカズノ@咲ちゃん。

 そんな「撃たれたこともない」ふつーの市民であるジムとカズノがマフィアに殴り込みをかける決意をするのが、不自然なんだよな。
 ケイレブですら「え、そんな薄い理由で?」なのに、個人的なことはなにも描かれていないジムとカズノに至っては、意味わかんない。
 「怒れよ男なら」って、あのー、相手マフィアですよ? 赤の他人(ハリエット@あんりちゃんに至っては、会ったことすらない)のために、怒って命を懸けるの??
 守りたいモノが自分の矜持であれ、銃社会でわたしたち以上にマフィアの脅威は理解してるだろうに、何故そうまでうすっぺらく決意できるのか。

 マサツカせんせ、雑だわ。
 ジムとカズノもケイレブ@ちぎと共に行動する、という都合が先に決まっていて、そのための理屈すらこねずにとして動かしただけみたいね。
 そんな「頭数合わせ」でしかないキャラなら、出さなくていいのに。
 いや、頭数にもなってないのよ。

 ジムは腕をケガしているのに、ひとりボートに乗って夜の海にいるし。
 モーターボートだとしても、まだ痛みのある包帯姿で、片腕で操縦してるの? ケイレブどんだけ鬼畜?
 操縦する人を雇ったの? マフィアとの戦いに、他人巻き込んだの?
 刑事ふたりは会場入りする必要があるけど、カズノはジムと同行させるべきだったんじゃあ? それじゃポーリーン@くらっちと再会できなくて困るからダメだったんだろうけど。ケガ人にボート操縦ってひどいなと。雑だなと。

 カズノにはほんと、ポーリーンとのくだりは必須だと思うの。
 だって、彼にはそれ以外、個人のエピソードがないから。

 「いてもいなくてもいい役」で、それでもモブと区別させる部分、ってのは、個人的な愛憎が描かれるかどうかなの。
 この物語には、ケイレブとイヴォンヌ@みゆちゃんしか、愛憎が描かれていない。
 他のキャラクタはすべて、「状況説明」があるだけだ。

 ストーリー上必要な情報を伝えているだけで、個人的な愛憎はない。
 マクシミリアン@れいこはアデル@あゆみとつきあっていたけれどウザくなって殺した……というだけで、今現在の彼が「愛してる」と女を抱き寄せるエピソードはない。真の愛憎は描かれていない。
 ライアンにはキャスリンという恋人がいる、という情報はあるけれど、ライアンがそのキャスリンとデートしている場面はない。

 カメラはケイレブとイヴォンヌだけを追っていて、他のキャラクタはすべて「出来事」が画面の端に映るのみだ。

 そんななか、ジムだけが唯一「レイラ」という恋人との関係を描かれている。
 ジムにカメラが向けられる時間があるの。
 それが、ジムがモブではない、というただひとつの証明。救い。

 ほんとレイラには感謝よー。この子がいなかったら、マジでジムはモブと変わらないもん、演出手法的に。

 それと同じ意味で、カズノのポーリーンとの出会いは必要。これがなかったら、カズノも完全モブだもの。

 マサツカェ……。

 ジムと違ってカズノは街の不良少年上がりかなあ。腕っ節も強そうだね。
 ジムは元弁護士とか、お堅い職だったのに、「子どもの頃から探偵に憧れてたんだ」とかで、誘いがあったから前職捨てて探偵事務所開いちゃった、優秀(クラス委員レベル)だけどちょっと残念な人、に見える。

 「あの戦争」で誇り高く強靱に闘い抜いた戦士ケイレブとは別の世界の、ふつーの人たち。
 だけど、この世界でしあわせになれるのは、ジムみたいな平凡な人なんだろうなと思う。カズノも調子よく生きていきそう。

 ケイレブはこれからも貧乏くじ引き続けるような、損な生き方をするんだろう。
 ソレこそがマサツカのこだわり、ロマンなんだろうなと思いつつ。
 だからこそジムには興味ないんだろうなっていうか。
 カズノも「いつもの咲ちゃんの役」止まりなんだろうなっていうか。

 演出家の趣味が全開に出ていて、あきれるというか苦笑いというか、でもそーゆーとこも含めてハリーワールド好きだなというか。

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